あなたは自分でFacebookの広告代理業をやりたいと考えるマーケターで、どのようにクライアントを集めていこうかと迷っていませんか?そこで広告運用を依頼してくれるクライアントを集める上で重要となるいくつかのマインドセットを紹介します。これらを理解しておくことで、あなたの理想とするクライアントだけを効率的に集められるようになるはずです。
広告代理店を始めたいとき、一番最初に苦労するのはクライアントを集めることです。実績がない状態でどのようにクライアントを獲得するのか?それを考えると思考が止まってしまう人もいるかもしれません。ですがクライアントとの取引の経験が無い状態であっても、最初にクライアントを獲得する方法は存在します。まずは正しい考え方とアプローチを知るところからスタートしましょう。
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失敗からしかスキルアップはできない
あなたがこれまで経験した中で、何かが上達したりスキルが付いたのはどんな時だったでしょうか?勉強でもスポーツでも、仕事でも何かの趣味でも、繰り返し練習することで上手くなってきたはずです。もちろんその過程で失敗は完全に避けては通れません。失敗から学ぶことで、スキルをアップさせることができるからです。これは広告代理店ビジネスの運営の場合でも例外ではありません。
まずは失敗を恐れないということが重要になってきます。ただし何でもかんでも失敗すれば良いという訳ではありません。できるだけスキルアップの速度を早めるためにも、いくつかのコツを予めおさえておくと良いでしょう。あなたの時間やリソースを効率よく使うためにも、いくつかのコツのようなものを紹介したいと思います。
コツ1:まずは営業数を増やして数を打つ
広告代理店は、広告を出したいクライアントから運用代行の費用をもらうビジネスモデルを採用しています。そのため、まずは広告運用をあなたに任せたいというクライアントを探すことが必要になります。探してきた見込み客に営業をかけ、契約を結ぶところからスタートです。そのため、セールスや営業のスキルを磨くことが必要になります。
まずはこの営業の回数を増やしましょう。回数をこなしていくことで、段々と営業が上手になっていくからです。より多くの機会を捉えるためには、自ら機会を見つけて積極的にアプローチしていく姿勢が必要になります。まずはこの姿勢を持ってください。そして数を打つ中で、最も反応が良い見込み客の特徴や、効果的な営業トークのパターンを見つけ出してください。そこで見つけたパターンがあなた独自のスキルやノウハウとして蓄積していくはずです。
コツ2:自分のブランディングを高める
2つ目に意識して欲しいことはブランディングを高めることです。ブランディングとは、あなたがお客さんからどう見えているか、つまりあなたのビジネスや個人としてのイメージがどのように認識されているかを意味します。この認識は、見込み客があなたやあなたのサービスを選ぶかどうかに直接影響します。そのため、見込み客と接する際には、常にプロフェッショナルな態度を保つことが重要です。
例えばビジネスの交流会などのイベントで、自分のことを記憶に留めてもらえるように工夫を凝らしたりすることです。あなたの専門知識を共有したり、相手の困り事の相談に乗ってあげることかもしれません。また、ブランディングを高めるということは、あなた自身の身なりにも細心の注意を払うことを意味します。あなたの外見は、あなたの言葉がどれだけ相手に響くかに大きく影響を及ぼしているからです。
その他にもウェブサイトが整備されているか、メールの文章が適切かどうかも点検してください。このような見込み客とのすべての接点が、あなたのブランディングや信頼性に影響を与えていると考えてください。また現代のデジタル時代では、見込み客が集まっていそうな交流会や社交の場もネット上で見つけやすくなっているはずです。ぜひそういうところにもアンテナを張るようにしてください。
コツ3:既に広告に投資している見込み客を狙う
ここで、あなたが最初にターゲットにすべきお客さんについて1つ大事なアドバイスをさせてください。それは「狙うべき最良の顧客は、すでに他のチャネルで広告を掲載している顧客だ」ということです。つまり今現在、他で広告を出している人をターゲットにしてください。なぜか?それは既に広告を出している人を説得する方が簡単だからです。
仮にあなたが広告を全く打ったことがないお客さんをターゲットに選んだとします。その場合、あなたは彼らに対してまず「広告を出すこと」自体を説得しないといけません。あなたのサービスを選んでもらうという決断の前に、まずは広告を出す決断を下してもらわないといけません。広告を出すことを説得するのは大変です。止まっている石を転がし始めるのと、既に転がっている石の方向を変えるのと、どっちが簡単かをイメージしてください。
