GREEの田中さんか、楽天の三木谷さんだったかよく覚えてない所が失礼なんだけど、とにかくある日本の起業家が
「世界の優良企業、たとえばアップルやGoogleなどは世界中から優秀な人材を集めている。なぜサムスンにソニーが負けたか?それはサムスンがLGを引き離す韓国内ぶっちぎりの企業だからです。いやソニーは松下やSANYOと並ぶ日本国内の競合の1つにしか過ぎないからとも言えます。日本国内で争っている場合はではありません。優秀な人材を国内で分け合っている場合じゃないのです。(日本国内の)優秀な人材の一点投下をしてみても、海外の優良企業に勝てるかどうかはわかりません。それでも僕は経済・日本代表みたいなものを作ってみたい。サッカー日本代表と同じように」
って言っていたのを覚えている。
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ヒネクレ者の僕は
それを見てヒネクレ者の僕は「最初から世界で求人すればいいじゃん」って思ってしまった。だから英語を勉強したと言っても過言じゃない。英語ができればイチイチ日本人にアプローチしなくても、海外の優秀な人材をhiringできる。
たしかに僕がアメリカの大学にいた頃、コンピューターサイエンス学部の学生はみんな優秀だった。学内メーリスにはいつも初任給4000ドル以上の求人が毎週のように流れ、その枠も実際ダブついていた。
うん、全部埋まらないんだね。初任給40万円でもみんなスルーする。みんなもっと高い給料を狙って、自ら企業にアプライしたり、或いは自分の生き甲斐と照らし合わせてマッチしている求人がメーリスに流れてくるのを虎視眈々と待っていた。
韓国人が振る舞うソジュ
じゃあそんな優秀な彼らは普段何をしているかと言えば、暇そうにラボでゲームを作っている。暇そうと言えば悪いけど、その優秀な才能を活かしきれていないとしか思わなかった。優秀な人材がこぞって暇そうにしながら、韓国人が定期的に開くコリアンパーティに出かけ、韓国人が振る舞うソジュで酔っぱらっているのが常だった。
僕はいつも「うわー、マネタイズする能力があったらすぐに金持ちになれるのに・・・」半ばリクルートしたい気持ちを抑えて、本業の学問に専念していた。
サーバー保守担当の有能なプログラマーが講演にやってきた
こんなこと言うと「彼らはパッションで動いている」と反論するプログラマーもいるかもしれない。確かに一部はそう。でも大半は金銭的モチベーションで彼らの学部を選んでいた。シスコグループからサーバー保守担当の有能なプログラマーが講演にやってきて(とは言ってもCSIS458の12人の生徒のためだけに)、学生からの質問にこう答えていた。
学生:「どうして今の会社を選び、そのプロジェクトに参加したのですか?」
天才プログラマー:「monetary stuff」
マネタリースタッフって、つまり金銭的モチベーションのこと。「monetary stuff」って言い放ったあとに、アメリカのベストセラー「outlier」のマタイの法則を紹介してくれた。僕はマルコムグラッドウェルの大ファンなので、まさか他の人の口からoutlierの紹介が出るとは思ってもおらず、ちょっと嬉しかった。
自分が好きかどうかはその意味で重要だね
天才プログラマー:「これからキャリアを作っていくと思うけど、まずは10000時間の法則を信じたらいい。どんな偉大な人物もこのマタイの法則に則って偉大になった。サンのビルジョイもそう。マイクロソフトのビルゲイツもそう。アップルのスティーブジョブスもそう。自分が好きかどうかはその意味で重要だね。10000時間も投下するには好きじゃないと達成できないから」
と、きっぱり言いきってくれた。中流出身の優秀な学生が揃う州立大学では、学生の大半のモチベーションはマネタリースタッフ(金銭的動機)と考えて、ほぼ間違いない。みんな春と秋の長期休暇になればアルバイトをする。もちろんアメリカ人だけじゃない。僕がいたCSIS441(人工知能)のクラスは大学院生合わせて9人しかいなかったけど、韓国人が1人、日本人の僕が1人、中国人が1人、トルコ人が1人、エルサルバドル人が1人あとはアメリカ人で構成されていた。
いつか近いうちに一緒に起業したい
もちろん彼らは優秀な企業に吸収されていくんだろうけど(僕を除いて)、CSIS441にいた感想は「とにかくアメリカには優秀な人材が揃っている」ということで、さらに「彼らはこっちが一声かければ絶対に仲間にできる」ということだ。実際にエルサルバドル人のNimiusはManulifeというカナダの大手保険会社に席を置きながら、虎視眈々と起業の準備を始めている。彼はいつも僕に言ってくれた。「いつか近いうちに一緒にRikiyaと起業してエルサルバドルとメキシコに招待したい。あの2つは世界トップ2の国だ」と。
それもこれも、僕が冗談で、「将来一緒に起業しようぜ。JVでいい。お互いがお互いの企業を持ち、JV(ジョイントベンチャー)という形で技術を交換するんだ」と言ったのが始まりだった。
韓国人のJayもIBMで職を得た
韓国人のJayもそこにいた一人だ。彼は今、南カリフォルニア大学の大学院生を卒業してIBMで職を得た。そんな彼も「早くIBMをやめて、Rikiyaと一緒になにか面白いことできたらいいな」と言ってくれている。
アメリカには優秀な人材が暇をしている。そう、みんな暇なんだ。一声かければ、面白いことができる。あとはタイミングと英語力だ。僕はアメリカでそう確信した。
そんな意味で僕は英語を更に磨く圧倒的なモチベーションを得たのだけど、近年になって、その努力が水の泡かほぼそれ同等になりつつあることに気づき始めてしまった。続きは次回。
文責:石崎力也
書くのにかかった時間:25分
追伸:僕の好きなマルコムグラッドウェルの書籍を紹介する(全部ベストセラーなんだな!)
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