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石崎力也のコンサルティング「いしこん」

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現在の場所:ホーム / アーカイブMulti-Team Projects

Multi-Team Projects

8-5 分野を横断した複数のチームによるプロジェクトを進めるための5つのステップ

Last updated on 2022年7月29日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、分野の異なるチームメンバーと協力して規模の大きなプロジェクトを完遂するためのステップをご紹介します。このレクチャーにより、適切なコミュニケーションを取りながらプロジェクトをマネジメントする手法を身につけられます。

メンバーが増えれば増えるほど、プロジェクトの成否はコミュニケーションによって左右されます。事前の情報共有からプロジェクト進行中のこまめな状況確認まで、隙のないコミュニケーションを取ってプロジェクトを成功へ導きましょう。

部門を横断して仕事をする前に共通認識を作っておく

異なる畑のメンバーが力を合わせてプロジェクトを進めるには、慎重かつスムーズなコミュニケーションが必要になります。そのための方法として、「クリエイティブ・ブリーフ」「パフォーマンス基準」「プロジェクトチェックリスト」「コンテンツ制作ワークフロー」といった様々な種類の資料を作ることをオススメします。これらは別のレクチャーで紹介していますが、それぞれの概要を復習しましょう。

共通認識のための資料#1:クリエイティブ・ブリーフ

クリエイティブ・ブリーフはプロジェクトの設計図です。

Multi team projects creative brief sheet1

主に次の4点を記載し、プロジェクトの輪郭を共有する目的があります。

  • プロジェクトの概要:目的や成果物など
  • クライアント情報:納期、予算、担当者、連絡先など
  • ターゲット情報:ターゲットのペルソナ、解決する彼らの悩み
  • クリエイティブのルール:コンテンツ・スタンダードやブランド・トーン

共通認識のための資料#2:パフォーマンス基準

何をもってコンテンツを「良質」と見なすのかを定めたガイドラインです。コンテンツのトピックや狙うキーワード、またそれらの包括性などの項目について、達成すべき基準を設定します。基準の設け方はケースバイケースですが、過去の成功例を参照し、試行錯誤を繰り返すことで自社独自の基準を作り出しましょう。

共通認識#3:プロジェクトチェックリスト

1つのプロジェクトを小さいプロセスやタスクに分解し、その進捗状況を管理するシートです。プロセスを「準備」や「ローンチ」などのカテゴリーに分け、さらに「Write」「Design」「Code」「Promote」という観点から4つのタスクにブレイクダウンして管理します。

共通認識#4:コンテンツ制作ワークフロー

リストアップしたタスクを効率的に進めるための流れを定めたものです。不要なタスクを省き、同時に完了するタスクは統合します。担当者と完了の定義を定めたら、ゴールから逆算して納期を設定します。

プロジェクトを進める前に上記の4点を準備しましょう。準備が終わったらメンバーと共有し、実際にプロジェクトへ着手するためのステップへ進みます。

部門を横断して仕事をするための5つのステップ

プロジェクトは次の5ステップで進めていきましょう。

ステップ#1:まず、部門の責任者に話を通す

各メンバーの仕事量について現実的な予測を立てるために、各部門の責任者に話を通します。そして、そのメンバーのToDoリストの中で、今回のプロジェクトに係る作業を優先してもらえるよう掛け合いましょう。

Multi team projects talk to boss

優先してもらうには、上手に話を運ばなければなりません。そのために、責任者に話を通す前に、次の準備をおすすめします。

質問に対する答えを用意する

責任者にプロジェクトの件を伝えると、次のような質問が予想されます。

  • なぜ今なのか?
  • 何を私に期待しているのか?
  • どう協力すればいいのか?
  • これを優先すると何が犠牲になるのか?
  • どうフィードバックすればいいのか?

予想される質問に対しては、あらかじめ答えを用意してスムーズに伝えられるようにしましょう。

プロジェクトを止める障害への対策

プロジェクトを遂行するにあたって、いくつか障害が生じることがあります。「プロジェクトのために利用するツールの使い方が分からない」「過去に失敗した例がある」などです。これらに対して対策を講じておきましょう。

Multi team projects prevent mistake manual

例えば僕らのチームであれば、過去に間違えた部分をすべてマニュアルに反映し、ミスの再発を防止するようにしています。間違えた部分は「間違えやすいポイント」として、どんどんマニュアルに追記していきます。この時に、実際の作業を担当した人にマニュアル反映を依頼すると良いです。実際の作業の注意点をよく把握しているからです。

異論に対する答えも用意しておく

責任者は何らかの理由をつけて協力に反対するかもしれません。たとえば「プロジェクトに賛同できない」「メンバーの時間・労力を与えたくない」などです。これらの異論に対して反論を用意しておきましょう。

想定される異論を書き出して、それに対する答えも書き出しておきましょう。これはセールスにおいては「商品を買っても使う時間がない」「私にも出来るのか不安」のように、毎回ほぼ決まっています。そんなに多くのパターンは無いはずです。

責任者と話をするための具体的なスケジュール

さて、ここまでの準備を終えたら、実際に責任者に話を通します。次のようなスケジュールが理想的です。

  • 10分:クリエイティブブリーフ(プロジェクトの目的、ゴールを説明)
  • 5分:パフォーマンス基準
  • 15分:コンテンツチェックリスト
  • 10分:コンテンツのワークフロー(なぜ各責任者のチームメンバーの協力が必要なのかを説明する)
  • 20分:質疑応答

もし責任者がしぶったら「なぜそう思うのですか?」「どのようにしたらいいと思いますか?」などと尋ね、前向きに話を持っていけるよう力を尽くしましょう。

ステップ#2:実際の作業メンバーと話をする

責任者の次は、実際に作業を担うメンバーとコミュニケーションをとります。直接出向いて話をするのもよいですし、キックオフミーティングを開催するのもよいでしょう。いずれにしても、実際にプロジェクトがはじまる前に全容を伝えておくことで、メンバーはプロジェクトに対して心の準備を整えられるようになります。キックオフミーティングを開く場合は、責任者の話を通す際と同様のスケジュールで説明するとよいでしょう。

ステップ#3:作業中は効率的な方法でメンバーと連絡と取る

プロジェクトが始動したら、メンバーは効率的にコミュニケーションを取っていかなければなりません。しかし、もともと異なる分野のメンバーたちには、相互にコミュニケーションを取る手段がないことも多いです。

そこで、プロジェクト中はどのツールを用いてコミュニケーションを取るのかはっきりさせておきましょう。メールのような1対1のコミュニケーションツールではなく、チャットのように大勢がまとめて情報を共有できるツールが適しています。

Multi team projects business tool

また、タスクの期限設定やカレンダー、リマインダーなど、プロジェクトを支援する機能が備わっているツールであればなお理想的です。ビジネスチャットなどを含む企業向けのグループウェアであれば、プロジェクトに関する情報を一元的に管理できるでしょう。

