今回お届けするノウハウはこちら
- ステップ16:パレートの法則
- ステップ17:Udemy SEO の攻略方法(アクセスアップの秘密)
- ステップ18:受講生の中だるみを防ぎ最後まで視聴してもらう戦略
- ステップ19:Udemyでリストを収集する方法
- ステップ20:コースの概要を作る
- ステップ21:外部リソースを利用してレクチャーのアイディアを広げる
- ステップ22:Udemyで大事なことは全てシンガポール航空から学んだ
- ステップ23:Udemyコースのアウトラインを完成させる
- ステップ24:Udemyで質の高い動画レクチャーを作る方法
- ステップ25:レクチャーのフォーマットを決定する
- ステップ26:突き抜けたプレゼン資料(Keynote スライド)を作る方法
- ステップ27:一眼レフで撮影するビデオの作り方
- ステップ28:石崎力也はいかにUdemyのコースを作っているか?
- ステップ29:Envato Elementsのテンプレートを利用する
- ステップ30:コースの締め(最終セクション)はどうするか?
- ステップ31:効率良くハイクオリティなコースを作成する方法
ステップ16:パレートの法則
ご存知の通り、世の中の多くの事象がパレートの法則に支配されています。世界の富の8割は、2割のリッチマンによって生み出されており、残りの2割の富を8割の貧しい人たちが分け合っています。Udemyでマーケティングをする際も、常にこの法則を頭に置いておくべし。きっとあなたが知っている8割の施策は意味がないものです。僕がお伝えするのは2割の意味があるマーケティング施策です。逆にいうと、ここで紹介されているマーケティング施策以外は全部偽物だということになります。
実はさらに重要な秘密があるんです、マーケティングに関して。本邦初公開の内容をお伝えします。それは、パレートの法則のパレートの法則です。ペリーマーシャルが書いた80/20 Sales & Marketingという本があります。僕がちょうどアメリカ留学している時に、この本が出版されました。近くのモールに、エルサルバドル人のネミスと言って、この本を購入しました。真に効果のあるマーケティングメソッドは、パレートの法則のパレートの法則であると。
つまりこういうこと。2割のマーケティングメソッドが、8割の売上に貢献しているわけです。さらに、この2割の中の2割、たったの4%が、全体の8割の8割、つまり64%の売上に貢献していると。
4%のインプットが64%のアウトプットを生んでいる
で、僕は思ったわけです。もし仮に売上がほぼ半減してもいいのであれば、働く時間を4/100に圧縮できると。だって4%の労働が64%の年収に貢献しているわけですから。これって悪魔の囁きですよね。ちなみに僕はこの悪魔との取引に応じました。年収を大きく減じたとしても、労働時間がほぼゼロになるなら・・・この甘い魅惑のオファーに、僕はとうとう魂を売ってしまった。
振り返って、我ながら良い取引をしたなと。今はこうやって週に4時間だけ働いて、Udemyからは$6720の副収入があるのですから。確かに全体的には売上は大きく減りました。でも後悔していません。お金よりも大事な時間を手に入れたのですから。
僕は冷静になって考えました。うちの売上の64%はどこから生まれているのだろうかと。この図を見てください。
そうオーガニックの売上です。これだ!と目がさめる思いでした。オーガニックの売上こそが「パレートのパレート」でした。
あるUdemy講師はこう言うかもしれません。Promotional Annoucementを送りなさいと。確かにPAは即金です。売上のほぼ100%が収益に計上される。でもそれはその他96%の非生産的な活動であり、36%の売上にしか貢献していない些細なプロモーションなのです。見てください、上の図。総収益が$6720に対し、講師のプロモーションによる売上は$685です。PAを配信するには、しっかりとしたセールスライティングの訓練を受ける必要があります。その学習コスト、あなたは払えますか?
あるUdemy講師はこう言うかもしれません。ブログを書きなさいと。断言します。今からブログを始める?もう遅いです。世の中には1000文字を400円で引き受ける、下請けライターがたくさんいるんです。彼らは図書館に籠り、調べ物をしながらちゃんとした記事を仕上げます。そう言った記事がGoogle上にはごまんとある。あなたがブログを書いたところで、検索エンジンから見つけられる確率はほぼ皆無です。それもやはり96%の非生産的な活動です。
あるUdemy講師はこう言うかもしれません。YouTubeでチャンネル登録者数を増やしなさいと。これもブログと同様、もう遅いです。YouTuberは子どものなりたい職業にランクしています。実際に10代の若者がこぞってYouTubeに参入して、彼らの若い感性を利用した超面白いコンテンツがたくさんアップロードされています。僕のようなおっさんが、今からYouTubeに参入して「はい、どーも!石崎です。今日は・・・」とカメラの前で喋っても痛いだけです。
僕がお伝えするのは、8割のさらに8割の売上に貢献する4割のさらに4割のノウハウです。それはつまり、僕が週に4時間だけやっている活動そのものです。見てください、この図をもう一度、別の角度から。どの色が最も目立っていますか?それはあなたのプロモーションでもないし、アフィリエイトプログラムでもないし、広告プログラムでもありません。Udemyオーガニックです。Udemyオーガニックからの売上を最大化する前に、ブログを書いたり、アフィリエイターを集めたり、プロモーション活動をしても意味がないってことです。
4割の4割のノウハウ。全体の64%に貢献している、たったの4%の究極のノウハウです。これを言葉にするとこうなります。
Udemyオーガニックの売上 = アクセス × コンバージョン
これにつきます。Udemyオーガニックの売上を最大化するには、Udemyでの露出を増やす必要があります。Udemyでどれだけ検索しても出てこないコースは、死に筋コースです。逆に検索して上位に表示されるコースや、オススメに表示されるコースは、放っておいてもどんどんと売れていきます。
さらに売上を伸ばすためにはアクセスあたりの成約率を伸ばす必要があります。僕らがやるべきことをまとめると、まずUdemyのアルゴリズムを理解して、特定のキーワードで検索された時にコースが上位表示されるようにする。次に、コピーライティングの基本的な原則を学びそれをセールスページに当てはめる。そうすることでページビューあたりのコンバージョンが良くなり、もっと多くの商品が売れるようになります。
僕たちはUdemyのアルゴリズムを理解して、このアルゴリズムに好かれるよう活動を最適化する必要があります。月収$6720を稼ぐために週に100時間も働く必要はありません。なぜなら売上の64%は、100時間働いたうちの4時間からしか生まれていないのですから。そう、僕が毎週土曜日の午前中にやっていることは、Udemyオーガニックの売上を伸ばすための活動であり、それはすなわち、アクセス数アップと、成約率のアップだったのです。