広告予算の一部を別の集客チャネルに移すよう説得するほうが、自分のビジネスの宣伝を始めるよう説得するよりも簡単です。またすでに広告に資金を投入している見込み客は、広告の価値と重要性を理解しています。せっかく相手にするのであれば、説得の手間が省ける人たちをターゲットに選んでください。その方が賢く営業活動をスタートすることができます。
さらにもう一段高い基準を取り入れるのであれば、すでに売れている商品を扱わせてくれる見込み客を選んでください。例えば別の販売経路で売れている商品を、Facebook広告を使って売りたいと考えている人たちにアプローチするのです。既に売れている実績がある商品なら、あなたの広告運用も楽になるはずです。最初の売上をあげるために苦労している企業をわざわざ選び、一緒に苦労する必要はありません。このあたりはより慎重にクライアントを見極め、焦点を絞ることも大事になってきます。
コツ4:あなたのメールのインボックスから見込み客を探す
じゃあ具体的にどこでクライアントを探せば良いの?と思っていませんか。ここですごく使える方法を1つ紹介します。それがあなたが日々受け取っているメールから、潜在顧客を見つける方法です。あなたのメールのインボックスには、毎日たくさんのメールが届くはずです。その中にもあなたがジャンクメールだと思っているメールもあるでしょう。興味がないと思いつつも届いてしまっているメールです。
これらのジャンクメールを含めて、メールのインボックスを徹底的に調べてください。そして広告を出してくれそうなビジネスを見つけるのです。企業からのメールは、ビジネス活動のために送られています。彼らは最終的にはメールを通して、売上を上げたいと考えているはずです。そのためメールや他の広告媒体で商品をオファーしている可能性が高いのです。彼らのメールや広告の予算の一部をあなたの広告運用に回してくれれば最高です。
またGoogleのリスト広告や動画広告などをやっている人たちに、アプローチするのも良いでしょう。僕のところにもたくさんの営業メールが来ます。彼らは僕が広告を出しているのを見て、様々な営業メールを送ってくるのです。このようにあなたの周りをよく見渡せば、潜在的なお客さんが見つかります。彼らに対して「SNSに広告を出しませんか?見込み客の属性を細かく指定して広告を打てますよ」とオファーをしてみればよいのです。
コツ5:オファーを工夫してあなたに合う営業方法を見つける
見込み客へのオファーを工夫するのも大事な要素です。これは実際の広告運用と全く同じです。同じ商品やサービスを売っていても、オファーによってその魅力度合いは変化します。例えば期間限定でボーナスが付いてきたり、無料期間が付いているかもしれません。返金保証が付いているオファーがよく売れることもあります。
このようにあなたの広告運用サービスにも、様々なオファーを試してください。例えば2週間無料で運用してあげるのもオファーの1つでしょう。また実際に広告を出してみて、気に入らなかったら運用手数料を返金してあげるオファーを作ることもできます。僕は過去に「広告費はこちらで持つので、利益が出たらそれを折半しましょう」という広告運用のオファーを受けたことがあります。つまり代理店が広告費を持つ代わりに、大きな利益が出たら代理店もたくさん儲かるという契約です。
このように1つのやり方だけでなく、様々なオファーを工夫して試すことが重要です。僕もオンラインで商品やサービスを売っているので、オファーの重要性を切実に理解しています。たとえ同じ商品やサービスを提供する場合でも、どんなオファーを出すかによって成約率は大きく変わります。だいたいの人は1つのオファーしか試しません。そうではなく、様々なオファーを試すことであなたにとって合う営業スタイルが確立されていくはずです。
コツ6:テスティモニアルが増えると契約が取りやすい
オファーを工夫する以外に、サービスの成約率を上げるコツを紹介します。それはテスティモニアルを集めることです。テスティモニアルとはお客さんの声、ユーザーレビューのことです。「このサービスにとても満足しています」とか「このサービスのおかげで売上が3倍になりました」といった他人からの評価です。コピーライティングやセールスページでも、今やテスティモニアルは重要な位置をしめています。
例えば英語圏で広告運用のコンサルを行っているAleric Heck(アレリック・ヘック)は、自身のサービスに大量のテスティモニアルを集めています。自分がコンサルをしたクライアントの声を動画で集めて、それらを1つの紹介ビデオにまとめています。15分くらいあるんですが、その中で20人30人単位でクライアントが出てくるんです。Alericはテスティモニアルが新規のクライアントを説得する上でとても有効であることを理解しているんです。
ぜひあなたも関わったクライアントからテスティモニアルを集めるようにしてください。クライアントとの仕事が終了したタイミングや、大きな成果が出たタイミングでテスティモニアルをもらうと良いのです。可能であれば動画という形でテスティモニアルを集めることをオススメします。動画でもらっておけば、そこから文章や音声を抜き出すことができて使える幅が広がるからです。
