あなたは海外移住に対して、自由でキラキラした生活をイメージしていませんか?僕もオランダに移住する前は同じような期待を抱いていましたが、実際には太陽が出ないという物理的な環境だけで、人間の精神は簡単に崩壊しそうになります。ここでは、僕が実際に経験したメンタルの危機を例に、自分の機嫌を物理的にどう守るかという生存戦略をお話しします。
冬になれば朝9時でも暗く、16時には夜が来るという過酷な気候条件の中で、僕がどうやって自分を保ち、家族と向き合ってきたのかを詳しくお伝えしようと思います。オランダだけでなく、環境が激変する海外移住全般において、自分の状態をどう守るかは極めて重要な課題になるはずです。僕が目撃した現地の人たちの知恵と、辿り着いた適応の形を解説していきます。
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移住して最初に僕を打ちのめした「太陽の欠如」というオランダの現実
オランダに移住して、最初に僕を打ちのめしたのは太陽の欠如でした。オランダの冬は、朝の9時になってもまだ薄暗く、夕方の16時にはすっかり夜が来てしまいます。このような状況が数週間にわたって続き、その間、一度も太陽を見ないことさえ珍しくありません。僕自身、妻とよく1年のうち半分にあたる6ヶ月間は、太陽を見ない生活になるねと言い合っていましたが、これは冗談ではなく本当のことです。

Source: amsterdamian.com
僕たちがオランダという国を想像するとき、多くの場合は中世の美しい街並みをイメージすると思います。アムステルダムの運河沿いの写真であったり、あるいは日本にあるハウステンボスのような風景を思い浮かべるかもしれません。しかし、冬の現実はそれらのイメージとは大きく異なります。実際には、写真のように外は真っ暗で、冷たい雨が降り注ぎ、風が非常に強く吹き付けているのです。
このような光のない世界は、僕の精神をじわじわと、しかし確実に削っていくのを肌で感じました。キラキラした理想とは裏腹に、物理的に光が失われるだけで人間の心はこれほどまでに影響を受けるのかと驚かされました。どんよりとした空の下で、雨と風にさらされ続ける毎日は、日本での生活では想像もできないほど過酷なものです。この太陽のなさが、精神を闇の中へと引きずり込んでいくような感覚がありました。
起業家として活動する上で、この環境の変化は無視できない大きな壁となります。自分の内側から湧き出ていたはずのエネルギーが、外の世界の暗さに同調するように失われていくのです。期待に胸を膨らませてやってきた移住生活でしたが、最初に突きつけられたのはこの厳しい物理的な現実でした。美しい観光地のイメージだけでは乗り越えられない、自然環境という逃れられない制約がそこには存在していました。
気合ではどうにもならない物理的な限界と生物学的な仕様
このような過酷な環境を前にして、精神力や気合で乗り切ろうとすることの無意味さを僕は身をもって理解しました。僕自身、もともとは自分をポジティブな性格の方だと思っていました。少々のことがあっても、心の持ちようで解決できると信じていたのです。しかし、オランダの冬という無理ゲーを前にしたとき、そのような自信はすぐに消え去ってしまいました。
後から調べて分かったことですが、太陽を浴びられない生活が続くと、体の中のビタミンDが枯渇してしまいます。このビタミンDが不足すると、脳内で幸福感を作り出すセロトニンという物質が物理的に作られなくなってしまうのです。つまり、気分が落ち込むのは根性の問題ではなく、体内の製造ラインがストップしてしまうという、純粋に生物学的な仕様による結果だということです。
自分がどれほどポジティブでいようと努力しても、窓の外に広がるどんよりとした景色を眺めているだけで、気分は確実に落ちていきます。これは心の持ちようではなく、物理的な限界なのだと理解することが大切です。気合だけでどうにかなるレベルの話ではありません。自分を責める前に、これは自分の体が生物として反応しているだけなのだと認めることが、サバイバルのための第一歩になります。
海外移住において、環境が激変することは大きなリスクを伴います。特に北欧のような地域では、この生物学的なメカニズムを知っておかないと、なぜ自分がこれほどまでに苦しいのか理由がわからず追い詰められてしまいます。自分の機嫌が天気次第であり、天気に支配されているという事実を受け入れることが、結果として自分を守ることにつながるのです。無理なポジティブ思考は、こうした物理的な現実の前では通用しません。
スーパーの棚を埋め尽くすサプリメントは生存のための必須装備
オランダのスーパーマーケットに行くと、驚くほど大量のビタミンDサプリメントが棚に並んでいます。初めてそれを見たとき、僕はなぜこれほどまでに多くの種類があるのか不思議に思いました。現地の人にとって、サプリメントを摂ることは、単なる健康志向やおしゃれの一環ではありませんでした。俺は健康に気を使っているんだぜといったアピールではなく、もっと切実な理由があったのです。

