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石崎力也のコンサルティング「いしこん」

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現在の場所:ホーム / Emigration / 2-1 救急車かパラセタモールか?福祉の幻想を超えて自律した生存を確立する

2-1 救急車かパラセタモールか?福祉の幻想を超えて自律した生存を確立する

Last updated on 2026年4月1日 By 石崎 力也

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あなたは海外移住を検討している起業家やフリーランスとして、ヨーロッパの福祉は充実しているというイメージを持っていませんか?日本より医療体制が整っているはずだという期待を抱いているなら、オランダの医療システムに直面したとき間違いなく絶望するはずです。ここでは、僕が実際に体験した救急車1回800ユーロの衝撃と、シビアな医療現場の現実についてご紹介します。

日本で当たり前だと思っていた、具合が悪くなったらすぐに病院へ行くという選択肢は、オランダでは存在しません。高い保険料を支払っているにもかかわらず、医師に会うことすら高いハードルとなる冷徹なまでの合理主義が貫かれています。ここでは、僕が直面した医療アクセスの難しさを例に、病院が助けてくれる場所ではなく最後の日まで行けない場所であるという、オランダ医療の現実について詳しくお話ししようと思います。

今回お届けするノウハウはこちら

  • ホームドクターという名の高くて厚い門番は医療リソースを守るための防波堤
  • 日本の整形外科との決定的な違いは冷徹な合理主義
  • 【1回800ユーロの衝撃】救急車を呼ぶのを躊躇させる冷酷なストッパーの正体
  • 依存からの脱却と徹底した自己管理で病院に行かないことを前提とした生活を設計する
  • まとめ

ホームドクターという名の高くて厚い門番は医療リソースを守るための防波堤

オランダの医療システムを理解する上で避けて通れないのが、ホームドクターの存在です。これは日本でいうところの町医者やかかりつけ医のようなものですが、その役割は想像以上に厳格です。オランダでは専門医に診てもらう前に、必ずこのホームドクターの診察を通過しなければなりません。つまり、いきなり大きな病院へ行って精密検査を受けるといったことは物理的に不可能な仕組みになっているのです。

このホームドクターこそが、患者にとって最大の壁となります。今になって振り返れば、彼らは限られた医療リソースを無駄遣いさせないための強固な防波堤なのだと理解できます。例えば、どれだけ高い熱が出て苦しんでいても、多くの場合はパラセタモールという解熱剤を飲んで寝ていろと言われるだけです。これは決して冗談ではなく、現地の医療現場では極めて一般的な対応として定着しています。

腰が痛いときでも、あるいは肩が脱臼して激痛が走っているときでも、返ってくる答えは決まってパラセタモールです。この痛み止めさえ飲んでいれば、あとは様子を見るというのが彼らの基本スタンスです。なかなか本当の意味での診察や治療にはつながらず、患者を救うことよりも医療システムを崩壊させないためのルールが優先されているように感じました。日本のような手厚い医療に慣れている僕たちにとっては、これほど心細いことはありません。

とりあえず2週間は様子を見て、それでも悪くなったらまた来てくださいと言われるのが常です。しかし、実際にはその2週間の間に、体調が少し良くなってしまうか、あるいは自分の力で何とかするしかなくなります。結果として医師の本格的な治療は不要になるというわけです。このシステムを知ったとき、日本で当たり前のように享受していた安心感は、オランダではどれだけお金を積んでも手に入らない贅沢品なのだと思い知らされました。

病院に期待するのをやめる。それがこの国で生きていくための大前提となります。病気になってから慌てるのではなく、病気になる前に自分の力で食い止めるという意識が自然と磨かれていきました。少々の不調であれば、自分自身の判断でやり過ごすタフさが求められるのです。医療を公共サービスとして受動的に待つのではなく、自らの力でマネジメントすべきリスクとして捉え直すことが、オランダでの生存戦略の第一歩となりました。

日本の整形外科との決定的な違いは冷徹な合理主義

僕の故郷である石川県金沢市には、近所に有名な整形外科がありました。高校生の頃、僕は腰痛持ちだったので、その病院によく電気を当てに通っていたのです。そこでの光景は、今でも鮮明に覚えています。待合室には、ものすごい数のご老人たちが集まっていました。電気を当てている場所にもたくさんの人がいて、みんなで楽しそうにくっちゃべっているのです。

日本の地方都市にあるこうした病院は、もはや本来の治療の場というよりも、地域の社交の場として機能していました。お年寄りたちにとって、病院へ行くことは日々の楽しみであり、コミュニケーションの欠かせない一部になっていたわけです。これはこれで、日本の医療リソースの別の意味での崩壊といえるのかもしれません。しかし、オランダのシステムはこの日本の風景とは完全に対極に位置しています。

オランダでは、病院は気軽にお喋りを楽しめるような場所ではありません。徹底した合理主義のもと、必要最低限のリソースしか割り当てられないため、日本のようなとりあえず診てもらうという安心感は皆無です。医療は提供されるべきサービスではなく、厳格に管理されるべき公共の財産として扱われています。この冷徹なまでの仕組みの差を目の当たりにしたとき、僕は自分の健康に対する考え方を根底から変えざるを得ませんでした。

日本の医療が依存を生み出しやすいのに対し、オランダの医療は徹底して自立を促します。というよりも、自立せざるを得ない状況に追い込まれるといった方が正しいかもしれません。病院が社交の場になる余地など1ミリもありません。こうした環境の違いは、そこに住む人々の健康意識にも大きな影響を与えます。自分の体は自分で守るという、当たり前の事実を嫌というほど突きつけられるからです。