ステップ17:Udemy SEO の攻略方法(アクセスアップの秘密)
まずカテゴリーいきますよね。次にサブカテゴリーにいきます。そこに表示される一覧のコースが、多くのアクセスを集めているコースです。この第1ページ目にどう表示させるかが一つの鍵となります。あるいは特定のキーワードで検索した時に1ページ目に表示されるか。ここも一つの鍵です。これら2つをまとめて Udemy SEO と呼ぶことにしましょう。Udemy SEOを構成するのは次の項目です(あくまでも経験則です)。
レビュー
英語圏のコースを受講したらすぐにわかるんですけど、セクション1のかなり早い段階で(最近はレクチャー#4あたり)でコースのレビューをお願いしています。「こんにちは、トムです。あなたが5つ星をつけてくれると嬉しいけど、仮に5つ星をつけられない場合は、その理由を教えてください。次のお客さんが5つ星をつけてくれるようにすぐにコースを改善します」と。
これ、結構悪どいんですけど「5つ星」を何度も連呼して、お客さんの頭の中に5つ星をアンカリングしているんですよね。これはiPhoneなどのApp Storeでよく使われている手法です。App Storeもやはりレビューを重要視しますから、Udemyとは比べ物にならないくらい競争が過熱しているアプリ市場では、こういった少しEvilなメソッドが育まれるんです。笑
あなたもセクションの早い段階でレビューのお願いをしましょう。5つ星をもらえなくてもOKです。ダメな点を指摘してくれるんだから、こんなハッピーなことはないでしょう。改善すればさらにいいコースになるんだから。
コンテンツ
コンテンツが良ければ、レビューは高くなります。それだけでなく、僕たちが知り得ないUdemyのアルゴリズムにもなんらかの好影響を与えるんです。だから素晴らしいコンテンツを作ってください。Udemyのアルゴリズムが何を基準にしてコンテンツの良し悪しを判断しているかは僕にはわかりません。きっとUdemyの内部でも一部の人しか知らない情報なんじゃないかな。最近、知人がサイバーエージェントからGoogleに転職したんですけど、たぶん彼に「Googleが重要視しているSEOの項目を教えてよ」と聞いても、知っているわけがないし知っていても言わないよと回答されるのが関の山です。ただ良いコンテンツを作ると、受講生がなんらかの特定の行動を取り、その行動がアルゴリズムに好影響のシグナルとしてキャッチされるんだと思います。
コミットメント
YouTubeでいうリテンションですね。コースの場合は、動画が1つではなく複数あるので、当然、視聴時間はYouTubeとは比べ物にならないくらい長くなっています。とはいえ、Udemyはコース自体がすごい安いなので、買ったまま何も見ていないというケースもあるはずです。それを阻止しなきゃいけないんです。あるいはレクチャー#1やレクチャー#2を見ただけで飽きられてしまうコースを作ってはダメだということです。
1つはアクションプランなどを作成して、受講生のコミットメントを強める方法があります。もう1つは質問を促して、それに回答をすることでやはりコミットメントを強める手段があります。とはいえ、いずれも枝葉のノウハウ。木の幹の真ん中をずっしりと通るノウハウは、やはり「受講生が知りたいノウハウを、高品質な動画で提供する」に尽きます。
受講生が知りたいノウハウをちゃんと提供できているか。ここが重要です。ただただ講義時間が長くて、講義数が多いコースを作っても、受講生は最初の数レクチャーを視聴してすぐにクオリティを見抜きます。ああ、このコースを買ったの失敗したって。
高品質な動画・・・。できればスクリーンキャストではなく、一眼レフで撮影した動画の方がいいです。HubSpotのYouTubeチャンネルが参考になります。HubSpotはUdemyにもコースをリリースしているので、それを見てください。スッゲー、クールです。まああくまでもオプションですが、一眼レフは。作るのシンドイですよね。
毎回、講義の最後に質問を促すセンテンスを含めるといいです。
何か質問があったら、Udemyのダッシュボードか、あるいはダイレクトメッセージを送ってください。レクチャーのリクエストもOKです。確認次第、すぐにレクチャーを追加させていただきます。
初動売上
コースをローンチして最初の週でどのくらいのコースが売れるか、これ結構重要です。まず新着に掲載されますよね。それで様子を見て、売れないコースは、今度もたぶん売れることはないんです。だからUdemyも積極的にそのコースを売ろうとはしません。検索結果の後ろの方にそのコースを押しやります。だからこそコースをローンチしたらすぐに、Promotional Annoucementやメーリングリストを使って、最安値でコースをどんどん売るんです。そうやって初動売上の出たコースは、カテゴリー別のランキングで既存コースの横に食い込みます。これ、僕の経験上、最も効果のあった方法の1つです。
そういう意味で、新参者がUdemyのバックアップを受けずにコースを売るのはどんどん難しくなってます。US Udemyでは、比べ物にならないくらいたくさんのJVが行われています。10万の受講生を抱える講師とジョイントベンチャーすることで、彼らのリソースを利用できるからです。どのような契約が裏で交わされているかはわかりません。うちのケースでは、会員の方とは50:50か、60:40で収益を配分しています。僕が、売上の50%〜60%を受け取る代わりに、彼らの商品をプロモーションします。うちには2万のメーリングリストと、2万4000人の受講生がありますから、合計4万強の潜在顧客に対してコースをアナウンスすることができます。
成約率
Udemyはビジネスです。会社として利潤を追求しています。慈善活動ではないので、あんまりパッとしない講師を支援しようみたいなインセンティブは一切ありません。売れるコースを優先的に売る、これが基本です。僕もJVをするとき、売れなさそうなコースとはJVしません。「いや、そのコース売れないでしょ」って思ってしまう案件を持ち込まれても、対応できないんです。もちろん顧客属性が違うという点もあるでしょう。なんにせよ売れないコースとはJVしません。なぜなら僕もビジネスでやっているからです。
Udemyも同じです。売れるコースをどんどんプロモーションして利益を最大化したい。となると、Googleに広告費を払ってAdsを掲載したものの成約率が低いせいでお金を無駄にするのは是が非でも避けたい。変なサムネイル、変なプロモーション。変なコースタイトル、変な説明文、変なコース説明。気をてらったセンテンスを紡ぐのはあなたの自由ですが、それがコピーライティングの原則から離れている限り、成約率に繋がることはありません。売れているコースには、売れている理由があるわけです。
