あなたはFacebook広告で商品を売りたいと考えている経営者で、自分1人で広告出稿の設定をしたいと考えていませんか?ここでは実際に広告を出稿する際の流れを解説していきます。広告をどんな風に設定したら良いのか?それが分かれば、広告代理店に頼らずとも自分で広告を配信することができるようになります。
広告を出して商品を売ってみたいという考えは、ネットでビジネスをしている人なら一度は持ったことがあるはずです。ですが、最初から広告代理店に頼むというのもなかなか敷居が高いものです。上手くいくのか分からないものに運用手数料を払えないという気持ちも理解できます。そこで広告出稿までのやり方を学び、自分で広告が打てるようになりましょう。そのためのガイダンスをお伝えしていきます。
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広告の構造をおさらい
Facebook広告を最大限に活用するためには、その構造を正確に理解することが非常に重要です。Facebookは広告を管理するための階層的な構造を使っています。この構造は「キャンペーン」「広告セット」「広告」という3つの階層から構成されています。それぞれの階層は独自の機能と目的を持ち、合わせて広告キャンペーンの全体像を形成します。少しここで広告の構造をおさらいしておきましょう。
キャンペーンは、Facebook広告の階層の最上位に位置します。キャンペーンはあなたの広告の目的を定義します。Facebookでは、ブランド認知度の向上、ウェブサイトへのトラフィックの増加、コンバージョンの促進など、様々な広告目的を選択できます。キャンペーンレベルで目的を設定すると、Facebookはその目的を達成するために最適化された広告配信を行います。
キャンペーンの下には広告セットがあります。広告セットでは、ターゲティング、予算、スケジュールなどの広告配信に関する具体的な設定を行います。例えば特定の地域のユーザー、特定の年齢層や興味・関心を持つユーザーにターゲティングを絞り込むことができます。また、広告セットレベルで日々の予算や広告の配信スケジュールを設定します。異なるターゲットオーディエンスや予算割り当てをテストするために、複数の広告セットを作成することができます。
広告セットの下に位置するのが広告です。これは実際にユーザーに表示される広告の内容、つまりクリエイティブを決定する部分です。画像、動画、メインテキスト、CTAボタンなど、広告に含める要素をカスタマイズできます。同じ広告セット内で異なる広告クリエイティブをテストして、どの広告が最も高いパフォーマンスを発揮するかを見つけることが可能です。
手順1:キャンペーンを設定する
まずは広告マネージャにアクセスしてください。そしてキャンペーンのタブをクリックし、作成ボタンをクリックします。
そうするとキャンペーンの目的を選ぶ画面が出てきます。認知度は自分のビジネスの認知を高めるブランド広告などに使います。トラフィックというのは自社サイトやアプリに単純にユーザーを集めたい時に使います。
エンゲージメントは個別メッセージに誘導したり、動画の再生やページへのいいねを促すことができます。リードはオプトインなどを通じて見込み客を集めたい場合に使います。アプリの宣伝はその名の通り、ユーザーにアプリのインストールを促すものです。最後の売上は、広告で直接商品を販売したい場合に使います。
キャンペーンの目的が選べたら、キャンペーン名を設定しておきましょう。キャンペーンだけでなく、広告セットや広告にもそれぞれ名前をつけることができます。これらに名前を付ける際には、中身の設定内容が区別できるように名前を付けることをオススメします。そうしておけば、複数個作ったとしても混同せずに済むようになります。
特別な広告カテゴリは、特定のジャンルに該当する場合のみ設定します。それはローンなどの信用関連、また雇用、住宅、政治や社会問題といったジャンルです。これらのジャンルは慎重な取り扱いが求められるため申告の対象になっています。それ以外の場合はブランクのままで大丈夫です。
またABテストの有無を選ぶ場所もあります。ABテストを行う場合はここでオンにしておきましょう。「Advantageのキャンペーン予算」という部分は、広告セットを複数運用する場合に使うことができます。AdvantageというのはFacebook広告が提供するAIと機械学習を使った最適化のことです。これをオンにすると複製の広告セット間で自動的に予算を最適化してくれます。
手順2:広告セットを設定する
次に進むと広告セットの設定に移ります。これはキャンペーンの1つ下の階層でしたね。まずはキャンペーンと同じく広告セットにも名前を付けてください。ここから先はキャンペーンの目的に何を選んだかによって、設定項目が少しずつ異なってきます。
設定項目1:コンバージョン
コンバージョンというものをセットします。これはキャンペーンの目的がトラフィック、売上の場合に出てくる設定項目です。コンバージョンというのは目標に達成されたこと、つまり成果という意味です。目的がトラフィックの場合なら目的の場所にお客さんを連れてくるのに成功した場合、コンバージョンがあったという表現をします。
キャンペーン目的が売上の場合も、商品が購入されて売上が上がったらそれがコンバージョンです。コンバージョンの設定では、どこでコンバージョンが起こるのか?その場所を設定します。自社のサイトなのか、メッセンジャーなのか、Instagramのプロフィールなのかといった項目を選んでください。
設定項目2:予算と掲載期間
次に広告の予算の設定をやっていきましょう。予算は1日の予算いわゆる「日予算」と、期間を区切った上での通算予算の2つのパターンから選ぶことができます。だいたいは1日の予算で設定するのが一般的です。1日の予算の決め方は、顧客獲得単価CPAの2倍くらいからスタートすると良いと言われています。
