円高というのは、円が外貨に対して価値が高くなることだ。一般には、米ドルに対して円の価値が高くなっている状態を円高といっている。1ドル100円なら、米国で売り上げた1ドルは日本で100円になるが、1ドル80円では同じモノを売っても80円の売上にしかならない。円高は輸出企業にとって頭が痛い状況なのだ。
これまでの講義の中で「為替レートってのは結局分からない」とか「円高は別に悪いことじゃないぜ」ってことを言ってきた。今日は手元に”そっち系”じゃない本が用意されているので、紹介しようと思う。高橋洋一さんの本です。高橋洋一さんは内閣参事官として小泉・安倍政権の経済政策を担ってきた人。高橋さんは著書の中で「円高でメリットを受ける企業もあるけど、やっぱり”より強い”輸出企業を後押しする円安の方がいい」と円安奨励の意見を述べる。これって「円高はイコール国の強さを表すんだから、それを是正しようとするってどゆことじゃい!しかも輸出企業、輸出企業って言うけど、それ日本教育による洗脳でしょ。別に日本は全然輸出大国なんかじゃないから。ゆーて15%くらいでしょ」という僕が書いたこと(ぐっちーさんの意見)とは真逆のもの。
でも一定のフェアさを保つためにも高橋洋一さんを筆頭に、日本の円安奨励派が何を考えてそう言っているのかを紹介すること自体は弊害じゃない。まあお勉強のつもりで聞いて下さい。で、最後に、為替レートのシンプルな決め方についても説明を加えるね(こちらも「為替は分かりません」っていう山口さんとは異なる内容)。
まず「円高を是正したければ円を刷って増やせばいい」という高橋洋一さん。日銀にお金を刷らせることによって円高・株価・税収といろんな問題がいい方向にすすむそう。たとえば円を安くすればGDPが増える。GDPが増えれば税収も増える。これは過去30年の推移を見て「円を安くするとGDPが高くなる」というデータをもとに言っているらしい。たしかに円を安くすると輸出企業とその関連会社が儲かるからね。(逆に輸入会社は大変になるね)
次。為替レートの決め方。これは有名な投資家ジョージソロスとほぼ同じ考え方で、ジョージソロスは円の量をドルの量で割った数字を表す図を「ソロスチャート」と読んでいる。え、そんな簡単に決まるの?とあなたは思ったかもしれない。まあ以前「為替は分からない」と説明したからね。こちらは高橋さんの意見なので、もうちょっと聞いて欲しい。意外にもシンプルで驚くと思う。まず為替相場は「マネタリーベース」で説明がつくとのこと。マネタリーベースってのは、世に出回っているお金と日銀当座預金残高を合計した額で、簡単に言うと「お金の量」のこと。で、「日本のお金の量」を「米ドルの量」で割ると為替レートが計算できるんだって。じゃあ為替レートって両方の通貨の量の比なんだね。っていう考え方がマネタリーベースに基づく為替レートのシンプルな決め方。
ただ実際はこのマネタリーベースで説明がつく部分って70%くらいで、他のファクターに関してはまた今度ってところかな。たとえば「じゃあなんでもっと円を刷らないんだよ!」とか「円を刷りまくったらインフレ起こるじゃん」・・・みたいな、ね。はいランチ行ってきます。
文責:石崎力也
参考文献:
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