医療に依存できないという恐怖は、結果として僕自身の健康に対する意識を研ぎ澄ませることになりました。日本にいた頃のような甘えを捨て、自律した意識を持つようになったのは、このシビアな環境があったからこそだと思います。病院が遠い存在であるからこそ、日々の食事や運動、睡眠といった自己管理の重要性が身に染みて理解できました。これは、僕たちが海外でビジネスを続けていく上でも非常に大切なマインドセットです。

【1回800ユーロの衝撃】救急車を呼ぶのを躊躇させる冷酷なストッパーの正体

僕がオランダで経験した最も衝撃的な出来事の一つに、救急車の費用があります。ある日、僕はスケートボードをしていました。高くジャンプして空中で回転する技に挑戦していたのですが、着地に失敗して激しく転倒してしまったのです。腰から地面に叩きつけられ、その瞬間に全く歩けなくなるほどの激痛が走りました。これはただ事ではないと感じ、僕はすぐに救急車を呼ぶ決断をしました。

いざという時の頼みの綱である救急車ですが、その後に届いた請求書を見て僕は言葉を失いました。そこには、約800ユーロという数字が記されていたからです。現在の日本円に換算すれば、およそ13万円から14万円ほどになる計算です。救急車を呼ぶという行為だけで、これほどまでに高額な出費を強いられる現実に、僕は大きなショックを受けました。

この高額な請求は、緊急時であっても本当に今、救急車を呼ぶべきなのかということを僕たちに問いかけてきます。呼ぶのを躊躇させるための、冷酷なストッパーとして機能しているのです。実際に救急車の中で手に管を繋がれている自分の写真を今でも持っていますが、その時の痛々しい姿と、後から来た請求額の痛みは、僕の記憶に深く刻み込まれています。

オランダでは、たとえ事故や急病であっても、すべてが自己責任の延長線上にあります。救急車が無料で駆けつけてくれる日本のシステムが、いかに恵まれているかを痛感しました。1回で10万円以上の支払いを求められるとなれば、次に同じような状況になっても、ギリギリまで耐えてしまうかもしれません。このような金銭的なリスクが、個人の判断を鈍らせる可能性さえあるシビアな世界なのです。

この経験を通じて、僕は医療を与えられるサービスではなく管理すべきリスクとして再定義しました。救急車を呼ばなくて済むように、日々の行動に細心の注意を払う。そして、もしもの時のために十分な資金を蓄えておく。ビジネスの運営と同様に、健康管理もまた、確実性が求められる重要なタスクの一つになったのです。福祉の幻想は、この800ユーロの請求書によって完全に打ち砕かれました。

依存からの脱却と徹底した自己管理で病院に行かないことを前提とした生活を設計する

オランダのシビアな現実を理解したとき、僕は病院に期待することを完全にやめました。期待を捨てることで、逆に自分の健康に対する意識が研ぎ澄まされていったように思います。病院へ行けないのであれば、そもそも病気にならないように生活を設計すればいい。そのように思考を切り替えたことが、僕たち家族の生存戦略となりました。

具体的には、日本から常備薬を大量に持ち込むことで、自己完結できる体制を構築しました。知り合いの日本人に頼んで、使い慣れた薬を日本から備蓄してもらうのです。オランダの薬局で何が含まれているか分からない薬を探すよりも、自分が信頼している日本の薬を使う方がはるかに合理的です。日本に帰国するたびに医師から処方箋をもらい、備えを万全にしています。

月々の保険料として、家族全員で400ユーロ、日本円で約6万円も支払っていました。これほど高い金額を払っているにもかかわらず、受けられるサービスは実質的な放置に近いものです。これに腹を立てていても何も始まりません。ルールが変わらない以上、そのルールの範囲内でどう立ち回るべきかを考えるのが、プロの起業家としてのあり方だと思います。

不調を感じたとしても、少々のことなら自分の判断でやり過ごす。どうしても無理な場合だけ、最後の手段として医療機関を利用する。このように医療を公的サービスとしてではなく、自分でマネジメントすべきリスクとして捉え直すことが大切です。依存心を捨て、自律した健康意識を持つことで、海外という厳しい環境下でも自分たちの生活を守り抜くことができるようになりました。

現在、僕はポルトガルで暮らしていますが、このオランダで培った病院に行かない前提の生活設計は今も僕の基盤となっています。環境に文句を言う前に、その土地の仕様を理解し、自分自身を適応させていく。この泥臭いまでの自己責任マインドが、海外サバイバルを勝ち抜くための最強の武器になるのだと確信しています。皆さんも、自分の生存を他人に委ねず、自律した健康管理を始めてください。

まとめ

オランダの医療現実から学んだ自律した生存戦略のポイントを6つにまとめました。

・ヨーロッパの福祉が充実しているという幻想を捨て医療アクセスの難しさを直視する。
・ホームドクターを最大の門番として捉え安易に病院に頼らないタフさを身につける。
・どんな不調に対してもパラセタモールで済まされる冷徹な合理主義を理解する。
・救急車1回800ユーロという高額なコストを念頭に置き医療をリスクとして管理する。
・日本から常備薬を備蓄するなど病院に行かずに済む自己完結型の体制を構築する。
・医療を公的サービスではなく自己責任でマネジメントすべき対象として再定義する。

カテゴリEmigration

About 石崎 力也

2019年にオランダへ渡り、現在はポルトガルで妻と4人の子供と暮らす。柔術やサーフィン、年間100日の旅行を楽しむ自由なライフスタイルを実践中。オンラインコース販売(受講生7万人超、ClickFunnels1億円等達成)で生計を立て、AI自動化により時間と場所に縛られない働き方を実現している。

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