彼らにとってサプリメントは、この暗いオランダの冬を生き抜くための、まさに必須装備のような存在でした。足りない光を物質で補うという、極めて戦略的なアプローチです。彼らは自分たちの体に何が足りないのかを熟知しており、それをサプリメントという形で補完していました。いわば、自分たちに不足している太陽の光を、お金を払って薬として買っているようなイメージです。
実際にオランダでは、うつ病になる人が非常に多く、薬局からビタミンDなどが処方されることも珍しくありません。北欧の人たちにうつの人が多いという話も、こうした日照不足という物理的な要因が大きく関わっています。サプリメントを飲むことは、ライフハックという言葉では片付けられないほど、現地の人々の生存に深く関わっている重要な習慣なのです。
このように、環境によって失われるものを物理的な手段で補うという考え方は、僕にとっても大きな発見でした。精神力に頼るのではなく、科学的に立証された手段で自分の体と心をメンテナンスする。スーパーの棚を埋め尽くすサプリメントは、厳しい自然環境に対する人間の知恵の結晶に見えました。僕も彼らの真似をして、足りない光をサプリメントで補うという戦略を取り入れることにしました。
晴れ間が見えたらすべてを放り出して外へ向かうのは真剣な治療である
では、オランダの人々はどうやってこの冬を乗り切っているのでしょうか?その答えは、わずかな晴れ間が見えた瞬間の彼らの行動にありました。少しでも太陽が顔を出すと、僕は仕事も家事もすべて後回しにして外に出るようになりました。現地の人たちも同様です。彼らがなぜあれほどまでにテラス席に固執するのか、その理由がようやくわかったのです。
それは単に外でお茶を楽しんでいるわけではありません。彼らにとって太陽の光を浴びることは、生存のために必死に光をチャージする行為であり、一種の充電なのです。その光景は、僕にはレジャーというよりは、何か真剣な治療を受けているように見えました。実際に、家の中にずっといれば無限ループのように闇の中に落ちていってしまうため、晴れたら絶対に外に出るという決断が必要になります。
たとえ10分でも20分でも、光が出ている間に日光を浴びることが、どれほど自分を維持するために大切かを痛感しました。仕事が残っていようが、家が終わっていなかろうが、そんなことは太陽が出ている瞬間の重要性に比べれば些細なことです。太陽を見つけたら光を追いかけていく。この野生的なまでの行動が、精神の崩壊を防ぐための最も効果的な手段になるのです。
テラス席に座り、太陽に向かって顔を上げている彼らの姿は、まさに自分たちの機嫌を自分で取り戻そうとする真剣な闘いでした。僕もその輪に加わることで、ようやくこの土地での生き方を学び始めました。太陽を浴びることを最優先事項に据える。このシンプルなルールが、過酷な環境下でビジネスを続け、家族との生活を守り抜くための、最大の生存戦略になるのだと思います。
環境をハックして筋トレや趣味で自分の機嫌を維持する戦略
環境をハックして、なんとか自分を維持していくことが、欧州での生活を継続させるための鍵となります。日本にいた頃の自分の感覚は、ここでは通用しません。僕はまず、自分の気分が天気次第であることを認め、天気に支配されているという事実を受容しました。その上で、サプリメントや日光による光充電を欠かさないように自分をメンテナンスし続けました。

さらに、ヨーロッパに来てから僕が強く意識し始めたのが筋トレや趣味の充実です。正直なところ、なぜこれほどまでに筋トレを始めたのか自分でも不思議でしたが、今となってはそれは必然的なことだったと感じています。自分の機嫌を自分で取り続けるためには、強い体を作っておくことが不可欠でした。特にヨーロッパへの移住は、精神的にも肉体的にもタフさが求められるむずいゲームです。
筋トレや多くの趣味を生活に取り入れることで、外部環境に左右されない自分の軸を作ろうとしたのだと思います。仕事以外の部分で自分を楽しませ、機嫌を良くする手段をいくつも持っておくこと。これが、欧州サバイバルの第一歩となりました。天気が悪ければサプリで補い、晴れれば外へ飛び出し、それ以外の時間は筋トレや趣味で自分の内側からエネルギーを生成する。
こうした一連の適応の形こそが、僕が辿り着いた海外生活の生存戦略です。自分の機嫌を天気任せにせず、物理的な手段と日々の習慣によってハックしていく。1人起業家として異国の地で生き残るためには、こうした泥臭いまでの自己管理が何よりも重要になります。皆さんも、自分の状態を物理的に守るための準備を整えていきましょう。
まとめ
光のない冬を生き抜くために、僕たちが意識すべきポイントを6つにまとめました。
・自分の機嫌が天候や日光に支配されているという物理的な事実を認める。
・ビタミンDサプリメントを生存のための必須装備として戦略的に摂取する。
・晴れ間が見えたら、仕事や家事を中断してでも外に出て日光をチャージする。
・筋トレや趣味を積極的に取り入れ、自分の機嫌を維持するための強い基盤を作る。
・精神論や気合に頼らず、生物学的な仕様に合わせた物理的なアプローチを優先する。
・環境をハックし、自分の状態をメンテナンスし続けることを最優先事項に据える。