あなたは自分の広告代理店を始めたいと考えていて、具体的な事務手続きのやり方に迷っていませんか?代理店業務を始めるにあたって、広告アカウント以外に何が必要なのか?と考えているはずです。そこで広告代理店を開業するにあたって必要になる手続きについて解説します。これらを端から順番に実行するだけで、開業の準備が着々と整っていくはずです。
ビジネスに必要なのはスキルや情熱だけではありません。ちょっと面倒くさい事務作業というのも必要になってきます。ですが、何をやるべきかを1から調べていては膨大な時間が掛かります。そこであなたがやるべき手順をまとめておきました。これらの手順をチェックリストのように使ってもらえば、きっと楽に開業準備が進むはずです。それでは早速、開業に向けてやるべき準備を見ていきましょう。
ビジネス用のドメインを取得する
まず広告代理店をスタートさせる際、オンラインでの存在感を築くというのは大事な一歩になります。そのためには適度に「ちゃんとした感」を作ることが重要です。その1つがドメインの取得です。あなたも取引の相手のサイトが変なURLよりも、きちんとしたドメインの方が安心できると感じるはずです。メールの差出人もYahooメールより、独自の.comドメインの方が信頼できると考えるはずです。
そのためまずはあなたのビジネスのドメインを取得するところから始めてください。ドメインを取得する際には、ビジネスの名前が決まっている必要があります。簡潔で覚えやすい魅力的な名前を用意してください。ドメインを取得する際には「お名前.com」などのドメイン登録業者を使ってください。同じドメインを取得するのでも、登録業者によって値段やサービスが変わってきます。ネットで検索して有名どころの登録業者を使えば間違いありません。
またドメイン登録時にはWHOIS情報のプライバシー保護なども考慮に入れてください。WHOIS情報とは、ドメインの所有者情報が記載された公開データベースのことです。ドメインの透明性を高めるためにドメイン所有者の名前、メールアドレス、住所、電話番号などを公開することが義務付けられています。普通なら取得した個人の情報が載ります。ですが登録業者の中には、あなたに代わって業者自身の情報を代理で表示してくれるサービスがあります。
そうすることで直接あなたの個人情報が公開されることなく、スパムなどから身を守ることができるようになります。またドメインは数年ごとの更新制です。一番短いもので1年更新になります。ドメイン更新を忘れてしまうと、ドメインが失効し他人に取られてしまうことがあります。そうならないためにもドメイン取得後には、自動更新などの設定をよく確認しておいてください。
問い合わせ手段を用意する
ドメインを取得した後の次の大切なステップは、プロフェッショナルな問い合わせ手段を用意することです。これにより、潜在的なクライアントやビジネスパートナーがあなたの広告代理店に容易に連絡を取ることができるようになります。まず、独自ドメインのメールアドレスを用意しましょう。独自ドメインを使ったメールアドレスとは、support@haamalu.co.jpのようなものを指します。これは僕のカスタマーサポート用のメールアドレスです。
これはGoogle Workspaceなどのサービスを利用すると簡単に設定することができます。Google WorkspaceはGmailやGoogle Driveの有料のビジネス版です。僕自身も自分で取得したドメインを使い、Google Workspaceで専用メールアドレスを作っています。ビジネス用の電話番号も用意しましょう。オススメはSkypeでの電話番号取得機能です。この機能は「オンライン電話番号」と呼ばれます。
携帯電話番号の契約よりも安く、しかも簡単に取得できます。年間2400円ほどで050から始まる電話番号がもらえます。あとはスマホにSkypeアプリを入れておけば、世界のどこにいてもその番号に掛かってきた通話に出ることができます。個人の番号と別に電話番号を取得しておくことで、ビジネスのあらゆる場面でビジネス専用の電話番号を使うことができるようになります。
またビジネス用のチャットアカウントを作ることも検討してください。Chatworkは日本でもよく使われているビジネス用のチャットサービスです。メールよりも細かなやりとりができるため、クライアントとのやり取りもスムーズに行えるようになります。連絡手段にチャットを加えることで、クライアントとより密にコミュニケーションを取れるようになります。
