あなたはオンラインコース制作に取り組む起業家として、様々なレクチャー動画の作り方の中から「結局、自分はどれを選べばいいんだ?」と新たな迷いが生じていませんか?ここでは、オンラインコースの動画形式を決める方法をお伝えします。あなたが一時のモチベーションではなく継続的にコンテンツを作り続けられるために、実践的なフレームワークを使っていきましょう。
多くの人が犯す間違いは、憧れや流行りで動画形式を選んでしまうことです。ラッセル・ブランソンのように大型スクリーンを使いたくても、あなたの部屋にスペースがなければ挫折は目に見えています。ここでは4つの判断軸を紹介します。これらに沿って考えれば、あなたはもう二度と迷うことなく、自分だけの最適なスタイルを自信を持って選べるようになるはずです。
最重要原則:「完璧な一発」より「継続できる仕組み」を選ぶ
まず最初に、オンラインコース作りは100m走ではなく、フルマラソンのようなものだということを理解してください。最初の1本を100%のフルスイングで作れても、コース全体である数十本のレクチャーを完成させなければビジネスとして成立しません。短距離走のではなく、マラソンを走り切るためのペース配分が何よりも重要なのです。
つまり継続的に撮影ができて、撮影がしやすく、すぐに撮影に入って本数をこなせる仕組みこそが大切です。僕自身の経験をお話しすると、子供が寝て静かになった、台本も完璧に準備して「よっしゃ、撮影するぞ」と意気込んだとき、カメラのバッテリーがゼロという絶望を何度味わったことか。そういう時に限って隣人が芝刈りを始めてノイズが発生したりします。夜だから静1かで大丈夫だろうと思ったら救急車がサイレンを鳴らして通ったり、冗談のような話ですがこれらは本当に「オンラインコース制作のあるある」です。
準備が複雑であればあるほど、こうした不確定要素によってモチベーションが根こそぎ奪われる現実があります。あなたが選ぶべきは「最もカッコいい形式」ではなく「思い立ってから5分で撮影開始できる形式」なのです。この視点がなければ、99%の人はコースを完成させることができません。
4つの判断軸であなただけの最適解を導き出す
ここから紹介する4つの質問を、自分自身に問いかけてみてください。すべての答えが、あなただけの正解を指し示してくれるはずです。それぞれの判断軸について、詳しく解説していきます。
判断軸1:コンテンツ(何を教えるか?)
あなたのコースは「WHY(なぜ)」や「WHAT(何か)」を教えるのか、それとも「HOW(どうやるか)」を教えるのかという視点です。中身が形式を決めるという考え方になります。WHYやWHATといった抽象概念やマインドセット系の内容なら、講師の熱意や人柄が重要になるため「トーキングヘッド」が強力な選択肢です。ストーリーテリングで受講者の心を動かすことができます。
一方でHOWという具体的な手順や操作系の内容なら、正確に情報を伝えることが最優先です。受講者が真似して実践できることが目的なので、この場合は「スクリーンキャスト」「タブレットでの実演」「大きな紙にペンで書く」というスタイルが最適になります。僕の場合で言うと、コピーライティングのマインドセットを教えるなら顔出し、実際にコピーライティングの書き方を教えるならスクリーンキャストというように、教える内容によって形式を変えています。
判断軸2:ターゲット(誰に教えるか?)
