どうも、石崎です。
日本にいても海外にいてもいつもトンカツを求めてしまうんですが、ご多分に漏れず今日もトンカツ屋(日本食屋さん)さんを深夜徘徊の後、見つけて食べてきました。
日本だったらオーディオブックを聞きながら夜散歩することになんのリスクもないですけど、海外だったら誘拐されるかもしれない、恐喝されるかもしれない、果ては殺されるかもしれないってリスクがありますよね。でも、僕、もうそういういいです。殺されないって決め込んで生きていかないことには、自分の好きを貫けないんです。
大学生の時から貫いてきた(?)、というか好きで続けてきた深夜徘徊withオーディオブック。なんか耳勉とか言われているらしいですけど、別に僕はオーディオブックで勉強しようなんて気はさらさらないんです。
ほら、夜散歩してたら風が気持ち良いでしょ。ましてや東南アジアなら半袖半ズボンで歩き回れるから、こんな自由を感じられる瞬間はなかなかないですよ。もちろんマラリア対策のためにレペラントを肌に塗りたくって外に出るんですけど。
で、気持いい風に当っているとすごいクリエイティブになれるんです。太陽が消えて闇が風景を消し去ってくれるから、視野には邪魔が入りません。更に追い討ちをかけるようにオーディオブックからの着想。
・・・ってこんな説明しても伝わんないですよね。とにかくさっきまでブラブラしながら海外サイトのaudibleで購入したオーディオブックを聞いていました。そして運良く、生きて部屋に帰ってくることができました。
今日話したいのは「見えない差異は差異じゃない」って話。
ニコニコ動画でたまたまた見つけた日産の「1/1000秒の技術シリーズ」って動画があるんですけど、このキャッチコピーが始まったのがだいたい1990年代ですよね。石崎はこの時、まだまだ若かりし少年でした。まあ今も若いですけど。
これ >>> http://www.nicovideo.jp/watch/sm14315130
どんな経営雑誌を読んでも、この時期(1990年代)の日産って経営成績が最悪だってことが分かります。で、ヒーローのカルロスゴーンが現れた・・・ってオチを何回見たことか。確かにゴーンさんがトップに着任してから日産は業績を回復させたのは事実ですが。
でね、この動画見てて思ったんですよね。1/100とか1/1000とかどーでもいいじゃん、って。未だに日本は加工貿易の国だって教科書的な理解をしている人がいますけど、そんなのとっくの前に終わってますからね。日本が技術の国だって言う人もいるけど、技術があるならアップルにもサムソンにも負けなかったでしょーに。
でもこの時代は、まだ日本が技術を誇れる時代でした。だから日産は、他の会社は1/100秒の違いを追求しますけど、私たちは1/1000秒を追求できるほど技術力がありますよーってCMで謳ったんですね。
うーん。確かにコピーはキャッチーなんですけど、でもなー。よくよく考えると、1/1000秒なんて人間の体感レベルでは差異として感じられないですよねー。
(ここら辺から、やっぱり日産の方向性が間違っていたんだなーって思うわけです)
結局、ゴーンさんがトップになってからやったのはコストカットとラインナップ重複を消すことで、1/1000秒の違いを生み出そうとして費やした無駄なコストと、それによって生まれた重複した商品をなくしちゃいました。で、V字回復。
海外にいるとこういうのよーく見るんです。
まず第一の気づくのはビックリするくらいのコモディティ化。
日本に帰国してから大阪梅田のヨドバシにふらっと寄ったんですけど、なんですか、この異ブランド・同一商品の数々は!(笑)
だいたいは奥さんに頼むんですが、もし僕自身で家電製品を揃えて下さいって言われたら、僕絶対に決めれません。だって全部、一緒ですもん。エアコン、冷蔵庫、洗濯機、どれも価格帯は一緒、機能も一緒、カラーバリエーションも一緒。
違いがあるとしたら、本当にどーでもいいような機能ばっかり。たとえばスマフォアプリから冷蔵庫の温度変えたりとか。(なんに使うん?)