問い合わせ用ホームページを作成する
広告代理店を立ち上げる際に、問い合わせ用ホームページの作成は欠かせないステップです。あなたのサービスに興味を持った人は、必ずネットで検索をします。その時にホームページがなかったり、問い合わせ方法が分からないという事態は避けなければなりません。ホームページの目的は、サービスの紹介、見込み客の獲得、問い合わせの受付がメインになります。
最近は簡単にウェブサイトを作ることができるウェブサイトビルダーのサービスが充実しています。例えば、WixやJimdo(ジンドゥー)などが有名です。英語が少し分かるのであればSquarespaceなどもデザインが綺麗でオススメです。僕もWordPressやClickFunnelsを使う前は、Squarespaceでサイトを作っていました。これらのウェブサイトビルダーは、直感的な操作で綺麗なサイトを作ることができます。テンプレも充実しているのでデザイナーが分からなくても困ることはないはずです。
サービス紹介の他に必ず問い合わせフォームなどを用意してください。実際にあなたと連絡を取る方法を提示しておくんです。この問い合わせフォームは見込み客が簡単に記入できるようにしておいてください。そのコツは入力項目を必要最低限に留めることです。あまり最初から項目が多すぎると、問い合わせ自体が面倒に感じられてしまいます。
またウェブサイト上にプライバシーポリシーと利用規約を掲載して、見込み客に安心感を与えてください。このような項目はトラブル防止だけでなく、あなたのビジネスにプロフェッショナル感を与えてくれます。
ビジネス用の住所を用意する
広告代理店を開設する際、ビジネス用の住所を確保することも忘れないでください。もしあなたがオフィスや事務所を構える場合は、その住所を使うと良いでしょう。もし特定のオフィスがない場合や自宅で仕事をする場合は、自宅の住所をビジネス用の住所とすることもできます。ビジネス用の住所は、行政への様々な申請やクライアントとの契約において使う機会が存在します。またビジネス文書や郵便物を受け取る場合にも必要になってきます。
ビジネス用の住所としてバーチャルオフィスを使うことも選択肢の1つです。バーチャルオフィスとは物理的なオフィススペースを持たずに住所だけを貸してくれるサービスのことです。オフィスを構えることなく、オフィス街に住所を持つことができます。また自宅とビジネス用の住所を分けることも可能になります。実際にオフィスを持つより安価なのでコスト削減にもなります。郵便物を転送するサービスを提供しているところもあり、とても便利です。
もしバーチャルオフィスを使う場合には、いくつか注意すべきことがあります。それは開業届や法人の登記、税務に使えるのか?などを確認する必要がある点です。僕はその分野の専門家ではないので具体的なアドバイスはできません。もしバーチャルオフィスを使う場合にはこのあたりのことを一通り調べて理解するようにしてください。
開業届を出してビジネスを登録する
開業届も忘れずに提出しましょう。これもビジネスを始める上での大事な手続きです。これによりあなたのビジネスが正式なものとして国に認められます。また税務上の正式な優遇などを受けることができるようになるのでとても重要です。法人を持っていない場合、最初は法人化せずに事業を始めると良いでしょう。その後、事業が安定してくると法人化を検討する段階もやってくるはずです。
法人化にはいろいろな形があります。特に合同会社としての法人化は、設立にかかる費用を抑えられるというメリットがあります。なぜそんなことが言えるかというと、僕は日本にいる頃、実際に合同会社として登記をしていたからです。もちろん法人形態にはそれぞれ異なるメリットがあります。ご自身の事業に最適な形を選ぶために、法人化の際には事前にしっかりと調査することをお勧めします。
ビジネス用の銀行口座やクレジットカードを作成する
事業用の銀行口座を開設することも忘れないでください。銀行口座は様々な支払いだけでなく、クライアントから報酬を受け取る上でも重要です。特に個人事業主は事業用の銀行口座を用意することなく、事業をスタートさせてしまうことも多いです。事業用の銀行口座を用意するメリットは、個人資産とビジネス資金を分離できる点です。これによって後々の会計処理や、税務申告が楽になります。最近では銀行に行かずともネット銀行を使ってビジネス口座を作ることができるようになっています。