複数のツールを使い分けるのは推奨できません。情報が散在し、見逃すおそれがあるからです。適切なものを1つのみ選定し、チームメンバーで一貫してそれを使い続けましょう。

コミュニケーションツールを導入したら、毎日小規模なミーティングを行います。「昨日したこと」「今日すること」「進捗を邪魔する障害物」についてメンバーから報告を受けましょう。これらの情報を共有することで、サポートの必要性を早い段階で認識できます。障害物は未然に取り除くのが一番ですが、それができなかった場合は、マネージャーが可能な限り迅速に排除することが大切です。

ステップ#4:ミス発生時には人ではなく原因にフォーカスする

どれほどマネージャーが優秀で、チームメンバーが勤勉にプロジェクトへ力を尽くしても、ミスが起きない保証はありません。チームの軌道が予定から外れる可能性があります。

そのような時はマネージャーが速やかに介入しましょう。チームの中で特に助けを必要としているメンバーを特定し、以下の質問をします。

  • 何が起きたのか
  • なぜそれが起きたのか
  • どうすれば元の軌道に戻せるか

もちろん、これらの問いかけはメンバーを叱責するものではありません。ミスが起きたとしたら、フォーカスすべきはミスを起こした人ではなく、ミスが発生した原因なのです。

丁寧にこれらの質問を行い、対象のメンバーとともに答えを考えましょう。できる限りメンバーが自力で答えを見つけられるよう、サポートに徹するのがマネージャーの役割です。

ステップ#5:レビューを行いプロセスを改善させる

無事にプロジェクトを達成できたら、速やかに成果物を納品しましょう。そしてレビューを行い、次のプロジェクトのために改善点を見つけ出しましょう。具体的には、チームメンバーを集めて以下の問いかけをします。

  • 何がうまくいったのか
  • 何がうまくいかなかったのか
  • 次のプロジェクトで改善できることは何か

ソフトウェア開発の場で使われているテクニックも参考になるので見てみましょう。アジャイル開発と呼ばれる最近主流になっている開発手法でも同様のアプローチを取っています。プロジェクト終了後の振り返りを「レトロスペクティブ」と呼んでいます。目的は同じですが、ミーティングでの質問は若干異なります。

  • 何を始めるべきか
  • 何をやめるべきか
  • 何を続けるべきか

これらの質問を組み合わせて30分のレビューミーティングを行えば、次回のプロジェクト管理の改善に役立つ数多くの教訓を得られるでしょう。

必ずタスクごとにデッドラインを設定せよ

初めてプロジェクト管理を行う場合にもっともよく発生する失敗は、期限が明確でないことです。納期はプロジェクトを構成する要素の中でも非常に重要な地位を占めます。小さなタスクにも期限を付けて、できるだけプロジェクトを前に前に進めるよう意識してください。

チームメンバーには納期を明確に伝えましょう。そして日々のコミュニケーションを通じて、タスクの進捗状況が納期と照らし合わせて適切かどうか、常に目を光らせることが大切です。もし期限を過ぎてしまったら、同じ過ちを繰り返さないよう失敗原因を徹底的に掘り下げて改善策を講じましょう。

まとめ:綿密なコミュニケーションで部門横断的プロジェクトを成功へ導く

異なる部門のメンバーが一丸となって1つのプロジェクトを完遂するのは簡単ではありません。十分な情報共有を行い、失敗の芽を可能な限り早く摘み取ることが大切です。これまでのレクチャーでご紹介してきた準備を行ったうえで、次の5ステップでプロジェクトを遂行しましょう。

  1. 部門の責任者に話を通す
  2. 作業メンバーと話をする
  3. 作業中は効率的にコミュニケーションを取る
  4. ミス発生時には原因を分析する
  5. レビューを行い次のプロジェクトに活かす

どれほど誠実に取り組んでも、初めてのプロジェクトではたくさんの課題が発生するかもしれません。それらをしっかりと分析し、次に活かすことが大切です。

一度でも取り組めば、PDCAサイクルを回し始めることができます。レクチャーでご紹介してきたことを踏まえて、さっそくプロジェクトに挑戦してみましょう。今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。

8-4 【6ステップで期限に間に合う!】複数チームで集客コンテンツを作るためのワークフローの作り方

Last updated on 2022年7月27日 By 石崎力也

今回のレクチャーではシンプルかつ現実的なワークフローを設定する方法をご紹介します。このレクチャーを学ぶと、複数のチームで1つのプロジェクトを進める際の進捗管理が効率化します。

タスクが多いからといってワークフローが複雑になるとは限りません。本当に必要なタスクを選び抜き、同時に進められるものを統合することで、管理はずっと簡単になります。反対に、管理方法が悪ければ簡単なプロジェクトさえ難解になります。適切な管理方法を身につけ、安全にプロジェクトを遂行しましょう。

コンテンツ制作のワークフローを組むための6つのステップ

大規模なコンテンツ制作プロジェクトには大人数が関わることがあります。そして、プロジェクトを適切に遂行するには、大人数のタスク進捗状況を効率的に把握しなければなりません。

そこで必要になるのが、ワークフローの設定です。同じ作業でも、ワークフローを上手に組めば管理はずっと楽になります。余計な作業も減り、少ない負担でプロジェクトを完遂できるようになるでしょう。

では、具体的にどうやってワークフローを組めばよいのでしょうか。ここでは、シンプルな6つのステップに分けてご紹介します。

ステップ#1:必要なタスクをすべてリストアップする

ワークフローの最初のステップは、必要なタスクを列挙することです。本来あるプロセスを省略して書いてはいけません。時系列に沿って、すべてのタスクを漏れなく書き出しましょう。

Multi team projects andrewsgrove

インテル元会長兼CEOであり多数の著書を執筆してきたアンドリュー・S・グローブ氏は、「High Output Management」という書籍の中で「まず、現存する生産プロセスのフローチャートを作成する必要がある」と述べています。

ここからは、以下のタスクリストを例に各ステップの作業を解説していきます。ここではブログ記事を作るということを題材に、一通り思いつくタスクをすべて書き出していきます。