たまーに、見た瞬間に嫌悪感を抱いてしまうコースがあります。やばい、このコースは買っちゃいかん・・・みたいな。なぜかわかりませんが、日本版Udemyにそういうコースが多いです。例えば講師の写真が白黒で変顔だったり、コースタイトルが意味不明だったり、やる気がないような文章だったり。Udemyのセールスレターは、穴埋めで、書くべきことをしっかり書いたらちゃんとしたものが出来上がります。僕からできるアドバイスは、次の2つ。
- コピーライティングの基本原理を学ぶ
- わかりやすい文章でセールスページの空欄を埋める
ステップ18:受講生の中だるみを防ぎ最後まで視聴してもらう戦略
ステップ17でリテンションが大事だと言いました。最後まで見てもらえるコースは、きっとコンテンツが素晴らしく、価値があるコースなんです。Udemyのアルゴリズムのそれを好材料と見なし、あなたのコースを検索結果の上位に表示させることでしょう。一方、いくらコンテンツが素晴らしくとも、途中で中だるみが発生することも否めません。
根気よく受講生のモチベーションを維持し、可能な限り多くのレクチャーを消費してもらうことが重要です。そのために講師ができるいくつかの施策を紹介します。まず1つ目は、顔出しです。基本はスクリーンキャストで動画を作ると思いますが、定期的にあなたの顔を出して「はいさい!よくここまで来ましたね。あなたは偉いです」みたいなことを言うわけです。これでリテンションが上がります。うちのお客さんには「各セクションの最初と最後に顔出しレクチャーを入れてください」とお願いしています。セクションのはじめには「このノウハウを利用してベストセラー化したコースがいくつかあるので確かなメソッドです。
さらにコースをおおよそ4分割して、可能であれば顔出しをして、一眼レフカメラで身振り手振りを加えながら撮影したビデオを挿入します。ここではレビューのお願いしましょう。さらにボーナスとして、なにか受講生の喜ぶものを渡しましょう。こんな感じ。「ここまで頑張ってくれたあなたにプレゼントがあります。それはこの、ステップメールのテンプレートです。リソースからダウンロードできます・・・もしまだレビューをしていなかったらここからレビューをしてください。5つ星だと嬉しいけど・・・」と言った感じで。
最後に既出ネタですが、アクションプランです。オンラインコースの弱点はインボルブメントが小さい点です。受講生を巻き込むこめない。学校の授業であれば、先生から生徒に問題を出して「おい、石崎。この数学B オリジナルの134番、前に出て来て解いてみろ」とある程度のインタラクションを保てるんだけど、オンラインコースはそれができない。だからアクションプランやワークを挟んで、どんどん受講生の行動が促します。人には自分の行動を後付け的に肯定する心理的作用がありますから、一旦アクションプランの課題をこなしてしまうと、脳が「このコースは重要だ。僕は大事なことをやっていると」と自分を説得するようです(ロバートチャルディーニの「影響力の武器」を参考)。重要なコースだから最後まで見ようとします。途中で投げ出したら、なんか負け犬っぽいからな・・・と。それでリテンションを保ってもらうという魂胆です。
ステップ19:Udemyでリストを収集する方法
Udemyでは、講師が受講生の個人情報を取得するのを禁止しています。僕はUdemyにかなりのお金を稼がせてもらっているので、スタンスとしては「仲良くやりましょう」が基本です。Udemyがダメと言うことは絶対にやらない。規約に抵触するかどうかわからない微妙なことは、いちいちスタッフに聞いて、ダブルチェックした上で実行に移します。
唯一、講師に「自由にしていいよ」と与えられているのがボーナスレクチャー。ここでは、倫理的・法的に大丈夫なことであれば、なんでもやってもいい。例えば、自分の本を販売したり、コンサルを販売したり、顧問契約を受注したり。そしてリスト取りも許されています。
コンテンツアップグレードってご存知ですか?HubSpotがブログの中で使っている、もっともオプトイン率の高い手法です。つまり、リストの落ち具合が半端ないんです。これまでは、どんなブログ記事に対しても一律に一つのリストに見込み客を取り込んでいた。仮に「ダイエット」に関するブログ記事を書いていたとしても、サイドバーや記事直下では「ブログの更新通知が欲しければメールアドレスを登録してください」という、まあ僕だったら100%そんな人のメルマガは読まないだろうなっていうオファーをしている。コンテンツアップグレードは、ブログ記事に強く関連しているプレゼントをオファーする手法です。
アフィリエイトに関しての記事を書いたのであれば「eBook:成約率の高いアフィリエイト案件3つを無料で教えます」というプレゼントを用意してリスト取りをする。Udemyにもこのコンテンツアップグレードのアイディアを導入して、ボーナスレクチャーでのリスト取りを最適化しましょう。
もしあなたが「確定拠出年金」に関するコースを公開していたとする。ボーナスレクチャーではどんなコンテンツアップグレードをオファーすればいいでしょうか?僕ならこうします。
- このEメールコースでは7年で資産が倍になるオススメ銘柄を4本紹介します
もしあなたが「コピーライティング」に関するコースを公開していたとする。ボーナスレクチャーではどんなコンテンツアップグレードをオファーすればいいでしょうか?僕ならこうします。
- eBook:成約率13.8%を叩き出した古典的スワイプファイルのテンプレートを差し上げます
「メルマガに登録してください」とか「ブログの更新通知を受け取ってください」というお願いは、ダイレクトマーケティングの世界では、ゴミな方法論として認知されています。ダイレクトマーケターは、お客さんになんらかの行動をお願いするとき、それはオファーであるべしと強く信じています。オファーとはつまり、交換条件です。あなたは受講生から個人情報をもらう代わりに、価値ある何かを提供しなければいけない。それがもっとも効果的にあらわれるのがコンテンツアップグレードではないかと僕は思っています。少なくともここ数年間でもっともオプトイン率を高めた方法であることは間違いありません。
ステップ20:コースの概要を作る
現時点までであなたはたくさんのことを学びました。コースの作り方もわかった。一般的なマーケティングも理解した。Udemyのエコシステムも理解した。さて次です。いよいよコースの制作です。先に言っておくと、これを読んでいる人の5%ほどしかコースを制作できません。なぜなら、コース制作というのはそういうものだからです。
オンラインコースからしっかり収益を得たいと強く思っている人。副業でも本業でもちゃんとしたビジネスにしたいと考えている人。お金を稼ぐためには初期投資が必要だと理解している人。こういう人たちが初志貫徹、最後までやり抜く力を持っています。
他の人たち?
