あなたはFacebookやInstagramでの広告運用を学び、それを仕事にしたいと考えている個人事業主かもしれません。ですが、広告運用を始める前に広告の入札の仕組みを知りたいと考えていませんか?ここではFacebookが実際に出す広告をどのように決めているのかを解説していきます。
広告を出そうと考えたとき、あなたは1日にどのくらいの予算が使えるのか?といった予算のことを具体的に考え始めます。そして、予算がなるべく効率よく使われるように工夫したいと考えるはずです。そのためにまずはFacebook広告の入札の仕組みを理解しておきましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
Facebookの掲げる2つの目標を理解しよう
Facebook広告の入札の仕組みを解説する前に、まずはFacebookが広告を通して実現しようとしているゴールについて理解しましょう。Facebookがどういう思想に立って広告ビジネスをやっているか?ということを知っておくと良いでしょう。
簡単に言ってしまうと、Facebookは広告を通して消費者であるユーザーと、広告主のどちらにも平等に価値を提供しようとしています。そのため、広告主だけを優遇したり、消費者ユーザーだけを優遇したりということはありません。どちらにも利便性や価値を提供できるよう、両者の利益の中間のところで広告ビジネスをしています。
具体的に消費者に対しては、消費者の興味に関連したコンテンツを出すように努力します。そして質が低く、消費者の興味と関連性のないコンテンツはできるだけ見せないようにしています。これがFacebookが考える、消費者に対する質の高いサービスです。
一方でFacebookのプラットフォームは無料で使えます。そしてその収益源は広告主が出す広告費で賄われています。そのためFacebookの顧客には消費者ユーザーだけでなく、広告主も含まれます。広告主に対しては、ターゲットユーザーへのリーチと価値の最大化を約束します。つまり広告が狙ったターゲット見込み客にしっかりと当たること。そしてそこから利益が上がることを重視します。
このようにFacebookは消費者と広告主の両方のニーズを満たすように調整をするわけです。Facebookには実際にたくさんの広告が登録されます。ですが実際にどの消費者にどの広告を見せるのかは、Facebookがうまくバランスを取って決めているのです。
Facebookの入札とオークションの仕組み
Facebookが適切な広告を適切なタイミングで適切な人にマッチングさせることを説明しました。では実際にはどのようなロジックで、この広告が動いているのでしょうか?ここではFacebookの入札の仕組みについて解説します。
Facebookの広告システムはオークションのような仕組みになっています。オークションというのは、複数の広告主が同じターゲットオーディエンスに対して広告を表示する機会を競うプロセスです。そしてそのオークションの成否は、単なる入札だけでは決まりません。Facebookは複数の項目を数値化してその合計点が高い広告を表示します。その合計点は次のような数式で表されると言われています。
合計点 = 入札価格 x 推定アクション率 + 広告品質
入札価格は、広告主が特定のアクションを得るために支払う意思のある金額のことです。つまり広告にいくらお金を払ってもよいか?という金額のことです。これは広告主が決定します。
次に推定アクション率です。これは消費者が広告に対してどの程度反応するか?そして広告経由でどの程度商品を購入したりオプトインなどをするか?という確率を予測したものです。
最後が広告品質です。これは広告自体が消費者に対してきちんとした価値をもったものなのか?というものです。実際に広告を見た人からの評価だけでなく、Facebookが考える品質基準も織り込まれています。例えば、刺激的な内容でクリックを釣ろうとするクリックベイトは典型的な低品質広告とみなされています。
また推定アクション率と広告品質の組み合わせから、その広告が見込み客の興味とどのくらい関連しているか?ということも測定されます。このようにFacebook広告では、いくつかの指標を組み合わせて広告の表示をコントロールされています。
Facebook広告では見込み客の反応率も重要な要素
例えばあなたの予算が大きくて、入札価格を高く設定できるとしましょう。その場合、入札価格以外の要素が他の広告と同じだとすると、入札価格の高いあなたの広告が優先的に表示されます。
もしあなたの広告が反応率の良い広告を作ったとします。広告の推定アクション率が高く、多くの見込み客が商品を買ってくれたりオプトインしてくれるとします。その場合、同じ入札金額、同じ広告品質の競合他社よりもあなたの広告が優先して表示されます。
つまりFacebook広告で高いパフォーマンスを得たければ、一定の品質基準をクリアした上で反応率の高い広告を作る必要があります。Facebookの成功の秘訣はただ単に入札価格を上げたり、ターゲットを変えたりする運用面だけではありません。広告自体の質というのも重要な要素だということを覚えておいてください。
まとめ:広告入札の仕組みを理解すると取り組み方が変わる
ここまで、Facebook広告における入札の仕組みを解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- Facebook広告は、消費者の利便性と広告主の利益のバランスを取るように運用されている。
- Facebook広告はオークションのような仕組みになっており、複数の要素による合計点の高い広告が実際に表示される。
- Facebook広告の表示アルゴリズムでは、入札価格だけでなく広告自体の推定アクション率や品質が考慮される。
- Facebook広告のパフォーマンスを高めるには反応率の高い広告を作ることも重要となる。