Multi team projects workflow1

  • 10倍のアイデアであることを確認する
  • キーワードを探す
  • 記事の方向性を決める
  • WIIFM(ウィーフム)とアウトラインを書く
  • 20-30個のヘッドラインを書く
  • アウトラインのピアレビュー
  • コンテンツのアップグレード
  • ブログ記事を書く
  • 文章の校正
  • 検索エンジンに最適化する
  • ヘッダーグラフィックのデザイン
  • ボディコンテンツグラフィックのデザイン
  • コンテンツのアップグレードのデザイン
  • ソーシャルメディアグラフィックのデザイン
  • ヘッダーグラフィックのレビュー
  • ボディコンテンツグラフィックのレビュー
  • コンテンツアップグレードのレビュー
  • ソーシャルメディア・グラフィックのレビュー
  • 投稿へのグラフィックの挿入
  • ソーシャルメディア投稿ツールへの画像挿入
  • フィーチャーイメージの設定
  • カスタムフィールドの設定
  • クッキーの設定
  • 宣伝用ソーシャルメッセージの作成
  • ソーシャルテンプレートのスケジュール設定
  • ブログ記事の予約投稿
  • オーディエンスへのメール送信
  • ブログコメントへの返信

あとでタスクを整理していきますから、この段階では頭の中で出てきたアイデアはすべて書いてしまって大丈夫です。

ステップ#2:リストから不要なタスクを除く

前のステップで書き出したタスクのリストから、不要なものを削除します。次の条件に当てはまるものを削除しましょう。

  1. 他のプロセスと一緒になっているもの
  2. 以前は有益だったが今では時代遅れのもの
  3. 費用対効果の低いもの
  4. そもそも不要なもの

Multi team projects workflow2

たとえば、前述のリスト例では「アウトラインのピアレビュー」や「ヘッダーグラフィックのレビュー」といった各種レビューは、ワークフローとして設定する必要があるのでしょうか。不要なら消してもよいですし、他のプロセスと一体となっているのなら、わざわざワークフローとして挙げなくても完了するはずです。また、ブログコメントへの返信も利益に直結しないのであれば、省いてもよいかもしれません。

ステップ#3:同時に完了するタスクをまとめる

タスク自体はなくならなくても、他のタスクと同時に完了するのならまとめて1つのタスクとして扱えます。たとえば、記事本文の画像とソーシャルメディア用の画像は同じものを流用したりと、同時に作業できる場合がほとんどです。先ほど挙げたリストの例では次の4つの作業を1つにまとめられそうです。

  • ヘッダーグラフィックのデザイン
  • ボディコンテンツグラフィックのデザイン
  • コンテンツのアップグレードのデザイン
  • ソーシャルメディアグラフィックのデザイン

Multi team projects workflow3

また、次の設定作業もまとめて完了できるのではないでしょうか。

  • フィーチャーイメージの設定
  • カスタムフィールドの設定
  • クッキーの設定

こうした類似タスクを1つにまとめると、タスクリストは次のようになります。

Multi team projects workflow4

  • 10倍のアイデアであることを確認する
  • キーワードを探す
  • WIIFMとアウトラインを書く
  • 20~30個の見出しを書く
  • ブログ記事とコンテンツアップグレードを作る
  • 文章の校正を行う
  • 検索エンジンに最適化する
  • ヘッダー・本文・ソーシャルメディア用グラフィックのデザイン + コンテンツのアップグレードを行う
  • ヘッダー・本文のグラフィック・コンテンツのアップグレードを確認する
  • 記事とソーシャルメディア投稿ツールにグラフィックを挿入する
  • フィーチャーイメージ・カスタムフィールド・Cookieを設定する
  • ソーシャルメッセージの作成と予約投稿を行う
  • ブログ投稿の公開スケジュールを設定する

最初のリスト例に比べて、随分とすっきりした印象になりました。雑多なものが取り除かれ、類似したものはコンパクトにまとめられることで、ワークフローの管理が容易になります。

また、ここで注目すべきなのが、すべてのタスクが動詞形で書かれていることです。作業の名目だけを書くよりも、何をすべきなのかが具体化されるため迷うことなく作業に移れます。

ステップ#4:完了の定義と担当者を決める

続いて、各タスクを担当者に割り当てていきます。しかし、単にリストを見せて「これをお願いします」といっただけでは、何をすればよいのか分からないことがあります。具体的にどのような作業を行えば、該当のタスクが完了したことになるのかが伝わらないのです。

そこで、次は何をもって「完了」とすればよいのかを明記しましょう。作業担当者が、自分が何を期待されているのか判断できるようになります。

たとえば、次のように補足説明を記載するとわかりやすいでしょう。

  • キーワードを探す:キーワードツール上でのSEO難易度50%以下、月間平均検索数100以上のキーワードを探す。
  • WIIFMとアウトラインを書く:読者目線で「何が得られるか」に答える。トピックが良く、包括的かつ実用的で、検索エンジンやメール購読者向けに最適化されたものにする。

単に「キーワードを探す」と言われるよりも、どのような条件を満たしたキーワードであればよいのかが明確になり、作業しやすくなりました。

すべてのタスクについて補足説明を記入したら、担当者を決めます。このとき、1つの作業に対しては必ず1名のみをアサインしましょう。複数人で行うより1人で作業したほうが管理者・作業者の双方にとって明快です。

また1つ1つのタスクにおおよその所要時間を記載しましょう。例えば「キーワードを探す」は30分、「ブログ記事とコンテンツアップグレードを作る」は90分というように書き込んでいきます。もし作業にかかる時間がわからない場合は、ライターやデザイナーなど専門職のメンバーにヒアリングすると良いでしょう。

ステップ#5:各タスクの期限を公開日から逆算する

タスクの期限は、コンテンツの公開日から逆算します。ゴールを起点に考えて、必ず間に合うように期日を設定するのです。このため、時系列に沿って書かれたタスクリストの、末尾から期日を決めることになります。

Multi team projects workflow5

たとえば、最後のタスクである「ブログ投稿の公開スケジュールを設定する」が、公開日の5日前に完了すべきだったとします。公開日を8月30日に予定するなら、このタスクは遅くとも8月25日に完了しなければなりません。

続いて、最後から2番目のタスク「ソーシャルメッセージの作成と予約投稿を行う」を、最後のタスクの4日前に終わらせなければならないとします。すると、このタスクの期限は8月21日となるでしょう。このように、公開日を起点として逆算し、1つずつタスクの期限を決めていくのです。

ステップ#6:出来上がったワークフローをテンプレ化する

さて、もう一度タスクリストを眺めてみてください。ここで洗練させ、出来上がったタスクリストはそのままあなたのチームのワークフローとなります。次回ブログ記事を作る際に、もう一度タスクを整理しまとめる作業をやる必要はありません。既にあなたは完璧な記事制作の流れを作り上げたんです。

このリストには、タスクの項目だけでなく、担当者名つまり担当すべきメンバーの職種、そして期日や所要時間といった情報が含まれています。これらの情報はあなたの飯の種だと思ってください。これを再利用することで、あなたは洗練されたワークフローの中でコンテンツを出し続けることができるようになります。あなたのこのワークフローは、Google SheetsなりNotionなりにテンプレートとして保存しておくと良いです。

