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人生論
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はい、では人生論ですね。今日の人生論では「20%ルール」を紹介しようと思います。
かのグーグルは、ただ単に企業として売上高が大きいだけでなく、その変わった社風でも有名です。
たとえば、社内カフェテリア・スター(元Greatful Deadのお抱えシェフが作る料理が賄われる)は完全に無料だし、PCは当然好きな物を無料で与えられるし、屋内のスポーツ施設は使い放題。
専属ドクターと専属マッサージ師が5人ずついる!
まあこういった表面の「目に見える社風」をメディアが取り上げるのは当然です。
しかし僕たちは疑問を持たねばなりません。
「彼らのイノベーションの源泉は何か?」と。
当然、無料食堂や無料マッサージが彼らのイノベーションを直接的に手助けしているわけではありませんので、何か表面的ではないグーグル独特の社風、いや文化があるはずだ、と思わなきゃいけないのです。
勘のいい方は、あるいは既にご存知の方は、分かっていると思いますが、彼らのイノベーションを支えているのは「20%ルール」です。
20%ルールとは、グーグルの業務とは全く関係ないがパッションの持てることに就業時間の20%分を費やしてもいい、というルールのことです。
「就業時間」の20%ですから、もちろんその20%にも、給料が支払われます。
ここで留意すべきは、この20%ルールの”但し書き”です。「就業時間の20%を好きなことに使ってもよい。”但し”パッション(情熱)を持てることに費やすこと」というもの。
この素敵なルールを人生にも当てはめてはいかがでしょうか?というご提案を今日は差し上げたいと思います。
かつて札幌で経営者だけが参加できるドラッカーの勉強会に参加していたことがあるのですが、その日、たまたま僕の知らない大学生が参加しており、彼が自慢げに手帳を見せてくれました。
見た所、ビックリ。学校やら、就活やら、サークルやらで、スケジュールがびっしりとつまっているのです。
すかさず僕は「好きなことやる時間はあるの?」と聞いた所、彼は「スケジュールが埋まってないと何処か不安になるのです」と答えてくれたのです。
そのとき、僕は「あーなるほど」と合点がいきました。
大学生ですら、強迫観念的にスケジュールを埋めなきゃいけないくらい”忙しい社会”なんだ、ということを思い知ったのです。
いわんや、社会人をや。(社会人はもっと忙しい・・・)
これだけ忙しくなった社会です。少しでも「空白の時間」があれば、埋めたくなってしまうのが人間の性ではないでしょうか?
しかし、空白の時間を無理矢理埋めてしまえば、自分の好きなことやパッションが持てることに割く時間は忽ち(たちまち)無くなってしまいます。
パレートの法則をご存知でしょうか?これは自然界において、もっとも汎用性のある法則なのです。
あらゆる自然界の現象は(ほぼ)20:80に別れる、というもの。
世界の富の80%を富裕層の20%が独占し、残りの20%の富を80%の人たちが共有する。
企業の成果の80%は20%の優れた事業によって生み出され、残りの20%の成果は並の事業である80%から生み出されている。
パズドラがいい例です。孫正義さんの実の弟である泰蔵さんが経営するガンホーの収益の80%以上は、明らかにパズル&ドラゴンからのみで発生したものです。
あなたの人生も然り。
人生の80%の幸福を占めるのは、本当に大好きな情熱の持てることに費やした20%の活動から生みだされ、残りの20%はそれほど重要ではない些末な物からもたらされているのです。
人生にイノベーションを起こすためには、1日の100%を仕事だけに費やしていてはダメなのです。
仕事は1日の80%程度に抑えておき、残りの20%は情熱の持てる何かに費やしましょう。
1999年にグーグルに入社したインド出身のクリシュナバラットは、その年の9.11を目の当たりにして「アメリカ人はイスラム国家を知らなさすぎる。もしもインターネットが世界のニュースを一カ所に集められていたら・・・」という自らの理想を、20%ルールを使って現実化した。
それが、現グーグルのメイン事業の一つ、<グーグル・ニュース>なのです。
このように、現実に世界を動かす事業が、たった1人の20%ルールから生まれているのです。
世界を動かすなど、大それたことは求めていません。ただ、最低でも自分の人生くらいはガッツリと変えてみてはどうでしょうか?
20%の空白が、あなたの余生に大きなインパクトを与えると考えるだけで、なにかワクワクしてくるものがありませんか?
もしおありなら、是非とも人生に、この20%ルールを適用してみて下さい。
ちなみに、僕は95%ルールを適用中です。仕事は一日のうち、0~5%程度で、残り95%以上は全てパッションの赴くままに行動しています。
個人的には20%程度じゃあ「足りない!」と大学生の時に感じたので。
ま、そういうことです。じゃーねー。
文責:石崎力也