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石崎力也のコンサルティング「いしこん」

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石崎力也

8-2 【レクチャーの形式を決定】もう迷わない!あなたのオンラインコースに最適な動画スタイルを選ぶ4つの判断軸

Last updated on 2025年6月19日 By 石崎力也

あなたはオンラインコース制作に取り組む起業家として、様々なレクチャー動画の作り方の中から「結局、自分はどれを選べばいいんだ?」と新たな迷いが生じていませんか?ここでは、オンラインコースの動画形式を決める方法をお伝えします。あなたが一時のモチベーションではなく継続的にコンテンツを作り続けられるために、実践的なフレームワークを使っていきましょう。

多くの人が犯す間違いは、憧れや流行りで動画形式を選んでしまうことです。ラッセル・ブランソンのように大型スクリーンを使いたくても、あなたの部屋にスペースがなければ挫折は目に見えています。ここでは4つの判断軸を紹介します。これらに沿って考えれば、あなたはもう二度と迷うことなく、自分だけの最適なスタイルを自信を持って選べるようになるはずです。

最重要原則:「完璧な一発」より「継続できる仕組み」を選ぶ

まず最初に、オンラインコース作りは100m走ではなく、フルマラソンのようなものだということを理解してください。最初の1本を100%のフルスイングで作れても、コース全体である数十本のレクチャーを完成させなければビジネスとして成立しません。短距離走のではなく、マラソンを走り切るためのペース配分が何よりも重要なのです。

つまり継続的に撮影ができて、撮影がしやすく、すぐに撮影に入って本数をこなせる仕組みこそが大切です。僕自身の経験をお話しすると、子供が寝て静かになった、台本も完璧に準備して「よっしゃ、撮影するぞ」と意気込んだとき、カメラのバッテリーがゼロという絶望を何度味わったことか。そういう時に限って隣人が芝刈りを始めてノイズが発生したりします。夜だから静1かで大丈夫だろうと思ったら救急車がサイレンを鳴らして通ったり、冗談のような話ですがこれらは本当に「オンラインコース制作のあるある」です。

Continue video

準備が複雑であればあるほど、こうした不確定要素によってモチベーションが根こそぎ奪われる現実があります。あなたが選ぶべきは「最もカッコいい形式」ではなく「思い立ってから5分で撮影開始できる形式」なのです。この視点がなければ、99%の人はコースを完成させることができません。

4つの判断軸であなただけの最適解を導き出す

ここから紹介する4つの質問を、自分自身に問いかけてみてください。すべての答えが、あなただけの正解を指し示してくれるはずです。それぞれの判断軸について、詳しく解説していきます。

判断軸1:コンテンツ(何を教えるか?)

あなたのコースは「WHY(なぜ)」や「WHAT(何か)」を教えるのか、それとも「HOW(どうやるか)」を教えるのかという視点です。中身が形式を決めるという考え方になります。WHYやWHATといった抽象概念やマインドセット系の内容なら、講師の熱意や人柄が重要になるため「トーキングヘッド」が強力な選択肢です。ストーリーテリングで受講者の心を動かすことができます。

What to teach

一方でHOWという具体的な手順や操作系の内容なら、正確に情報を伝えることが最優先です。受講者が真似して実践できることが目的なので、この場合は「スクリーンキャスト」「タブレットでの実演」「大きな紙にペンで書く」というスタイルが最適になります。僕の場合で言うと、コピーライティングのマインドセットを教えるなら顔出し、実際にコピーライティングの書き方を教えるならスクリーンキャストというように、教える内容によって形式を変えています。

判断軸2:ターゲット(誰に教えるか?)

あなたの理想の受講が講師にエンタメ性や繋がりを求めるか、それとも効率性や情報を求めるかという視点です。相手が求めるものを提供することが重要になります。エンタメや繋がり重視層は、初心者や学習継続に不安がある層です。講師の顔が見える「トーキングヘッド」や「ホワイトボード」で親近感を醸成し、モチベーションを維持させることが有効です。

効率や情報重視層は、ある程度リテラシーが高い専門家やビジネスパーソンです。早く結論を知りたいと考えているため、無駄のない「スクリーンキャスト」や要点がまとまった「ナレーション+スライド」を好む傾向があります。

Udemy course

実際にUdemyではプログラミングなどが人気ですが、スクリーンキャストやスライド+ナレーションで構成されているものがほとんどです。ターゲットの学習スタイルや求めるものを理解することで、最適な動画形式が見えてきます。

判断軸3:あなた自身の強み・弱みを考える

次の判断軸はあなたは「話す」のが得意か、それとも「書く・実物を見せる」のが得意かという視点です。無理をしないのが継続のコツになります。話すのが得意な前者のセミナー講師タイプなら、人前で話すことに抵抗がなく情熱をライブで伝えるのが得意です。そのため「トーキングヘッド」や「ホワイトボード」で輝くことができます。

もしあなたが後者の書く・実物を見せるが得意な職人タイプなら、話すのは苦手でも構成を練り、分かりやすい文章を書いたり実際の手順を見せるのが得意でしょう。そのためその場合は「スクリーンキャスト」や「ナレーション+スライド」が最適です。

完璧なスクリプトつまり台本があれば、話すのが苦手でも高品質なコンテンツは作れます。僕自身も「人前で話すのは緊張する」という弱みを「だからこそ事前に台本を完璧に準備して、編集で最高品質に仕上げる」という強みに転換しました。自分の弱点を認め、それを回避できる形式を選ぶことが重要なのです。

