1. Premiere Proの基本的な操作方法
1-1. 新規プロジェクトを作る
まず、Adobe Premiere Proを立ち上げます。すると、上の画面になりますので、「新規プロジェクト」を選択します。
そしたら、「名前(プロジェクト名)」と「場所(保存場所)」を入力します。保存場所は、ドロップダウンメニュー(下矢印)か「参照」から選ぶことができます。最後に「OK」をクリックすれば、新規プロジェクトが作成されます。
1-2. ワークスペースを理解する
画面の上の方にあるタブは、ワークスペースと言います。用途に合わせたり、自分が使い易いワークスペースがあれば切り替えて編集していくことができます。
ワークスペースが出ていない場合は、「ウィンドウ」から「ワークスペース」を選択して、追加したいワークスペースを選びましょう。
このワークスペースというのは、基本的に4つのスペースからできています。まず、左下にあるのは、「プロジェクト」です。ここは、ビデオや音楽、画像などの素材ファイルが入る場所です。右下にあるのが、「タイムライン」です。「プロジェクト」に追加したファイルを編集する場所になります。左上は「ソースモニター」と言って、プロジェクトに追加した個々のファイルを見る場所です。右上にあるのは、「プログラム」です。「タイムライン」で編集したものが反映されます。「ソースモニター」と似ているんですけど、違いは「ソースモニター」が1つ1つのファイルを映すのに対して、「プログラム」は「タイムライン」で編集したもの(編集後の一連の動画)が表示されます。例えば、3つの動画を1つに編集するとします。それは、タイムラインでやるんですけど、編集した動画が「プログラム」に映し出されます。一方、「ソースモニター」には、「プロジェクト」で選択している1つのファイルを映すにすぎません。
1-3. Premiere Proの操作画面を高速レビューします
まず覚えておいていただきたいのは、青色部分がアクティブということです。上の画像を見てください。「タイムライン」が青い枠で囲まれているのが確認できますよね。なので、今は、「タイムライン」を操作できる状態ということになります。他の場所を使いたい場合は、その場所を選択して、青色になってから使用することができます。
「タイムライン」に関して、トラックは上にあるものが優先されます。上の画像では、V1トラックが映像(キムチチゲの動画)でV2がテロップになっています。V2がV1よりも上にあるので、テロップが優先されて、映像よりもテロップが前面に出ているんです。このように映像や画像は優先順位がある一方で、音声にはありません。場所を変えようとするのではなく、ミュートしたり、音声トラックを削除する必要が出てきます。
各では、用途に応じてタブを切り替えることができます。最初は、「ソースモニター」を表示していましたが、「エフェクトコントロール」に切り替えて見ました。ちなみに、「エフェクトコントロール」では、ビデオの位置やスケール(拡大・縮小)などを行うことができます。
ワークスペースも同様にタブを切り替えることができます。自分のお気に入りのワークスペースがあれば、「ウィンドウ」の「ワークスペース」で「新規ワークスペースとして保存」を選択すると、新規でプロジェクトを作成する際に、選択したワークスペースで編集を開始することができます。
1-4. ワークスペースをカスタマイズする方法
ワークスペースは、境界線を変更することができます。変更したワークスペースを保存したい場合は、先ほどもお伝えした通り、「ウィンドウ」の「ワークスペース」から「新規ワークスペースとして保存」を選択すると、次回以降はそのワークスペースにアクセスすることができるようになります。元に戻したい場合は、「保存したレイアウトにリセット」を選択すると、元のワークスペースに戻ります。
「パネルのドッキングを解除」を選択すると、自由に移動させることができるようになります。「プロジェクト」の中に追加したり、「プロジェクト」と「ソースモニター」の間に入れたりできます。それぞれので、必要ないタブがある場合は、タブ名の右にある3本線をクリックして、「を閉じる」を選択するとそのから削除されます。必要になった場合は、「ウィンドウ」から追加したいものを選択すればOKです。
1-5. コンピューターからビデオを読み込む方法
- 「プロジェクト」上でダブルクリック
- 「ファイル」から「読み込み」を選択
- コマンド+I
ビデオを読み込むときは、上記の3つの方法があります。何れにしても、Finderが開きますので、編集していくビデオや画像、音楽を選択して取り込んでいきましょう。
1-6. 動画に使う音楽を無料あるいは有料でダウンロードする方法
無料で音楽をダウンロードする方法としては、YouTubeのライブラリーがあります。 「クリエイターツール」に行き、「作成」の「オーディオライブラリー」から好きな音楽をダウンロードします。
僕が使っている有料のサイトは、Epidemicsoundです。海外の有名なYouTuberも使っていて、カッコ良いBGMや音楽が豊富に揃っているのでオススメです。料金は、月間の視聴数に応じて変動しますが、月々$15から始めることができます。ダウンロード方法は、YouTubeのとほぼ同じなので割愛させてください。
1-7. ビデオを音楽をフォルダで整理する方法
たくさんのファイルを編集するとなると、「プロジェクト」がごちゃごちゃしてしまいます。なので、「ビン」というものを追加してまとめることをお勧めします。画面右下にあるフォルダのマークから「新規ビン」を作成することもできますし、「ファイル」から「新規」、「ビン」の流れ、もしくはコマンド+Bでも作成することができます。 そしたら、名前をつけ、まとめたいファイルを選択して、ドラッグ&ドロップで作成したビンに追加して行きます。そうすると、「プロジェクト」がすっきりしますね。
Macを使っている方であれば、Finderでフォルダを作成しておいて、ファイル単位ではなく、フォルダ単位で「プロジェクト」に追加するというやり方もあります。こっちの方が簡単なので、僕はこっちをオススメします。
1-8. 最初のシーケンスを作成する(シーケンスって何?)