この予算をいきなり大きくしてしまうと、勝手が分からないままどんどんと予算が消化されていってしまいます。かといって少なすぎても効果が上がりません。これはFacebookが提供している自動最適化機能と関係しています。特に広告運用を開始した初期段階では、広告を出しながら最適化が行われます。この間に顧客がなかなか獲得できないと最適化が進みません。そこである程度顧客が取れるだろう値である、CPAの2倍くらいの日予算が推奨されています。
予算を1日ごとで設定した場合も、広告配信の期間を設定することができます。開始日時だけを設定することもできますし、終了日時を設定することもできます。例えば月初の1日に開始して、月末の24時で終了にするといった配信も可能です。ちなみに開始日時を設定する際には、1日の予算をじっくり使えるように開始日の0時に設定することをオススメします。予算自身にもスケジュールを設定することもできます。例えば連休中だけ予算を上げたいという場合は、予算スケジュールの項目からその期間だけ広告費の増額を設定してみてください。
設定項目3:オーディエンス管理
オーディエンス管理の項目では、広告を配信する場所を指定することができます。地域はデフォルトで日本になっていますが、編集をクリックすることで海外を含めることも可能です。また最低年齢のデフォルト値18歳というのを変更することもできます。もし既存のカスタムオーディエンスがある場合には、ここでカスタムオーディエンスを指定することもできます。
オーディエンス管理の下には、Advantage+ オーディエンスという項目があります。これはAIなどによる自動的なオーディエンス最適化機能です。利用者の興味・関心・行動などを入力することで、それに近い属性のユーザーに自動で広告を配信してくれる機能です。またここでカスタムオーディエンスから類似オーディエンスを作ることもできます。
設定項目4:配置
広告セットの最後の項目は配置です。配置というのは広告を掲載する面のことです。つまり、広告をFacebookのフィードに出すのか、Instagramのストーリーに出すのかといったことです。よくわからない場合はAdvantage+ 配置などの自動で最適化してくれるものを選んでください。もちろんキャンペーンの目的によっては、手動で設定することもできます。
手順3:広告自体を作る
さて広告セットが設定できたら次に進みましょう。最後は広告自体の見栄えなどを設定する部分です。クリエイティブなどの見栄えだけでなく、広告クリック時の挙動などもここで設定していきます。まずは広告にも名前を付けておきましょう。
設定項目5:広告に表示する名前
ここではあなたの広告がお客さんからどんな名前として表示されるのかを選びましょう。これはキャンペーン目的が認知度やリード、エンゲージメント、アプリの場合に出てくる設定項目です。通常は既に作ってあるFacebookページやInstagramのアカウントを指定してください。
設定項目6:広告設定
広告設定では、広告をどんなフォーマットで作るのかを選びます。広告を新規作成するのとは別に既存の広告を使い回すこともできます。キャンペーンの目的によっては画像や動画だけでなくカルーセル、コレクションなども指定ができます。カルーセルというのはInstagramの投稿のように、複数の画像を横にスクロールできるものです。またコレクションというのは複数の画像や動画を1ページに並べて表示できる機能です。
設定項目7:クリエイティブ
さていよいよクリエイティブの設定項目まで来ました。ここでは実際に表示される広告の見栄えや説明文を設定します。まずは用意した画像や動画などのクリエイティブをアップロードしてください。アップロードすると、フィードやストーリーズ向けにどのようなアスペクト比で使うのか?画像を切り取って使うか?などを指定することができます。
また画像を複数枚使って簡易的なスライドショー形式にすることもできます。その場合もいくつかのスライドショーのテンプレートがあらかじめ用意されています。気に入ったものを選んで適用してください。
画像や動画をアップロードしたら、そのまま文章の設定をしましょう。メインテキスト、見出し、説明、コールトゥーアクションなどの設定を行ってください。
設定項目8:リンク先
ここでは広告のリンク先を設定します。広告をクリックするとどこに飛ぶのかということです。キャンペーンの目的がトラフィック、リード、アプリの宣伝、売上の場合にこの設定項目が出てきます。リンク先ページのURLなどを設定してください。また電話ボタンやメッセンジャーのボタンを付けることもできます。
リード獲得広告を設定する場合もここで行います。リード獲得広告とはオプトインページに飛ばなくてもその場でオプトインを取ることのできる機能です。ユーザーのメールアドレスを自動で入力し、あとはユーザーがクリックするだけといった仕組みを作れます。キャンペーンの目的がリードの場合は、リード獲得広告を設定するのも良いでしょう。
設定項目9:トラッキング
最後はトラッキングという項目です。これは広告から発生する可能性のある色々な成果を計測する場所です。サイトやアプリにトラッキングを埋め込んで計測できる他、URLパラメータでトラッキングすることもできます。URLパラメータはURLの末尾に付いている計測用の文字列です。サイトがどこからアクセスされているかをURLで判断できるようになります。
これらの設定が終わったら広告を公開しましょう。広告を公開するとFacebook側で審査が行われます。もし審査後にすぐに広告を出してほしくないという場合は、広告マネージャ上で広告をオフにしておきましょう。
まとめ:広告の構造を理解して自分で広告配信の設定をする
ここまでFacebook広告の出稿方法と設定について解説してきました。最後に要点を6つにまとめました。
- Facebook広告はキャンペーン、広告セット、広告の入れ子構造になっている。
- キャンペーンでは広告の目的を設定する。
- 広告セットではターゲティング、予算、スケジュールなどを設定する。
- 広告ではクリエイティブや、広告の挙動などを設定する。
- はじめのうち1日の広告費は、CPAの2倍くらいからスタートすると良い。
- AdvantageはAIを使った最適化機能であり、よくわからない場合はこの最適化に任せると良い。