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ステップ8:YouTubeの基本的なタイムライン
インターネットはインスタントな結果を与えてくれます。ググれば、数秒で答えが見つかる。反作用とでもいうべきか、おかげで人は我慢強さを失いました。もう、遅いものには耐えられない。インターネットの前から、もともと人は我慢強くなかったのかもしれないけど、インターネット以後の時代はいよいよ、我慢することを忘れました。僕も、YouTubeを見るときは、最初の数秒で続きを見るかどうかを決めてしまいます。逆にいうと、クリエイターは、最初の数秒にエネルギーを注がなきゃ、視聴者に見てもらえないということです。
インターネットマーケティングが発達し、動画ビジネスが盛り上がり、様々なビデオフォーマットが生み出されました。例えば、YouTuberがよく使うビデオのフォーマットはこうです。
1. Intro
まず、最初の数秒、数十秒で、お客さんを引きつけます。まるで小説家が最初の一行にありったけの才能を注ぐように。YouTubeであれば、常にサイドバーに別の動画の候補が表示されています。ワンクリックであなたの動画の再生をやめ、別の動画を見ることができるんです。忘れないように。多くのYouTuberは、最初の数秒間にその動画で最も面白いシーンを見せたり、顔出しでカメラに向かってつかみを挿入したりします。続きを見たい!という気持ちにさせるんですね。ちなみにIntroの後に、ブランディングカードを入れる人もいます。
料理動画であれば、顔出しでカメラに向かって料理の概要を話したり、シズル感の出ているシーンを切り取って見せることができます。
2. Demo
本編動画です。ハウツー系であれば、具体的なやり方を見せます。料理動画であれば、レシピにまつわるストーリーを語ったりするのも面白いですね。あなたの失敗を伝えてもいいし、うまくやるコツがあれば教えてあげましょう。
3. Outro
マーケティングの世界ではCTA(Call to Action)なんて言われたりもします。再生してくれた人に具体的な行動を促します。僕が思う、効果的なCall to Actionを順番に並べてみます。
- チャンネルの登録をお願いします
- メルマガの登録をお願いします
- 別のビデオを見てください
- XXに関してどう思う?コメントをください
- 面白いと思ったら高評価お願いします
- 友達にシェアしてください
ビジネスでYouTubeを使う理由は1つしかありません。リストを取るためです。リードジェネレーションです。あなたが広告収入で生きているYouTuberでない限り、YouTubeから得られる収益を最大化しようと考えてはいけません。とはいえ、ある程度のチャンネル登録者数がいなければYouTubeを使う意味がありませんから、少なくともチャンネル登録者が1万人を超えるまでは、Call To Actionはチャンネル登録のお願いでいいと思います。逆に、1万人を超えるチャンネル登録者がいる場合、リスト取りをしてもいいかもしれません。そういえば、ホリエモンチャンネルもメルマガの登録をCTAに設定していますね。(3)以降の施策は、あんまり意味がないと僕は思います。
ステップ9:Udemyの基本的なタイムライン
未だかつて、これほど人々が動画に関心を持ったことはないでしょう。YouTubeの存在です。そういう意味では、YouTubeほど「どうやって人々の注意を引き続けるか?」について研究している分野はないと言えそうです。Googleもそうだし、YouTuberもそう。みんないかに注意を引くか考え続けている。だからYouTubeに最適化された動画のフォーマットこそ、その時代で最も注意を引き続けられる動画のフォーマットかもしれません。そうであれば、ステップ8で紹介した、Intro・Demo・Ontroのタイムラインがベストではないでしょうか?
IntroとDemoは一緒です。最初に注意を引いて、Demoで本編を見せる。問題はCTAですよ。
UdemyのCall to Actionはどうする?
Udemyの場合、別のコースを購入してくださいと言っちゃ駄目です。じゃあどんなCTAが考えられるでしょうか?
