今回は、ターゲットとする顧客の達成すべきゴールまでのロードマップ、「サクセスパス」を作る方法について紹介します。最終ゴールを目指す時は、出来るだけ小さな目標を達成していったほうがモチベーションの維持がしやすいです。そのためには少しずつ階段を上がっていけるような仕組みが求められます。サクセスパスの具体的な作り方についてお伝えしていきます。
サクセスパスとは、顧客の今の姿となりたい姿を一本の線で結び、彼らが目標を達成するプロセスで乗り越えなければいけないハードルを書き出したロードマップです。あなた自身のコース・カリキュラムを作る原案にもなりますし、顧客が道に迷わないための羅針盤にもなります。僕たちは新しい商品を作るときに、毎回このサクセスパスをスプレッドシートに書き出します。
プロダクト・フォーカスが常に重要な理由
初めてのオンラインコース作成は受講者が得られる結果、「プロダクト・フォーカス」を念頭に置いて作成しなくてはなりません。プロダクト・フォーカスはオンラインコースの作成において、最も重要な項目のうちの1つだからです。最後に受講者がどんな結果を獲得することができて、どんな成果が期待できるのか。オンラインコースの大小に関わらず、ゴールにたどり着くまでの思考プロセスをわかりやすくするためにも、プロダクト・フォーカスの意識は大切になります。
要はあなたがラーメン屋さんをやっているなら、チラシや採用を考える前に「もっと美味しいラーメンを作ったらどうですか?」ということです。商品がしょぼいとどれだけプロモーションをしても、短期的な売上は計上できても、長期的な売上は望めませんよという感じ。
マーケティング、セールス、集客、ファイナンス、採用、コピーライティング、いろいろビジネスでは考える要素がありますけど、まずはいい商品あるいはいいサービスを作ることに注力しましょう、というのがプロダクトフォーカスの考え方です。
またフラグシップコースは、初めて作るオンラインコースとは全く次元の異なる商品です。あなたのプラットフォームを新たなステージに押し上げてくれるようなコンテンツであり、受講者に大きな変化をもたらすものでしょう。しかし小さいオンラインコースとフラグシップコースでは役割が違うため、受講者にどのような影響をもたらすか違いを理解しておく必要があります。
まずフラグシップコースを通し、お客さんがどれだけ自身の人生に変化を起こせるかを考えなくてはなりません。つまり受講前と比べ、今までの自分よりもどれくらい変化しているか大きく実感してもらいたい。ただし、必ずしもミニコースのように具体的である必要はありません。受講者が最終的に得ることができる結果を、なんとなくイメージがつくよう全体的に理解できるものでなくてはならないのです。そのためフラグシップコースのプロダクト・フォーカスを考える際は、できるだけ広い視野を持つべきでしょう。
受講者がどんな結果を獲得することができるのか、どんな成果が期待できるのか。どのような過程を歩んでいけば、そのゴールにたどり着くことができるのか。この背景を、オンラインコースの製作者は常に意識しておかなくてはなりません。つまりプロダクト・フォーカスを理解していることにより、そういった思考プロセスが圧倒的に簡単になるのです。
各セクションでの取り組み方における工夫が必要
次のステップでは、初めて作ったオンラインコース同様にフラグシップコースのプロダクト・フォーカスも作成したとしましょう。その後のプロセスとして、初めてのオンラインコースとフラグシップコースでは異なるところがあります。それは各セクションでの取り組み方への工夫です。
フラグシップコースではかなり大きな変化量をもたらす必要があるので、それぞれのセクションで、受講者が非常に小さな成功を得られるような工夫をしましょう。フラグシップコース全体が1つのゴールに向かうことは当然ながら、各モジュール・各レッスンごとに、何かしらの目標があることが望ましいのです。そして、それぞれに設定された目標をクリアしていくことによって、定期的に達成感や喜びを感じさせるようにしましょう。
この項目はとても重要で、押さえておくべき内容です。大規模なオンラインコースの場合、小さな成功を重ねるような構成じゃないと、受講者が途中で諦めてしまったり、成長を感じられなかったり、圧倒されてしまったりすることになります。少しずつ成長を感じさせつつ、最終的にフラグシップコース全体の大きな目標を達成出来るようにしましょう。最終ゴールまでの進捗を受講者がチェックできる工夫が必要です。
ちなみにフラグシップコースは、対象となる見込み客の範囲が広くなりますよね。なので何の狙いもなくプロモーションやマーケティングをしても、本当にそのコースが必要な人に届けることはできません。だからこそあなたがフラグシップコースを提供するべき見込み客を、しっかりと明確にする必要があります。フラグシップコースを作る前の段階であってもあなたは自分の商品とアフィリエイト商品をプラットフォーム上で公開してみて、買ってくれるお客さんがいるか、どのような商品があなたの見込み客の心に響くのか調べることもできます。
こういったリサーチをしながら、見込み客が本当に求めているコンテンツは何なのか、あなたが解決するべき問題は何なのかをハッキリとさせておく必要があります。そうすれば、あなたの見込み客に必要なソリューションを、フラグシップコースに確実に組み込むことができます。
サクセスパスとは一体何なのか?