でも驚くなかれ。まだ細微な違いがあるだけ日本はマシです。海外にいると、2m離れた露天商が全く同じ、食べ物、飴、ジュースを売っています。たとえば韓国最大のストリート、明洞に行けば分かりますが、とにかく右を見ても左を見ても同じスマフォアクセサリーが所狭しと並んでいます。ぜーんぶ、一緒。もちろんスマフォアクセだけじゃなく、化粧品、衣類、食品なんかも、まったく一緒。
このコモディティ化の流れは止められませんね、どう考えても。日本もそうだけど、いわんや東南アジアをやってね。
第二に無意味な差別化。
お店の店主も自分たちがコモディティ化しているのは重々承知でして、なんらかの差別化ポイントを見いだそうとは努力しているんです。
でもその努力の方向性がいまいち。まさに日産の1/1000秒の技術と同じように、消費者である人間が認知できないような差異ばかりを全面に押し出している。
たとえば、ポケットティッシュのサイズに違いを見いだしている会社とか。意味ねーじゃん。ティッシュで大事なのは、その肌触りのよさでしょって日本人ならみーんな知っているけど、海外の人はサイズで勝負してる。(笑)
料理、商品の品揃えで勝負したりとか。メニューのレパートリーが腐るほどある、みたいな。この前、パタヤビーチのシーフードれすとらんで辞書みたいなメニュー渡されて本当にビビりました。でもねーそこで勝負してもねーって。ライバル店が85品あればうちは100品は出せるように頑張ろうとか・・・。そんなの、一緒だって。(笑)
みたいなことは多々あるわけです。
でも、笑っちゃいられませんよ。
行く先が見えず、努力の方向性を日本人全員が見失い、取り敢えず資格とっておこーみたいな、はっきり申し上げまして無駄な勉強ブームが起こりつつある現代において、唯一分かっていることは、これから日本はますますグローバル化の波に飲まれていくってことです。
グローバル化が進めば、僕たち「人間」すらも市場で値踏みされ、容赦なくその時下価値が算出される時代がやってきました。(はい、石崎は20万円ね、みたいな時代)
だいたい日本人の年収って300万円〜400万円に収束しているんですが、でもこれ今からばらけ始めますよ。だって英語喋れるインド人のプログラマーと英語喋れないけど自己分析が上手いみたいな日本人が同じ土俵で戦う必要があるわけですし。(どう考えても、新卒生に多いこーゆータイプはほぼ無価値になる運命です)
でね、そーいった自己分析とか、資格とか、他の人から見ても差異だと認識されないようなものは、差異とは言えないし、当然差別化が働きません。
もしあなたが社長で、TOEIC600の人とTOEIC700の人だったらどっちを選びますか?
僕だったら選べませんよ。だってTOEIC600とTOEIC700なんて差異じゃないですから。もっと言うなら、たとえTOEIC900を持っていたとしても、うちの会社でどうその資格を生かしてもらえればいいかが分かりませんから、やはり選べません。やっぱり資格なんてのは差異として生きてこないんです。
でも、喋ってみてって言って、目の前でたどたどしくも内容のある英語を10分程喋ったら、そりゃ差異だと思います。TOEIC900を持っている人なんかよりも、明らかに目に見える英語を話せる人を採用するでしょう。
あとは、みんな自己分析とかやっているけど、あれも無意味ですよね。同じ日本で生きて、同じテレビを見て、同じような人種とだけ付き合っていれば違いなんて生まれませんもの。自己分析したって、分かるのは「自分は他の人と一緒」という事実だけです。
自己分析の結果をどう上塗りしようが、そこで生まれた差異なんて、資本主義下では全く意味を為しません。
そもそも資格なんかで人と差をつけよーって思う、その発想自体が既にコモディティ化が始まっている予兆で、近所のA君、友人のB君、スタバでいつも見かけるCさんと、%%name%%さんが同じ人間である公算が高いです。
市場におけるコモディティ化を避けるために他の人と差別化したかったら、相手が一瞬で分かる差異を作る必要があります。
努力することで他人と差異を作ることは最後は結局、消耗戦に入っていくのでオススメしませんが、それでも自分の唯一の才能は努力と根性だと思う人は、他人が見て「あ、これは死ぬほど努力しないと出ない結果だな」ってことが一目瞭然となるように準備しておかねばなりません。
スキルをつけるにしても、どのレベルにまで到達すればその他大勢と一瞬にして見分けがつくようになるかを考えて自分のレベルアップに励む必要があります。さらに、どうやってその類似のスキルを持つ人たちと差別化できるかも考えねばならないかもしれません。
残念ながら、世界旅行をしたって言ってもなんの差別化にもなっていないし、口うるさいようですけど、そんな簡単なことで差別化しようっていう発想自体が終わっています。
旅をすることで他人との差異は生まれませんが、旅をすることで差異の作り方が分かるようになってきます。
「何を」「どのレベルまで」持っていければ、明らかに人と違うってことを世に証明できるか。もちろん世に証明するだけではなく、実際にアウトプットを通して、他人との差異を見せつける必要があります。
「何を」「どのレベルまで」をしっかりと考えて行動しましょう。旅はそれを教えてくれる良い機会ですぜ。(たぶん)
え、僕(石崎)が他人と違うポイントは何か、って?
・・・
さっきタイピング速度を測定したら、4.2key/秒で10000人中4126位でした。これって差別化できていますよね?
うーん、あとは生き方とかかな。生き方のレベルで差別化している感じはある。Facebookとかしてないし。(笑)