あなたは広告運用に踏み出そうとしている副業の会社員で、広告を成功させる上手いやり方を探していませんか?もし広告の効果を上げたいと考えるのであれば、ファネルという概念を取り入れましょう。ここでは具体的にファネルをどのように使って、広告の採算を合わせるのかを解説します。
広告の世界はシビアです。例えば1日に3000円の広告費を掛けたとして、1ヶ月経っても全く売上が立たないということはザラにあります。それだけで9万円の赤字です。ただ単に広告を出すというだけでは、なかなか採算が合いません。あなたも他社の広告を見て、何か仕掛けのようなものが必要なことに気づいていると思います。そこでいくつかの仕掛けをファネルという概念を通して紹介します。きっとここであなたのやりたい仕掛けが見つかっていくと確信しています。
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広告収支を黒字にしてくれるファネルとは?
まずファネルについて説明しましょう。ファネルとはセールスファネルの略です。これは購入までに見込み客がたどる一連の道筋のことを指しています。例えばお客さんが広告を見る。そしてお客さんが広告をクリックし、ページ上でリードマグネットをダウンロードする。ダウンロード時に入力したメールアドレスに届いたメールを読んで商品を購入する。こういった一連の流れのことをセールスファネル、略してファネルと呼んでいます。
もしかするとあなたは、そんなの当たり前じゃないかと感じるかもしれません。わざわざファネルなんて名前を付けるほどでもないと思っているかもしれません。でも実はこれはたくさんのファネルのほんの一例に過ぎません。実際には多くの種類のファネルが存在します。そしてそれぞれに面白い仕掛けが組み込まれています。
僕はセールスファネルやオンラインコースの専門家として、10年以上ネット上でビジネス活動をやっています。過去には英語圏のセールスファネル作成ツールであるClickFunnelsから、売上1億円の表彰を受けてきました。Eメールファネル、ウェビナーファネル、オートウェビナーファネル、アプリケーションファネル。自分でもたくさんのセールスファネルを試し、実際にそこから利益を出し家族を養ってきました。
恐らく、ファネルという概念に出会っていなければヨーロッパに移住することも出来なかったと思います。平日の午前中からサーフィンに行ったり、総合格闘技を習う時間も無かったはずです。ファネルがあるおかげで月1回、海外に旅行に行くこともできています。だからこそあなたにもセールスファネルのすごさを知ってもらいたい。ここでは英語圏のファネルを研究した中で、特に僕が広告と親和性が高いと思ったものを紹介していきます。
ファネル1:リードジェネレーションファネル
まず紹介するのはリードジェネレーションファネルです。これはリスト取りを行って、メールなどで見込み客との関係性を作ってから販売するファネルです。オンラインコースやコーチング、ウミガメと泳ぐツアーのような無形商品に最適なファネルです。有形商品というのは分かりやすく説明が短くて済むという特徴があります。たとえばカミソリ、香水、スマホのようにそれが何かというのが明確になっています。
逆に多くの無形商品というのはその性質上、売る前に説明が必要です。例えばコーチングを購入することで具体的にどのような効用が得られるのかは、購入前には分かりにくいものです。コーチングは顧客が自分の問題を克服したり、特定のスキルを向上させたりするものです。でもコーチングがどう役立つのかを理解するためには、コーチングのプロセスについての説明が必要です。
オンラインコースのような新しい形態の商品も説明が必要です。オンラインコースは知識やスキルを学ぶためのものですが、本やセミナーなどと比べて比較的新しい形を取っています。そのため多くの人にとって未知のものになります。コースの内容以外にも見込み客にとって気になることがたくさんあるはずです。内容がどんな形で提供されるのか?どんな風にコースを使って勉強すればよいのか?といったことです。
またウミガメと泳ぐツアーのようなものも説明が必要な無形商品です。これは体験型のサービスなので、実際に体験してみないとその魅力や体験内容が分からないことが多いです。参加者はどんな体験ができるのか、どんな環境でウミガメと泳ぐのか、安全対策はどうなっているのか。そういったことに見込み客は疑問を持つはずです。
興味を持った見込み客に対して、Eメールまたは電話などでこれらの内容をフォローアップしていきます。このファネルの場合は、まずオプトインページを用意します。そこに無料のリードマグネットを用意して、それと引き換えにメールアドレスや電話番号などをもらいます。興味を持った見込み客は自分の情報をフォームに入力して、リードマグネットをダウンロードします。
