しかし、いまアフリカ大陸は「チャイナ・バッシング(攻撃のほうです)」の真っただ中にあります。中国は確かに巨額な投資をした。しかし、アフリカに一切の雇用も富ももたらさず、イナゴのように中国人がやってきて、逆にいままであったほんの小さな仕事までも奪い尽くして帰っていく。むかし植民地にしたイギリス、フランスよりはるかに始末が悪い相手だった・・・・というのが完全に定説になりつつあります。
2005年あたりからジャパンパッシングが起こり始める。passingだから素通りってことだね。その前はデトロイトとかで起こった日本車のぶち壊し=ジャパンバッシング。もうぶっ壊すものは何もないや、っていうくらい世界は日本を素通りしている。彼らが行く先は・・・中国。
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授業後の末路はパックリ
でもこれまで日米で十分良好な関係を築けてきたのに、急に中国なんかにシフトして大丈夫なのか?実際は全然大丈夫じゃない。アメリカでTrading relationship(貿易関係)の授業を取ったときに、一人のアメリカ人がプレゼンをしてくれた。タイトルは「日本人の労働コストが中国人よりも10倍以上高いわけ」。ぶっちゃけ、表面だけを見ると日本の悪口を言われているみたいで嫌じゃん。でもその場に居合わせたアジア人2人(1人=日本人、僕&1人=中国人のLee)の授業後の末路はパックリ別れてしまった。
サラリーマン社長・日本&MBAあがりの中国人
まず結論から言うと、今中国進出したアメリカ企業(その他ヨーロッパ企業も全部)は真剣に「ジャパンリターンズ(日本戻り)」を検討している。確かに日本の経営トップは出世上がりのサラリーマン社長なので、これまで100年続いてきた企業を吹き飛ばすような決断は簡単にはできない。つまり決断にかなりの時間をかける。ほら、一緒に唄うたいに言ったり、キャバクラで「お願い、ちょっと」とか言ったり、ゴルフに言って森の中にボールを突っ込みまくるじゃん。アメリカのトップは別にそんなまどろっこしいことはしたくない。すぐに決断が欲しい。だけど日本は文化に根ざした商談・接待をひたすら繰り返す。
はい、やるアルヨ
実はあれ、お互いを知るためにやっているんだね。別に商材を売ったり、商談を有利に進めるためじゃないんだね。だから一個一個の決断に時間をかける。アメリカ人にはそれが合わなかった。で、中国。今中国の有名企業のトップはみーんなアメリカでMBA取った人ばっかりだから、アメリカ人とアウンの呼吸で意思決定ができる。「これどう?」「はい、やるアルヨ」「じゃあこれは?」「それは駄目アルヨ」「じゃあ折衷案のこれは」「うーん。大丈夫アルヨ!やるアルヨ」(ってまあこんな喋り方するかどうか知らないけど)。とにかくMBA仕込みの意思決定は早い。
日本となんてビジネスをする理由はない?
しかも嬉しいことに労働コスト(人件費)が日本の1/10ときたもんだから、もう日本となんてビジネスをしている理由はなくなった。日本サヨナラーってことでパッシングをしていったわけ。でもね、蓋を開けたら・・・
納期守らない、歩留まりが超絶低い、平気で裏切る。まあこれが中国カルチャーだね。「ちょっと待って。あんたの案件よりも良い案件があるから、そっちを終わらせてから、あなたのに取りかかるアルヨ」とか言うわけなの。日本じゃ信じられないじゃない?日本人だったら三晩寝ずにして納期を守るし、あがってくる商品のクオリティはむちゃくちゃ高いし、裏切りなんてのはサムライ魂によって許されない。日本人の人件費が高いのは、単純に地価が反映されているだけじゃなかったんだよね。こういった「信頼」みたいな数値化できないポテンシャルがプレミアムとして人件費に付加されていたわけ。
ノマドワーカーはただのホームレス
ってまあ、こういうことを日本人の僕が日本人のあなたに向かっていったとしても「え?当たり前じゃん」っなるよね。でもその日本の当たり前が世界のグローバルスタンダードよりも遥かに高い。日本人の勤勉さは誇るべきものもの。僕たちの文化に根付く仕事への姿勢は本当に世界中からリスペクトされている。それを過労死とかストレスって言葉でくくってしまうのは自虐的でもったいな過ぎる。(だから、ノマドワーカーとか自由に働きたい、みたいなヘタレみたいな意見が出てくるわけですね)
結果。「アジアでは取引できるのはやっぱり日本だけか・・・」となっていますとさ。おしまいおしまい。・・・ってアメリカ人のジョナサンがプレゼンをしてくれて、僕は右後部座席に座りながら、嬉しくて半泣きだった。二個隣にいた中国人のLeeはキレて途中で出ていった。(それが、駄目なんだよ!すぐキレるな!って)
それは、海外でやれ
新しい生き方とか模索してもいいけど、その生き方を運んできてくれるのは大抵はアメリカナイズされた僕のような頭の狂った人たちだから、そーゆー人の意見はマジで無視した方がいい。そんなアメリカナイズされた働き方はそもそも日本の土壌では合わない。たとえばフリーランスとかノマドとか学生起業とかそーゆー変な働き方とかね。それは僕が身にしみて感じている。もし上記のような生き方をしたければ、海外でやればいい。
日本人はこれまでの伝統通り、納期をしっかり守って使命感持って仕事を続ければいいわけ。一つ一つの決断に時間をかけてもいいし、カラオケ行って親交を深めていればいい。それが他国のどのやり方よりもベストな方法だから、実質世界ナンバー1の経済大国になった。日本悲観論を見れば悲しくなるだけ。もっと日本を肯定的に見てもいいような気がする。
文責:石崎力也
メイン参考文献:
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サブ参考文献:
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