Multi team projects coschedule task template

もしコンテンツカレンダーと一緒に管理したいのであれば、CoScheduleのTask Template機能が便利です。CoScheduleでは新しいコンテンツの予定を立てる際に、保存したテンプレートからタスクを呼び出すことができます。

Coschedule task template2

テンプレートから作った各タスクには「コンテンツ公開の何日前までに完了させる」という期日が、自動で入るよう設定することもできます。公開日を設定すると、各タスクに「5月30日」「5月26日」という具合に期日を設定してくれるというわけです。

ワークフローをシンプルにすることで成功が加速する

ここまででご紹介したステップに従って初めてワークフローを組んだ場合、複雑になりがちです。タスクの数が多いと、その分管理が大変になります。今、プロジェクトを20のタスクに分解したのであれば、それを10程度に抑えられないか検討してみましょう。不要なものは思い切って省き、まとめて作業できるものは1つのタスクにしてしまいます。

コンパクトにさえできれば、あとは「完了の定義」「担当者」「期日」の3点を決めるだけです。極力シンプルにすることで、作業担当者にとっても、管理者にとっても分かりやすいワークフローになります。何らかのトラブルが起きた際のフォローも簡単です。

まとめ:シンプルかつ現実的なワークフローでチームワークを向上

ビジネスの成否を大きく左右する要因の1つは「管理」です。取り組む作業が同じものであっても、管理が上手か否かによって得られる成果は大きく変わります。現実的なタスクや期日を設定し、それを分かりやすく共有することでチームワークを高められるのです。

最初にすべてのタスクを列挙し、不要なものを削除、似通ったものを統合します。そして完了の定義とタスクごとに1名の担当者、そしてゴールから逆算した現実的な期日を設定しましょう。このシンプルな管理で、部門横断的なプロジェクトを成功に導いてください。今回のご紹介はここまでです。また次回、お会いしましょう。

8-3 複数チームによるプロジェクトに必要なチェックリストと12のチェック項目

Last updated on 2022年7月6日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、プロジェクトを小さなプロセスやタスクに細分化し、1枚のシートで一元管理する方法をご紹介します。このレクチャーを読めば、プロジェクトの遅延を防ぎ、目標を達成できるようになります。

大規模なプロジェクトは多数のプロセスからなり、その分たくさんの人手を必要とします。情報を一元化しなければ、思わぬトラブルに見舞われかねません。そこで、チェックリストで進捗状況を俯瞰する術を身につければ、チームワークの安全性を高められるのです。

なぜチーム作業にチェックリストが必要なのか?

マーケティング活動をチームで行う場合、そのチームの活動を俯瞰的に把握する仕組みが求められます。誰がどのタスクを担い、それがどのような状態にあるのか、常に把握しなければ思わぬトラブルを招きかねないからです。トラブルへの対処は、早ければ早いほどよいといわれます。進捗状況が一目でわかるよう、情報をひとまとめにした資料を作成しましょう。

今回推奨するのは、チェックシートを用いた進捗状況管理です。チェックシートには、準備や告知、ローンチなど、プロジェクトを細かいプロセスにブレイクダウンして記載します。このチェックシートに、各プロセスの担当者と完了状況、進捗状況に関するメモなどを記録しながらプロジェクトを遂行するのです。

新しい商品を計画するときに必要な12のチェック項目

例として、新しいオンラインコースを作るプロジェクトについて考えてみましょう。そのコースを制作し、プロモーションを行って収益へつなげていきます。予算を達成するために、次の計画を立てるとします。

マテリアル#1. ローンチ概要

目標やターゲット、マーケティング方法などを説明する文書です。チーム内で認識を共有するために作成します。ここにはプロジェクトの目的、求められる具体的な成果物、納品期限、予算などの情報を入れます。チームメンバー全員が「最終的にいつまでにどんなものを作るのか?」ということを理解できるようにしてください。

マテリアル#2. ブランド概要

複数のコンテンツを制作するにあたって、ブランドのイメージを統一させるために必要な情報です。同一ブランドでありながらデザインの雰囲気が異なるとちぐはぐな印象を与え、低品質なコンテンツと見なされることがあります。

カラーやフォントの指定といったデザイン的な要素だけでなく、ブランドトーンと言われるブランドが発するメッセージの表現方法なども決めておくとさらに良いです。ブランドトーンとは、明るいとか、遊び心があるとか、知的な雰囲気だとかそういうことです。

マテリアル#3. オプトインページ

オプトインを目的としたページを作ります。集めたトラフィックにいきなり商品を販売しても良いんですが、僕らはファネルを使ってもっと効率的に見込客を教育しています。

Osb2 ads optin

そのファネルの入口となるのがオプトインページです。集めたトラフィックはすべて一旦オプトインページに集めます。商品とオプトインページはセットで考えています。

マテリアル#4. レクチャーページ

オンラインコースの教材を閲覧するページです。動画を埋め込むことが多いですが画像、テキストなどの教材を盛り込むこともできます。

Teachable text lecture

過去に僕も動画なしでテキストレクチャーだけのコースを売っていました。オンラインコースのレクチャーは、基本的にはTeachableを使って管理しています。

マテリアル#5. レクチャービデオ

動画を公開するページです。オンラインコースにとっては、商品の本編とも言えるものです。画像やテキストだけのレクチャーページよりこの動画によるレクチャーの方が人気があります。やっぱり動画のほうが同じ時間で多くの情報を得ることが出来ます。撮影したビデオをTeachableのコースの中にアップロードしておきます。

ビデオは、主に3種類です。

Screencast clickfunnels

顔出しなしのスクリーンキャスト、これは画面操作を解説する際に効果的です。パソコンの画面収録ソフトとマイクを用意するだけなので、撮影もしやすいです。

Youtube video

顔出しのレクチャーもあります。画面操作などよりも概念的なことを話すのに向いています。僕はプロンプターというテキストを読みながらカメラ目線で撮影ができる機材を使っています。他にもある程度キレイな画質にするためにはカメラなどの機材にも工夫が必要です。ただ、お客さんがあなたの顔を見るので顧客とのエンゲージメントを強くすることが出来ます。

screencast-with-face

3つ目はその中間で、スクリーンキャストに顔を小さく出すパターンです。顔も小さく映るので比較的ラクにエンゲージメントを作りつつ、画面操作などを解説することができます。顔も小さく映るので顔出し部分の画質にこだわる必要がなく、基本的にはパソコンの内蔵カメラや会議用のWebカメラでも十分です。

マテリアル#6. レクチャークイズ

クイズとはつまり小テストですね。コースの途中でクイズを提供することにより、視聴者の集中力や理解力向上を図ります。受けっぱなしの受動的な学習の中に、能動的な学習としての刺激を加えることができるので、コースと受講生の間のエンゲージメントを高めることにつながるわけです。