判断軸4:自分が持っているリソースを考える(使えるモノ・時間・金)

次の判断軸はあなた自身が持っているものに着目するものです。「部屋の広さ」「使える機材」「かけられる予算と時間」はどれくらいかという視点です。背伸びしすぎたり、現実から目をそらさないことが大切です。場所や機材について、広い部屋と高価な機材があるなら大きなテレビを使った「大型スクリーン」形式も可能です。なければ「スクリーンキャスト」や「タブレット」での実演から始めるのが賢明です。

予算や時間については、最小限の投資と時間で始めたいならPCとマイクだけで済む「スクリーンキャスト」が最速です。じっくり作り込む覚悟があるなら、カメラや照明を揃えて「トーキングヘッド」に挑戦することもできます。リソースは有限なので、背伸びせず今の自分が確実に完了させられる現実的な選択をすることが、結果的に成功への最短ルートとなります。

僕からの最終推奨:迷ったらここから始めよう

これら4つの判断軸を総合的に考え、あなたの答えを出してください。正解は一つではありません。あなたの状況にとって最も合理的で、何より「これなら続けられる」と思えるものが、あなたの正解です。また一つの形式で始めてみて徐々にもっと高品質なやり方にシフトしていくことも可能です。

ここまで考えてもまだ迷うのであれば、僕の推奨を1つ紹介しましょう。多くの人にとっての最適解は「スクリーンキャスト」または「ハイブリッド」です。ハイブリッドとは主要部分はスクリーンキャスト、イントロやまとめはトーキングヘッドという組み合わせのことです。

Hybrid video

つまりイントロとまとめ部分では全画面で顔出しを行い それ以外の主要な部分、実践を見せるような部分はスクリーンキャストで行うという形式です。サンドイッチのような構造になります。この2つは制作効率と品質のバランスが最も良く、多くのテーマに対応できるため、最初の選択として失敗が少ないことを覚えておいてください。

まとめ:4つの判断軸で最適な動画形式を選んで継続的にコース制作を進める

ここまでオンラインコースの動画形式を決める方法をお伝えしてきました。最後に要点を4つにまとめました。

  • オンラインコース制作は100m走ではなくフルマラソンのようなものなので、「完璧な一発」より「継続できる仕組み」を選ぶことが重要である。
  • 動画形式を決める際は、コンテンツ(何を教えるか)、ターゲット(誰に教えるか)、自分の強み・弱み、リソース(使えるモノ・時間・金)という4つの判断軸で総合的に考える。
  • 迷った場合は「スクリーンキャスト」または「ハイブリッド」から始めることで、効率と品質のバランスを保ちながらコース制作を進められる。
  • 一つの形式で始めてみて徐々に高品質なやり方にシフトしていくことも可能で、何より「これなら続けられる」と思える形式を選ぶことが成功への最短ルートである。

8-1 【完全版】オンラインコース動画撮影形式 全9スタイル徹底解剖!あなたのコースに最適なのはどれ?

Last updated on 2025年6月17日 By 石崎力也

あなたはオンラインコースを作ろうとしている個人事業主や専門家で、「どんな風に撮影すればいいのか?」という最初の、そして最大の壁にぶつかっていませんか?「顔出ししないと売れないのでは?」「自分には高価な機材がないから無理だ」そんな思い込みが、あなたの素晴らしい知識が世に出るのを妨げているかもしれません。ここでは、成功しているオンラインコースの動画形式を全9スタイルに分けて徹底解剖します。

実は、成功しているオンラインコースの動画形式は一つではありません。高級なカメラで撮ることだけが正解ではないのです。成功の鍵は、あなたの教える内容とあなた自身に最も合った形式を選ぶことにあります。海外のプロが実践する主要な動画形式から、僕たちが数々のコース制作で辿り着いた実用的な形式まで、これを読めばあなたのコース作りの可能性が無限に広がり、迷わず最初の一歩を踏み出せるようになるはずです。

なぜ最初に「動画形式」を知るべきなのか?

動画レクチャーの形式の選択は単なる「見た目」の問題ではありません。後の「機材投資」「制作時間」「講師としてのブランドイメージ」という3つの重要な要素を決定づける、コース制作の最上流工程なのです。形式決定がなぜこれほど重要なのか、僕の実体験を交えながら解説していきます。

撮影準備のハードルがいかにモチベーションを削ぐか、具体例をお話しします。子供がようやく寝て、光も最高、スクリプトも完璧に準備して「よっしゃ、撮影するぞ!」と意気込んだとき、カメラのバッテリーがゼロだった絶望を何度味わったことか。形式選びは「いかに撮影までの手間を減らせるか」という視点が極めて重要なのです。

「顔出ししないと信頼されない」という不安も払拭しておきましょう。実際にUdemyで顔出しなしでもトップセラーになっている中野さんの事例や、海外の著名マーケター、マリア・コズ氏の例があります。スペイン人で英語が母国語でないGRUMOメディアの彼が、顔出しなしのスライド形式でUdemy初の年収1000万円超えを達成したのを見て僕は勇気をもらいました。重要なのは「何」を「どう」教えるか。顔出しはそのための数ある手段の一つに過ぎないのです。

あなたの選択肢はこの9つ!スタイル別完全解説

ここから紹介する9つのスタイルは、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分のコースに当てはめながら「これならできそう」「これは自分のテーマに合うな」という視点で読み進めてください。

スタイル1:Talking Head(トーキングヘッド)

