あなたは小さな広告代理店をやろうとしているフリーランスで、クライアントを獲得するための具体的な営業トークを知りたいと思っていませんか?そこで営業トークを5つのステップに分けて、順番に解説します。このトークの順番を覚えてしまえば、毎回どのようにセールスをしようかと悩むこともなくなります。今よりも自信を持って自分のサービスを売り込むことができるはずです。
セールスや営業活動というのは、特に初心者にとっては難しい領域に映るかもしれません。しかし実は、適切な手順と方法を知っているだけで、その難しさを大幅に減らすことが可能です。ここではセールスの手順を1つずつ丁寧に解説します。これらを覚えて、あたかもテンプレートを使うことであなたの苦手意識を克服することが可能です。これから紹介するセールスの流れをマスターすることで、スムーズかつ効果的にセールスを展開できるようになるはずです。
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ステップ1:見込み客の現状を確認する
セールスを行う上でまず最初にやって欲しいのが、見込み客である相手の現状を確認することです。これをせずにいきなり商品やサービスをオファーするのはやめてください。なぜなら相手のことを知らない状態では最適なオファーを出すことがとても難しいからです。あなたが同じサービスを売り込んだとしても、そのオファーの角度によって相手の反応は変化します。見込み客によってニーズがそれぞれ異なるからです。
そのためまずは、相手のことをリサーチするというマインドを持ってください。このリサーチを行うことで、相手に刺さりやすい提案内容を用意することができるようになります。相手のことを知るには相手に自分のことを話してもらう必要があります。そこで会話の最初に使える便利な質問を紹介します。
「今日、このミーティングに来てくださった動機を教えて頂けますか?」
まず最初にこの質問をしてください。これは自然な流れで相手に切り出すことのできる質問です。それと同時に相手がどんなものを求めているのかをざっくり把握するための素晴らしい質問です。対面であっても、Zoomなどのオンラインミーティングでも、電話であっても使うことができます。まずはこの質問を相手に投げかけて、会話をスタートさせましょう。
この質問をきっかけとして見込み客がいろいろな情報をあなたに渡してくれるはずです。あなたはそれを元に、その見込み客の目標を頭の中で形作っていってください。また相手の現状を掘り下げていく際には、相手にさらに追加で質問をしていくことが有効です。具体的に使える質問をいくつか用意しておきましたので、必要に応じて活用してください。
相手の目標を深堀りする質問のテンプレート
- 「どのような商品やサービスを提供していますか?」
- 「その商品やサービスはどのくらいの価格で提供していますか?」
- 「製品またはサービスの利益率はどの程度ですか?一回の販売でどれくらいの利益が出ますか?」
- 「一人の新しい顧客がもたらす価値はどの程度ですか?顧客の生涯価値はどれくらいと見積もっていますか?顧客獲得コストはどれくらいですか?」
- 「現在、ビジネスでどれくらいの収入を得ていますか?そして、将来どれくらい稼ぎたいと考えていますか?」
また相手にヒアリングを行う際には、彼らの目標を2つの側面から定義するようにしましょう。1つは定量的な目標です。これは年間の売上がいくらとか、月間の新規顧客数が何人といった数値的な目標のことです。まずはこの定量的な目標を相手から引き出してください。定量的な目標が理解できたら、次は定性的な目標を探っていきます。定性的な目標というのは数値では計測しにくい目標のことです。
例えば「今ビジネスで自分が抱えているタスクが多すぎるから、それを減らしたい」といったものや「商品開発や顧客サポートに集中したいから、集客は外注化したい」といったものが考えられます。このように相手の目標を定量的なもの、定性的なものに分けてください。それを行うことで相手の目標を漠然とではなく、詳細に把握することが可能になります。
ステップ2:質問を使ってFacebook広告に関する話題を持ち出す
見込み客の現状に関するヒアリングができたら、徐々に会話をセールスの方に向けていきましょう。会話の流れをFacebook広告の方に向けるために、また質問を使ってみましょう。質問は会話の流れを誘導するための強力なツールです。また詳しく質問すること自体が、あなたの権威性を高めてくれる効果もあります。なぜならあなたの知識やスキルの現れだからです。詳しく質問するにはそれなりの知識が必要になります。様々な質問をすることで、あなた自身の知識を間接的に相手に伝えることができるのです。