それではここであなたに、見込み客の問題解決を助けるとっておきの考え方をご紹介しましょう。それはサクセスパスというものです。これは一体、どういった意味なのでしょうか。また、あなたが実際にフラグシップコースを作成しようとした際、なぜサクセスパスが必要になると思いますか?
サクセスパスとは、最終的な目標までに達成すべき小さなゴール、もしくはマイルストーンです。つまりフラグシップコースのゴールへ到達するまでに、受講者が通過する道であり、過程であり、そこへ行くまでに経験する小さな成功のことです。
これは僕たちがコンプリートバンドルという商品を作ったときに、作成したサクセスパスです。毎度、商品を作るたびにこのようなサクセスパスを用意しています。お客さんの今の姿と、なりたい姿をタイムラインで結び、なりたい姿になるためには何をしなければいけないのか1つ1つ書き出していきます。
最終的なゴールやプロダクト・フォーカスへ到達するためには、到達点までのマイルストーン、連続した小さな成功が鍵になります。なぜならサクセスパスがあることによって、より明確にゴールを意識できるようになるからです。
受講者は決して最終的なゴールまで、ゆっくりと進みたいわけではありません。サクサクと小さな成功を繰り返し、成長を感じながら、最終的なゴールにアプローチしたいと考えています。だからこそ、サクセスパスは必要なのですね。
特にフラグシップコースは、多くの情報をカバーしていますよね。だから、進捗状況について目で追えるようにしてあげたほうが良いでしょう。どのようにして最終的な結果を得ることができるか、クリアしてきた全てのステップを振り返ることができるように、サクセスパスは重要な役割を果たします。
サクセスパスの作り方と適切なステップの考え方
では、サクセスパスの作り方を解説していきます。実際に作成しようと考えた際、どのようにしてそれぞれのステップを考えることができるのでしょうか。もちろんいくつかのマイルストーンが必要であることは、あなたもわかると思います。しかし、どうやってマイルストーンを設置していけばいいのか、適切なサクセスパスとはどのようなものなのか。想像するのは少し難しいかもしれません。
具体的な手順や考え方を学び、体系的にサクセスパスのストーリーを理解することで、あなたはより効果的なマイルストーンの抽出が行えるようになります。
#1:自身の経験や体感したハードルを活用する
まずあなた自身の業界経験を活用します。教えているトピックについて、あなたは何を知っていますか?その業界にはどんなハードルがありますか?あなた自身が経験したハードルに基づき、「そのハードルがどこにあって、どうやって乗り越えられたか」に基づいて考えれば、サクセスパスを適切に作ることができるでしょう。
例えばあなたは、より良いライフスタイルを人々に教えたり、健康やウェルネスを根本から変えたりする方法を人々に教えているとしましょう。そういったジャンルでよく扱われる内容に、ダイエットがあります。ダイエットの中で、あなたが経験したハードルは次のようなものかも知れません。
- 具体的にどうやってダイエットに取り組めばいいのか?
- 食事プランを考える必要はあるか?
- どのくらい運動しなきゃいけないのか?
ライフスタイルというテーマにおいて「ダイエット」を1つのゴールとした際、通過しなければいけないハードルは複数ありますよね。そのハードルを少しずつ乗り越えやすいよう導く役目がサクセスパスで、道中のハードルがマイルストーンです。
#2:抽出されたマイルストーンを難易度別に並べる
例えば、サクセスパスのマイルストーンをいくつか考え出したとします。その後、より簡単に得られる成果を最初の方に持ってきて、労力や時間がかかる成果を後半に並べるといった工夫は必要なのでしょうか?それとも、無造作に並べた方が良いのでしょうか。
その答えは1つで、成果が早く出るものから始められるようにしましょう。繰り返しになりますが、フラグシップコースのゴールは、1つの大きく、難易度の高い目標です。そのため、オンラインコースの作成者はできるだけ受講者に進捗状況を見せながら、進ませてあげたい。なので、難易度が低く簡単に達成できるマイルストーンを、サクセスパスの最初の方に配置してあげてください。
例えば最初のマイルストーンに、「20キロ減量する」といった難易度の高すぎるゴールを設定すべきではないということです。これはとても大変ですし、そのゴールに到達する前に、ほとんど多くの受講者が挫折してしまうことになるでしょう。
一方で「7日間バランスの取れた食事をする」ということをゴールにするとどうでしょうか。適切なガイダンスさえ示してあげれば、何とかクリアできそうですよね。受講者も目標を聞いて、達成できそうかをイメージしやすいでしょう。そして、成し遂げられたら自分の成長を確認でき、さらに先へと進むことができるはずです。だから簡単なマイルストーンや時間がかかるものよりも、すぐに成果が得られるマイルストーンを始めに置くべきです。
達成しやすい順に設定されたサクセスパスを進めれば進めるほど、より複雑なステップに挑戦できるようになるでしょう。なぜなら、受講者はその段階ですでにいくつかの成功を収めているからです。いくつかのマイルストーンを乗り越えた人なら、さらに難しいものにも躊躇せず取り組んでいけるでしょう。
#3:対象とするユーザーを具体的にする
サクセスパスを作るとき、誰を思い浮かべて作ればいいのでしょうか?より広い範囲に影響を与えたいと思う場合、できるだけ多くの人に合うよう作るべきかと考えてしまいがちです。逆に、具体的な個人にフォーカスしたサクセスパスを作るべきと考える方もいるでしょう。あなたは、優れたサクセスパスは一体誰に焦点を合わせていると思いますか?