一言でいうと、カメラに向かって講師が語りかける「王道」スタイルです。フロントエンドのYouTube動画などで、プロフェッショナルな印象と権威性を示すのに非常に効果的です。ただし、編集が大変で、ダラダラ喋ると視聴者はすぐ離脱するため、基本的にはスクリプト(台本)が必須になります。

YouTube captions

僕たちは意識的にYouTubeなど無料の集客コンテンツでこの形式を多用しています。一方で、有料のコースでは情報伝達効率を優先し、この形式は少ないです。目的によって使い分ける戦略が重要になります。権威性を示したい場面では強力ですが、制作コストとのバランスを考慮する必要があります。

スタイル2:Whiteboard(ホワイトボード)

一言でいうと、学校の授業を再現する「ライブ感」あふれるスタイルです。動きがあり受講者を惹きつけますが、素人が手を出すと火傷する最難関スタイルです。ホワイトボードの光の反射を抑えるには、高価な照明(Aputureなど)とそれを拡散させる広い部屋が必要不可欠です。

正直に言うと、日本で上手にやっている人をほとんど見たことがありません。大抵、ライトが反射して文字が見えないか、講師のおでこの汗まで見えてしまっています。見た目のインパクトは大きいですが、安易な選択は避けることをオススメします。

スタイル3:Paper Demonstration(紙の実演)

一言でいうと、手元の紙とペンで解説する、アナログ感と温かみのあるスタイルです。ホワイトボードと違い光を反射せず、照明が楽になります。付箋を貼り替えたり、紙をめくったりする「動き」で惹きつけることができます。

マーケティング界の巨匠ジェイ・エイブラハムの来日セミナーで印象的だったエピソードがあります。巨大スクリーンがあるのに結局フリップチャートだけで帰っていきました。このアナログ手法の普遍的な強力さを物語っています。温かみと分かりやすさを両立できる優秀な選択肢です。

スタイル4:Flat Screen(大型スクリーン)

一言でいうと、巨大モニターを背負ってプレゼンする「先進的」スタイルです。ClickFunnelsのラッセル・ブランソンが多用する、非常にクールな見せ方です。プレゼン資料と講師の存在感を両立できます。ただし、最低でも65インチ以上のモニターと広い部屋、高額な機材コストが必要になります。

Flatscreen

見た目のインパクトは抜群ですが、投資額と制作の手間を考えると、よほど高額なコースでないと採算が合わない可能性があります。ブランディング重視で予算に余裕がある場合の選択肢と考えた方が良いかもしれません。

スタイル5:VO & Slides(ナレーション+スライド)

一言でいうと、パワポやKeynoteに声を乗せる「紙芝居」スタイルです。VOとはボイスオーバー(Voice Over)の略で、映像に後からナレーションを被せることです。この形式は制作が非常に楽で、顔出し不要なのが最大のメリットです。ただし、デザイン性の低いスライドや単調な話し方だと、受講者は即離脱します。

Vsl slides

FXのチャート解説のように「ノウハウ自体に強烈な強度がある」か、GRUMOメディアのように「アニメーションなどで視覚的に飽きさせない工夫がある」か、どちらかの突き抜けた要素がないとサーバーの肥やしになってしまいます。

スタイル6:タブレット

一言でいうと、iPadで手書き解説する「デジタル版ホワイトボード」スタイルです。オンライン教育の草分け的存在であるカーン・アカデミーがこのスタイルを確立しました。顔出しなし・省スペースで、ホワイトボードのような「動き」と「ライブ感」を再現できる、非常にバランスの取れた形式です。

実際にOSB(Online School Building)で実践した際のTipsを紹介します。iPadをPCに繋ぎ、ScreenFlowで収録し、マイクは別録りすることで高音質を実現できます。手軽さと効果のバランスが優秀で、多くの分野で応用可能な万能選手と言えます。

スタイル7:Webcam + Slides(ワイプ+スライド)

一言でいうと、スライドの隅に自分の顔を映す「テレビ番組風」スタイルです。スライドの分かりやすさと、講師の表情による安心感を両立できます。最も手軽に実現できるハイブリッド形式と言えるでしょう。ScreenFlowなどのソフトを使えばオン・オフも自在です。

Screencast slide 30days

制作の手軽さと効果のバランスが非常に優秀です。特別な機材も不要で、Webカメラと画面収録ソフトがあれば今すぐ始められます。迷ったらまずはこの形式から始めることをオススメします。

スタイル8:Screencast(画面収録)

スクリーンキャストは一言でいうと、PC画面の操作をそのまま見せる「手順解説の決定版」スタイルです。僕たちが最も多用する、極めて実用的な形式です。ソフトウェア操作、プログラミング、デザインなど「見て真似る」が学習の最短ルートであるテーマでは、これ以上の形式はありません。

ClickFunnels screencast

なぜこれがメインになり得るかを力説したいと思います。「ボーナス」ではなく、メインストリームとして扱うべき重要性があります。受講者の「できた!」という成果に直結しやすく、満足度が非常に高いからです。実用的なスキルを教える場合は、この形式を第一候補に考えてください。

スタイル9:Zoom Recording(Zoom対談)

一言でいうと、専門家との対談やコンサル風景を録画する「覗き見」スタイルです。教科書的な知識ではなく、リアルな質疑応答から生まれる「生きた知恵」を提供します。コンテンツとしての価値が非常に高い形式です。

「メガファネルエンジン」購入者から「先輩の肩越しに覗き見している感覚が良かった」という生の声をいただきました。作り込まれたコンテンツではなく、リアルな課題解決プロセスそのものが高価値な商品になるという近年のブレイクスルーを表しています。30万円の商品が生まれた背景には、このリアルさがあったのです。