Teachable quiz

Teachableにはレクチャーの中でクイズを作る機能があるので、簡単に小テストを実装することができます。またTeachableの中のレポート機能から、どのくらいの受講生の正答率なども確認することができます。

マテリアル#7. ワークショップ

Amy facebook live

ウェビナーのように、ライブ配信による双方向のコミュニケーションを取るコンテンツです。トークとスライドによりセミナーを展開します。これは集客コンテンツに使うことができます。スクリプトとスライドを用意しておき、ライブで収録して、録画版を使うこともできます。

マテリアル#8. 修了証

コースを修了した人に対して修了証を発行します。

Teachable certificate

コースのコンテンツを完了したという達成感を受講生に感じてもらうことが出来ます。これもTeachableで簡単に実装することができます。Teachableには、コース内のすべてのコンテンツを受講し終わると自動で修了証を発行する機能が付いています。

マテリアル#9. コミュニティグループ

受講生同士が協力するコミュニティの場です。僕らは商品ごとにコミュニティを作っています。

Cashlab community

質問もできるし、お知らせを送ることもできる。受講生の満足度を高める素晴らしい仕組みです。仲間と一緒にやっている一体感なども生まれてきます。僕らのコミュニティでは、受講生同士で仲良くなって、助け合う場面もよく見られます。

マテリアル#10. Eメール

僕たちは、新コースの販売予告やキャンペーンなどを行うために主にEメールを使います。日本ではLINE@などが多く使われていますが、英語圏を見てもEメールは今もリストマーケティングのメインツールとして使われています。僕たちが新商品をリリースする際には、必ず予告メールとして商品の内容を教育するメールを3ヶ月ほどに渡って流します。

Multi team project prelaunch contents email

その中で商品の制作過程の話や、商品の中で扱っている話題を取り上げて、徐々に商品の教育をしていきます。もちろん僕らの商品の宣伝をするだけでは、お客さんは売り込まれたと感じて離れてしまいます。なので、Eメールの中で実際にノウハウの一部を公開したりして、お客さんにとっても有益なコンテンツになるように工夫します。

商品のローンチ前に配る教育用のコンテンツのことをプリローンチコンテンツと呼びます。まさにこういったEメールがプリローンチコンテンツにあたります。このようなEメールの内容を作成することも、新しい商品プロジェクトの一部としてカウントされます。

マテリアル#11. SNSキャンペーン

アカウントを作成し、情報をフォロワーにシェアします。僕たちは基本的にSNSを使いません。その理由は、最小限のリソースで効率よくビジネスを回すために一番効果の高いものだけに限定して集客コンテンツを出しています。主にブログ記事、Udemy、Kindle電子書籍、オーディオブックのAudibleです。

もしSNSを運用されていて、SNSにも告知をしたい場合にはSNS用のコンテンツを作ってください。UdemyとKindleで提供するフォーマットが異なるように、SNSプラットフォームごとに最適なコンテンツタイプというのがあるはずです。Instagramなら画像、TwitterならテキストとURLみたいな感じです。そのプラットフォームの文化に合うようなタイプのコンテンツを作ってください。

マテリアル#12. Google広告

新規顧客の獲得に役立つコンテンツです。僕らはオーガニックの集客の他にも広告を打っています。広告を打つときには、テキストや画像を駆使して作った広告クリエイティブというものが必要です。これは商品やキャンペーンごとに必要です。僕らはメインでYouTube広告をやっているので、用意するのは主に動画になります。

僕らも実際にやってみて分かったことですが、広告は結構シビアなのです。1日3000円とか1万円とか平気でお金が出ていきます。なので、常に真剣勝負です。適当な広告クリエイティブを作ると成果が上がらないまま、あっという間に赤字になってしまいそれ以上広告を打ち続けることができなくなります。だからこそ、広告クリエイティブを作るならそれなりの質のものを作る意識が必要です。それなりにリソースが必要であることを覚悟しておいてください。

このように、大規模なプロジェクトは非常に多くのプロセスから構築されます。それぞれの進捗状況を一元的に管理できるよう、「マーケティング進捗管理シート」にまとめましょう。では、具体的にどうやってプロジェクトを管理シートに落とし込めばよいのでしょうか。管理シートには4つのカラムが用意されています。「プロジェクト/キャンペーンの内容」「担当メンバー名」「完了状況」「進捗メモ」という部分です。

Marketing progress sheet checklist orig

最初に注目するのは、もっとも左側にある「プロジェクト/キャンペーンの内容」というカラムです。「プロジェクトの準備」「ローンチ」などのカテゴリーが書かれています。実施するプロジェクトの各プロセスを、カテゴリーに当てはめて記入していきましょう。上記の例でいえば、「ローンチ概要」は「プロジェクト準備」、「SNSキャンペーン」は「ローンチ」のカテゴリーに入るはずです。カテゴリーは、プロジェクトの内容に合わせて調節しても構いません。

続いて、1つ右側のカラムである「担当メンバー名」には担当者の名前を記入します。各プロセスの負荷を考え、適切な人数を割り当てましょう。完了したプロセスは、「完了状況」カラムにチェックマークを記入します。さらに、プロセスについて何らかの報告事項があれば、「進捗メモ」の欄に記入しましょう。

マーケティングコンテンツを作るための4つのステップ

ここまでは、プロジェクトをプロセスにブレイクダウンしてシートにまとめ、進捗管理を行う方法をご紹介しました。しかし、各プロセスはさらに多くのタスクに分解されます。そこで、次はプロセスを小さなタスクに分解し、それぞれの進捗状況を管理する方法をご紹介します。マーケティング進捗管理シートの「コンテンツリスト」タブを使いましょう。

Marketing progress sheet contents list4

「コンテンツリスト」タブのB列には「コンテンツ」と書かれたカラムがあり、例として「オプトインページ」が記入されています。さらに、時系列に沿って右に続くカラムを見ると、オプトインページの作成プロセスが「ページに載せるテキストを書く」「SNS用メッセージを書く」などのタスクに分解されて記載されています。このように、各プロセスを細かいタスクにわけ、期日を設定してシートに記入していくのです。

では、プロセスをどのような観点でタスクに分解すればよいのでしょうか。コンテンツ作成は、基本的に以下の4ステップで構築されます。これらのステップを参考にしてプロセスを分解し、シートに記入していきましょう。

ステップ#1:Write

コンテンツの土台となるテキストを書く段階です。広告にせよ、オプトインページにせよ、そこには文章が書かれます。その文章を最初に用意してしまうのです。

ページや広告のデザインを考えながらテキストを執筆することも可能ですが、非効率的です。最初に文章を作ってしまい、あとからデザインを考えたほうがスムーズに作業が進みます。

SNSのキャンペーンやメールについても同じです。配信する文章は先に作っておき、Google Docsなどに保存しておきます。そして、必要になった段階でそれをコピーし、メールやSNSで配信しましょう。

