あなたはFacebook広告運用がうまくいっている個人事業主で、さらに広告の予算を増やしたいと考えていませんか?ですが、今せっかく上手くいっている広告を崩したくないと考えているかもしれません。そこで広告のバランスを崩さずに広告予算を上げる方法をお伝えします。この方法を理解すれば、広告費をどう上げていったらいいのかという迷いが消えるはずです。
広告において予算を上げることはさらなる利益を取りにいくということと同じです。それはつまりさらなるリーチ数を狙っていくということです。ですがそれ以外にも、新しい客層や新しい広告をテストしてみることもできます。予算を上げる際には既存の広告の延長ではなく、別の角度から新しい集客戦略をテストすることもできるのです。ここではそのためのアイデアを5つ紹介していきます。
今回お届けするノウハウはこちら
運用が好調でも予算はゆっくり上げる
あなたの広告は運用がうまくいき、無事に利益を出しているかもしれません。そこでさらに広告予算をアップさせて、もっと多くの利益を取りに行きたい。そう考えるのは自然なことです。かくいう僕も実はそう考えたうちの1人です。 ただしここで注意点があります。いくら広告運用が好調だとしてもいきなり予算を大幅にアップさせるということはできるだけ避けて下さい。
理由は簡単で今せっかくうまくいっている広告のバランスが崩れてしまうからです。僕は最初、広告がうまくいっているのであればそのまま何も考えずに予算を上げれば良いのだと考えていました。予算に比例して売上もそのまま伸びていってくれるだろうと考えたのです。ですがその予想は間違っていました。一気に広告費を上げたところ、いきなり広告のパフォーマンスがガタ落ちしました。
これにはいくつかの説明ができると思います。まず広告のパフォーマンスというのは予算や設定によってある程度最適化されています。つまりあるところで一定の均衡状態が出来上がっているわけです。ところが予算を突然大幅に増やすと、広告の配信ロジックが変わってしまいます。そうなると以前に保たれていた均衡が崩れてしまうわけです。
またFacebook広告の予算に関するアルゴリズムの影響もあります。Facebook広告は決められた予算を使い切るように広告を配信してくれます。予算を一気に増やすとFacebook広告はその予算を使い切ろうとします。そして以前より広い範囲のオーディエンスに広告が配信されます。つまり広告に興味のない人にまで広告が配信されることになります。これはクリック単価やインプレッション単価といったコストが急上昇する原因となり、広告のパフォーマンスを落としてしまいます。
これらの理由からFacebook広告で予算を増やす時には、一気に大幅に上げるのは避けてください。そうではなく、段階的に増加させることをオススメします。これにより広告キャンペーンのパフォーマンスを維持しつつ、コスト効率を最適化することができます。少しずつ変えることで、安全に広告をスケールさせることができるようになります。この原則を踏まえた上で、広告予算を上げる際に試せるアイデアをいくつか紹介していきましょう。
アイデア1:上手くいっている広告のバリエーションを作る
1つ目のアイデアは、今利益を上げてくれている広告に変化をつけていくことです。予算を上げた分の広告費を使って、今の広告に変化を加えたバージョンを試しましょう。まずは上手くいっている広告セットを特定します。具体的にはROASが高く利益が取れているものを選んでください。そしてその広告セットを複製して、少しずつパラメータを変えていきます。
急激な変更はせずに少しずつというところがポイントです。これは冒頭でもお伝えした予算と同じ発想です。予算だけでなく、広告の変更もまた少しずつ行ってみてください。特にいま扱っているのはうまくいっている広告です。そこから大きく崩さないように小さな変化をつけて様子を見るイメージを持ってください。
例えば、ターゲットの年齢を細かく変えてみる。または予算を1日数百円という細かな単位で変えてみる。さらに広告の配置を変えてみるのも良いでしょう。配置というのは広告の配信を行う広告面のことです。つまり、プラットフォームのどの場所に広告を出すかということです。ストーリーズなのかリールなのかフィードなのかという場所です。まずはそういった細かい違いを作り、どうなるかというのを新しい広告費の分で試してください。
アイデア2:新しいオーディエンスをテストする