まとめ:「あなたにとっての最適解」となるレクチャー形式を見つける

ここまでオンラインコースのレクチャーの9つの撮影スタイルを詳しく見てきました。最後に要点を4つにまとめました。

  • オンラインコースの動画形式は9つの主要なスタイルがあり、それぞれに明確なメリット・デメリットが存在する。
  • 「顔出し必須」「高額機材必須」という思い込みは不要で、コンテンツと自分に合った形式を選ぶことが成功の鍵である。
  • 一つのコースで一つの形式に固執せず、ハイブリッド戦略で組み合わせることでコースの価値を最大化できる。
  • 制作の手軽さと効果のバランスを考慮し、まずは取り組みやすい形式から始めることが継続のコツである。

7-3 【オンライン講座の作り方】アクションステップの細分化:受講生が離脱せずに確実に行動できるカリキュラムの設計方法

Last updated on 2025年6月12日 By 石崎力也

あなたはオンライン講座を作りたいと思っている講師や専門家として、オンライン講座を作ったものの「受講生が途中で挫折してしまう」という課題に悩んでいませんか?多くの講座が情報提供で終わってしまい、受講生の行動変化に繋がらないのが現実です。つまり「ただ見るだけ」で終わっているのです。ここでは受講生が確実に行動できる「サクセスパス」の設計法と、知識を実行可能な指示に変換する「アクションステップ」の作り方を紹介します。

Udemyなどのeラーニング・オンラインコースの市場が急速に拡大する中、多くの専門家が自分の知識を講座として提供するようになりました。しかし、実際に受講生の成果に繋がる講座を作るのは想像以上に困難です。知識を持っていることと、それを効果的に教えることは全く別のスキルだからです。成功する講座と失敗する講座の違いは、情報の質ではなくカリキュラム設計にあります。ここからは受講生が「知っている」から「できる」状態になるための具体的な設計手法を解説していきます。

なぜ多くのオンライン講座が情報提供で終わってしまうのか?

多くの講師が陥りがちな罠があります。それは自分の知識をすべて詰め込もうとする完璧主義の発想です。「この情報も大切、あの知識も必要」と考えているうちに、受講生にとって消化不良を起こすほどの大きなボリュームになってしまいます。

さらに深刻な問題は、行動設計の欠如です。多くの講座では「何をすればいいか分からない」状態で受講生を放置してしまっています。情報は提供したものの、それをどう実践すればいいかの具体的な指示がないのです。あなたも動画教材を見たけれど、全く実践に繋がらなかったという経験が一度はあるんじゃないかと思います。

成功するオンライン講座の特徴は明確です。講座の目標を「情報提供」ではなく「行動変化」にするのです。そして講座のカリキュラムも知識詰め込み型ではなく少しずつ段階的に実践する形に切り替えていきます。受講生の進捗は、理解度ではなく実行度合いでチェックしてください。受講生が実際に行動を起こし、結果を出せるかどうかが最も重要な判断基準になってきます。

サクセスパスで現在地から理想まで必要な全てを洗い出す

それを達成するためにサクセスパスという概念を紹介します。サクセスパスとは、受講生の現在地から理想の姿までの最短ルートを描いたロードマップです。

Stumclaren

これは英語圏のオンラインコース界隈の大御所Stu McClarenが提唱した概念で、大きな目標を行動できる小さな単位のステップに分解する考え方です。

サクセスパス作成の基本手順は4つです。まずゴール設定で受講生の理想の姿を明確化します。次に現状把握で受講生の現在地である知識やスキルレベルを特定します。そしてハードル洗い出しで現在地から理想まで乗り越えるべき障害を全て書き出します。最後にステップ分解で各ハードルを小さなアクションに細分化していきます。

たとえば体重管理講座の場合、現在地は「ダイエットしたいが何をすればいいか分からない」状態です。理想は「3ヶ月で5kg減量し、習慣を維持できている」状態になります。その間のハードルは目標設定、食事改善、運動習慣、継続方法といった具合に整理できます。

アクションステップの細分化で知識を具体的行動に変換する

アクションステップが重要な理由は3つあります。まず具体性です。何をやればいいかが1秒で理解できるレベルまで明確にします。次に実行可能性で、今すぐ行動開始できるレベルまで細分化します。そして成果の可視化で、「できた」「できていない」を自己判定可能にします。

Convert to qs

知識を行動に変換する手法として、まず「どうやって?」分解法があります。ある知識を教えたい場合、いきなり教えようとするのではなく「○○はできますか?」という質問形式に変換してください。そして受講生ができない場合を想定し、「どうやったらできるか?」をハウツー形式で細かなステップに分解します。

たとえば「プレゼン資料が作れるか?」というマイルストーンであれば、次のように分解できます。まずパワーポイントテンプレートをダウンロードする、次に3つのキーメッセージを付箋に書き出す、最後にスライド10枚以内で構成を組む、といった具合です。

2つ目の手法は「何が妨げているか?」逆算法です。受講生が次のステップに進めない要因を特定し、障害を取り除く具体的なアクションを設計します。よくある質問や過去の受講生のつまずきポイントが情報源になります。

たとえば「SNS投稿が続かない」問題であれば、投稿ネタを30個ストックしてネタ切れを解消する、投稿時間を毎日10時に固定して習慣化する、5パターンのテンプレート文章を作って作成時間を短縮する、といった対策が考えられます。