次に、シーケンスを作っていくんですけど、シーケンスっていうのは入れ物だと思っていただければと思います。その入れ物に、ビデオとか画像とか、音楽を入れて行きます。でも、あまり深く考えないでください。Premiere Proの方で勝手にシーケンスを作成してくれます。編集したいファイルの上で右クリックをして、「クリップに最適な新規シーケンス」を選択すると、そのファイルが「タイムライン」上に追加されます。
ちなみに、「プログラム」 の動きは「タイムライン」上の動きと連動します。今後、いろんな動画を「タイムライン」に追加して、編集していきますが、それ全体の映像が「プログラム」で表示されます。一方、「ソースモニター」は、「タイムライン」にあるシーケンスではなく、「プロジェクト」で選択しているファイルが表示されます。だから、上にあるGifでは「ソースモニター」の方は動いていないけど、「プログラム」の方は動きがあるんですね。
1-9. 編集作業の効率が上がるソースモニターの使い方
「プロジェクト」にあるファイルを直接「タイムライン」に載せて、それから編集していくのも良いんですけど、これって面倒ですよね。でも、「ソースモニター」を使えば、効率よく編集することができます。
まずは、「プロジェクト」で、編集したいファイルをダブルクリックで選択します。この時、そのファイルが「ソースモニター」に反映されていることを確認してください。そしたら、使いたい箇所の最初にインポイント(I)、最後にアウトポイント(O)を打って、範囲を決めます。最後にキーボードの「ね(,)」を叩くと、「タイムライン」上に、「プロジェクト」で選択した範囲ビデオが追加されます。
2. Premiere Proで動画を編集する方法
2-1. タイムラインにクリップをのせる方法とトラックの意味
それでは、本格的に動画編集をやっていきましょう。まずは、「タイムライン」にフッテージ(ファイル)を乗せていきます。この作業は、「プロジェクト」の部分が比較的大きい「アセンブリ」のワークスペースを使った方がやりやすいです。「プロジェクト」から編集するファイルを「タイムライン」にドラッグ&ドロップするか、ファイルを選択して右クリックをして「クリップに最適なシーケンス」を選択すれば、追加されます。
トラックは、レイヤー構造になっています。(Photoshopを使ったことがある方ならわかるかと思います。) Premiere Proでは上にあるものが優先されます。ビデオなら一番下からV1、V2、V3となっていますが、数字が大きくなるにつれて、優先順位が高くなります。なので、V1とV2にビデオを追加したら、V2の映像が優先されて前面に反映されます。
2-2. インタビューした2つのクリップを音声で同期する方法
カメラを2つ設置して、それらをの音声を うまく繋げたい場合ありますよね。でも、ファイルを取り込んだ時には、2つの音声が合致していません。この場合、手動で波形を合わせて行っても良いんですけど、Premiere Proには自動で波形を合わせてくれる機能があります。まずは、合わせたいファイルを同時に選択して、右クリックで「同期」を選択します。そしたら、設定画面が表示されますので、そこで「オーディオ」を選択して、ドロップダウンメニューで「ミックスダウン」を選択します。そうすると、波形が自動でマッチします。
2-3. ソースモニターからタイムラインに動画を追加する方法
ビデオのみを「タイムライン」に乗せたい場合は、ビデオのマークをドラッグ&ドロップで「タイムライン」に持っていくことでビデオだけ追加されます。同様に、波形のマークをドラッグ&ドロップすれば、「タイムライン」に音楽のみ乗せることができます。1-9でもお伝えしましたが、範囲をインポイント(I)とアウトポイント(O)で選択してその部分だけ「タイムライン」に追加することもできます。
2-4. ソースモニターのインサートと上書きについて
「インサート」は、ね(,)。「上書き」は、る(.)のキーが割り当てられています。「インサート」は、「タイムライン」で指定されている青い線でシーケンスがカットされて、その間に「ソースモニター」で選択した範囲のビデオが挿入されます。「上書き」は、選択した青い線でビデオが上書きされます。つまり、「タイムライン」にあるビデオ1に「上書き」すると、ビデオ1の選択した箇所に「ソースモニター」で選択したビデオが入れ替わる形で挿入されます。
追加したい場所を変えたい場合は、「タイムライン」の一番左にある青いボックスを移動させます。すると、移動させた場所に、「ソースモニター」で選択した範囲のビデオを「インサート」もしくは「上書き」できるようになります。「インサート」の場合は、もともとあったシーケンスがカットされ、追加されるファイル分隙間が空きます。「上書き」だと、カットされたり、隙間が空くことはなく、ファイルが追加されます。
