あなたは海外移住先の気候や天気が、自分や家族のメンタルにどれほどの影響を与えるのか気になっていませんか。移住先としてヨーロッパを選んだものの、どんよりとした天気や寒さのせいで外に出るのが億劫になり、なんとなく閉塞感を感じてしまうのではないかと不安に思っているはずです。せっかく自由を求めて移住したのに、天候のせいでストレスを抱える生活は避けたいと願っていることと思います。ここでは僕たち家族がオランダのグレーな空の下で感じた閉塞感から抜け出し、太陽と海を求めてポルトガルへと再出発したストーリーを紹介します。
2022年の夏、僕たちはオランダでの生活に限界を感じ、車に荷物を積み込んで南へと向かいました。フランス、スペインを越えてポルトガルへと至る2000キロに及ぶ長大なロードトリップです。それは単なる引っ越しや移動の手段ではなく、僕たち家族が深く息を吸い込み、呼吸を取り戻していくための解放の旅でもありました。気候がメンタルに与える劇的な変化や、太陽の光が家族の幸福度をどう変えるのか、実体験を通じて詳しく解説していきます。
国境を越えるたびに景色に色が戻ってくる2000キロのロードトリップ
2022年の5月に家族でポルトガルを旅行した際、僕たちはその温暖な気候と美しい街並みにすっかり恋をしてしまいました。そしてその3ヶ月後の夏休み、再びポルトガルへ向かう計画を立てました。当時、妻は今の三女を妊娠しており、出産まではまだ少し余裕がある時期でしたが、大事をとって飛行機での移動は避けることにしました。そこで僕とサーフィンが大好きな上2人の長男と長女を連れて、車でヨーロッパを縦断するサーフトリップを決行することになったのです。
飛行機を使わずあえてロードトリップを選んだのは、車の運転が好きだったことに加え、ヨーロッパ大陸を縦断していく過程を楽しみたいという気持ちがあったからです。しかし実際に走り出してみると、2000キロという距離は想像を絶するほど過酷でした。それでも、オランダのグレーで重苦しい空から始まり、ベルギーを小一時間で抜け、フランスの豊かな緑の風景に入っていく変化は素晴らしいものでした。さらに南下してスペインの乾いた広大な大地を越え、最終的にポルトガルの目がかすむほど青い海が見えたときの感動は今でも忘れられません。
景色に鮮やかな色彩が戻ってくるにつれて、僕自身の心も晴れやかになり、助手席や後部座席にいる子供たちの表情にも次第に活力がみなぎっていくのを、ハンドルを握りしめながらはっきりと感じ取ることができました。長距離の運転は体力的には非常にきついものでしたが、この旅を通じて「やっぱり自分はポルトガルが好きなんだな、いずれここに移住することになるのだろうな」という確信めいたものを得ることができました。

現在僕たちはその直感の通りポルトガルに移住して暮らしていますが、ここでは冬の時期であってもサングラスが欠かせません。オランダではほとんど見ることのなかった強烈な日差しが、1年を通じて降り注いでいるのです。国境を越えて気候が変わるだけで、見える世界の色も、そこに住む人間のエネルギーレベルも全く違うものになるという事実を、この2000キロの旅は僕たちに教えてくれました。
ポルトガルの太陽というベーシックインカムがもたらすメンタルの変化
ポルトガルに到着して最初に驚いたのは、冬の季節であっても太陽が刺すように明るく輝いていることでした。オランダに住んでいた頃、人々は不足しがちなビタミンDを補うために、薬局でサプリメントを買って文字通り「太陽をお金で買っている」状態でした。しかしここポルトガルでは、そんな必要は全くありません。太陽の光は誰もが当たり前に享受できる、まるで自然が与えてくれるベーシックインカムのようなものです。