あなたの理想の受講が講師にエンタメ性や繋がりを求めるか、それとも効率性や情報を求めるかという視点です。相手が求めるものを提供することが重要になります。エンタメや繋がり重視層は、初心者や学習継続に不安がある層です。講師の顔が見える「トーキングヘッド」や「ホワイトボード」で親近感を醸成し、モチベーションを維持させることが有効です。
効率や情報重視層は、ある程度リテラシーが高い専門家やビジネスパーソンです。早く結論を知りたいと考えているため、無駄のない「スクリーンキャスト」や要点がまとまった「ナレーション+スライド」を好む傾向があります。
実際にUdemyではプログラミングなどが人気ですが、スクリーンキャストやスライド+ナレーションで構成されているものがほとんどです。ターゲットの学習スタイルや求めるものを理解することで、最適な動画形式が見えてきます。
判断軸3:あなた自身の強み・弱みを考える
次の判断軸はあなたは「話す」のが得意か、それとも「書く・実物を見せる」のが得意かという視点です。無理をしないのが継続のコツになります。話すのが得意な前者のセミナー講師タイプなら、人前で話すことに抵抗がなく情熱をライブで伝えるのが得意です。そのため「トーキングヘッド」や「ホワイトボード」で輝くことができます。
もしあなたが後者の書く・実物を見せるが得意な職人タイプなら、話すのは苦手でも構成を練り、分かりやすい文章を書いたり実際の手順を見せるのが得意でしょう。そのためその場合は「スクリーンキャスト」や「ナレーション+スライド」が最適です。
完璧なスクリプトつまり台本があれば、話すのが苦手でも高品質なコンテンツは作れます。僕自身も「人前で話すのは緊張する」という弱みを「だからこそ事前に台本を完璧に準備して、編集で最高品質に仕上げる」という強みに転換しました。自分の弱点を認め、それを回避できる形式を選ぶことが重要なのです。
判断軸4:自分が持っているリソースを考える(使えるモノ・時間・金)
次の判断軸はあなた自身が持っているものに着目するものです。「部屋の広さ」「使える機材」「かけられる予算と時間」はどれくらいかという視点です。背伸びしすぎたり、現実から目をそらさないことが大切です。場所や機材について、広い部屋と高価な機材があるなら大きなテレビを使った「大型スクリーン」形式も可能です。なければ「スクリーンキャスト」や「タブレット」での実演から始めるのが賢明です。
予算や時間については、最小限の投資と時間で始めたいならPCとマイクだけで済む「スクリーンキャスト」が最速です。じっくり作り込む覚悟があるなら、カメラや照明を揃えて「トーキングヘッド」に挑戦することもできます。リソースは有限なので、背伸びせず今の自分が確実に完了させられる現実的な選択をすることが、結果的に成功への最短ルートとなります。
僕からの最終推奨:迷ったらここから始めよう
これら4つの判断軸を総合的に考え、あなたの答えを出してください。正解は一つではありません。あなたの状況にとって最も合理的で、何より「これなら続けられる」と思えるものが、あなたの正解です。また一つの形式で始めてみて徐々にもっと高品質なやり方にシフトしていくことも可能です。
ここまで考えてもまだ迷うのであれば、僕の推奨を1つ紹介しましょう。多くの人にとっての最適解は「スクリーンキャスト」または「ハイブリッド」です。ハイブリッドとは主要部分はスクリーンキャスト、イントロやまとめはトーキングヘッドという組み合わせのことです。
つまりイントロとまとめ部分では全画面で顔出しを行い それ以外の主要な部分、実践を見せるような部分はスクリーンキャストで行うという形式です。サンドイッチのような構造になります。この2つは制作効率と品質のバランスが最も良く、多くのテーマに対応できるため、最初の選択として失敗が少ないことを覚えておいてください。
まとめ:4つの判断軸で最適な動画形式を選んで継続的にコース制作を進める
ここまでオンラインコースの動画形式を決める方法をお伝えしてきました。最後に要点を4つにまとめました。
- オンラインコース制作は100m走ではなくフルマラソンのようなものなので、「完璧な一発」より「継続できる仕組み」を選ぶことが重要である。
- 動画形式を決める際は、コンテンツ(何を教えるか)、ターゲット(誰に教えるか)、自分の強み・弱み、リソース(使えるモノ・時間・金)という4つの判断軸で総合的に考える。
- 迷った場合は「スクリーンキャスト」または「ハイブリッド」から始めることで、効率と品質のバランスを保ちながらコース制作を進められる。
- 一つの形式で始めてみて徐々に高品質なやり方にシフトしていくことも可能で、何より「これなら続けられる」と思える形式を選ぶことが成功への最短ルートである。