2-5. カット編集の2つの方法
カット編集には、2種類あります。まず1つ目は、上のGifを見ていただくとわかるんですけど、シーケンスの頭とお尻にカーソルを合わせると、赤色のアイコンが出てきます。これに変わったら、シーケンスを短くしたり、逆に長くすることができるようになります。でも、この場合は、シーケンスの途中の部分を編集することができません。
2つ目は、「カットツール(C)」です。シーケンス上でいらない部分をカットして、「選択ツール(V)」でカットする部分を選択してデリートしていきます。ちなみに、shiftキーを押しながら選択すれば、複数の箇所をまとめてカットできます。
2-6. リップル削除とリップルツールについて
リップル削除の方法は、全部で4つあります。
- カットした部分を削除し、自分でシーケンスをずらして、空いた穴を埋める
- カットした部分を削除し、開いた箇所を選択して、削除する
- カットした部分を選択して、右クリックで「リップル削除」を選択する
- 1箇所カットして、「タイムライン」の左にあるパネルで「リップルツール」を選択し、カットする範囲まで赤いアイコン(カーソル)をずらす
ちなみに、スナップを選択(青色になっていることを確認)しておくと、穴を埋める時に、シーケンスを移動させると前にあるシーケンスに、磁石みたいに自動でくっついてくれます。
2-7. ストーリーボード(絵コンテ)について
僕は、ストーリーボード(絵コンテ)というものを用意しておきます。通常は絵を入れるんですけど、時間がないので、ショット番号とスクリプト、ショット(やること)のみ書いておいています。必要があれば、アングル(カメラの角度)も記載しておきます。
2-8. 1カメから2カメにスムーズに切り替える(TEDを参考)
TEDは、よくピリオド(文章の終わり)でカメラを切り替えています。今回は、それを参考にカメラのアングルを変更して見ました。カメラ1のビデオと音声をカット&削除すれば、スムーズにアングルを変えることができます。
2-9. ブランディングのロゴを挿入する
自作したブランディングのビデオを作ってそれを追加すると、洗練された映像になります。今度機会があれば、その作成方法もお伝えしていきます。
2-10. オーディオトラックに音楽を追加する
音楽はYouTubeで無料でダウンロードできますが、僕は有料のEpidemicsoundからダウンロードしてきたものを追加します。
2-11. Premiere Proで音楽に合わせて自動編集する方法
追加した音楽のビートに合わせてトランジションを加えていこうと思います。ビート毎にマーカー(M)をつけておくと、後でファイルを追加する時に、どこに追加すれば良いか迷わなくて済みます。
マーカーをつけた場所に、追加したいファイルを全部選択します。そして、「クリップ」から「シーケンスへオート編集」を選択します。そしたら、設定の画面が出てきますので、「並び」が「配置順」、「配置」が「番号なしマーカー」、「置き換え方法」が「上書き編集」になっていることを確認して、OKをします。そうすると、マーカーを置いた位置にフッテージが置かれます。
2-12. 速度を変えながらクリエイティブに動画を編集する
1つのクリップで凝った編集をしたい場合、それを同一の「タイムライン」上で編集するのは窮屈です。そんな場合は、ネスト化することをオススメします。ネストというのは、入れ子のことで、シーケンスの中にもう一つシーケンスを入れるイメージです。編集したいクリップの上で右クリックをして「ネスト」を選択します。そしてクリップをダブルクリックすると「タイムライン」に別のタブが表示されますので、そこで編集を行なっていきます。
速度を上げてメリハリをつけたい場合は、右クリックから「速度・デュレーション」を選択して、速度数値を入力すると変更することができます。今回は、1000%(10倍速)に速度を上げたので、その分シーケンスが短くなっているのがわかりますよね。そして、セーブ(command+S)すると、元のシーケンスに変更が反映されます。
2-13. 動画の音量を調節する方法その1(ボリュームレベル)
トラックをダブルクリックすると、トラックの幅が大きくなるので、音量を変えるときはやってみてください。音量の調節方法は、オーディオのフッテージ上で真ん中のラインをドラッグして、上か下に引っ張ります。上だとボリュームが上がって、下に引っ張るとボリュームが下がります。