次にやってほしいことは新しいオーディエンスの開拓です。今あなたの広告がうまくいっているということは、あなたの広告が一定のオーディエンスにウケているということです。同じ広告を別のオーディエンスに当てることで、別にオーディエンスを魅了することもできるかもしれません。その広告はそのまま運用しながらも、新しいオーディエンスを開拓してみましょう。
具体的には同じ広告を複製して、新しい予算の分で別のオーディエンスに当ててみるということをしてみてください。それでうまくいけば新しいオーディエンスに広告を打ち続けることでさらに利益を増やすことができます。もちろん、追加の予算枠を使って新しい広告を新しいオーディエンスに当ててみるというのも面白い実験になるはずです。
アイデア3:類似オーディエンスに出稿する
次のアイデアは類似オーディエンスに広告を出してみるというものです。類似オーディエンスとは、あなたの既存顧客やフォロワーに似た属性のユーザーに広告を配信する機能です。例えば、あなたの商品を購入してくれた顧客、またはサイトの訪問者などを元に彼らの特徴を分析します。そしてFacebookがそれと同じ特徴を持つオーディエンスに広告を配信してくれるのです。これによりあなたの商品に興味がありそうな新しいユーザーを効率よく発掘することができます。
もしあなたが既に複数のオーディエンスを運用してうまくいっている場合、それらの類似オーディエンスが作れないかを考えてください。または複数の類似オーディエンスを1つの広告セットに統合することもできます。成果の出そうな類似オーディエンスが複数あれば、それらをまとめて新しい広告を打ってみましょう。あなたの商品に興味のある新しいユーザーを発掘できるかもしれません。
アイデア4:同じオーディエンスに異なるコピーを試す
新しい予算を使って、同じオーディエンスに新しいメッセージを試すのも有効な方法です。今広告が上手く行っているという場合、その広告のメッセージを変えるのには勇気が要ります。バランスを崩してしまう可能性もあるので、気軽に試してみようとは思えないはずです。でもそれが別の予算枠で新しい広告を試すというのであれば話は変わってきます。
新しい予算枠を使って、同じオーディエンスに対して新しいコピーを試してみましょう。新しいコピーを試すことで、今まで反応しなかった層のユーザーを取り込むことができるかもしれません。今のままのオーディエンスでも、新しいコピーでリーチできる人がいるのかを試したい。そんな場合には、予算を増やしたタイミングで別の広告として試してみるのも面白いでしょう。
アイデア5:1日の予算を20%増やしてみる
最後に紹介するのは、単純に全体の予算を上げていく方法です。これは3日から4日ごとに予算を20%ずつゆっくりと引き上げてみる方法です。ポイントは予算を20%という小幅に上げていくこと。そして、3日から4日ごとに様子を見ながら予算を上げていくことです。冒頭でも説明した通り、予算を上げる場合にはゆっくりと上げていく必要があります。
この場合はシンプルで、まずパフォーマンスの良い広告セットを特定します。そしてその予算を20%上げます。予算を上げたあとは3日から4日ほどパフォーマンスの変化を見守ってください。そして最終的に数値が許容範囲内に収まるかどうかを確認します。あとはこれを繰り返していきます。もし途中で数値が極端に悪くなった場合は、その前の予算まで戻します。
もしそれでも数値が合わなくなってしまった場合は、一旦広告を停止します。そして予算を上げる前の元々の予算にまで戻します。ただし、同じ広告セットを使うのではなく複製または新しく作った広告セットを使ってください。これにより広告の学習や配信をリセットできるので、もう一度最適化をかけることができるようになります。
まとめ:段階的に予算を上げつつ新しい挑戦も行う
ここまで広告予算を増やす際のアイデアを紹介してきました。最後に要点を6つにまとめました。
- 現在の広告運用が好調でも、予算を上げるときには均衡を崩さないように少しずつ上げるのが良い。
- 上手くいっている広告に小さな変化をつけて様々なバリエーションを試してみる。
- 同じ広告や新しい広告を使って、新しいオーディエンスを開拓する。
- 既存の好調な広告をその類似オーディエンスにまで配信してみる。
- 同じオーディエンスに異なるコピーを試し、今までと違うユーザー層を開拓する。
- 1日の予算を4日ごとに20%上げてみる。ただし4日おいて不調になった場合は予算を元に戻す。