メールアドレスの場合であれば、自動返信メールが送られるようにEメールレスポンダーを設定しておきます。そして何通かのEメールを送って、見込み客をゆっくりと教育していきます。見込み客の商品への興味や理解が高まったところで、商品をセールスします。もし電話番号をもらっている場合は、テレアポ部隊からセールスの電話を掛けても良いでしょう。
ファネル2:リード獲得広告ファネル
次に紹介するのはリード獲得広告ファネルです。このファネルは先ほどのリードジェネレーションファネルと似ています。ですが、入り口の部分が少し異なります。見込み客の情報を入力してもらうまでのプロセスが簡単になっているのが特徴です。このファネルではFacebook広告が用意している「リード獲得広告」という仕組みを使います。
リード獲得広告というのはユーザーが簡単にオプトインできるようにした広告の仕組みです。普通の広告はクリックするとランディングページやオプトインページに飛びます。ですがリード獲得広告の場合は、クリックするとその場でオプトインができるようになっています。FacebookやInstagramに既に入っている見込み客の個人情報が自動で入力されるようになっているんです。
そのため、見込み客がメールアドレスや名前といった項目をわざわざ入力する必要がないというメリットがあります。また個人情報の送信も、広告画面上で完了するので別途オプトインページを用意する必要もありません。そのため、Webサイトを持っていない場合でもリードを獲得する広告を打てるのです。リードジェネレーションファネルの入り口を、もっと簡単にしたバージョンだとイメージしてください。
ファネル3:メッセンジャーファネル
メッセンジャーファネルは、ページやメールの代わりに見込み客との対話によって成約を勝ち取る仕組みです。Messenger誘導広告とも呼ばれます。このファネルはクリックした人を、ランディングページではなくメッセンジャーに誘導します。そしてページやメールの代わりにチャットで見込み客をフォローアップします。
広告をクリックするとすぐにチャットウィンドウが開き、会話がスタートします。メッセンジャーなのでチャット形式でお客さんとのエンゲージメントを作ったり、セールスをかけていきます。このファネルが優秀なのは、まずこのチャット形式という双方向的なやりとりができることです。ページやウェビナーを見るだけ、メールを読むだけでは受動的です。それを双方向にすることで見込み客の自発性を引き出すことができます。
また短いサイクルでお客さんとコミュニケーションすることができます。メールよりも短い形でやりとりできるので、見込み客の視点からも手軽です。見込み客のリクエストにすぐに対応することもできます。広告主によっては、このメッセンジャーの中にチャットボットを組み込んでいる人もいます。チャットボットを組み込めば、人間が対応しなくてもある程度のことをシステムが自動でやってくれます。お客さんのよくある疑問に自動で答えたり、お客さんに知りたい項目を選ばせて回答を送ることもできます。
もちろんチャットボットのような自動対応だけでなく、手動での個別対応もできます。そのためチャットボットでエンゲージメントを高めておき、クロージングだけを人間が行うといったことも可能です。お客さんごとに個別のオファーをしても良いでしょう。メッセンジャーファネルもある意味では、リードジェネレーションファネルといえます。ただし、このコミュニケーションの手段がメッセージになっているというのが大きな特徴です。
ファネル4:ウェビナー電話セールスファネル
次に紹介するのはウェビナー電話セールスファネルです。これはウェビナーを見せたあと、電話やZoomなどによる無料相談などに誘導するファネルです。最終的には人間が通話でセールスをかけるので成約率は高くなります。よく説明会で集客し、その後無料相談などでバックエンドを販売している人がいます。それを広告でやっているのがこのファネルです。このウェビナー電話セールスファネルはコーチ、コンサル、またはデジタルコンテンツを販売しているビジネスに有効な戦略として知られています。
まず広告からウェビナーへ誘導します。通常は広告をクリックするとウェビナーの登録ページが開きます。見込み客はオプトインをすることでウェビナーを視聴できるようになります。ウェビナーの開催方法は広告主によって様々です。僕のように自動でウェビナーを回すオートウェビナーを使う人もいます。また翌日の夜8時のように日時を決めてZoomなどでリアルタイムウェビナーをやる人もいます。