ステップ#2:Design

「Write」のステップで作成したテキストを、ユーザーにとって見やすいよう加工する段階です。テキストに基づいてスライド資料を作成したり、画像を利用した鮮やかなHTMLメールを作ったりします。

ステップ#3:Code

ここまでで用意したコンテンツがきちんと機能するよう、実装を行う段階です。コードを書くこともありますが、必ずしもそうではありません。たとえば、ClickFunnelsで作ったオプトインページとMailChimpを連携させたり、Zapierなどのノーコードツールを使い自動化を組んだりといった作業が該当します。

ステップ#4:Promote

最後に、実際にプロモーションを打ちましょう。メールやSNSで見込客に向けて情報を発信します。この段階に着手して良いのは、コンテンツの準備が完全に整ってからです。「あとはお客様を集めるだけ」と言える段階になってから実施しましょう。

まとめ:チェックシートでプロジェクトの進捗状況を詳細に管理

大規模なプロジェクトは多数のプロセスから構築され、そのプロセスはさらに細かいタスクへブレイクダウンされます。これらを1枚のシートにまとめ、進捗状況や担当者などの情報を一元化すれば、プロジェクトを効率的かつ安全に進められるようになります。

まずは、プロジェクトのプロセスを洗い出して「進捗チェックリスト」に記入するところから始めましょう。そして、各プロセスを「Write」「Design」「Code」「Promote」の4ステップに分解し、タスクを「コンテンツリスト」に記入してください。あとは、進捗に応じてチェックマークやメモを書き込みながらプロジェクトを進めるだけです。今回のご紹介はここまでです。また次回、お会いしましょう。

マーケティング進捗管理シート

複製してお使いください。(Googleへのログインが必要です)

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1QEGiF1pLs3KlrExfKgDDWSZnDzaUtIoNctJtsgV9hZM/copy

8-2 【組織内で品質を揃える】質の高いコンテンツ制作チームを作るために、パフォーマンスの基準を明確にする方法

Last updated on 2022年6月21日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、高品質なコンテンツを継続的に作成するためのパフォーマンス基準についてご紹介します。このレクチャーにより、チーム内で品質のバラツキを出すことなく良質なコンテンツを作れるようになります。

「良質なコンテンツ」はすべてのマーケターが目指すものですが、「良質」とはどのような条件を満たすことを言うのでしょうか。その定義がチームメンバー間で統一されていないとクオリティがバラバラになります。その条件こそがパフォーマンス基準です。継続的に良質なコンテンツを提供し、オーディエンスからの信頼を獲得しましょう。

パフォーマンス基準とはコンテンツ作成のガイドラインのこと

コンテンツを作った際には、それを外部に公開したり社内で共有したりする前に、何らかの方法で品質をチェックすべきです。そうすることで、十分な品質に至らないものが人目に触れるのを回避できます。

しかし、チェックするにはチェックリストのような基準となる指標が必要です。そこで利用されるのがパフォーマンス基準です。パフォーマンス基準とは、コンテンツが満たすべき要件をまとめたガイドラインのことを言います。タスクを完了する前に自分のプロダクトをパフォーマンス基準と照らし合わせることで、一定の品質が満たされていることを確認できます。

なぜパフォーマンス基準が重要なのか?

かのアリストテレスは、次のような名言を残しています。

「人は繰り返し行うことの集大成である。だから優秀さとは、行為でなく、習慣なのだ。」

確かに、人は習慣によって作られます。日々筋トレに励んでいる人はやがて筋肉質な体になるでしょうし、日々読書をしている人は博学になっていくでしょう。したがって、「習慣=その人の人格」であり、「優れた習慣を持っている人=優秀な人物」であると言えます。これは僕がお客さんから教えてもらった話なんですが、そこでも同じことが言われていました。

Multi team projects twitter sport psychology

スポーツ心理学の世界で有名な田中京(たなかみやこ)さんによると、スポーツ心理学の世界でもモチベーションというのは維持するというものではないそうです。行動の継続こそが重要だということです。

まさに僕たちも同じ発想に立ってビジネスを設計しています。モチベーションを上げて、頑張って働こうみたいなやり方は、僕の性に合いません。なるべくやることを平準化させて、毎週同じようなことをやる。モチベーションがなくてもビジネスが回るように仕組みを整える作業です。

Multi team projects haruki murakami

僕の好きな小説家の村上春樹さんも同じようなことを言っています。朝早く起きて午前中は5時間くらい集中して執筆を済ませてしまう、午後は体力維持のためにジョギングしたり好きなことをして過ごす。

春樹さんはこんな感じの規則正しい生活を20年、30年という単位でやられてきたそうです。海外にいようが日本にいようが、それが変わることはありません。春樹さんのような文豪といえばすごく破天荒なことをしていそうですが、意外と地味というかコツコツとした習慣によってものすごい成果を出しているんです。

つまり、僕が言いたいのは人は「優れた習慣を持っているかどうか」によって、優秀かどうかを周囲から判断されうるということです。

もし、マーケターとして高品質なコンテンツを継続的に発信していれば、オーディエンスはあなたを優秀なマーケターとして信頼してくれるようになります。反対に、コンテンツが劣悪なことがあれば、あなたはオーディエンスからの信頼を損なうことになるでしょう。オーディエンスの信頼を勝ち取るには、コンテンツを十分に練り上げて、良質なコンテンツだけを発信していかなければならないのです。

ところが、多くのコンテンツ制作者は自分が制作したコンテンツを高い基準に照らし合わせてチェックしていません。マーケティングサービス企業のConductor社は次のように述べています。

Multi team projects conductor

「1,000以上のシェアを獲得できるコンテンツはわずか0.1%であり、コンバージョン率は1%を大幅に下回る」

出典:https://www.conductor.com/learning-center/content-moneyball-marketing/

パフォーマンス基準を設け、それをクリアしたコンテンツだけを公開することで、上記のような努力の空回りを防げるでしょう。

パフォーマンス基準の実例

では、具体的にどのようにパフォーマンス基準を設定すればよいのでしょうか。ここではマーケティングカレンダーのツールを開発しているCoScheduleの例を紹介します。CoScheduleの出す集客用コンテンツに関するパフォーマンス基準を見てみましょう。

1.トピック

まず、コンテンツのトピックが適切かどうかチェックします。想定されるオーディエンスのペルソナに沿ったトピックになっているか確認しましょう。

2.キーワード

検索エンジンのアルゴリズムは、オーディエンスとコンテンツを結び付けるマッチングサービスのようなものです。良質なコンテンツでも、SEOを通じてそのコンテンツがオーディエンスにとって有益だとアピールできなければシェアは伸びません。そして、SEOの基本はキーワードの選定とコンテンツへの盛り込みです。ターゲットとなるオーディエンスに見つけてもらえるキーワードを設定し、適切な対策を施しましょう。