途中でやめます。ノウハウを読むだけの人もいれば、今度やろうと後回しする人もいる。アイディアはあるけど撮影はしない。撮影はしたけど途中で辞めちゃう。全部撮影したけど編集のやり方がわからなくて諦める。いろいろです。いろいろですけど、結局は一銭もお金を生まずに自らこの市場から退場します。だからUdemyでコースを公開しただけでも、僕は「すごいね!」って心の底から褒めたくなる。なぜなら同じ過程を辿りつつ志半ば、途中で諦めちゃう人はたくさんいるんだから。
さて、あなたはコースを作ると決めました。まずはアウトラインの作成から始めましょう。アウトラインはラフで結構です。会員の方には「7割発進でいいですよ」と発破をかけていますが、僕なんかは3割発進でコースを作ってしまいます。こんなコースがあったら面白いだろうなとアイディアが浮かんだら、頭の中でセクションを広げて、ネタがたくさん出そうだったらすぐに撮影を開始します。こんな感じで、プランニングが不十分なものだから、ある程度まで作ってから「あ、やっぱダメだわ」と思って投げ出し、お蔵入りしているコースの亡骸?って、結構あるんです。ほんと、時間の無駄だったわ。そう思います。
なぜここまでコースの作成を急ぐかと言うと、ひとえに僕は動きながら考えるタイプの人間だからです。さらにマーケット信者なので、とにかくマーケットの反応を得ないことには、アクセルをベタ踏みできないタイプなんです。可能であれば、とにかく早くコースをリリースして、反応が良ければ本格的にコース制作にかかる。常にマーケット志向であるがゆえに、マーケットからのレスポンスを取ろうと躍起になった結果、早とちりをしちゃう欠点もあるわけです。
エバーグリーン VS NOTエバーグリーン
Udemyのコースには2タイプあります。一つはエバーグリーンのコース。もう1つはNOTエバーグリーン。エバーグリーンってのは、ずっと使えるって意味。NOTエバーグリーンはその逆ですね。evergreenには不朽の作品なんて訳語が与えられています。わお!具体的な例を挙げましょう・・・
- エバーグリーン:睡眠を改善する方法、ウェビナーのやり方、コピーライティングの原理原則
- NOTエバーグリーン:Microsoft Excel 2013の使い方、今年の夏に流行る美魔女メイク、Udemy Course Creation 2018
僕はね、Udemyとの親和性が高いコースはエバーグリーンだと思っているんです。もちろんニッチを攻めるという意味では「Udemyで講師デビューする方法」よりも、「Udemyで講師デビューする方法 2018年版」の方が優れている。2016年版、2017年版と繰り返し購入してくれるお客さんもいるでしょう。でも、やっぱりエバーグリーンの方がいいかな。だって、独立した2016年版、2017年版、2018年版の3つのコースよりも、それら3つのコースが1つにまとめられているアルティメットUdemyコースクリエーションの方がお得感ありますよね?
実際にUdemyでベストセラー化しているほとんどのコースは、年度を刻まない、エバーグリーン形式です。僕がお勧めするのはエバーグリーンだけど、やっぱりこれも好みの問題かな。僕自身、かつてAdobe Premiere Pro 2015の使い方みたいなコースをリリースしたんだけど、その後にすぐにアップデートがかかり、Adobe Premiere Pro CC 2017になった。うわ、もうこのコースは売れないわ・・・と思ったのを覚えています。2017年に2015年のノウハウを買う人はいないよなって。。。
今更「Windows 95の使い方」みたいなコースをリリースしても売れないですよ。ただしそれを1995年にリリースしたのであれば、もしかしたら大ヒットしたかもしれません。
ブレインダンプ
Brain Dump! 脳みそをダンプ。総出力でっせ。使うツールはなんでもいいです。マインドマップを紙に書いてもいいし、iMindMapを使ってもいいでしょう。うちの奥さんはMacのPagesにコースアイディアを書き出しています。僕は、もっぱら壁。オフィスの壁、全面をidea paintで塗りたくっているので、部屋全体がホワイトボードなんです。とはいえ、金沢のオフィスに帰るのは決算期の30日間だけで、基本はいつも出先。年間300日以上は海外にいるので、他人のお家に脳みそをぶちまけるわけにはいきません。だからパソコンを使ってアイディアを広げるんだけど、いかんせん、早とちりで、すぐにコースを開設しちゃう。そして早速、セクションを書き出してしまいます。ネタがでそうならレクチャータイトルも書き込んでしまう。人それぞれ気持ちいいようにダンプやっちゃってください。
ステップ21:外部リソースを利用してレクチャーのアイディアを広げる
まずブレインダンプして、アイディアをブチまけますよね。いくらあなたが天才でも、使える脳みそは1個だけですから、限界があります。2個目の脳みそは、あなたの外側にあります。ちなみにいま、僕の周りを見渡してみると、2個目の脳みそが2メートルほどの距離にあります。長男の脳みそです。次にせわしなくメキシコ料理を作っている3個目の脳が8メートルほどの距離があります。妻氏の脳みそです。3個目の脳にくっついて一緒に動いているのが4個目の脳みそは、妻にババスリングで抱かれている長女の脳みそです。この#2〜#4の脳みそが外部リソース。
インターネットに繋がった瞬間に、それこそ数億の脳にコネクトすることができます。あなたが作ろうとしているコーストピックに興味のある同僚、友達にメールしてください。彼らのフィードバックを利用するわけです。あるいはQuoraやYahoo知恵袋(英語圏だったらYahoo Answers)からレクチャーアイディアを持ってくるものいいでしょう。Udemyのトップクリエイターは、QuoraやStack Overflow からネタを持ってきているとウェビナーの中で話していました。あとは別コースでよく受ける質問(FAQ)もレクチャーになりえます。
そうそう、自分で考えようとするからネタがでないんです。外部リソース(他人の脳みそ)の使い方を知っていたら、ネタは無限化できる。僕はブログ記事にも、Udemyコースのネタにも困ったことはありません。それはいつも他人の脳みそを利用しているからです。自分の持っているノウハウを知りたがっている人たちが、具体的にどんな疑問を抱いているか?全てネットに転がっている。僕はそれを拾って、レクチャーで解決すればいいだけです。
外部リソースを使えばネタは無限化される
この名言は、かの有名なUdemy講師、R.Iさんによるものです。
QuoraやStack Overflow、Yahoo Answersの他に、TwitterやFacebookのアドバンス検索をする方法もあります。コースに関連するキーワードを入れて検索をかければ、具体的な質問(たいていはクエスチョンマークで終わる)が見つかります。それをレクチャー化します。
ステップ22:Udemyで大事なことは全てシンガポール航空から学んだ
大前研一さんが、リークアンユーに請われてシンガポールという国家にコンサルティングをしました。リークワンユーは「日本のような工業の強いカントリーにしたい」と大前さんに言いました。
「こんな小さな領土しかないのに工業は無理。サービス産業で建国しなさい」
大前さんはそうアドバイスしたようです。ご存知、シンガポールは、アジア1位のリッチな国です。正直、僕がシンガポールに行ったとき、マレー系やインド系のドカタをたくさん見たので、一人当たりGDPってあくまでも平均値だよね、と思ったものです。オーチャードに行けば、テスラやポルシェを乗り回している若者に出会える。でもリトルインディアに行けば、そんなにリッチじゃない若者にたくさん出会います。そりゃそうだ。日本にも貧乏な人とお金持ちの人がいる。給料の低い日本人に対して「でも日本はリッチだよね」と言ってもなんの意味もなしません。あくまでも平均値の話だから。僕、時給1000円以下で働いている無数の下請けライターを知っているんです。クラウドソーシングサイトにたくさんいます。そういう日本人を見ていたら、日本のどこかリッチなんだろうと思ってしまう。
さて先ほどのアドバイスを守ったリークアンユー。例えば、世界一の航空会社はどこか?と問われれば、旅人ならずとも「そりゃシンガポール航空でしょ」と答えるはず。飛行機を飛ばす飛ばさないは外交問題です。マレーシアが「うちのフラグシップをあなたの国に飛ばしたいんだけど・・・」と言えば、相手国は「じゃあうちのフラグシップ(例えばオーストラリアならカンタス航空)もあなたの国に飛ばすからね」と返します。さて、シンガポールとオーストラリアの間を、シンガポール航空とカンタス航空が飛ぶことになりました。あなたはどっちの乗る?