開業届の控えなどを見せれば、個人事業主でも簡単に屋号付きの銀行口座を開設することができます。また、ビジネス用クレジットカードの導入も検討してください。ビジネス用クレジットカードを利用することで、キャッシュフローが改善されたり、購入履歴の追跡が容易になります。結果的に会計処理の効率化を図ることもできます。さらに、ポイントやマイルを賢く使うことで、必要なビジネス経費の削減にも繋がります。
ビジネス用のPaypalアカウントを作成する
ビジネス運営においては、銀行口座以外にも報酬を受け取る手段を用意しておくことが重要です。その一つが、ビジネス用のPayPalアカウントの作成です。クライアントによっては、クレジットカードでの支払いを好むことがあります。PayPalを使えば、そうしたクライアントのニーズにも対応できます。
ただし、PayPalを通じた取引には銀行口座よりも多くの手数料が発生します。この点には注意が必要です。そのため、PayPalアカウントは、あくまでバックアップの手段として用意しておくと良いでしょう。Paypalアカウントにも、個人用とビジネス用があります。ビジネス用のアカウントは申請から開設にも時間がかかります。そのためビジネスの立ち上げ初期に早めにやっておくことをオススメします。
契約書を用意してCloudsignに登録する
契約書はビジネスを進める上で欠かせないドキュメントです。しかし、自分で契約書を作成しようとすると、重要な項目を見落としてしまうリスクがあります。このため、契約書作成にはプロの手を借りることをオススメします。特にオススメなのは、クラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトを利用することです。
ここでは、法務系に強い外注ワーカーを見つけることができ、契約書の雛形を作成してもらうことが可能です。契約書は一度雛形を作ってしまえば、毎回使い回すことができます。そのため最初の1回だけ外注で作成すればよいので費用も思ったほど掛かりません。条項の変更など、内容をアップデートしたい場合はその都度、外注さんに修正を依頼すればよいのです。
実際、僕も毎回クラウドワークスを通じて契約書の雛形を作成してもらっています。雛形の作成は1万円〜2万円ほどでやってもらえます。内容をヒアリングしてもらい、自分用にカスタマイズしてもらえます。スピードも早くクオリティも自分でやるより高いので、ぜひオススメします。
さらにクライアントと契約書を結ぶ際には、Cloudsignを使いましょう。Cloudsignは、弁護士監修のもと作られた電子契約書サービスです。契約書の作成から署名までをオンラインで完結できる便利なツールです。クラウドワークスで作った契約書はPDFに変換してCloudsignで相手に送りましょう。Cloudsignで送った契約書は相手方で簡単にサインすることができます。
実際に結んだ契約書は、クラウド上に保管されるので両者にとっての記録にもなります。締約日時なども含めて、お互いに見える形でデータとして残ります。また結んだ契約書は改ざんできないようになっているので、トラブル防止という観点からもとても優れています。僕も実際にすべての契約書をCloudsignで結んでいます。スムーズに契約書を管理できるのでとても気に入っています。
まとめ:広告代理店開業のために事務手続きを済ませておく
ここまで広告代理店を作る上で重要になる準備を、事務手続きの観点に絞ってお伝えしてきました。最後に要点を8つにまとめました。
- ビジネス用のドメインを取得する。必要に応じてWHOIS情報の代理公開サービスを利用する。
- 独自ドメインのメールアドレス、電話番号、ビジネス用チャットなどクライアントとのコミュニケーション手段を用意する。
- 問い合わせ用にウェブサイトを用意する。WixやSquarespaceなどの直感的なサイトビルダーも使いやすい。
- ビジネス用の住所を用意する。バーチャルオフィスを使う選択肢もあるが、正式な書類に使えるかどうかは事前に確認する。
- 開業届を提出してビジネスを公式なものとする。これにより税務上の優遇措置を受けられる資格も付与される。
- 個人とビジネスの資金と分けるために、ビジネス用の銀行口座とクレジットカードを用意する。
- クライアントからの報酬受け取り手段として、ビジネス用のPaypalアカウントも取得しておく。
- 契約書は雛形をクラウドワークスで外注し、Cloudsignで締約して管理する。