ここでのウェビナーでは価値提供を行います。見込み客が知りたい内容をウェビナーで話すんです。例えば僕であれば「出版社を通さずに電子書籍を出版する方法」というテーマで話すかもしれません。SEOの最新動向に関するウェビナーをやっても良いし、職場でのストレスを管理する方法を話しても良いでしょう。
ウェビナーで商品やサービスの紹介をしても良いでしょう。ですが、最終的には個別の無料相談や通話につなげるようにしてください。ウェビナーの主な役割は2つです。1つは見込み客に価値提供などを行って、彼らとの信頼関係を作ること。もう1つは、本格的なセールスを行うための通話に誘導することです。ウェビナーはいわば個別通話に来てもらうための呼び水です。ウェビナーの次のステップである通話の予約につながるように、上手に見込み客を誘導してください。
もちろん、ファネルの途中で離脱してしまう人も出てくるはずです。例えばウェビナーを見たけど通話の予約をしなかった人。通話の予約ページまで行ったけど、実際には通話を予約しなかった人たちもいるでしょう。その人たちには、リターゲティング広告を打つということもできます。特定の反応があった人に対して、再度リーチするような広告のことです。このようにリターゲティング広告を使うことで、離脱してしまった人に再度アプローチをするといったことも可能です。
ファネル5:商品ページファネル
このファネルはとてもシンプルです。広告から直接商品の販売ページに連れてくるパターンです。先ほど、無形の商品は有形のものよりも説明が必要になるとお伝えしました。裏を返せば有形の商品の場合、説明が短くて済むということです。その場合は、広告から直接販売ページに誘導した方が良い場合があります。
そういった有形商品を売るときに、このシンプルな商品ページファネルを使います。もちろんここでもリターゲティングの発想が使えます。商品のランディングページを見たけど買わなかった人。カートに商品を入れたけど最終的には買わなかった人なども想定できます。例えばそういう人たちに割引クーポンを配るリターゲティング広告を配信することもできます。
ファネル6:プリセルファネル
最後はプリセルファネルです。ここで言うプリセルというのは、商品を販売する前にその前提となる知識を付与しておくという意味です。具体例で説明しましょう。例えば、天然成分100%のデオドラントを売っているとします。ですが、このデオドラントは人工の成分のものよりも当然値段が上がります。じゃあどうして天然成分100%である必要があるのか?ということを商品販売前に事前に伝えておくのです。
例えば広告をクリックすると、プリセルページに飛びます。ここでは「身の回りにある毒を減らして生活する方法」という内容で天然成分を推奨する内容を載せるアイデアもあります。または「寿命を伸ばすための7つのヒント」みたいなページにしても良いでしょう。そしてそのページから、天然成分のデオドラントの商品ページへと誘導します。
このように商品を販売する前の教育部分をプリセルページ1枚で行うのがこのプリセルファネルです。教育をメールで行うのか。メッセンジャーで行うのか。またはこのように1枚のページでやるのか。それによってもお客さんの反応は随分変わります。またこのプリセルファネルは商品ページファネルにとても近い構造をしています。ここでも商品ページファネルと同じように、リターゲティング広告を用意することができます。ぜひそういったアイデアを忘れずに考えておいてください。
まとめ:様々なファネルを知って実際に広告で試してみる
ここまで広告で成約率を上げ、採算が取りやすくなるようなファネルをいくつか紹介してきました。最後に要点を7つにまとめました。
- 広告運用を成功させるには、商品の成約率が上がるセールスファネルのような概念が必要になる。
- リードジェネレーションファネルとは、オプトインを取ってメールや電話で見込み客を教育し販売する仕組みである。
- リード獲得広告ファネルとは、Facebook広告が用意した簡易的なオプトインフォームを使って手軽にオプトインさせて教育する仕組みである。
- メッセンジャーファネルとは、オプトインの代わりにFacebook内のメッセンジャーに誘導し、見込み客とコミュニケーションを取る仕組みである。
- ウェビナー電話セールスファネルとは、ウェビナーを見せた後に個別通話に誘導し商品をセールスする仕組みである。
- 商品ページファネルとは、広告から直接商品の販売ページに誘導する仕組みである。
- プリセルファネルとは、商品の販売ページの前に商品が欲しくなるような前提知識を載せたページを用意する仕組みである。