おお、なんと時間の無駄なのだろう。
昨日、一人で金沢ライトアップバスに乗り思いました。
着こなしの良い二人の美女。
幾分かのカップル。
リタイアメントを済ませた老夫婦。
そして汚い僕。一人の僕。
金沢ライトアップバスは、午後7時以降にライトアップされる観光名所をぐるぐると回るものです。1回三百円ですが、1日チケット(五百円)を買えば自由に乗り降りできます。ただ、バス停の位置がわかりにくいので、タイムリミット(たったの2時間半!)で全てを回れるわけではありません。僕が金沢の観光大臣なら、ライトアップを午前1時まで伸ばして、ライトアップバスも午前1時まで運行するな。採算度外視で、やってみませんか?無理か。
マンフロットの三脚を持ち、GH4を首から下げる。県立能楽堂なんて山奥にあるスポットで誰が下車するんだよー、みたいなカップルの声が聞こえる。俺だよ。俺が降りんだよ。どけよ。もう本当、イチャイチャしたカップルを見るとマシュマロでも顔面にぶつけてやりたい気分になるわ。そして一人下車。ああ、医療センターの近くにある、これね。午後9時、駐車場に車0台。ただライトアップされた能楽堂が不気味にその存在感を誇示しているだけ。微妙に室内が窓からうっすらと見えるのが怖くて、怖くて。そこで僕は何をするんですか?
はい、撮影します。今、一つの動画を作っています。テーマは「金沢を歩く」。こんな非経済的な活動あるの?ってくらい、お金にならないことを大人が真剣にやっている。しかもかなりの距離を歩く。この撮影だけで、かれこれ数週間を費やしています。しかも動画になる時には、たったの数秒にしかならない。なんということだ。
どんな絵を撮っているか?知りたい?
こんな感じの絵をいくつも撮っています。
真ん中に三脚見えますか?あれ、僕のGH4です。あそこに向かってただひたすら歩いていく絵をいくつも撮っているんです。それを繋げると・・・。こんな風な絵になる。
グリッドがあるのは、まだテスト段階なので。グリッドに沿って被写体を歩かせる。これが大体1分くらい続く動画を作っています。ちなみにVimeo内にある Move という動画にインスパイアされてこの動画を作成し始めました。
この Move という動画を作った三人は、企業からスポンサー費用をもらいながら撮影しています。僕ら3人は完全、自費。といっても金沢1つだけなので、全然お金かかってないんですけどね。かかっているのは、石崎力也の高い時給です。僕であれば、真面目に働けば1時間で最低でも5万円は計上できるんですけど、これは経済活動での話。
ブログを書いたり、こんな風に撮影したりするのは、経済活動の側面から見ると損失そのものです。そう、趣味の時間は損失そのものなんですね。
じゃあこういった趣味の時間は全く無駄なのかといえば、そんなわけはなく・・・。
確かに金にはならないけど、幾分かの満足を得ているわけです。僕がドローンを飛ばしたり、海外生活を続けたり、コーヒー豆に凝ったり、GH4とマンフロットで被写体を収めたりするのは、そこに満足があるからです。僕の場合、DRMがあるので、こういった趣味ですらマネタイズすることが可能なんですけど、まあ、趣味なのでマネタイズしません。
好きなことを仕事にしたいアマチュアな人たちに聞きたいのは、なぜ好きなことは好きなこととして独立させられないか、ということです。答えは簡単です。経済活動での非効率があるから。時給が低いから趣味までを金にしようという発想が生まれるんですね。経済活動を効率的に行える人は、普通、趣味をマネタイズしません。少なくとも僕の周りの人で、そんな低次元な話をしている人はいません。
一日中仕事をしている人は、まだ完全にリッチになりきれていない。たぶん、頑張って時給を上げている段階だから。ある程度、仕事が自動化され、時給が1万円を超すようになると、非経済活動にも時間を投下できるようになります。イメージとしては、吉野家やマックを止めてファミレスに入る感覚で寿司屋に入るくらいのレベルです。
まず経済活動を効率化して自分の時給をできるだけあげる。
生活防衛資金についての私の考え | Grow Rich Slowly:
“例えば、私も強く影響を受けた書籍『ほったらかし投資術』では著者の水瀬ケンイチさんと山崎元さんがそれぞれ異なる持論を展開しています。
水瀬さん・・・生活防衛資金は生活費の2年分くらい必要
山崎さん・・・生活防衛資金は生活費の3か月分程度で十分”
とのこと。月々20万円で生きていける人は、水瀬さんなら240万円用意しておけ、山崎さんなら60万円用意しておけと。(ちなみにこのほったらかし投資術を読むと、100%の確率でインデックス投資を始めてしまいます)
それら生活防衛資金を貯めた上で、ようやくアクティブに非経済活動にも時間を投下できるようになります。
非経済活動なので、文字どおり、一切金になりません。でも経済活動からは得られない効用を得ることができます。
この禅問答のシンドイところは、金がなくても好きなことやってんだからいいだろ、というスタンスが成り立たない点です。少なくとも、アルバイトしながらバンドやっている人たちが心底から楽しめているとは思えないんです。なんやかんやで未来に対する心配(そのほとんどがお金に関すること)でバンドに没頭できていないんじゃないかな、そんな邪推が働くんですね。
まずは時給を上げる。次に趣味をやる。
時給を上げる方法は、僕に聞いてください。
時給を上げると、僕のようにセールスでないミスドにも堂々と来店することが可能でございますよ。はははは。
ああ、寂しい。