クライアントの数を増やす方法、顧客単価を上げる方法、ロイヤリティを上げる方法。この三つさえうまく機能させることができたら、あなたのビジネスは大っきくなる。そんな話を前にした。じゃあ具体的にどうやるか?あなたにとってどれだけハッピーなことだろう。僕が提唱する戦術は、非常に具体的だ。今すぐ実行に移せることばかりだから。
クライアントの数を増やす方法
これはフロントエンド商品で利益を出さなければいい。それで全ては解決する。フロントエンド商品で利益が一切出ないくらいの広告費を投入し、クライアントを大量に獲得する。いわゆる顧客リストってやつ。顧客リストは、渋谷のセンター街を歩いているその他大勢とは全く違う。あなたの商品を一度購入し、あなたの興味がある人ばかりだ。渋谷のセンター街であなたの商品を広告するよりも、顧客リストに商品を広告する方が1万倍くらい効率がいいでしょう。じゃあまずはフロントエンド商品に広告費をぶち込んで、顧客リストを集めて下さい。
10,000円の商品を広告する際、成約率(CVR)が1%でそれを100人の人が買ってくれることが分かれば、100万円の広告費を突っ込みましょう。アフィリエイターを使っているなら、各ASPが設定できる報酬のMAX値を設定する。そうすることで、広告主は真剣に動いてくれる。
アメリカのある会社では、初回購入の10%を販売員に支払っていた。いわゆるフルコミッションの会社。200ドルの商品が一個売れれば20ドルの報酬を販売員に払い、会社が180ドルを取るビジネスモデル。この会社は1人のクライアントを獲得すれば、平均年間5回、次の3年間買い続けてくれるため、新規クライアント1人獲得あたり、3000ドルの利益を得る。
あるコンサルタントが入って、初回購入の際は、販売員に100%の報酬を上げて下さいと言った。経営陣は「ふざけんな」と。彼は説明を続ける。「初回販売の報酬を100%にすれば、販売員はこれまでの10倍のやる気を出して新規顧客を連れてくる。初回は販売員に100%の200ドルを払わなきゃいけないが、その時点で会社には2800ドル(3000-200ドル)入ったに等しい。」
この会社は報酬制度を改め、9ヶ月で売上を三倍に伸ばした。「ふざけるな」と言った経営陣は発言を撤回し、謝罪した。
そう、僕たちがやることは、初回販売(フロントエンド商品)で利益を出さないこと。フロントエンド商品で広告主や営業部隊の人たちに稼いでもらいましょう。それだけでクライアント数は劇的に増大する。
クライアントあたりの販売額を増やす
顧客単価を増やす方法は、後日説明するアップセル・クロスセル・アドオンを実践すること。マックの売上の半分以上は「ご一緒にポテトはいかがですか?」から生まれていると言われている。東京ミッドタウンで僕がよく行くバーでも、スパークリングを飲み終えると、「何か御持ちしましょうか?」って絶対聞いてくる。気持ちよくなった僕は、「じゃあビールを」なんてついつい答えてしまう。
もし彼女が「何か御持ちしましょうか?」と聞かなければ800円で済んだのに、彼女が聞いてくれたおかげで1600円になってします。これは僕だけにやっていることじゃない。お店にいる人全員にやっている。もし半分の人が僕のように「じゃあビールを」なんて言えば、顧客単価は1200円になる。「何か御持ちしましょうか?」の一言がそのお店に莫大な利益をもたらせている。クライアントあたりの販売額を増やすのは、こういった一声をかけるだけでいい。一声で顧客単価は変わる。会社は変わる。
クライアントあたりの販売回数を増やす(ロイヤリティを上げる)
コロンビアから来たYolimaという女性が「銀座のクリスチャンルブタンに行きたいわ!Rikiya連れて行って♥」なんて言われれば「いいさ。まかせろ」なんてこたえたモノの、心の中では「(くりすちゃんるぶたん?おいしいんですか?)」とひっきりなしに思っていた。
彼女はすぐにクリスチャンルブタンの「上得意お客様室」に連れて行かれた。アメリカの市民権を持つ彼女はリッチだ。僕のカードを切るまでもなく、彼女は底が赤色の靴を2つも買った。どうやら、「上得意お客様室」には何かカラクリがあるに違いない。
そう、銀座にあるデパートにはほぼ「上得意お客様室」なるものがある。これはいわゆる招待者限定の販売会である。招待されれば特別な気分になるし、また買いたくなるだろう。
航空会社はマイレージ制度を設けているし、証券マンは新規公開株を選ばれたクライアントに勧める。そう、上手くいっている企業は綿密に調べ上げた原則・戦略を持っている。
クライアントにランクを付けているんだね。見込み、新規、リピーターってな具合に。このリピーターに対して、特別な販売活動をするだけでクライアントあたりの販売回数は増える。
ところで、あなた。いつも石崎力也のブログ記事を読んでくれてありがとう。(←ロイヤリティを上げる)
文責:石崎力也
追伸:新商品の開発をしたわけでもない。ただ頭を使っただけ。シンプルなフォーミュラを実践しただけ。
追伸2:朝読んだ外山先生にもこう書いてあった。考える行為は危機感から来るもんなだね。あなたのビジネス大丈夫?あなたの人生大丈夫?危なくない?
しかしどこか人間的なものではないと、うすうす感じ始めている人がすくなからずいて、その人たちが、このままだと人間はロボットみたいになってしまうのではないか、キカイにできないことが人間にはできるはずだ、といった一種の危機感をもち、いろいろなものを模索する中で、思考、つまり「考えること」の重要性を意識するようになったのではないかと思われます。
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追伸3:同じ本棚にあったちきりんさんの本も読んだ。あれ、書評したっけ?
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追伸4:以前読んだ本の中で、思考実験に関する本の中でも秀逸なもの。
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追伸5:暇だから本を読むことしかできない。