例えばあなたがスマホの使い方に苦労しているとします。使い方も良くわからないし、頻繁に未知のエラーにも遭遇しています。そんな時に助けてくれる人が現れたとします。その人物はあなたにたくさんの質問をします。「このアプリを試したことはありますか?」「この部分の設定はどうなっていますか?」「このトラブル解決法は試してみましたか?」という具合です。このような具体的な質問をされたときあなたは、その人をスマホに詳しい人だと認識するはずです。質問を通して「この人は詳しい」というのをあなたが認識するからです。
これは営業活動でも同じです。そこでまずは「Facebook広告の経験はありますか?」と尋ねることからスタートしてください。これにより、見込み客の広告に関する知識レベルや過去の取り組みを把握できます。さらにいくつかの質問を続けることで、内容を深堀りすることができます。例えば過去に広告を出した経験がある場合は、そのときの様子を質問してみましょう。
例として「前回の広告運用は自社で行いましたか、それとも外部の専門家に依頼しましたか?」というものや「前回の広告運用ではどんなところが課題でしたか?」という質問が考えられます。もし過去に広告を出した経験がない場合でも、いくつかの質問が考えられます。例えば、「今どのくらいのリストをお持ちですか?」とか「SNSのフォロワーをどのくらいですか?」といった広告以外の集客経路に関する質問をしても良いでしょう。
これらの質問を通じて、見込み客のFacebook広告に対する具体的なニーズや、広告以外のマーケティング活動に関する情報を収集します。そうすることで、あなたの提供するサービスがどのように見込み客の問題を解決し、目標達成に貢献できるかを的確に提案できるようになります。質問をしながら見込み客にあなたの専門知識を感じ取ってもらい、信頼関係の構築に努めましょう。これ以外の質問のテンプレートは「石崎式!広告代理店セールススクリプト」という資料にまとめています。そちらもぜひ参考にしてみてください。
ステップ3:セールスに移行する
さて十分色々な議論ができたところで本丸のセールスに移行していきましょう。ではそれをどうやるのか?やり方はとてもシンプルです。これまでの見込み客の話を丁寧に要約してください。彼らの現在のビジネス状況、目指すゴール、そして直面している具体的な課題を明確にします。そしてそれに対して、あなたの提案として広告運用のサービスを提案するのです。
例えばこんな風に話を切り出します。「たくさんお話いただきありがとうございます。御社が現在直面している具体的な状況、達成したい目標、そして抱えている問題点について理解できました。一旦ここまでのお話を要約させていただきます。」このように伝えて、見込み客の現状と望む未来像を再確認していきます。
要約の例はこんな感じです。「現在、Facebook広告の運用に必要な時間を見つけることが難しく、結果としてビジネスの成長機会を逃しているという状況です。広告運用をより効率的にし、ビジネスをさらに拡大したいとお考えのようですね。」そして、その後にあなたのサービスの話を混ぜていきます。
次のように語って自分の実績や成功事例などを引き合いに出すのも良いでしょう。「私たちは過去に、似たような課題を抱えるクライアントを成功に導いてきました。例えば、あるクライアントは私たちのサポートを受けて広告運用の効率化を実現し、結果として見込み客の獲得数を2倍に増加させることができました」このような実績を伝えることで、相手からの信頼を得ることができます。
そしてヒアリングした内容を元にして、相手のニーズに合った提案を見せる形でセールスを行います。とはいっても、変に売り込もうとする必要はありません。あなたのサービスがどのように見込み客のニーズに応えるかを具体的に説明すればよいのです。例えば次のように話すこともできます。「御社の現在の課題に対して、私たちは具体的な解決策を提供できます。例えば、時間を大幅に節約しながら効果的な広告キャンペーンを実施する方法です。」といった形で資料を見せるのも良いでしょう。
ステップ4:反論処理を行う
一通りあなたの提案について説明が終わったら、見込み客からの質問に答えていきましょう。このフェーズでは見込み客の持つ不安や疑問を解消することで、あなたのオファーするサービスへの理解を深め、信頼関係を築いていきます。このようなプロセスを反論処理と呼びます。見込み客の頭の中に生まれた疑念などを解消することで、契約に踏み切ってもらうのが狙いです。