これはサクセスパスに限らず、あなたが何かを作るとき、何かをするときには、必ず具体的な誰かを思い浮かべる必要があります。正直なところ、多くの人に当てはまるようなサクセスパスを作るのはとても簡単です。なぜなら、「これはAさんに当てはまる」「これはB君の心に響きそうだ」「Cさんはまだこのことを知らないから、このトピックについては組み込まないと」といったイメージで、何でもサクセスパスに含めることができてしまうからです。
でもオンラインコース・クリエイターとして、具体性に欠けるサクセスパスを提供するのは間違いだと言えます。実際にユーザー目線で考えてみてください。対象を広げすぎてしまった抽象的な内容が多いサクセスパスのオンラインコースを受けると、このように感じるでしょう。
「これはどこに向かってるの?」「これは僕に向けたものなの?」「何に取り組むべきで、何を無視すべきなのか分からない」
そのため、ある特定の人物、つまりアバターについて考えてみて、その人には何が必要なのか、その人は今どこにいるのかについて思いを馳せましょう。そして、その人のペイン・ポイントや苦しんでいること、マイルストーンをクリアするためにあなたがするべきサポートを明確にしてください。
たった1人のために作られたサクセスパスは多くの人の心を動かす
僕らのこれまでの経験上、具体的なターゲット・カスタマーのためにサクセスパスを作ると、最終的には大多数の見込み客に適したものを作ることができるデータがあります。
業界で手に入る知識の100%をフラグシップコースに詰め込む必要はありません。なぜなら、あなたが知っている全てのことを詰め込んだとしても、そのトピックに関しては初心者である受講者にとって全てを消化し切ることはできないからです。
フラグシップコースには、あなたの持っている知識の80%をカバーできれば十分でしょう。それだけでも、彼らは重要な結果を得ることができるはずです。大事なのは受講者が迷わずにこなせるようなサクセスパスとマイルストーンを設定することです。
サクセスパスを作る過程で、理想の顧客像を1人イメージし、その人のためにサクセスパスを作っているかのようにマイルストーンを書き出すことは非常に効果的です。出来るだけ具体的に、理想の顧客像を想定して質の高いマイルストーンを抽出しましょう。
このコースにおけるコア・カリキュラムのサクセスパス
僕らがこのコア・カリキュラムを作ったときにも、今僕があなたにオススメしたやり方を使いました。あなたの人生に大きな変化を起こすため、ユーザー、つまりこのコースの受講者であるあなたが進むべきマイルストーンを1つずつ設定していきました。
サクセスパスの理解を深めるためにも、このコースにおけるコア・カリキュラムのサクセスパスを共有しましょう。僕らにとってそれは、成功するオンライン・プラットフォームの3つ柱となりました。もう聞いたことがあるかもしれませんが、3つ紹介します。
- PLAN – オンラインコース・クリエイターの計画を立てる
- ESTABLISH – ブログとメルマガを軸としたホームベースを確立する
- LAUNCH – オンラインコース を作り販売する
これらのアウトラインを確立した後、僕らは逆算的に考えました。「受講者がそれぞれのマイルストーンを達成するためには、何が必要だろうか」と。それらを特定することができなければ、人生に大きな変化を起こすことはできません。その後、13のモジュールがコア・カリキュラムとして出来上がりました。
まとめ:あなたが誰を助けたいのかを明確にし、約束した変化を受講者にもたらす
最も重要なことは、あなたが誰を助けたいのか明確にすることです。オンラインコースを受講するのが誰であれ、達成するゴールが何であれ、あなたが約束した受講後の変化を彼らの人生に起こすということが大切なのです。
またサクセスパスの背景を理解することで、受講者の課題を洗い出し、オンラインコース・クリエイターとして何が手助け出来るのかを明確化することが出来ます。サクセスパスがあれば、コンテンツの作成自体もかなり簡単になりますよ。
このビデオを観ているあなたがどんなサクセスパスを考え出すのか、とても楽しみです。さあ、もう次に何をするべきかわかっていますね?これまでのレクチャーを復習し、フラグシップコースのプロダクト・フォーカスを明確にし、ターゲット・カスタマーのためにサクセスパスを作りましょう。
このステップは非常に重要なので、分からないことがあれば、コメント欄で聞いてください。サクセスパスが完成したら次のトレーニング・ビデオに進みましょう。サクセスパスを、本格的なコース・カリキュラムへ変える手順を紹介しています。