クライアント自身に動画を撮ってもらうのも良いでしょう。僕らはよくZoomによるインタビューを使っています。成果の出したクライアントさんに声をかけて、30分くらいの時間を確保してもらいます。そしてZoomで彼らにインタビューをしながら、その内容を録画させてもらうのです。それをケーススタディとして色々な場所で紹介させてもらいます。そのまま動画としてセールスページに貼ることもあるし、書き起こして対談形式のケーススタディとして紹介することもあります。このようにテスティモニアルを集めることで、あなたのサービスの成約率はどんどん高くなっていくはずです。
コツ7:1人目のクライアント契約を取る方法
いくらテスティモニアルが重要だとはいっても、テスティモニアルを集めるにはクライアントがいなくてはなりません。そして、多くのマーケターは最初の1人目のクライアントを獲得するところに苦労するはずです。では1人目のクライアント契約を取るにはどうしたら良いのでしょうか?これには具体的に2つのアプローチがあります。
1つはケーススタディを作ることです。とはいってもまだクライアントがいないので、彼らのケースはまだ作れません。そこで代わりに自分のケースを紹介するのです。例えば自分で広告を回してみて、どのくらいの数のオプトインを集められたのか?またはそこから実際にどのくらいの売上があがったのか?広告の費用対効果であるROASはどのくらいの数値になったのか?ということを自分の実績として紹介するのです。初めのうちは、これをテスティモニアルの代わりとして使います。
もう1つのアプローチはクライアント側のリスクを軽減してあげるというものです。つまり運用手数料に返金保証や無料トライアルを付けて契約をするパターンです。クライアントには広告費だけを負担してもらうのです。これによって「この人に頼んでお金が無駄にならないか?」という相手側のリスクを軽減することができます。こうすることで初期段階でもクライアントを集めやすくなるはずです。もちろん契約を取ったクライアントからはテスティモニアルをもらうことを忘れないでください。
コツ8:提案資料や説明動画を作る
ここで、具体的に営業をしていく上で役立つノウハウを紹介します。それは見込み客に対する提案資料を作ることです。クライアントを集める段階では、見込み客に対してあなたのサービスを説明する必要がありますよね。僕のところにもたくさんの営業メールが来ます。その大半は「御社の動画編集をさせて頂きますので、是非一度Zoomなどでお話をさせていただけませんでしょうか?」といったものです。
営業用の提案資料やこれまでの実績のポートフォリオなどが添付してあることもあります。営業を受ける側としても商談の時間を無駄にはしたくありません。そのため、ただ「Zoomでお話できませんか?」だけではなかなか興味を持ってもらえません。あらかじめ何らかの資料があると興味を持ってもらいやすいです。ただし、だいたいこういう営業メールにくっついている資料は退屈です。どうしても内容の薄いPDFなどになりがちです。
かといって、たくさんの情報をスライドに入れてしまうと見る側は消化しきれなくなります。そういう場合は、あなたのサービスの概要をまとめた短い動画を作りましょう。動画にすることで相手に伝えることのできる情報量が一気に増大します。例えば簡単なスライドを作ってそれに沿って説明をする。動画であれば補足的な内容や、文字では伝わりにくい情報も見せることができます。
また実際の広告のデモなどを画面上で実演してみせることもできます。Loomなどのツールを使えば、画面収録してそのまま視聴用のURLを発行することもできます。相手のニーズを把握して、説明用の動画を作りメールなどに添付しましょう。こうすることで他との差別化も生まれて、あなたのサービスに興味を持ってもらうことができるようになります。
まとめ:継続的な工夫により営業の成功確率を上げていく
ここまでFacebook広告代理店の営業をするにあって重要となるコツを紹介してきました。最後に要点を8つにまとめました。
- 営業の回数を増やし、失敗から学ぶことでセールスや営業のスキルアップをさせる
- 自分のブランディングを高めるために、他人から見える部分や自分の振る舞いに気をつける。
- すでに広告に投資をしていたり、広告で売上を上げているクライアントをターゲットとするとあなたの仕事が楽になる。
- クライアントになりそうな人をあなたのメールのインボックスから探すことも可能である。
- サービスの成約率はオファーによっても異なるので、様々なオファーを試すという姿勢を持つと良い。
- テスティモニアルを増やすと成約率が上がるので、クライアントからテスティモニアルを集めると良い。
- 最初のクライアントを獲得する際には、自分の実績をまとめたケーススタディを用意したり、手数料を無料にするなどの相手のリスクを軽減するなどの方法が考えられる。
- クライアントと商談の機会を得るために、PDF資料だけでなく動画による提案資料によるリッチな形式の資料も有効である。