ちょっと難しそうに思えますよね。ですが、見込み客が思いつくような疑問や質問というのはある程度パターン化されているのです。多くの人が疑問を持つポイントというのは共通していることが多いのです。そのため、国会の答弁のようにあらかじめある程度の回答を用意しておくことができます。具体的な質問のパターンをご紹介します。
見込み客が持つ一般的な質問のテンプレート
- 「料金はいくらですか?」
- 「初期費用以外に必要な費用はありますか?」
- 「具体的にサービス内容はどんなものですか?」
- 「どのくらいの期間で結果が見込めますか?」
- 「契約期間はどのようになっていますか?」
- 「広告を出す余裕がありませんが、どうすればいいですか?」
- 「もっと成功事例を見せてもらえますか?」
- 「価格は交渉可能ですか?」
- 「この業界の広告を運用したことはありますか?」
- 「運用開始までの流れを教えてください。」
- 「途中で契約を打ち切る場合の条件はありますか?」
- 「少し考えさせてもらえますか?」
このような質問を想定し、自分なりの回答を文字にしておきましょう。回答を記憶しておくことは重要ですが、ドキュメントとして文字にしておくことで安心感を得ることができるはずです。見込み客からの質問は、彼らが本当に知りたいことや、最終的な決断に影響を与える重要なポイントを反映しています。これらに対応することで、見込み客との間に信頼関係を構築し、スムーズにクロージングにつなげることが可能です。
ステップ5:明確なクロージングを行う
さていよいよ最後のステップです。あなたの熱心な営業活動の甲斐があって、契約がまとまりそうです。そのまとまりそうな話をより強固にするために、最後にもう少しダメ押しを行っておきましょう。契約寸前になって相手の気が変わってしまうというのはよくある話です。そこで契約を確実なものにするために、正式な契約までの間にできることをやっておきましょう。具体的には次のようなことが考えられます。
- 開始までの手順の確認
- 契約書や請求書の送付
- ChatworkやSlackグループへの招待
契約がほぼまとまったら、広告配信開始までの具体的な手順を確認してください。これを行うことでクライアントに安心感を与えることができます。例えば「契約後、すぐに必要な資料をご提供ください。具体的な広告配信スケジュールを決定させて頂きます」のように伝えることで、次のステップが明確になります。クライアントは広告の開始に向けて具体的なイメージを持つことができます。契約がまとまったという印象を与えることができます。
契約書や請求書を速やかに送付することも、契約をより確実なものにするために重要です。「本日中に契約書と請求書をメールでお送りします。内容をご確認いただき、ご質問があればお気軽にご連絡ください」と伝えましょう。これによりクライアントは手続きの進行を具体的に感じ、安心して次のステップへ進むことができます。
クライアントとのChatworkやSlackなどのツールを使っている場合は、そのグループへの招待も行っておきましょう。契約が確実なものとなったら、先にクライアントを専用グループに招待してしまいます。これにより、広告運用がスタートしていくという期待感をクライアントに感じてもらうことができます。それにより、契約がさらに確実なものになるはずです。
まとめ:5つのステップをフォローするだけでセールスが楽になる
ここまで新規クライアントを獲得するためのセールスの流れを解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- 最初のステップとして、具体的なサービスの売り込みをする前に、まずは見込み客の現状のヒアリングを行う。
- 二つ目のステップとして、会話をFacebook広告の方向に向けるために、Facebook広告に関する質問を行う。
- 三つ目のステップとして、これまでの話を要約した上で提案を行いセールスへ移行する。
- 四つ目のステップとして、セールス内容を聞いた見込み客からの質問に答えて、彼らの疑問を解消する。
- 五つ目のステップとして、契約がまとまりそうな場合は明確なクロージングを行い、契約を確実なものとする。
石崎式!広告代理店セールススクリプト
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