日本人は欲を隠すのを美徳と考えているが、欧米人は欲望をむき出しにし、まだ他国の資源を支配しようと虎視眈々と狙っている。日本は欧米にさまざまな無茶を要求されても、今まで一貫して許してきた。少し寛容になりすぎたのかもしれない。迷惑をかけられても許す度量のある日本人は、欧米人より高尚で大人であり、すぐれた民族なのである。現在、世界で起きている問題のほとんどが欧米発である。リーマンショックのせいで世界中を不況に陥れ、世界一化石燃料を消費して地球環境を破壊し、世界一戦争を起こしているのもアメリカである。
これ、実はマイクロソフトの日本支社長だった成毛眞さんの言葉なんだね。しかも英語はやるな!っていうことをひたすら訴え続ける本の中にある一節。始めて読んだ当時は「そんなもんかー」って思っていたんだけど、世界経済における日本の役割をよくよく考えてみると確かに日本は寛容になりすぎているのかもしれない。例えば2012年に日本銀行が演じた役割。あれは非常に大きかった。ぐっちーさんの本で紹介されていた、読売新聞のニュースをそのまま取り上げてみる。
円と中国の通貨・人民元を直接交換する為替取引が、6月にも始まることが明らかになった。日中両政府が東京と上海に史上を整備する方向で最終調整しており、近く正式に合意する見通しだ。現在、円と人民元は米ドルを介在させて交換されており、手数料が割高になっている。直接交換が実現すれば、決済費用の削減につながるほか、手続が簡単になることから、日中貿易の円滑化や取引拡大が期待できる。円と人民元の直接交換を巡っては、昨年12月に北京で行われた日中首脳会談で、直接取引市場の整備を進めることで合意し、2月から両国の関係当局による作業部会で協議を進めていた。(読売新聞 2012年5月26日朝刊)
うーん、メディアがこういう風な報道をすると「あたかもミューチュアルな合意によって、そう決まった」みたいな雰囲気になっちゃうんだよね。本来ならここでクローズアップされるべきは「日本銀行のアジアにおける地位とその貢献力」であり、別に日中の貿易手続が簡単になることじゃないんだよねー。
一個一個を整理しながら話してゆくと、まず「日本はアジアにおける唯一のG7の一員」であるということ。それが故に「G7のどの中央銀行とも直接取引ができる」ってことになる。逆に言うと「その他アジアの国は、どこかの国(といっても、それは日本だけど)の中央銀行を経由しない限り、その他の中央銀行と直接取引ができない」ってことだね。どれだけ中国がデッケー国だって言ったとしても、G7の一員じゃないからその他中央銀行へのダイレクトアクセス権は持っていない。じゃあ、しゃーなしだから日本が一肌脱ぎましょうって運びになった。・・・日本偉くない?今回の欧州危機に関して、中央銀行の対応は本当に迅速で素晴らしくない?
ほら、サムスンが日本の企業を追い抜いたとかそういう話はもうやめよーよ。どうでもいい。日本のおかげで韓国は破綻をヘッジできているんだよ。この欧州危機に際して、どれだけ韓国が通貨を守られているか、日本のおかげで。そりゃ、韓国人は書くよ。「Sonyを抜いた、我が世の春、サムスン」ってな感じで(そーゆー人たちだから)。でも日本人までが「負けた、負けた」言うのはなんかおかしくない?(そしてそれは本質ではないことがわかるでしょ、今回の件で)。もう日本は寛容過ぎる。優し過ぎる。メディアもそーゆーとこ、ちゃんと報じようよ。ネガティブマーケティングだけが、メディアのしごとじゃないですぜ。
文責:石崎力也
参考文献:
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