1. 質問を促す
Udemyのトップクリエイターがやっているのは、質問を促すことです。きっと、彼らは気づいているんです。ディスカッションの盛んなコースは、Udemyのアルゴリズムが高い評価を与えると。アルゴリズムが評価したコースは、露出が増えてオーガニック売上が伸びます。
2. 次の動画の視聴を促す
以前、インデックスファンドに関するベストセラーコースを見ているときに、講師は次の3点を繰り返していることに気づきました。
- 次のコースのアウトライン + Bye for now
- 次のコースのアウトライン + See you next
- 次のコースのアウトライン + See you in next lesson
これを聞くと安心するっていうか、次をみようって気持ちになります。次のコースのティーザーが入るんですね。次、それ学べるなら、続けて見るよって思いませんか?これ、視聴時間を伸ばすことに成功していますよね。やはりアルゴリズムは高評価を与えます。
ステップ10:ストーリーを埋め込む
僕たちは、基本のIntro > Demo > Outroを、少しずつ洗練させ、今のスタイルに落ち着いています。今のスタイルはこうです。
1. Intro
まず最初に料理名を読み上げます。次にナレーションでは料理の紹介をします。この間、ティーザーを見せます。
その動画の最も迫力ある部分を数カット見せます。例えば、トマト缶を熱いスキレットに注ぎ「じゅー」とか「ジュルジュルルルル」みたいなシズル感の出ているシーンを見せたり、あるいはカラフルなスパイスの中から2つ3つを取り出すシーンを見せたり。
2. Demo
料理の手順を紹介します。材料の分量や、野菜のカット方法などを紹介します。
3. Outtakes
この講師のアウトテイクを見たい!と思わせるような工夫をしています。それはトラベル動画であったり、ビハインドシーンであったり、ボツカットであったり。
アウトテイクとは、映画や音楽で最終編集のなされた完全版で使われなかったシーンやショットを指す。wikiより
宮古島のとある海辺で、カレーを作りました。むちゃくちゃ美味しかったです。1歳の子供にスプーンで上げた時、彼には熱すぎたのでしょうか、すぐにカレーをぺって吐き出してしまいました。
そのシーンが面白かったので、アウトテイクとして動画の最後に挿入したところ、好評でした。YouTubeではこんなコメントをもらいました。
Wonderful filming and sound. Recipe looks delicious. Loved the ending. 🙂
僕らは料理を心の底から楽しんでいます。でもミシュランで星をもらうシェフではありません。料理のプロと味で勝負しては、たぶん勝てないでしょう。YouTubeやUdemyにはたくさんの料理動画があります。僕たちが僕たちたらしめるのは、ストーリーです。僕たちならではのユニークさ(それは旅行であり、それはアジア人であり、それは僕たちの生き方であります)を動画のOutroに挿入することで受講生のリテンションが高くなればいいなあと願っています。
ステップ11:スクリプトの作り方
絵コンテを作りましょう。僕らは趣味でアニメを作ったりします。絵コンテに下手くそな絵を書いて、スクリプトを書き込み、それを声優さんに読み上げてもらいます。そのボイスオーバーを元にしてイラストレーターでイラストを作り、After Effectsでアニメーションを作ります。
どんな動画も最初に絵コンテを作る必要があります。英語ではストーリーボードと呼ばれるものですね。とはいえ、料理動画のために毎回、絵コンテを作るのはしんどいです。もし絵コンテを作らなきゃいけないのなら、料理がビジネスライクになってしまい、料理そのものを心から楽しめないようになるでしょう。あなたがYouTubeやUdemyで、料理動画の嬢王(あるいは帝王)になりたいのであれば、絵コンテを作ってもいいかもしれません。そうでなければ、手抜きのストーリーボードでOKです。
1. 材料と手順をラフに書き出す
僕たちは、まず工程を紙に書き出します。料理中にみる、チートシートとしても使えます。作業をスムーズにする役割もあります。書くことで、次にやることがイメージしやすいんですね。
材料と手順を、ラフに書きます。すごいラフでしょ。
2. 撮影する
普通、撮影する前に絵コンテが必要です。僕たちの場合は、撮影しながら絵コンテを考えます。ある人は、文字だけの絵コンテを用意します。僕たちは撮影前に絵コンテを作りません。もし絵コンテを作りたければ「ストーリーボード テンプレート」と検索してダウンロードしてみてください。そこに書き込むんです。コンポジションとアングル(=ショット)と、ナレーションを。
なぜ僕たちは絵コンテを用意しないか。1つは絵が上手じゃないから。もう1つはサステナブルではないから。このスタイルが一番続けやすいからです。
3. PagesでeBookを作る
清書をします。作っている最中に、ミスしてしまったところや、難しいと思った点をスクリプトに書き込んでいきます。このスクリプトはそのままブログの記事になったり、UdemyのeBookになったりします。再利用なコンテンツなんですね。
UPDATED!:絵コンテを作る
新しい動画では絵コンテを作るようにしています。もっと凝った動画を作りたいと思ったからです。僕たちの絵コンテはこんな感じです。参考まで。
スクリプト(脚本)、料理の工程、カメラのアングルの3つだけを書いたシンプルなものです。(ダウンロードはこちら)
ステップ12:ボイスオーバーを録音する
子供が寝静まった夜、あるいは子供がまだ寝ている朝早く。布団から出て、シャワーを浴びます。USBコンデンサーマイクをPCに差し込み、ステップ11で作ったスクリプトを読み上げます。Cooking Procedureの部分ですね。Camtasia / ScreenFlowを使って、録音開始。Audio Onlyで、音声だけを書き出します。
編集の際に、ボイスオーバーを-6から-12dbに収まるようにコントロールします。ただし音割れは厳禁。修正不能です。ノイズと同じくらい、音割れの声って不快に感じられます。だからボイスオーバーを録音するときは、音割れしていないかどうかしっかりと確認してくださいね。
以下が、Salsa Rojaのスクリプトです。
- The process of making salsa roja will be much easier if you have a food processor, blender or mixer which you can use to puree the jalapeño pepper, onion and garlic. If you want to do it manually, then start by mincing a small piece of deseeded jalapeño pepper finely then grate a piece of onion and three garlic cloves.
- In a pan, add the diced canned tomatoes which is about 400 grams, the minced jalapeño, and the grated onion and garlic. Add half a teaspoon of coriander powder then add some salt and oregano. Add a few drops of olive oil then turn on the heat to medium. Mix the ingredients well then bring it to simmer.
- Once it simmers, reduce the heat to low then cook uncovered then wait until the sauce is reduced in half stirring occasionally. Before turning off the heat, adjust the taste with salt and dried oregano.