「ちからを、わけてもらえるのさ」ここは西アフリカ、ブードゥーの国。すべてが濃厚。ガイドブックなど存在しない。頼りになるのは『ゾマホンのほん』だけだった。
まるで画家ジョン・マーティンによる19世紀初頭の傑作、『聖書』の挿絵のようだ。その、メゾチントという銅板画で刷られた人類の宝は、ベルベットのように深い「黒」と、光のように神々しい「白」とで構成されている。
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石川直樹さんの撮った写真に奥野武範さんが文章を添えるという面白い構成。素敵じゃん!写真を撮った人が書かなくて、撮ってない人がまるで自分が撮ったかのように文章を書く。石川直樹さんにインタビューした内容を奥野さんのフィルターを通して文章となる。石川さんのフィルターを一枚、奥野さんのフィルターを更に一枚、最後にはエンドユーザーの僕たちのフィルターを通して各々の写真を見てゆく。フィルターの枚数が多い分、石川さんが撮った瞬間に何を考えていたか?というリアリティはぐっと落ちる。ただ一つだけ言えるのは「オレもそこに生きたい!」という気持ちを喚起させてくれる奥野さんの文章がそこにはあるということ。
石川直樹さんは17歳で世界に出た。世界を回った。24歳の石崎は港区でそれを見ている。本書を読みながら思ったのは「くそ、俺は24歳なのに何をやっているんだ!」という気持ちではなく「もし17歳の時に世界を見ていたら、24歳の今、どんな景色を見ているのだろう?」という気持ち、ただそれだけ。
じゃあ、27歳の僕がこの本にもう一度出会ったなら何を思う?たぶん『あの本に出会ったとき(24歳)に世界に出ていたら、27歳の今、どんな景色を見ているのだろう』と思うに違いない。やし、さっき目をつぶってクリックして航空券を手配した。6/4からしばらく海外に行っています。うわ、無眠daysがまたスタートや!ムーミンやな。
石崎力也
追伸1:無計画な遊びを好む性格を維持するためには、超絶的に緻密な仕事の計画が必要になる。
追伸2:計画を遂行するために必要なものは、レッドブルと根性で十分。
追伸3:あと、迷惑をかけてごめんなさいというチームへの謝罪と。(怖い目で見てきそー)