オランダ国民には与えられず、ポルトガルに住む人々には無料で毎日提供されるこの「太陽」という名のインカムは、僕たち家族の生活を一変させました。何より大きかったのは、家族全員の機嫌を良好に保つためのコストや労力が劇的に下がったことです。天気が良くて暖かいというただそれだけの理由で、自然と笑顔が増え、些細なことでイライラすることがなくなりました。気候が人間のメンタルに与える影響力は、僕が想像していたよりもはるかに絶大だったのです。
また、外に出るための物理的なハードルが圧倒的に下がったことも大きな変化でした。オランダの気候は海に近いこともあり、気温の数字だけを見ればそれほど低くならないと言われています。しかし実際には、冬の期間は雨と強烈な風が吹き荒れるため、体感温度は氷点下のように冷え込みます。僕はこれまで金沢や北海道、さらにはマイナス20度にもなるシカゴに住んだ経験もありますが、それでも体感的な寒さの厳しさはオランダが一番きつかったと感じています。
一方のポルトガルは、気温そのものが暖かいのはもちろんですが、風も穏やかで過ごしやすい日が続きます。どんなに雨が降る日であっても、日中には必ずと言っていいほど太陽が顔を出してくれます。ちょっと外の空気を吸いたいと思えば、ヒートテック1枚をサッと着て、半袖のままパッと外に飛び出すことができます。こうした気候の優しさが、移住生活における見えないストレスをどんどんと溶かしていってくれました。
重装備から解放された身体的な自由が子供たちのエネルギーを爆発させる
オランダで生活していた頃、子供たちを外に連れ出すのは本当に一苦労でした。風邪をひかないように何枚も服を着せ、4人全員に手袋やマフラー、ニット帽をしっかりと着けさせるだけで、家を出るまでに20分から30分はかかっていました。その準備だけで親も子供も疲れてしまい、外で遊ぶエネルギーを消耗してしまうことも珍しくありませんでした。しかしポルトガルでは、そんな煩わしい準備は一切必要ありません。

今の僕たちの生活では、放課後にそのまま海へ向かってサーフィンを楽しむことが日常の風景になっています。オランダでは重装備をしなければ一歩も外に出られなかった子供たちが、ポルトガルならTシャツと短パンという軽装で自然と外へ飛び出していきます。準備の時間を必要とせず、家から5分で海にアクセスできるこの贅沢な環境が、子供たちの内なるエネルギーを爆発させ、生き生きとした表情を引き出してくれています。
実は気候や着る服の重さは、人間の体調にも直接的な影響を与えます。例えば、日本でひどい腰痛に悩んでいた人がタイやフィリピンなどの南国に行くと、嘘のように痛みが消えたという話をよく聞きます。僕自身も腰痛持ちでしたが、暖かい国に行くと本当に症状が和らぎます。それは寒い国で分厚いジャケットや何枚もの防寒着を着込むことで生じる、数キロの重りを常に肩に担いでいるような負担から解放されるからです。
服の重さから解放されること。寒さのストレスから解放されること。そして、家を出てすぐに海や自然と触れ合える環境があること。この圧倒的な「身体的自由」こそが、僕たちがヨーロッパ移住の先に本当に求めていた生活の真の姿でした。オランダのグレーな空の下で感じていた閉塞感を抜け出し、ポルトガルの光と海に包まれた今、僕たち家族はようやく心からの幸せな日常を手に入れることができたのだと実感しています。
まとめ 気候がメンタルに与える影響とポルトガル移住のメリット
ここまで僕たち家族がオランダからポルトガルへ移住を決断した理由と、気候がメンタルや生活の質に与える劇的な変化について解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- 移住先の気候や天候は家族のメンタルや幸福度に直接的かつ絶大な影響を与える。
- ポルトガルのような日照時間の長い環境は家族の機嫌を良好に保つコストを劇的に下げる。
- 寒さや強風による重装備から解放されることで外に出るハードルが下がりフットワークが軽くなる。
- 気候の良い場所では防寒着の重さによる身体的負担がなくなり健康面でもプラスの恩恵がある。