The FrayのYou found meを聞いている。相変わらずいい声だし、ピアノも透き通っている。後ろでジャカジャカやっているギターも心地いい。
イントロからサビまでがすごい短くて、途中で自分が彼らの世界にどハマりしていることに気付かされる。この音楽で恋を始めた人も多いだろうし、寄りを戻したカップルも一定数はいると信じている。
いつもこうやって聞いている音楽の解説で記事をスタートして、途中で言いたいメインの内容を忘れてしまうことも過去に多々。本当はもっと有益な情報を伝えられていたかもしれないのに、ごめんなさい。
今日はちゃんと覚えている。「価格のコミュニケーション」という話ね。
知ってた?値段って、お客さんとコミュニケーションしてたって。
「ねえねえ、今日の気分はどうよ?」と値札君は会話を切り出す。
「え?いま、この値札が喋った?」お客さんは驚く。
「おうおう、喋ってるわ。ほんで、どーなん。今日はどうやったん?」
「いや、まあ普通でしたけど」
「普通ってなんやねんな。楽しかったとか辛かったとか言えんのかいな」
「値札さんって関西弁なんですね」
「そりゃそうや。大阪は江戸時代に天下の台所言われとったからな。ビジネスは大阪はで始まり、大阪で育てられるんや」
「え、でも橋下市長は大阪の財政はヤバいって言ってましたよ」
「えーねん、そんな細かいことは。それよりも兄ちゃん、こいつのこと買うてくれへん?こいつ、いまムッチャ安いんよ。このラジオはお得やでー」
「えーほんとですか。確かに199円はお得な価格ですけど、すぐ壊れるんじゃないですか」
「アホか。ワシのこと信用せぇ。もし壊れても、俺らが直したるさかい」
「修理費は取るんですか?」
「当たり前やん。世の中にはフリーランチってものはないんや」
「いくら取るんですか?」
「一回につき5000円」
「は?ぼったくりじゃねーか、このクソ値札野郎め」
ラジオから値札を剥がして地面に叩きつける。受けから踏みつける。
おい、こら。足どけんかい!!
、、、
こんな感じで、値札が話しかけてくる世の中は面白そうでしょ。
そうそう。
実際に値札が発声しようがしまいが、僕らは値段と常にコミュニケーションを取っている。
明朗価格が好まれるのは、コミュニケーションに成功した証拠。たいていの場合は価格が不明瞭で、あとでいくら払わされるのか分からないから、怖い。
怖いという感情が生まれる商品は購入されんわなー。銀座の寿司屋に入るのがなんとなく怖いあの感覚。僕みたいな庶民は金沢駅にある回転寿司で十分(いや、むちゃくちゃ美味いからね)
この価格の明朗性を出すことで成功した事例はいくつもある。
マクドナルドのバリューセット。家電量販店の新生活応援セット。月々の価格を明示したライフネット生命。
お客さんが価格を見たときに、必ずそこには会話が発声する。これを知らない人は資本主義という競技場に入ってこないほうが良い。まるでラケットを持たないテニスプレーヤーだよ。論外。
京セラの稲盛和夫さんはこういうわけ。
「プライシングは重要な経営判断です」
僕も同感です。
ちゃんと考えて値付けやってる?ただ値下げをしてちゃダメだよ。ちゃんと考えてやらないとね。
石崎力也@デルタ機内