TripAdvisor に尋ねるまでもなく、安くてサービスの良い方を選ぶに決まっています。シンガポールもオーストラリアも、そんなの関係ねえ!です。シンガポールのような小国家が、世界中の国々とフラグシップを交換し、競争力を維持するためにとった戦略はただ一つ。
全部のイイトコドリ
カンタス航空の優れているところと、JALの優れていところ、デルタの優れているところ。相手国のフラグシップの良いところを全部盗み、シンガポール航空のサービスに取り込みました。経済的に成功しない限り、地下鉄で国中を回れるほど小さな国が、存続していくことは難しい。そうでもしないと、中国とかインドとかに国を飲み込まれてしまいますから。
このシンガポール航空の戦略をUdemyに取り入れるとどうなるか?
ライバルコースのイイトコドリ
良いレビューを確認する
まず、ライバルコースの5つ星レビューを確認してください。その中でも「人生が変わった」みたいなフレーズが含まれる強烈なレビューを確認します。なぜ人生が変わったのか!?その理由はなんでしょう、確認してください。「ステップバイステップで組み立てられているから効率良く学べた」と書いてあるなら、あなたはシンガポール航空のごとくステップバイステップをあなたのコースに取り入れるわけです。さらにライバルコースが教えている内容は、最低限、あなたも教えるようにしてください。ライバルが10教えていたら、あなたはそれら10を全てカバーした上でさらに多くのことをコース内で教えます。
悪いレビューを確認する
悪いレビューは反面教師として使えます。例えば「喋り方がぎこちない」とあれば、あなたは「スムーズに喋るぞ」と心に誓う必要があります。あるいは「PDFに外部リンクをまとめてあると嬉しかった」という要望があれば、あなたは外部リンクをまとめたPDFを用意してください。そうやってライバルコースの足りない部分をあなたが埋めるようにすると、いよいよあなたのコースが日本を代表するフラグシップコースになるはずです。
ステップ23:Udemyコースのアウトラインを完成させる
ブレインダンプしたままでは、ただ脳みそが地面に散らかっているだけです。この散らかった脳みそを商品に仕立てなきゃいけません。その作業がステップ23。コースのアウトラインを完成させるにはまず最初に次の質問を投げかけてください。
受講生のゴールは何か?
受講生のベネフィットです。コースを修了したとき、受講生はどんなものを手に入れるのでしょうか?どんなスキル?どんなことを学べる?彼らが達成できることは何?これらの答えに合わせて、散らかったアイディアを体系的にまとめる必要がある。OKですか?受講生が最も効率よくそのゴールを達成するために、必要なレクチャーなんだろう?そのレクチャーをどの順番で提供していけばいいだろう?そう考えるわけです。
セクションに分ける
僕の場合、MacのPagesやiMindMapを使ってセクションを書き出すことが多いです。アイディアが明確な場合はそのままUdemyのコースに書き込んでいくこともあります。まずはレクチャーをグルーピングして、大きなセクションの中に格納していきましょう。
完璧を目指さない
完璧を目指してもいいんだけど、その結果、コースが完成しないのであれば、やっぱり完璧を目指さない方がいいです。だってあなたは需給のバランスが崩れているところを狙うわけです。ということはすでにあなたの商品を舌舐めずりして欲しがっているお客さんがたくさんいる。でも完璧を目指すせいでコースが供給できないのであれば、それを必要としている見込み客にとっても損失です。人助けをできるかもしれないのに、完璧主義がそれを阻むわけです。
スライド作成の段階でほぼ完璧を目指す
アウトラインが決まり、資料作成の段階になったら、本気になってください。完璧でなくてもいいけど、あなたのできる限りの力を発揮してください。それはすなわち、持てるノウハウをすべて出し切るということです。僕はよく「フルスイングしてください」とアドバイスするんですけど、同じことです。100%を出し切ってね、と。例えばこの写真を載せたらもっとわかりやすくなるだろうと思ったら、それを確実に載せる。この一文を追加したら受講生は喜ぶだろうと思ったらそれを載せる。そんな些細なことで結構です。
頭の中であれこれ決め事をするときは、完璧を目指さなくてもいいです。資料を作成する段階になったら、完璧を目指してください。つまりできることは全部やってください。そうじゃないと、マーケットプレイスで突き抜けたコンテンツを作ることは不可能です。
セクションを細かく分ける
僕のオススメはセクションを小さく区切ることです。マックスでも7レクチャー。8レクチャーを超える場合はセクションを切ってしまいましょう。切って2つにわけるのです。その方が受講生にとっても、学びやすいです。情報の収集が楽になります。
売れているコースを確認してみてください。セクションが細かく別れています。きっと同じレクチャー数の場合、セクションを細かく切った方が、何となくお得感が出るのかなと個人的には思っています。
- 1セクション22レクチャー
- 4セクション22レクチャー
どうだろう?なんとなく4セクションの方が良く見えませんか?