3.リサーチ

優れたコンテンツは直感では作れません。データに基づいて客観的に判断する必要があります。さまざまな事例や経験に裏付けられた、根拠あるコンテンツを作成しましょう。

4.包括性

コンテンツは求められる要素を網羅的に備え、オーディエンスのニーズを完全に満たせるものでなければなりません。単に競合他社が扱っている要素を羅列しただけでは意味がなく、それらを包括したうえでオリジナリティを含んだ最高のコンテンツを目指すことが大切です。

5.メール

メールは自社とオーディエンスを密接に結びつけるツールです。単なる「Webサイト運営者VS訪問者」というつながりよりもずっと強力で、コンバージョンに導きやすくなります。そこで、コンテンツのオーディエンスを積極的にメール購読者へ変換していくことが大切になります。メールアドレスの登録へスムーズに導けるよう、導線を意識したコンテンツを構築しましょう。

CoScheduleがパフォーマンス基準を作るためにやったこと

パフォーマンス基準が不適切では、良質なコンテンツを作るためのチェックリストとして機能しません。では、どうすれば適切なパフォーマンス基準を作れるのでしょうか。CoScheduleでは、パフォーマンス基準を作るための活動として次の6つを挙げています。

  1. コンテンツを公開する理由を明確にする
  2. 目的への到達度の測定方法を明確にする
  3. 到達度を示す指標を見つけるためのツールを決める
  4. 既存コンテンツの中で最大のパフォーマンスを発揮しているものを特定する
  5. データを列挙し、パフォーマンスに影響するものを特定する
  6. 分析結果に基づき、コンテンツ制作を計画する

つまり、既存コンテンツを分析することで、最適なコンテンツの在り方を見つけるという手法です。

たとえば、SNSへコンテンツを投稿する最適な時間帯を特定する場合、さまざまな時間にコンテンツを投稿してもっとも反応がよかった時間帯を見つけ出します。こうして特定した条件をパフォーマンス基準として設定すれば、コンテンツ作りの際に役立ちます。

パフォーマンス基準を作るには?

上記の手法は、既存コンテンツの中に成功した事例がある場合に有効です。しかし、成功事例がないケースもあるでしょう。その場合はどうやってパフォーマンス基準を作ればよいのでしょうか。

まず、次の点を意識しましょう。

  • 競合コンテンツにないものを明確化する

高いシェアを獲得するには、競合コンテンツに勝利する必要があります。そのためには、競合コンテンツにない要素を明確にし、自社のコンテンツに含めなければなりません。

  • 自社の強みを利用する

競合コンテンツになく、自社にはあるというのがもっとも望ましい状態です。自社のユニークな強みを分析し、競合他社と差別化しましょう。

最初から完璧を目指す必要はありません。むしろ、失敗を重ねてデータを収集し、適切なパフォーマンス基準を目指すことが先決です。これから公開されるすべてのコンテンツを、次のコンテンツ作りに活かしましょう。

まとめ:パフォーマンス基準で常に最高のコンテンツを作る

本当に良質なコンテンツはそう多くありません。今この瞬間にも世の中では膨大なコンテンツが作られていますが、その中で高いシェアを実現するのはごく一握りです。しかし、成功例のデータに基づいて適切な基準を設け、満たし続ければ、良質なコンテンツをコンスタントに提供できます。

そのための基準がパフォーマンス基準です。基準を満たして初めてタスクが完了したとみなせます。厳しい基準をクリアしたコンテンツなら、良質であることが保証されたようなものです。努力を効率的に成果に結びつけることができます。

早速、自社独自のパフォーマンス基準を設け、チェックリストを作成してみてください。どのようなコンテンツを作るべきなのか明確化し、迷うことなく行動に移せるでしょう。今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。

8-1 マーケティングのチーム作りが円滑になる!クリエイティブ・ブリーフの作り方

Last updated on 2022年6月20日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、クリエイティブ・ブリーフの作り方についてご紹介します。クリエイティブ・ブリーフとは、広告を作る際のプロジェクトの設計図です。このレクチャーを受けると、クリエイティブ・ブリーフを作ってチーム作業を円滑化できるようになります。

プロジェクトの概要からクライアント、ターゲットに関する情報、そしてクリエイティブのルールなどをまとめ、メンバーやステークホルダーと共有します。方向性を明確にし、現実性をもってプロジェクトを完遂するために必要な計画書なのです。

クリエイティブ・ブリーフとはプロジェクトの設計図

ビジネスで何らかのアクションを起こす際には、目的や方法を関係者と共有する必要があります。このことはマーケティング活動において、広告を作る際も同じです。ターゲットや伝える事柄、効果がある根拠などをまとめた設計図を作成しなければなりません。

マーケティング活動におけるこのような設計図を、クリエイティブ・ブリーフと呼びます。広告の作り手と、ステークホルダーの間で認識を一致させるための計画書です。アドバタイジング・ブリーフと呼ばれることもあります。

クリエイティブ・ブリーフに何を書けばいいのか?

では、クリエイティブ・ブリーフには具体的にどのようなことを記せばよいのでしょうか。このレクチャーでは、記載事項を4つに分類してご紹介します。僕が用意した「クリエイティブ・ブリーフ作成シート」の見出しに沿って、必要な情報を記入していきましょう。

項目#1:プロジェクトの概要

最初に記載するのはプロジェクトの全体像を伝える情報です。まず、プロジェクトの目的について書きましょう。「サイト訪問者を増やす」「製品Aの認知率を向上させる」などが該当します。

Multi team projects creative brief sheet1

例えば僕らであれば「Kindle出版によりリストの数を120%増やす」みたいなことをプロジェクトとして作ります。これは、単にKindleの売上を狙うだけでなく、Kindleの読者に後ろの自社サイトでバックエンド商品をオファーします。また商品を買わなかったとしても僕に興味を持ってもらい、メルマガに登録してもらいます。

あとは直接的にKindle書籍を読んでもらう他にも、きちんと権威性を出すことで結果的にリストを増やす。みたいなことを考えています。例えば、UdemyとかYouTube広告で僕のことを見た人がいたとします。

彼らは石崎力也の名前でGoogleで指名検索します。その時に検索結果にAmazonの書籍リンクが出ていて、Amazonの著者ページにも沢山の本が並んでいることを想像してください。間違いなく「信頼に値する人物だ」と無意識に感じてもらえるはずです。こういった副次的な効果も狙っているわけです。

続いて、プロジェクトに関する詳細な情報を記載していきます。具体的には、販売したい製品やサービスといった情報を列挙していきましょう。また、従うべきルールやガイドラインがあれば、それを記載しておくことでプロジェクトの方針が明確化します。