3つ目は「自分の経験」を活用する方法です。講師自身の学習過程を振り返り、当時のハードルを洗い出して作業指示に変換します。「あの時○○を知っていれば」という視点でリアルな体験談として受講生の共感を得やすくなります。

アクションステップ作成には3つの原則があります。ベイビーステップ化で赤ちゃんでもできるくらい小さく分解すること、具体的な名詞を使用してSNSではなくインスタグラムやツイッターと明記すること、時間制限を設定して5分以内で完了など作業時間を明示することです。

設計したカリキュラムを実践的なレクチャーに活用する方法

多くの講師が「何を話そう?」と悩む理由は、カリキュラム設計が曖昧だからです。サクセスパスとアクションステップを先に設計することで、話すべき内容が明確になり、受講生の視点でコンテンツ作成ができ、情報提供ではなく行動指導になります。

Membership success path actionstep

レクチャー作成の具体的手順は4つのステップです。まずアクションステップ1つをレクチャー1本として設計します。次に必要な理由を説明し、なぜこのアクションが重要なのかを冒頭で伝えます。そして具体的な手順をデモし、画面共有や実演でやり方を見せます。最後に完了基準を明示し、これができれば次に進んでOKということを明確化します。

実践的なレクチャーにするための工夫として、ビフォー・アフターでアクション実行前後の変化を具体的に示すことが効果的です。よくある間違いを事前に指摘して対策を提示し、チェックリストでアクション完了の確認項目を提供し、次回への接続で今回のアクションが次のステップにどう繋がるかを説明します。

たとえば「インスタグラム投稿時間を固定する」レクチャーの場合、なぜ投稿時間固定が重要かを習慣化の科学的根拠で説明し、スマホアプリで投稿予約する具体的操作方法をデモし、最適な投稿時間の調べ方を教え、1週間続けられたら次のステップであるコンテンツ企画への案内をします。

まとめ:アクションステップ細分化で行動できる講座を作る

ここまでアクションステップの細分化による講座設計について解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。

  • サクセスパス設計により、受講生の現在地から理想まで必要な全てを体系的に洗い出すことができる。
  • アクションステップ細分化により、どんな専門知識も今すぐ実行可能な指示に変換することができる。
  • 3つの分解手法を使うことで、受講生のつまずきポイントを事前に解消できる設計が可能になる。
  • 設計済みカリキュラムを活用することで、実践的なレクチャーを効率的に作成できるようになる。

7-2 【オンライン講座の設計方法】サクセスパスにマイルストーンを設定し、コース受講生の迷子をゼロにする方法

Last updated on 2025年6月9日 By 石崎力也

あなたはオンライン講座を作成する講師や個人事業主として、受講生が途中で挫折してしまう問題に悩んでいませんか?せっかく素晴らしいコンテンツを用意しても、受講生がゴールまで辿り着けずに諦めてしまうケースが多発しているかもしれません。ここでは、受講生の迷子状態を防ぐための「マイルストーン」設定方法をご紹介します。

オンライン講座の運営において「受講生が講座の最後までたどり着けるか?」というのは講師にとって重要な指標の一つです。どれだけ価値のあるコンテンツを提供しても、受講生が最後まで学習を継続できなければ成果は出ません。特に高額で情報量の多い大きめのコースでは、受講生が現在地を見失いやすく、モチベーション維持が困難になります。ここでは受講者の離脱を防いでくれる「マイルストーン」の具体的な設定方法を詳しく解説していきます。

サクセスパスとマイルストーンの基本概念を理解する

マイルストーンの設定方法を解説する前に、まずサクセスパス全体の概念を整理しておきましょう。

サクセスパスとは、受講生が現在の状態から理想の状態に到達するための道筋を示すロードマップです。一本の横線を想像してください。左端が「今の状態」、右端が「理想の状態」だとすると、この線上には受講生が乗り越えるべき様々な課題や学習ポイントが存在します。

Three layers

このサクセスパスは三層構造で構成されています。最上位が「ステージ」で、これは大枠のフェーズを表します。例えばブログ講座なら「WordPressの設定」「記事の執筆」「収益化」といった段階がそれに当たります。中間層が「マイルストーン」で、各ステージ内での具体的な到達点を指します。最下位が「アクションステップ」で、マイルストーンを達成するための具体的な行動や課題を表します。

マイルストーンは受講生にとっての「小さな成功体験」の役割を果たします。最終ゴールが遠すぎて見えない時でも、次に達成すべき小さな目標があることで、受講生は学習を継続しやすくなるのです。重要なのは、マイルストーンをYES/NOで答えられる質問形式で設定することです。「できているか、できていないか」が明確に判断できるため、受講生は自分の進捗状況を正確に把握できます。

実体験から学んだマイルストーンの重要性

僕自身、GoProを使った動画制作の経験から、マイルストーンの重要性を実感しています。

Peter mckinnon

元々僕はビデオグラフィーが好きで、YouTubeを見ながらPeter McKinnonの撮影技術なんかに興味を持っていました。そのため以前は、スノーボードの動画を撮影・編集する際、最初は「完璧な動画を作る」という大きな目標だけを掲げていました。しかし、その目標は遠すぎて、途中で挫折しそうになったことがあります。

そこで、目標を小さなマイルストーンに分解してみました:

  • GoProの基本的な操作ができるか?
  • スノーボード中に安定して撮影できるか?
  • 基本的な編集ソフトの使い方がわかるか?
  • 3分程度の短い動画を完成させられるか?