理想的なコースの長さ
これ、結構深いトピックです。Udemyのオフィシャルサイトには「60分くらいでいいと思う。一方、数時間の大きなコースもある。一般的に3〜4時間が平均です」とあります。じゃあUdemyがEメールを使ってリマーケティングする時、どんなコースを紹介しているかと言うと・・
ついこの前、みたEメールは、Comprehensive Web Programing Course:34時間 でした。おいおいおい、1コース34時間って、大学の講義1セメスター分くらいじゃんと。Udemyは売れるコースしか紹介しませんから、この34時間のコースもきっと売れまくっているんだと思います。でもねえ・・・。いくら売れるからといって、公式ページが「売れ筋コースは30時間の講義があります」なんて言うと、いよいよ新米インストラクターがやる気をなくしてしまう。
「34時間のコースを作ったら売れますよ、やりますか?」と問われれば丁重にお断りするでしょう。34時間のコースに対して1億円を前払いで払ってくれるならやるけど、あくまでもマーケットは水物。市場がどんな反応をするかは、コースを投入してみるまでわかりません。じゃあ34時間のコースを作るなんてギャンブルでしょ。
毎度同じことを言うようですが、コースは徐々に拡大していけばいいです。ミニコースを作って、反応を確かめた上で、コースを拡張するかどうか後で決めればいいのです。うちのアカウントにあるベストセラーコースは、おおよそ4時間〜6時間ほどの講義時間です。
理想的なレクチャーの長さ
Udemyは20分以上のレクチャーはダメって言っています。確かに20分の長さは見る方もシンドイですね。だいたい5分を目安に作ればいいじゃないでしょうか?私事ですが、いつも5分に収めようと思って録画を開始するんだけど、ついついダラダラと話してしまうので7分くらいなってしまうこと、多々あり。
成約率の高いコースタイトルの決め方
これはUS Udemyのタイトル付けを真似してください。可能であればコンバージョンも計測してみてください。シリーズ物の場合は同じキーワードを含めるといいです。僕は「食いっぱぐれない」とか「免許皆伝」と言うフレーズを含めるようにしています。これはうちのアカウントの中でも上位版の商品なんだよ!というシグナルを送るわけですね。「あ、石崎さんの免許皆伝シリーズだ!買っちゃおう」みたいに。
ステップ24:Udemyで質の高い動画レクチャーを作る方法
ここまできた。今、あなたが持っていなきゃいけないものは1つ。コースのアウトラインです。持ってる?よし、じゃあ次に進もう。ここでは僕が今まで公開してこなかった、Udemyで質の高いコンテンツを作る秘密を紹介しようと思います。良いコンテンツの構成は次の通りです。
- 法則
- 事例(できれば写真)
僕は僕なりの法則を持っています。Udemyで成功するための。その方法論にしたがってコースを作成し、いくつものベストセラーコースをリリースしてきました。でも、あくまでも「僕なりの法則」なんですよね。信ぴょう性がない。そしてこの信ぴょう性の欠如こそ、多くの人のコンテンツをスポイルしているんです。そのコンテンツのもつポテンシャルを最大化するには、事例が必要です。この、法則-事例のコンビネーションは次のようにも説明できます。
- 主張
- 説明
そう、事例のない法則は、説明不足の主張と同じなんです。いいですか。事例なくして人は、法則の主張をしてはいけません。事例は、写真がいいです。スクリーンショットでもいいです。まだWeek2ですけど、これまでにたくさんのスクショを僕は掲載しました。それは事例を出してお客さんを説得したいからなんです。
ほらね、説得力増すでしょ。これが良いコンテンツの条件。
逆にいうと、それが法則をサポートする事例でない限り、どれだけファンシーな写真を載せても意味がないということです。それはただの蛇足。説明を冗長にするだけです。だからこそ写真は厳選して使わなきゃいけない。より効果的に、よりインパクト強く。ビジュアルの情報さえ与えられれば良いやという安直な発想で写真や事例を使わないように。あくまでも、法則を補助するために事例を掲載するわけです。「法則-事例」は常にセットであることを忘れないように。
ステップ25:レクチャーのフォーマットを決定する
Udemyは動画レクチャーをメインとしたプラットフォームです。今では動画で情報を伝えるのが当たり前になっているけど、ひと昔前はそうじゃなかった。今でもマーケットプレイスに参入してこないネット有名人たちは、動画以外のフォーマットでお客さんに商品を提供しています。GKICのDan Kennedyは、テキスト形式のレポートを配布して毎年数億円の利益をあげていますよね!僕も最近、Guest Post(他人のブログに記事を投稿させてもらいリストを集める方法)に関する海外のノウハウを購入するために$600を払いました。いやー、Udemyで$10とか$20で商品を買っていたから、久しぶりに$600という数字を見て「高い!」と反応してしまいました。そう思った直後に「ああ、自分も$1000や$2000のオンラインコースを販売してらぁ」と自覚するわけです。
あまりにもUdemyに長く居座りすぎると、Udemy脳になってしまいます。笑
Udemy脳:高額商品を売れなくなってしまう脳
まだまだデジタルコンテンツ販売の世界では、10時間の動画講義を1000円で売る行為はマイノリティです。Udemyが少しクレイジーなだけです。マジョリティ(つまり多くの儲かっているデジタルコンテンツの販売者)は、2時間や3時間そこらの商品に10万円の値付けをして販売しています。もちろんクオリティは素晴らしく高い。ああ、話が長くなりました。レクチャーのフォーマットを確認しましょう。
- スクリーンキャスト + スライド
- スクリーンキャスト + ライブデモ
- 一眼レフで撮影したビデオ
- 音声
- テキスト
- PDFなどのドキュメント
受講生が最も学びやすいフォーマットはどれか?
どれがベストか?それは受講生が決めることです。もちろん講師側の都合もありますよ。例えばスクリーンキャストで撮影するのはすごい楽だけど、一眼レフで撮影したビデオは色々と大変です。でもそれがあなたのブランドに繋がり価値に繋がるのであれば、やった方がいいです。
ただ一つ、僕は恐ろしい事実に気付いてしまったんです。US Udemyには、全てのレクチャーを一眼レフで撮影した、とんでもなくすごいコースがあるんです。そのコースを見た瞬間、石崎力也もこんなコースを作るど!!と意気込んだほど。どのコースかは言いません。僕はそのコースを2014年に購入しました。ジャンルはソーシャルマーケティングです。でね、まあそのコースは売れていないんです。勝手に批評するのであれば、コースタイトルがよくない。さらにリリースしているコースの数も足りていない。その人、Udemyに1つのコースしか供給していないんです。
ふと思うわけです。リターンを求めず、とにかくクリエイティブにすごいコースを作ってみたいと。実際に、僕の横にはパナソニックのGHシリーズと、ライカのレンズがあるわけです。2つで30万円するんですよ!やろうと思ったらできる。そこで我に返って、また考える。
でも、お客さんが購入してくれたんかったら意味なくね?
そう、僕はあの「とんでもなくすごい」コースを思い出すわけです。全く売れていないあのコースを。講師が楽をして作ったスクリーンキャスト・ベースのコースに売上で負けているんです。つまりこういうことです。売れるコースは常に見た目が綺麗なコースであるとは限らない、と。一眼レフで撮影したビデオをふんだんに使い、高級感溢れるレクチャーを作ったとする。でも、見た目が綺麗なことと、コンテンツのクオリティにはそれほど相関はないんです。コンテンツのクオリティは、やはり情報そのもの。どれだけお客さんにベネフィットを与えられるか?それに尽きるわけです。
ということで、一眼レフカメラを持っていなくてもがっかりしないでください。もちろん持っていた方がいい。でもそれを使うかどうかは、受講生に決めてもらってください。どの形式が、最も学びやすいフォーマットですか?それに尽きるわけです。
講師が最も教えやすいフォーマットはどれか?
