あなたは副業でネットビジネスをしている会社員で、広告運用を仕事にしたいと考えていませんか?ですが、具体的に広告を赤字にせずに運用する方法をイメージできていないかもしれません。そこで広告費を節約しながら効率的に最大限のリターンを得るための戦略をご紹介します。
広告はお金を使って手軽にトラフィックを呼び込んでくるための方法です。ですが、小規模で広告運用をする場合には注意が必要です。無駄なやり方をするとすぐに広告運用が赤字に転落してしまいます。それを防ぐためにいくつかの戦略をお伝えします。広告を打つ前に効果的な広告戦略を理解しておくことで、あなたの広告のパフォーマンスは遥かに高いものになるはずです。
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広告を打つ前に2つのマーケティング手法を理解する
広告に関するマーケティング手法は大きく分けて2つあります。まずはそれらを理解してください。大企業が使っているマーケティング広告戦略と個人や小規模ビジネスが使うべき広告戦略は異なります。この事実を理解せずに広告運用を開始してしまうとうまくいきません。他社と同じようなことをやっているのになぜかうまく行かない、という事態に陥りやすくなります。
手法1:ブランドマーケティング
1つ目の手法はブランドマーケティングです。これは主に企業やブランドの認知度やイメージを向上させることを目的としています。例えばサッカー日本代表の試合で、携帯キャリアのauが携帯と全然関係のないイメージ広告を打っていたりします。またはゼネコンが海外に巨大な施設を作りましたみたいなイメージ広告が流れてくることもありました。これらはまさにブランドマーケティングという手法による広告です。
ブランドマーケティングの特徴は短期的な特定の行動を要求しないことです。つまり「今すぐコンビニでコカ・コーラを買ってください」みたいなことを言わないということです。長期的な視点に立って、観た人の心に残るような広告を作ります。そして将来的にその企業やブランドのことを思い出して、商品を買ってくれれば良いという戦略です。
事前に種まきをして見込み客の中にある企業やブランドへのイメージを向上させておきます。そして時間をかけてその果実を収穫するといった発想です。この手法は長期的な戦いになるので、資金の余裕のある大企業がよく使う手法です。小規模なビジネスでも使えないことはありませんが、すぐに結果が出ないことにイライラするかもしれません。
手法2:ダイレクトマーケティング
2つ目の方法はダイレクトマーケティングと言われるものです。これは先ほどのブランドマーケティングとはちょうど反対の考え方を持つ手法です。ダイレクトマーケティングでは、広告を通じて見込み客に何らかの行動を要求します。見込み客に直接的な行動を取ってもらうという意味で、直接つまりダイレクトという言葉が使われています。
このアプローチでは、見込み客にすぐ行動を起こしてもらうことで短期的に収益を上げることをゴールとしています。そのため広告費を投下してから回収するまでのサイクルが短くなります。個人や小規模ビジネスにピッタリの方法です。この手法ではすぐに購入、オプトイン、ダウンロード、サインアップなどの行動を取ってもらいます。
なるべく効率よく広告を回すためターゲットを絞ります。ターゲットを絞り込み、なるべく自社のサービスや商品に興味のある人だけに広告を出していきます。その方が行動してもらえる確率が高くなるからです。これによって興味のない人にまで広告を見せるようなムダ打ち行為を避けることができ、広告費を抑えることができるようになります。
ブランドマーケティングはどちらかと言えば広く薄くという手法です。逆にダイレクトマーケティングは狭く深くというアプローチを取っています。このようなマーケティング手法の違いはこれまで意識したことがなかったはずです。マーケティング手法の違いを理解し、目的によって自分にあった方法を使うことが必要になります。
2つの手法をどう使い分けるのか?