このように、YES/NOで答えられる小さな目標を設定することで、着実にスキルを向上させることができました。この経験は、オンライン講座の設計にも大きな影響を与えています。

サクセスパスにマイルストーンを入れるべき理由

オンライン講座で受講生が挫折する最大の要因は「ゴールが遠すぎて見えない」ことにあります。例えば「ブログで月10万円稼ぐ」という最終ゴールだけを示されても、初心者には途方もない道のりに感じられるのです。そこで重要になるのが、小さな成功体験を階段状に配置するマイルストーンです。

Success path subscribers

マイルストーンを適切に設定することで、受講生は「次の小さな目標」に集中できるようになります。ブログの例であれば「サーバーの契約」「初記事の公開」「10記事達成」といった具合に、達成可能な小目標を順番に提示するのです。これにより受講生は迷子にならず、着実に前進している実感を得られます。

特に高額でレクチャー数の多い講座に有効なので、巨大コースを作る際にはぜひ積極的に取り入れてみてください。受講生のモチベーション維持と完走率向上に直結するため、講座設計の初期段階で必ず組み込むべき要素なのです。

あなたの経験から「乗り越えるハードル」を書き出そう

マイルストーン作りの第一ステップは、受講生が乗り越えるべきハードルを洗い出すことです。あなた自身の学習経験や、過去の受講生がつまずいた瞬間を思い出してください。最初に立ちはだかる壁を具体的にリストアップしていきましょう。

例えばWordPress講座なら「サーバー選びで迷って前に進めなくなった」「管理画面にログインできずパニックになった」といった具体的なつまずきポイントがあるはずです。英会話講座であれば「最初の自己紹介で言葉が出てこなかった」「発音が恥ずかしくて声に出せなかった」などが挙げられるでしょう。

ハードルを書き出す際は、付箋やスプレッドシートを使って一気に洗い出すことをオススメします。この段階では質より量を重視し、思いつく限りのつまずきポイントを記録してください。後で整理・統合するので、重複や些細なことでも構いません。

抽出したハードルを「簡単→難しい」順に並べ替える

ハードルを洗い出したら、次は難易度順に並べ替える作業です。早期に「サクッと達成できる壁」を配置することで、受講生に自信をつけてもらうのが狙いです。最初の成功体験が、その後の学習継続に大きく影響するからです。つまり講座の前半で勢いに乗ってもらい、モチベーションを高めてもらうのです。

難易度の判断基準として「時間・コスト・技術」の3つの視点を使いましょう。時間がかからず、費用も安く、技術的に簡単なものから順番に配置していきます。ブログ講座の例では「サーバー契約」→「WordPress設置」→「記事10本投稿」→「月5万円達成」といった流れになります。

この並べ替え作業では、あなたの講座の特性に合わせた調整が必要です。技術系の講座なら環境構築を最初に、ビジネス系なら市場調査やターゲット設定を初期に配置するなど、ジャンルに応じた最適な順序を見つけてください。

ハードルをYES/NOクエスチョンへ変換する

マイルストーンを実用的にするためには、明確な達成基準が必要です。そこで、洗い出したハードルを「YES/NOで答えられる質問」の形に変換していきましょう。曖昧な表現では受講生が自分の進捗を正確に把握できないからです。

質問の基本フォーマットは「XXできるか?」です。例えば「自分のWordPressの管理画面にアクセスできますか?」「英語で30秒間の自己紹介ができますか?」「月間1万PVを達成できていますか?」といった具合に、明確な基準を設けます。

そして質問に対する答えがNOの人には、該当のレクチャーを見て勉強してもらうというイメージでレクチャーを作ります。逆にYESと答えられるのであれば、そのレクチャーは見る必要がありません。必要なノウハウや知識は既に持っているからです。

Milestones to questions

もしYES/NOで答えづらい質問になってしまう場合は、それは良いマイルストーンとは言えません。その場合は、さらに質問の粒度を細かくして分割してください。「良い記事が書けるか?」のような主観的な質問ではなく「記事内に見出しを3つ以上入れられるか?」「1記事1500文字以上書けるか?」のように客観的な基準に落とし込むのです。

このようにYES/NOで答えられる質問に変換することで、講座を作るこちら側も何を教えたらいいのかを明確にすることができます。これこそが僕がマイルストーンをYES/NOで設定するように勧めている理由です。

まとめ:マイルストーンで受講生の迷子状態を解消する

ここまでオンライン講座の受講生が途中で挫折しないためのマイルストーン設定方法についてお伝えしてきました。最後に要点を5つにまとめました。

  • マイルストーンは受講生にとっての「小さな成功体験」として機能し、大きな目標達成までの道のりを明確にする。
  • サクセスパスは「ステージ」「マイルストーン」「アクションステップ」の三層構造で設計すると効果的である。
  • マイルストーンはYES/NOで答えられる質問形式で設定することで、受講生の進捗状況が明確になる。
  • マイルストーン設定の第一歩は、受講生が乗り越えるべきハードルを洗い出し、難易度順に並べ替えること。
  • 良いマイルストーンは「時間・コスト・技術」の観点から難易度を判断し、簡単なものから配置することで受講生の自信を育む。

7-1 受講生を挫折させないオンラインコース設計術:サクセスパスで解決するカリキュラム構成の悩み

Last updated on 2025年6月6日 By 石崎力也

あなたはオンラインコースの企画を考えているフリーランスで、コースの中のコンテンツの順序や中身をどのように組み立てていいかと悩んでいませんか?ここではオンラインコースで受講者を挫折させない「サクセスパス」というカリキュラム設計の考え方をご紹介します。この方法を取り入れることで、受講者が着実に成果を出せるオンラインコースを作れるようになります。