僕が仕事をする上でもモットーはこれです。サステナブル。継続できるかどうかを最重要視しています。でね、仮に受講生が最も学びやすいフォーマットでも、それがサステナブルでない限り実行に移してはいけないと思うのです。やっぱり自分の出来る範囲でやらなきゃ。そういう意味で、僕にとってはスクリーンキャスト(ScreenFlowを使います)が最も心地いい形式なんです。「たぶん、これは一眼レフで撮影した方がインパクトあるだろうな」というレクチャー以外は、スクリーンキャストやドキュメントで処理しています。なんせ、子供と一緒に旅を続けていますから、働く時間がたっぷりあるなどとはゆめゆめ思わない。正直、働く時間なし!出先にもミラーレスカメラと複数のレンズを持っていく。でも使う機会はほぼありません。ここで使ったらいい感じになる!という時にバシッと使うだけ。僕にとって最も教えやすいフォーマットはスクリーンキャストです。
受講生の都合と講師の都合をちょうど良い塩梅で保つもの。それがサステナブルなビジネスモデルであり、僕にとってのスクリーンキャストなわけです。
ちなみにこのデジタルコンテンツの世界でおそらく最も大きな売上をあげたであろうフランクカーンの商品、見たことありますか?各セクションの冒頭に、一眼レフで撮影した動画が1本だけ。それ以外はスライドショーをスクリーンキャストしたものなんです。それで22億円かよ!って突っ込みたくなるのは、僕だけではないはず。まあノウハウは超一流なんですけどね。
ステップ26:突き抜けたプレゼン資料(Keynote スライド)を作る方法
まずスライドのPros/Consから。
スクリーンキャスト(スライド)のPros
- シンプル
- 学習しやすい
- スクリプトから抜粋できる
- slideshareで再利用できる
- スライドをPDFで配布できる
スクリーンキャスト(スライド)のCons
- 受講生とのインタラクションが小さい
大学の授業とかでも、面白くない講義はみんなスライドでした。ノウハウが優れていればスクリーンキャスト(スライド)でも良い。それでも適宜、顔出しをして受講生に語りかけるようなビデオを各セクションに挿入することをお勧めします。ダレてしまうんですよね、スライドだけだと。
必要な機材
- スライド(PowerPoint / Keynote)
- 撮影(Camtasia / Screenflow)
僕はKeynote / Screenflowの組み合わせを使っています。(かつてCamtasiaを使っていたんだけど、動作が重くて。しかも頻繁にクラッシュするからさ。ScreenFlowに改宗しました)
優れたスライドの条件
- 文字数が少ない
- 高画質な写真
- 見やすい(基本は白背景・黒字)
ステップ27:一眼レフで撮影するビデオの作り方
英語圏ではDSLRと呼ばれています。Digital Single Lens Reflexです。僕が使っているミラーレスカメラは、一眼レフと同等のフッテージを撮影できるんだけど、Reflexミラーが付いていないから、正確にはDSLRではないんです。一眼レフやミラーレスに加えて、最近はパナソニックやソニーから、4K撮影可能なビデオカメラが出ているからますます動画クリエイターの選択肢は増えました。まあようするに、スクリーンキャストやWebカメラではない、ちゃんとしたカメラを使った動画レクチャーのことだと思ってください。スクリーンキャスト動画に対して、これらをまとめて一眼レフ動画と呼ぶことにします。
Pros
- 知覚価値が高いので受講生は高いお金を払う傾向にある
Cons
- スクリプトが必要
- 編集が必要
- 機材が高い
必要な機材
- ミラーレスカメラ / 一眼レフカメラ
- レンズ
- Premiere Pro / Final Cut Pro
石崎は、GH4のカメラにライカのNocticronというレンズを付けて撮影しています。編集はPremiere Proを使っています。
ステップ28:石崎力也はいかにUdemyのコースを作っているか?
使っているツールは次の通り。
- MacBook Pro(出先)
- iMac(オフィス)
- Keynote
- ScreenFlow
- Envato Elements
Udemyに公開している9割のコースは、ScreenFlowで撮影されたスクリーンキャスト形式です。そのうちの半分はスライド。もう半分はライブデモ。ライブデモってのは、例えばPremiere Proの操作方法を実演しそれを撮影する方法。スライドで「フッテージをパネルにインポートしてください」とスライドで説明するより、Finderから動画を選択して読み込む様子を見せた方が圧倒的にわかりやすいですよね。
かつて与沢翼さんが「頭の中にあることをホワイトボードで喋るのが一番早い」とどこかで言っていたんだけど、僕もそう思います。スライドは準備が必要でしょ、資料の。僕なんかはその作業すら面倒臭くて、最近はもっぱらライブデモの動画ばっかり使っている。受講生も、平凡なスライドの講義を見ているよりかは「いかに石崎が米国のマーケティングツールを使いこなしているか」をデモ形式で見たいそうなので、まさにWin-Win!(と勝手に思っている)
かつて慶応大学に在籍していた、うちの会社の創業メンバーと与沢さんの動画を見ていたんです。「与沢翼の顧客って情報弱者ばっかりだけど、彼本人は、絶対頭いいですよね」と彼は言っていました。僕もそう思います。セールスレターのヘッドラインで、札束をチラつかせてフェラーリの前で腕を組む与沢翼。その姿に感銘を受ける人は、まさに情報弱者そのものなんだけど、彼自身は間違いなく確信犯的に自分の役割を演じている。表面的に彼を判断するのは自由だし、幾分かEvilなマーケティング手法を使っているもの確かなんだけど、彼の頭の中にあるノウハウまでを頭ごなしに否定するのはどうなんだろう。
ま、いいや。彼がダウンタウンDXに出演してくれたおかげで、社会の興味が確実にデジタルコンテンツの世界に向いたのは事実だし、お金もたくさん流入してマーケットは拡大しました。あの時期にデジタルコンテンツを販売していた日本人って、みんな儲かったんじゃないかな。まるで上りにエレベーターに乗っているかのにように、ただただ足踏みをしているだけでもどんどん売上は伸びていきました。
話を戻しましょう。そうそう、早く簡単に撮影できる割りにはお客さんの満足度も高い形式・・・それがスクリーンキャスト+ライブデモですよと。僕にとっても、サステナブルなプランなんです。毎週、土曜日の午前中しか働く時間はない。その時間、何をしようか。まさか4時間かけて資料を作るわけにはいきません。ヨーイドンで頭の中にあるノウハウを、何も準備せず(資料も脚本も)一気に話す。それが一番早いし、楽。一旦、ネットビジネスが軌道に乗ってしまえば、あとはスクリーンキャスト + ライブデモで動画を作るだけで、こっちが断らなきゃいけないくらいたくさんのお客さんがきます。ということで、大事なエッセンス。
ScreenFlowでデモンストレーションを撮影するのが一番早い
あとは、過去に学習したノウハウをいかにして脳の片隅から引っ張ってくるかが目下の課題になるわけです。
ステップ29:Envato Elementsのテンプレートを利用する
Envato Elementsに月々$29を払ってテンプレートを利用すれば、見た目のいいクールなデザインのプレゼン資料が完成します。
デザインテンプレートのPros
- ハイクオリティに見える
- 受講生のリテンションが上がる
デザインテンプレートのCons
- お金がかかる
- アニメーションが学習の妨げになりうる
本来、デザインなんてのはどうでもいいわけです。僕がマーケティングのコースを購入するときは、ノウハウが優れているかどうかの一点にしか興味がありません。すなわち売上に繋がるかどうか。いくらデザインが綺麗でも会社の利益に貢献しないノウハウなら意味がないわけです。そういう意味では、薄いノウハウはデザインの力を借りたとしてもゴミでしかないと。たまに「よく、その程度のノウハウでオンラインコースを作りたいと思いましたね?」と言いたくなるようなコースを見かけます。以前「海外でフリーランスをする方法を教えたい」という人がいたんですけど、当の本人がまず海外での就労許可を持っていない。その上、下請けライターとして日銭を稼ぐので精一杯という状況。そんな人から何を学べるでしょうか?