次は、成果物について記載します。どのようなプロダクトを作るのか、文章だけでなく画像やリンクを用いて表現しましょう。最後にプロジェクトのゴールを設定します。ここで役に立つ考え方が「SMARTゴール」です。SMARTゴールとは、次の5つの要素を踏まえたゴールのことです。

Specific:具体的
最初にプロジェクトの目標を設定しましたが、これを具体的な数値で示しましょう。たとえば、「サイト訪問者数を20%増やす」などが該当します。

Measurable:測定可能
具体的に目標を定めた際、その目標が定量的に測定可能であることが大切です。前述の例のように、パーセントなどを用いて表現できるものをゴールに設定し、その具体的な測定方法も考えておきましょう。

Attainable:達成可能
どれほど具体的な目標でも、現実的に達成不可能では意味がありません。これまでの実績などを踏まえて、実現可能な数値を設定しましょう。

Relevant:適切
そもそも、立てた目標がビジネスにおいて適切であるかを検討する必要があります。サイト訪問者数の増加を目標とするのであれば、それが確実にビジネスの成長につながるようでなければなりません。

Time:期限付き
何月何日までに達成するのか、具体的な期限を設けましょう。あまりに短くすると達成不可能になりますが、余裕を持たせすぎるとメンバーの意欲が失せ、成長が鈍化します。上記の5つの要素を踏まえ、適切なゴールを設定してシートに記載しましょう。

項目#2:クライアントに関する情報

次は、クライアントに関する取引上の情報をシートに記載していきます。具体的には、シートに以下の情報を記入します。

納品期限
成果物を納品する期限を設定します。最終納品日はもちろんですが、その途中でも何度か成果を報告する必要があるでしょう。その日時も明確に定めておくことが大切です。

Multi team projects creative brief sheet2

予算
プロジェクトにかけられる予算は無限ではありません。どの程度の予算で進めるのか事前に決め、その範囲内でプロジェクトを完遂できるよう計画を立てましょう。

担当者
誰がプロジェクトの承認権限を持つのかを記載する項目です。連絡先なども書いておくとよいでしょう。

クライアントの連絡先
クライアントと適切にコミュニケーションを取れるよう、連絡先を記載しておきましょう。何か確認すべき項目が出てきたときに、すぐに連絡を取るためです。

項目#3:ターゲット・オーディエンス

マーケティングにおいてターゲットの設定は不可欠です。ターゲットとなる人物のペルソナを決め、そのペルソナの心に響くようなコンテンツを作らなければなりません。そこで、次は以下の項目を埋めていきましょう。

Multi team projects creative brief sheet3

誰をターゲットにしているか
ペルソナを設定する段階です。ターゲットの年齢や性別、住所、家族構成、価値観、悩み、ニーズ、ライフスタイルなどを具体的に設定します。対象の人物が頭の中に思い浮かぶようになるくらい、丁寧に作りこみましょう。

プロジェクトが解決する問題は何か
ターゲットに対しどのような価値を提供できるかを考えましょう。ターゲットが抱えている悩みと、自社の商品・サービスが解決できる悩みが一致した際に、コンテンツは大きな効果を発揮します。

どのようにターゲットのエンゲージメントを獲得するのか
商品・サービスが解決できる悩みと、ターゲットが抱えている悩みが一致しても、そのことが伝わらなければ意味がありません。コンテンツのどのような要素が、どのように顧客の心の琴線に触れるのか計画しましょう。具体的には、画像やコピーライティングなどが該当します。現状はターゲットにどう思われているのかを分析し、その気持ちを狙い通りの方向へ導ける要素を盛り込みましょう。

項目#4:クリエイティブに関するルール

企業やブランドにはイメージがあります。そのイメージと広告のイメージが一致していなければ、オーディエンスは違和感を感じ、広告を信用しなくなるでしょう。そこで、広告なども含めて自社のコンテンツを作る際には次のルールを守る必要があります。

コンテンツ・スタンダード
コンテンツ・スタンダードとは、当該のブランドが提供するあらゆるコンテンツに共通する基準のことです。ECサイトを作るための仕組みを提供しているShopify(ショピファイ)を例に取ると、次のようなことをコンテンツ・スタンダードとして定めています。

Multi team projects creative brief shopify

  • Respond to merchant needs(顧客のニーズを満たすこと)
  • Use plain language(分かりやすい言葉を使うこと)
  • Encourage action(読者に行動を促すこと)
  • Be consistent(一貫性のあるコンテンツを出し続けること)

たとえば、「顧客のニーズを満たすこと」を基準とするなら、広告もそれに従わなければなりません。単に購買意欲を刺激するだけではなく、オーディエンスが抱いている欲求を満足させられることを伝えなければならないのです。こうした基準を事前に明確化し、メンバー間で共有することで、プロダクトの品質を維持できます。

ブランド・トーン
前述のコンテンツ・スタンダードが「内容」に関するルールであるとするならば、こちらのブランド・トーンは「雰囲気」に関するルールと言えます。語り口調や画像のイメージなどを、ブランドのイメージに沿ったものにするのです。

たとえば、前述の「常に顧客のニーズを満たすこと」をコンテンツ・スタンダードとするなら、ブランド・トーンは「リアルさを押し出しつつも、顧客に寄り添う優しい雰囲気」「大胆ではあるが、インパクトを前面に出しすぎない」などとなるでしょう。使う画像や言葉、フォントなどを調節し、イメージを損なわないようにしましょう。

Multi team projects creative brief zendesk

サポートセンター向けのツールを提供しているZendeskならば、「楽しげでフレンドリー」と表現します。

Multi team projects creative brief nike

Nikeであれば「大胆で、意欲的で、活気に満ちている」という感じです。こういったブランド全体としての語り口を定義しておくと、コンテンツ制作にも一貫性を持たせることができます。

僕たちもなるべく他と違う語り口にしようと決めています。遊び心があって、信頼できる仲間と楽しみながらビジネスをやっている。あんまり「お行儀の良いコンテンツ」ばかりじゃなくて、ちょっと人間臭いものを作りたい。そんな風に考えています。あなたの理想とするブランド・トーンもシート上にきっちり言葉として残してみてください。

まとめ:クリエイティブ・ブリーフで現実的な計画を立てる

クリエイティブ・ブリーフとは、広告を作る際の計画書です。以下の4つの要素を記入します。

項目#1:プロジェクトの概要
項目#2:クライアントに関する情報
項目#3:ターゲット・オーディエンス
項目#4:クリエイティブに関するルール

プロジェクトには複数のメンバーが携わる以上、その内容について適切に共有しなければなりません。また、最初から現実的な見通しを持っておくという目的のためにもクリエイティブ・ブリーフは有効な方法です。シートを活用し、必要な情報を整理・共有しましょう。今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。

クリエイティブ・ブリーフ作成シート

複製してお使いください。(Googleへのログインが必要です)

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