オンラインコースは、自分のペースで学習を進められる柔軟性が魅力です。しかしその反面、学習の道筋が不明確になりがちで、「次に何を学ぶべきか」「今どの段階にいるのか」が分からなくなることがあります。これは、受講者が膨大な情報の中から自分で最適な学習順序を見つけ出す負担を強いることになりかねません。結果として、学習の途中で「何をすればいいかわからない」「進んでいる実感が持てない」と感じて挫折してしまうケースが少なくありません。

なぜオンラインコースにサクセスパスが必要なのか

「受講者に明確な学習の道筋、つまり”成功への最短経路”が見えないため、ゴールにたどり着けずに挫折してしまう…」これは多くのオンラインコースが抱える共通の課題です。情報が網羅されているだけでは不十分で、受講者がステップ・バイ・ステップで着実にゴールへ向かえるような「体系的なカリキュラム」が不可欠なのです。

制作者にとっても、せっかく時間と労力をかけて作ったコースが最後まで活用されなかったり、受講者の成果に繋がらず低評価に繋がったりするのは避けたい問題です。質の高いコンテンツを用意しても、それを適切な順序で学べる仕組みがなければ、受講者は迷子になってしまうのです。

僕自身も過去にいくつかのオンラインコースを購入した経験があります。内容自体は素晴らしいのに、どこから手をつければいいのか分からず結局途中で挫折してしまったことも少なくありません。特に情報量が多いコースでは「次に何をやるべきか」という指針がないと、学習のモチベーションを維持するのが難しくなります。

Membership success path cashlab

こうした課題を解決するのが「サクセスパス」という考え方です。サクセスパスを取り入れることで、受講者は学習の全体像を把握しながら、着実にステップアップしていくことができます。また制作者側も、どのような順序でコンテンツを提供すべきかが明確になり、効果的な学習体験を設計しやすくなるのです。

サクセスパスとは何か?

「サクセスパス」とは、受講者がオンラインコースを通じて「現在の状態(スタート地点)」から「理想の状態(ゴール)」へと到達するために、段階的に踏むべき道筋(ロードマップ)のことです。言い換えれば、コースのゴール達成までに「何を」「どのような順序で」学習・実践していくべきかを明確に示した、成功へのステップ・バイ・ステップガイドと言えます。

Membership success path

サクセスパスを視覚的にイメージしてみましょう。一本の横線を引いてみてください。左端がコース受講前の「現在の状態」、右端がコースを通じて到達したい「理想の状態(ゴール)」です。サクセスパスは、この左端から右端へ向かう道のりを示します。その道のりはいくつかの「ステージ」という区間に分かれ、各ステージの中に「マイルストーン」というチェックポイントが点在しています。そして、マイルストーンを一つひとつクリアするための具体的な「アクションステップ」が存在する、というイメージです。

サクセスパスは、主に次の3つの要素で構成されます。

Membership success path stage

まず「ステージ(Stage)」です。これは学習プロセス全体をいくつかの大きなフェーズに分けたものです。例えば「基礎知識の習得」「応用力の養成」「実践・定着」といった大枠の段階を設定します。これにより、受講者は全体の流れを把握しやすくなります。

Membership success path milestone

次に「マイルストーン(Milestone)」があります。各ステージ内における、達成すべき小さな目標や成果の指標のことです。これらをクリアしていくことで、受講者は着実に前進している感覚、つまり小さな成功体験を得られます。

Membership success path actionstep

最後に「アクションステップ(Action Step)」です。各マイルストーンを達成するために、受講者が具体的に取るべき行動や課題のことを指します。動画視聴だけでなく、ワークシートへの記入、特定のスキルの練習、ツールの操作などが含まれます。これにより、受講者は具体的に何をすべきかが明確になり、行動に移しやすくなります。

サクセスパスのメリットと効果

サクセスパスを設計することは、コース制作者と受講者の双方に大きなメリットをもたらします。制作者視点と受講者視点に分けて、そのメリットや効果を見ていきましょう。

制作者視点のメリット:効果的なカリキュラム設計の羅針盤となる

コースで約束するゴールから逆算して、達成に必要な要素を段階的に洗い出すことができるため、論理的で一貫性のあるカリキュラムを設計しやすくなります。「何をどの順番で教えるべきか」が明確になり、教えるべき内容の抜け漏れを防ぎ、コース全体の構成を体系的に整理できるのです。

例えば料理のオンラインコースを作るとします。最終的に「家庭で本格的なイタリアンを作れるようになる」というゴールがあれば、そこから逆算して「基本的な包丁の使い方」「食材の選び方」「基本的なソースの作り方」といった要素が必要だと分かります。これらをステージに分け、さらに細かいマイルストーンに落とし込むことで、体系的なカリキュラムが出来上がります。

結果として、単なる情報の寄せ集めではなく、受講者を着実にゴールへ導くための、効果的で質の高い学習体験を提供できます。また、明確なカリキュラムがあることで、コンテンツの更新や改善もしやすくなるというメリットもあります。

受講者視点のメリット1:学習の動機付けと継続

明確なマイルストーンが設定されていることで、受講者は「次はこれをクリアしよう」という短期的な目標を持ちやすくなります。マイルストーンを一つひとつ達成していくことで、「できた!」「前に進んでいる!」という小さな成功体験を積み重ねられ、これが学習への自信と意欲に繋がります。