昔、情報商材を売る人はこんな風にしてバカにされました。「貧乏なくせに、お金を稼ぐ方法を教えて、お金持ちになろうとしている」と。先ほどの彼も同様です。自分が海外でフリーランスできていないのに(そもそも違法就労です)その方法を人様に教えようとしている。その人、Envato Elementsのテンプレートを使ってスライドを作っていました。で、YouTubeにその動画をアップロードしているんです、仮名を使って。コンテンツチェックしてください、と言われてチェックしたものの、もう喋りが下手くそな上に、話し方がすごい下品なんです。その上、ノウハウが空っぽ。どうしようもないとはこういうことを言うのだと。
で、彼にこう言ったわけです。「あなたは圧倒的にコミュニケーション能力が欠如しています。この講義を見て人がどう思うかを想像してください」と突き放したところ、逆上してキレられました。
ここに大事なことがあります。ノウハウがクソだとどうしようもない・・・ということです。デザインを良くしてもダメ。厳しい言い方かもしれませんが、事実です。まずはご自身がもっと勉強してください。その上でもっと経験してください。できるならコミュニケーション能力をあげて下さい。そのコンテンツを見たお客さんがどう思うかを想像して欲しいのです。コンテンツに自信を持てるようになってはじめて、デザインに意識を注げるようになるのです。コンテンツファースト、デザインセカンドです。
ステップ30:コースの締め(最終セクション)はどうするか?
お客さんが気にしていることは1つだけ。どんなベネフィットを得られるか?それだけです。要はあなたのオンラインコースを修了した時にどんな未来が待っているか、それだけが大事なことですよと。あなたが考えるべきは、どうやったらお客さんが結果を出せるようになるか?それだけでいいんです。
コースの締めに復習セクションを用意する
コースのイントロには力を入れるけど、アウトロは放ったらかし・・・みたいなコースをみかけます。アウトロ大事です!コースをどう締めくくるかで、あなたの印象が変わるからです。終わり良ければすべて良しという言葉があるように、最後のセクションで何を話すかはコースのクオリティにダイレクトに影響します。
最後のセクションには復習を用意するといいです。あなたが今回学んだことは、AとBとCです・・・簡単に復習しましょう・・・まずAは・・・。こんな風に。復習セクションは、受講生が何を学んで何を学べていないかをはっきりさせるのに役立ちます。理解度の低い部分を自覚してもらい、一度見た講義に戻ってもらうことも可能です。
ゲシュタルトって言葉ありますね。部分では意味をなさず全体で意味をなすってやつ。アウトロは、お客さんが学んだ個々の知識を1つに繋げる役割があります。
- 足でボールを蹴る
- 頭でボールを突っつく
- 基本的なルールを学ぶ
- 復習セクション
これってなんですか?復習セクションで「そう、あなたの学んだことはサッカーなんですよ」と1つのゲシュタルトをバーンと与えてあげる。そうすることで、個々のスキルや個々の知識が繋がります。「ああ、なるほどね。ってことは私がまず最初にやらなきゃいけないことはXXですね」と具体的なアクションを促す効果もあります。
別のコースを販売する
実は、締めのセクションには隠された意図があるんです。それは、受講生の足りない知識を明確化することで次のコースに繋げる試みです。1つのコースに全てを詰め込むのはそもそも不可能です。インストラクターもわざと欠如した部分を作っているわけではありません。受講生がレベルアップすれば、それに応じた内容のノウハウが必要になります。そこで復習セクションでは「あなたが学んだこと」と「あなたが学べていないこと(=次に学ぶべきこと)」をしっかりと指摘する必要があるわけです。
もちろん具体的にコース名を挙げて宣伝するのはダメです。それはボーナスレクチャーでやってください。規約違反になって、アカウント停止される可能性があります。あくまでも「次に学ぶこと」を明示するにとどめてください。
ステップ31:効率良くハイクオリティなコースを作成する方法
前も言ったように(与沢翼氏も言ったように)、資料を準備せずに頭の中にあるノウハウを講義にするのが一番早いんです。話題を与えられて、はい、スタート!これでどれだけ話せるか。例えば、あなたが米国マーケティングに詳しいのであれば「ウェビナーについて話してください」と言われて、どのくらいの引き出しが頭の中にあるか、そしてどのくらいそれをスムーズに話せるか。
確かホリエモンチャンネルだったと思うんですけど、ホリエモンが「タメで生きている」と言っていました。いや、彼の著書かもしれない。覚えていないや。とにかく過去に培ったタメ(溜め)で生きていると。資料を準備せずにいきなり撮影に入る方法はまさ、タメを現金化しているに過ぎません。過去に時間をかけて学習したことを人に教えることでマネタイズする。
とはいえ、誰もがこの手法を実行できるわけではありません。話すのが苦手かもしれないし、スライドを見た方が上手に話せるかもしれません。理由は人それぞれ。
ここにコース制作を効率化するいくつかのノウハウがあります。どんな手法でレクチャーを作るにせよ、役に立つはずです。
- 調べものを全て終えてから撮影を開始する
- 調べながら撮影をするとかえって時間がかかる
- 調べながら撮影をすると参考文献の丸パクリになる可能性がある
- 資料は最初から最後まで通しで作ってしまう
- 撮影時間を細かく区切ることでミスをした時のダメージを最小限に抑える
- マイクの入れ忘れは誰もが経験するよくあるミス
- 音割れは絶対に避けなければいけない
- 音割れはノイズリダクションでも修正できない
- 可能な限りマイクに口を近づけて話す
- ポップガードをつけてブレス音(fやp)を軽減する
ところでスクリプトは必要?
覚えておいてください、Udemyの公式な見解は「スクリプトを作る」です。そのほうがスムーズに喋れるから、が理由です。僕もかつては「吃りなどがあるのでスクリプトの準備をお勧めします」と何度かスタッフの方から指摘されました。でも今は、言われなくなりました。たぶん、諦めたんだと思います。笑
自分でも自覚しています。言い直しが多いことを。そこは編集でカバーするようにしています。スクリプトを用意してないと、話が長くなるんですよね。無駄話が多くなる。そのおかげでレクチャーの尺は伸びるんですけど、果たしてどれだけ受講生の役に立っていることか。僕にはわかりません。
英語圏でUdemy Course Creation系のコースをいくつか購入して見てみると、意見は半々です。スクリプトを用意したほうがいいよっていう人もいれば、不要だよって人もいる。各々、自分の方法を押し付けているに過ぎません、たぶん。僕も同じです。
僕はスクリプトを用意せずにコースを作っているので、あなたにも「スクリプは要らないと思う」と言います。でもこれまでいろんな方のコース制作をお手伝いした経験からお話しすると、喋るのが苦手な方はスクリプトがあったほうがいいかもしれない。あるいは初めてコースを作る方もやはりスクリプトを持っておいたほうがいいかもしれない。これが、石崎の見解です。