大企業は両方の方法を使いますが、大きな予算をブランドマーケティングに投入できます。それは広告費回収までのサイクルがたとえ長くても、耐えられるからです。そのため広告を打ってから半年などの長いサイクルで広告費を回収するというブランドマーケティングの手法を取ることができます。
しかし、個人の場合は異なります。大企業よりも短いサイクルで広告費を回収し、利益を出さなければならないからです。数週間以内またはその月のうちに収支をプラスにしなければなりません。そのため、もし個人や小規模ビジネスが広告を行うのであれば、ダイレクトマーケティングを推奨します。
ただし、個人や小規模ビジネスであっても使い方を限定する形でブランドマーケティングを使うアイデアもあります。例えば、ブランドマーケティングで広告を打ち、その広告に反応した人だけにダイレクトマーケティングを打つという方法も存在します。これはリターゲティングと呼ばれる方法です。
そういった例外はあるものの、小規模ビジネスの場合はダイレクトマーケティングが圧倒的にやりやすいです。広告費を効率的に使えるように年齢や属性からターゲットを細かく設定します。そして、見込み客にすぐに行動を起こすように促して、短期的な売上につなげていきます。
セールスファネルで効率的に見込み客を教育する
では実際に広告を打ち、あなたの商品を全く知らない人に商品を買ってもらうにはどうしたら良いのでしょうか?実はそれを効率よく行ってくれる仕組みがあります。それがセールスファネルです。単純にファネルと略されることがあります。これはあなたの商品に全く興味のない見込み客を、商品がほしいという状態まで持っていくための方法です。
ファネルというのは英語で「じょうご」のことを指します。マーケティングの世界では日本にもゆっくりと浸透してきている考え方なので、あなたも聞いたことがあるかもしれません。ファネルの上から下にトラフィック、つまり見込み客が流れていきます。そして下に行くほどあなたの商品に関心が高い状態になっていきます。
僕も実際にセールスファネルをいくつか用意して商品を販売しています。よくセールスファネルというと綺麗なじょうごの画像で説明がされます。お客さんが上から下にだんだん落ちていって、最後に商品を買ってくれるというものです。でも実際のお客さんはそんな綺麗な形で動いてはくれません。現実世界ではファネルの周辺を行ったり来たりしながらあなたのことを知っていきます。ここでその説明をしてしまうと混乱してしまうのでそれについては割愛します。ですが、実際はもう少し複雑な動きをするというのを理解しておいてください。
ファネルには様々な種類があります。ですがここでは便宜的にファネルの中を3つのフェーズに分けてみましょう。その3つのフェーズとは認知、検討、購入です。まず認知の段階があります。見込み客が全くあなたのブランドや商品のことを知らない状態からスタートします。いわゆる反応の薄い段階コールドトラフィック(Cold Traffic)の状態です。広告を見ることであなたのブランドや商品のことを認知します。僕であれば「自分で電子書籍を出版しませんか?」とか「オンライン講座を売りませんか?」ということを広告で伝えます。
このように見込み客があなたのことを知ってくれた時点で、次の段階に進みます。ファネルの2つの段階は検討です。ここは見込み客が商品を買うかどうかを検討するフェーズです。見込み客は実際に広告をクリックしてページに飛びます。またはオプトインフォームにメールアドレスを入力してステップメールを読んでくれるかもしれません。見込み客はセールスページやステップメールを通して、あなたの商品が必要かどうかを考えていきます。
コールドだった見込み客は徐々に商品に興味を持っていきます。これを温度に例えて、暖かいという意味でウォームトラフィック(Warm Traffic)と表現します。温度が上がっていくにつれて、だんだんと商品を買いたいという気持ちが高まっていきます。もちろん、単にセールスページやステップメールがあれば良いというわけではありません。これらが見込み客の悩みやニーズをとらえている必要があります。
最後の段階が購入です。検討を通して見込み客の商品への期待が高まるとこのフェーズに入ります。ここでは最初にコールドだった見込み客の心の温度が上がっています。ウォームよりも温度の高いホットトラフィック(Hot Traffic)の状態です。ここまでくればあとは、商品を購入してくれるようになっています。
例えば、無料のeBookを配りますという広告を出す。そこで興味を持ってくれた人がオプトインしてeBookをダウンロードする。これで見込み客は販売者や商品を全く知らない状態のColdからWarmになります。そしてその後流れてくるステップメールでWarmからHotになります。何通もメールを送り、見込み客が興味を持つような価値のある内容を提供する。そうすることで「この人からなら商品を買っても良いかな」という状態に持っていくことができるのです。この一連の流れをセールスファネルと呼んでいます。
リードマグネットを使って見込み客をファネルに引き込む