これをやってもまだ調整ができていない場合は、右クリックをして「オーディオをゲイン」を選択します。そこで、「ゲインの調整」に数値を入力して見てください。ちなみに、動画を撮影するときに、音量を大きくしたまま撮影してしまうとノイズが入りやすくなってしまうんですけど、音量を小さくして撮影して、編集する際に「オーディオゲイン」で音量を上げると、雑音を取り込まずに音量を大きくすることができます。
2-14. 動画の音量を調節する方法その2(オーディオクリップミキサー)
動画の音量を調節する方法の2つ目は、「オーディオ」のワークスペースを使う方法です。「オーディオトラックミキサー」と「オーディオクリップミキサー」というのがあります。「オーディオトラックミキサー」は使うと、トラック全体の音量を調節することができます。「オーディオクリップミキサー」は、トラック全体ではなくて、1つのクリップ(カットしたフッテージ)の音量を調節することができます。上にあるGifは、「オーディオトラックミキサー」なんですけど、使い方は同じです。つまみを上下に動かして、音量を調節します。ちなみに、人が喋っている時の音楽の音量は-20dBくらいに設定して置くと良いと言われています。
3. Premiere Pro でトランジションを適用する方法
3-1. トランジションとは?
トランジションというのは、クリップ間の移行のことです。通常は、クリップとクリップの間にトランジションをかけていきます。そのトランジションは「エフェクト」で行います。「エフェクト」のワークスペースを使うと一番やりやすいですが、「編集」のワークスペースでも可能です。「編集」のワークスペースの場合は、「プロジェクト」にある「エフェクト」タブを選択します。無い場合は、「ウィンドウ」から「エフェクト」を追加してください。あるいは、Shift+7でも追加できます。
3-2. トランジションのかけ方
では、実際にトランジションを追加していきます。通常通り、クリップとクリップの間にかけていきます。「エフェクト」で、かけたいトランジションを選択してください。(青色になっていれば、選択されている状態です。) 最初から、青色になっているトランジションは、デフォルトです。2つのクリップを選択した状態で、Command+Dを押すと、デフォルトのトランジションが追加されます。もう一つのやり方は、かけたいトランジションをドラッグ&ドロップで追加する方法もあります。ちなみに、追加したトランジションを選択して位置を変えれば、トランジションが始まるタイミングを変更することができます。
追加したトランジションの長さを変更したい場合は、トランジションの端をドラッグして調節することができます。
トランジションの長さを変更する方法は、もう一つあります。トランジションをダブルクリックすると「トランジションのデュレーションを設定」が出てくるので、そこで適切な数値を入力します。
デフォルトを変更したい場合は、デフォルトに設定したいトランジションの上で、右クリックをします。そして「選択したトランジションをデフォルトに設定」を選択すると、デフォルトに設定されます。
3-3. 間にトランジションがかからない理由とその解決方法
上の画像のようにクリップの右上・左上に三角マークがある場合は、トランジションをかけることができません。なぜかというと、このマークは、一番最後を意味しているからです。例えば、クロスディゾルブの場合は、前のクリップの映像がゆっくり消え、次のクリップがゆっくり現れるトランジションのため、カットした後(次のクリップの最初の数秒)の映像が必要になります。でも、三角マークがついている場合は、一番最後を意味していて、それ以上の映像がないのでトランジションをかけることができないんですね。このように三角マークが出ている場合は、トランジションがかけられないので、カットするかクリップを縮めて三角マークが消えた状態でトランジションを追加していきます。
3-4. エフェクトコントロールでトランジションの微調整
かけたトランジションを調整したい場合は、「エフェクトコントロール」で行います。まず、追加したトランジションを選択します。それから、「エフェクトコントロール」に行ってください。今回は、説明しやすいように「押し出し」のトランジションを使いますね。
「押し出し」のデフォルトでは、前のクリップを左から右に押し出す設定になっています。これを「エフェクトコントロール」で変更することが可能です。右から左へ押し出す場合は、「エフェクトコントロール」の左上にあるABの画面の右にある三角マークをクリックします。すると、最初のクリップが右から左へ押し出されるトランジションに変わります。上から下、下から上への設定にも変更できます。
「エフェクトコントロール」では、パネルの右上の部分で、トランジションの長さや位置を変更することができます。「タイムライン」でやるよりも細かい設定ができます。
3-5. トランジションをどう使えばいいか?