最終ゴールが遠く感じても、目の前のステップを着実にクリアしていくことで、学習を継続しやすくなります。これは特に長期間にわたるコースや、難易度の高いスキルを習得するコースで効果を発揮します。僕も過去にプログラミングのコースで挫折した経験がありますが、その大きな理由は「小さな成功体験」が少なく、常に「まだまだできていない」という感覚に苛まれたからだと思います。

逆に言えば、適切に設計されたサクセスパスがあれば、受講者は学習の各段階で達成感を味わいながら、モチベーションを維持できたはずです。

受講者視点のメリット2:進捗の可視化と安心感

サクセスパスという全体の地図があることで、受講者は自分が今どのステージにいて、ゴールまであとどれくらいなのか、全体像の中での現在地を把握できます。次に何をすべきかが明確になるため、「この進め方で合っているのだろうか?」という不安が軽減され、安心して学習に取り組むことができるのです。

例えば英語学習のコースで、「今は発音の基礎を学ぶステージで、次はリスニング力を高めるステージに進む」と分かっていれば、現在の学習が全体の中でどう位置づけられているかが明確になります。自分の成長や進捗を目で見て確認できることは、学習効果を高める上でも重要です。

特にオンライン学習では、対面での指導者がいないだけに、この「見える化」の効果は大きいと言えます。進捗を確認できる仕組みがあると、受講者は自分のペースで着実に前進している実感を持つことができるのです。

受講者視点のメリット3:学習効果の向上

サクセスパスに基づいて段階的に知識やスキルを積み上げていくことで、無理なく理解を深め、実践力を養うことができます。体系的に整理されたカリキュラムは、断片的な知識の習得に留まらず、本質的な理解と応用力の向上に繋がります。

制作者が意図した通りの順序で学習が進むため、受講者は最も効率的な方法で成果を出すための道筋を辿ることができます。例えば、基礎から応用へ、理論から実践へと段階的に進むことで、学習内容が定着しやすくなります。

また、サクセスパスに沿って学ぶことで、異なる知識やスキルの関連性も理解しやすくなります。これは特に複合的なスキルを習得するコースで重要です。例えばWebデザインのコースでは、HTML、CSS、JavaScriptといった要素がどのように連携するかを理解することが大切ですが、サクセスパスに沿った学習によって、これらの繋がりを自然と把握できるようになります。

オンラインコースにおけるサクセスパスの適用例

サクセスパスを使ってオンラインコースのカリキュラムを作るとどんな感じになるのでしょうか?ここでは2つのコースを例に、サクセスパスの具体的な適用例を見てみましょう。

事例1:初心者向け英会話コース「3ヶ月で日常会話に自信をつける!」

1つ目のコースの例は初心者向け英会話コースです。仮にタイトルを「3ヶ月で日常会話に自信をつける!」としましょう。このコースのゴールは「簡単な日常会話を臆することなく話せるようになる」ことです。これを達成するためのステージ設計は次のようになります。

ステージ1は「基礎固め」です。ここでは発音、基本文法、必須単語のインプットを行います。マイルストーンとしては「正しい口の形で母音・子音を発音できるか?」「簡単な自己紹介文を作れるか?」などが設定されます。

ステージ2は「聞き取り力UP」です。短い会話のリスニングやシャドーイング練習に取り組みます。マイルストーンには「ゆっくりな会話なら内容を推測できるか?」「短いフレーズを真似して言えるか?」などがあります。

ステージ3は「話す練習」です。定型フレーズの反復練習や簡単なロールプレイを行います。マイルストーンには「テンプレートを使って自己紹介ができるか?」「簡単な質問に一言で答えられるか?」などが含まれるはずです。

事例2:副業向けブログ収益化コース「ブログで月5万円を目指す!」

次のコースの例は副業向けブログ収益化コースです。仮にタイトルを「ブログで月5万円を目指す!」としましょう。このコースのゴールは「自身のブログを開設し、基本的な収益化の仕組みを構築・実践して月5万円の収益を達成する」ことです。ステージ設計は次のようになります。

ステージ1は「ブログ開設と基本設定」です。サーバー契約、WordPress設定、テーマ選定などを行います。マイルストーンには「自分のブログにアクセスできるか?」「基本的なカスタマイズが完了しているか?」などがあります。

ステージ2は「記事作成と集客の基礎」です。キーワード選定、SEOライティング、SNS連携などを学びます。マイルストーンには「ターゲットキーワードで記事を10本書けるか?」「基本的なアクセス解析が見れるか?」などが設定されます。

ステージ3は「収益化の実践」です。アフィリエイト導入、広告設定、分析と改善などを行います。マイルストーンには「アフィリエイトリンクを記事に貼れるか?」「簡単な収益レポートを確認できるか?」などが含まれます。

まとめ:サクセスパスで受講者の成功体験を設計する

ここまでサクセスパスによるオンラインコース設計の考え方を解説してきました。最後に要点を3つにまとめます。

  • サクセスパスはオンラインコースの受講者が最初の状態から理想の状態へと至るための段階的な道筋を示し、学習の挫折を防ぐ効果がある。
  • 効果的なサクセスパスは「ステージ」「マイルストーン」「アクションステップ」の3つの要素で構成され、受講者に明確な学習の進め方を提示する。
  • サクセスパスを取り入れることで、制作者は体系的なカリキュラムを設計でき、受講者は小さな成功体験を積み重ねながらゴールに向かって着実に進むことができる。
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