どんなに良いファネルを持っていても、そのファネルに人を連れてこれなくては意味がありません。そこで使われるのがリードマグネットです。リードマグネットというのは、先ほどの無料eBookのように見込み客に最初の価値提供をするためのツールです。リードマグネットを渡す代わりに、彼らのメールアドレスやマーケティングに使う個人情報をもらうのです。
いきなり商品を売るのではなく、彼らのメールアドレスや情報をもらいます。そしてメールなどでコミュニケーションを取りながら、見込み客が商品を買う心の準備ができるまでフォローアップしていきます。あなたもこれまで、それがリードマグネットであることを知らない状態で、多くのリードマグネットに触れてきたはずです。
それはメールアドレスの入力が必要な性格診断テストだったかもしれません。またはメールアドレスを登録するとすぐにもらえる割引クーポンという形もあったかもしれません。そしてそれらの企業からキャンペーンやセールのお知らせを受け取ったという経験があるはずです。リードマグネットは至るところで使われている効果的な戦略なのです。
リードマグネットが良いのは、見込み客のメールアドレスや電話番号というコミュニケーション手段をゲットできるからです。見込み客のメールアドレスを得るプロセスには広告費が掛かります。ですが、一度メールアドレスを取得してしまえば、あとは彼らにメールを送るといったことはとても低コストでできます。
良いリードマグネットの条件
僕はお客さんに質の良いリードマグネットを作ってくださいと言っています。なぜならショボいリードマグネットをもらっても、見込み客の温度は上がらないからです。リードマグネットがショボいんだから、有料商品だって当然ショボいよねと思われてしまうからです。では質の良いリードマグネットとは何でしょうか?ここでは質の良いリードマグネットの条件を次の4つに分けて考えてみます。
- 条件1:ターゲットのニーズにマッチしている
- 条件2:実用的な価値がある
- 条件3:具体的で分かりやすい
- 条件4:すぐに役に立ち満足感がある
条件の1つ目は「ターゲットのニーズにマッチしている」です。あなたがターゲットとしている見込み客がいますよね。こういうお客さんに商品を買ってほしいというペルソナです。まずは彼らが興味をもつような内容にしてください。このリードマグネットのテーマの設定によって集まるお客さんが変わってくるからです。
2つ目の条件は「実用的な価値がある」です。価値には色々な種類があります。例えば実際に金銭的な割引クーポンを配るのは明らかに価値がありますよね。その他にも専門知識なども価値に当たります。例えば自社のサービスの無料体験にオプトインさせて、それと引き換えにそのサービスの使い方をまとめたPDFがあったとします。そのPDFも立派な価値です。ただ単なる知識ではなく、実際に使える知識であれば価値が高いと言えます。
3つ目の条件は「具体的で分かりやすい」です。これはあなたが何を提供しているのか?というのを明確にするというものです。例えばあなたがウェビナーのやり方を教えているとしましょう。「ウェビナーのヒント」よりも「ウェビナーを作って商品を販売するための5つの手順」の方が具体的です。見込み客は具体性のあるものを魅力的だと感じます。そのため、なるべく抽象的なものを避け、具体的な内容にしてください。
最後の条件は「すぐに役に立ち満足感がある」です。もらってすぐに使えて、役に立つというリードマグネットは強いです。例えばすぐにショッピングに使える初回限定クーポンは魅力的ですよね。またはパソコンのキーボードショートカットをまとめたPDFもすぐに使えて魅力的です。チェックリストも人気があります。分厚い教科書を読むよりも、瞬時に内容がわかって使える方が好まれます。
このように質の高いリードマグネットにはいくつかの条件があります。最終的にこれらの条件を満たすリードマグネットを提供することで見込み客の信頼を獲得し、商品を買ってくれる顧客へスライドさせることが可能になります。重要なのは見込み客のニーズに真摯に応え、彼らが実際に価値を感じられるコンテンツを提供することです。実用的で、具体的で、すぐに役立つリードマグネットは、見込み客をファネルに連れてくるきっかけとなる重要なポイントです。
まとめ:小規模ビジネスは独自の戦い方で広告マーケティングを行う
ここまで個人や小規模ビジネスが広告運用を行うときの戦略について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- 広告マーケティングの手法は2つあり、小規模ビジネスには短期的な視点に立ったダイレクトマーケティングを推奨する。
- ダイレクトマーケティングは、絞り込んだターゲットに対してすぐに商品の購入やオプトインを促す広告手法である。
- 広告で見込み客を効率的に商品を販売するにはセールスファネルの考え方を導入する。
- セールスファネルの開始点としてリードマグネットが重要な役割を果たす。
- 質の高いリードマグネットの条件は、ターゲットのニーズにマッチしており、実用的で、内容具体的、さらにすぐに役立つものである。