これまで、トランジションの使い方を説明してきましたが、トランジションを使うのはエディターの意図がある場合のみで、それ以外はできるだけ使わない方が良いです。僕がトランジションを使っているのは、Bロールの部分です。今回は、台湾料理の動画を編集していたんですけど、途中、台湾の街並みをBロールで挿入しています。料理の説明をしているのに、いきなり台湾の街並みに移行すると違和感があるので、ストーリーが変わるということを伝えるために、トランジションを追加しました。トランジションは、このようにエディターの意図がある場合にのみ使っていきましょう。
3-6. トランジションをショートカットで素早くかける
トランジションをかける方法は3つ存在します。
- ドラッグ&ドロップでトランジションを追加する
- かけたい場所で右クリックして「デフォルトのトランジションを適用」を選択する(上の画像)
- Command+Dでもデフォルトのトランジションをかける。(かけたい場所を選択した状態でCommand+Dを押すと、その場所にデフォルトのトランジションがかかります。)
3番が最も早いやり方なので、3を使っていくことをお勧めします。
3-7. ノイズリダクション(除去)の方法とコツ
ビデオの絵が汚い分には耐えられるんですけど、音が汚いと離脱されます。だから、ノイズは必ず取り除くようにしてください。Premiere Proでは「適応ノイズリダクション」というのがあります。でも、これは厄介で、最初の数秒間でクリップの音声を解析して、それからノイズが除去される仕組みになっています。なので、クリップの最初の数秒間はノイズが入ったままで、その後ノイズがリダクションされるようになります。
2つ目の方法としては、「オーディオ」のワークスペースでトラック毎にノイズリダクションを適用していくというやり方があります。「オーディオ」ワークスペースにいき、「オーディオミキサー」を選択します。そして、左上にある三角マークをクリックして、下向きにします。そしたら、ノイズリダクションをかけていくんですけど、適応したいトラック番号をスクロールして確認してください。左からAudio1、Audio2の順番になっています。確認できましたら、一番上に戻って、ノイズを除去したいトラックの右上にある三角マークをクリックして、「ノイズリダクション/レストレーション」、「適応ノイズリダクション」の順番で選択していきます。そうすると、トラックの最初だけに解析が入って、その後ずっとノイズが除去されます。
何れにしても、消極的なやり方なので、僕はお勧めしません。他にも、ノイズがある部分で音楽を挿入するというやり方があるんですけど、これも消極的なやり方です。このようにノイズ対策をしていくのではなくて、できるだけ撮影の段階でノイズが入らないように環境を整えておくことをお勧めします。例えば、硬いものはよく音を響かせてしまうので、枕を置いて響かないようにしたりですね。
3-8. コンスタントゲイン(パワー)と指数フェードについて
「オーディオトランジション」は3種類あります。「コンスタントゲイン」、「コンスタントパワー」、「指数フェード」の3つ。「コンスタントゲイン」と「コンスタントパワー」の2つはほぼ同じ機能です。詳しいことは、ご自身で調べてみてください。「指数フェード」は、フェードイン/アウトだと思っていただければと思います。つまり、クリップの最初に「指数フェード」をかければ、音が徐々に大きくなっていきますし、クリップの最後にかければ徐々に音が小さくなっていきます。
「コンスタントゲイン」と「コンスタントパワー」に関しては、撮影環境がガラリと変わって、音量が大きなフッテージから小さいフッテージに変化する場合(逆も然り)に使用します。その場合は、なぜかわかりませんが、ブチッと切れたような音がなります。2つのフッテージの音量の落差によって、そんなノイズが発生してしまうので、それを防ぐために音量の落差を小さくしてくれる「コンスタントゲイン」と「コンスタントパワー」を使います。他のトランジションと同様に、2つのクリップの間にかけていきます。