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石崎力也のコンサルティング「いしこん」

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Branding

1-3 ブランド・プロミスを制作するための4つの質問【4社の実例から考える】

Last updated on 2022年11月21日 By 石崎力也

今回のレクチャーではブランド戦略のうち、ブランド・プロミスについてお話しします。ブランド・プロミスを理解することで、あなたが顧客に提供すべきものが明確になります。またブランド・プロミスの作り方もカバーするので、これを見ればあなたのブランドが今後ブレることがなくなるはずです。

ブランド・プロミスは自分の顧客について理解し、正確なマーケティングを行う上で重要な要素です。ブランド・プロミスはよく、バリュー・プロポジションなどとも混同されやすいものです。これらの違いについても解説します。このレクチャーを終える頃には、ブランド・プロミスとは具体的にどのようなものなのか、それらの必要性や、作成方法についても理解できているはずです。では早速見てみましょう。

ブランド・プロミスとは?

ブランド・プロミスとは、そのブランドが顧客に提供することを約束する価値のことです。顧客があなたの製品やサービスを購入するとき、それによって何を得られるのか、何ができるようになるのか、どのように問題が解決するのか、どのように生活が向上するのかといったイメージのことです。

これは「この商品はこういうもので、こういう機能が付帯します」とすごく具体的に説明するものではなく、そのブランドや商品から得られる体験や感情をイメージしてもらうものでなければなりません。言い換えれば、すべての商品を包摂するような上位概念ということです。

また、ブランド・プロミスは、ユーザーがあなたを他のブランドと差別化する基準になるようなものでもあります。

ブランド・プロミスとバリュー・プロポジションの違い

ブランドには、様々な要素がありますよね。ロゴなどの視覚的イメージの他に文章やキャッチフレーズなどの文字情報として以下のものがあります。

  1. バリュー・プロポジション
  2. ブランド・プロミス
  3. タグライン

タグラインというのは、キャッチフレーズに近いものです。ブランドが提供する価値観をまとめた短い文章のことを指します。この3つは混乱しやすいのですが、特に最初の2つ「ブランド・プロミスとバリュー・プロポジションとはどう違うのか?」と迷う人がいるかもしれません。確かに両者はよく似ています。

この2つの違いを説明しておきます。バリュー・プロポジションとは、顧客に付加価値を与え、競合他社との差別化を図る要素を表した短い言葉です。対してブランド・プロミスとは、そのような言葉を説得力のあるストーリーに仕立てたものであるということです。必然的にブランド・プロミスの方が長くなります。

ボルボの例

ここで、自動車メーカーのボルボを取り上げて、バリュー・プロポジションとブランド・プロミスを見てみましょう。ボルボのバリュー・プロポジションは「安全」です。そして、その言葉から次のようなブランド・プロミスを導いています。

Branding volvo brand promise

「人を守り思いやることは、ボルボ車の哲学の中心であり、命を救うためのコミットメントである」

彼らはバリュー・プロポジションである「安全」という言葉を起点に、「自分たちがなぜ安全を重視しているのか」ということを説得力のある物語にして言い換えていることがわかります。

ブランド・プロミスの作成方法

ブランド・プロミスの作り方についてお話ししましょう。ブランド・プロミスは、以下の4つの質問に答えていき、それを一文にまとめることで作ることができます。

  1. あなたの顧客が重視することは何か?
  2. 顧客はなぜあなたを必要とするのか?
  3. 何が彼らを動かすのか?
  4. 彼らは何に興味があるのか?

また、先ほどお話しした通り、ブランド・プロミスとはバリュー・プロポジションをストーリーとして語るものです。そのため、バリュー・プロポジションを基礎としたものであるべきです。

実演:石崎のブランド・プロミスを作ります

さて、では僕らのブランド・プロミスを作ってみましょう。例えば僕らが大切にしているものに「自由(フリー)」という概念があります。これを起点にブランド・プロミスを作ってみましょう。

このフリーという言葉から僕がイメージして欲しいのは、「パソコン1台でどこでも仕事できる」みたいな情報商材屋の薄っぺらいものではありません。アメブロであまり成功していないカウンセラーやコーチが語る「雰囲気だけの自由」でもありません。

もっと実力と才能と、地に足のついた技術にしっかりと裏打ちされた高級なものをイメージしています。これまでビジネスをしっかりやって、お金を稼いできた人たちがウンウンと納得してくれるようなものです。

1番目の質問をしましょう。「あなたの顧客が重視することは何か?」です。これに対する僕の答えは次のようなものです。「既存のビジネスの収益を拡大しながら、手離れの良いビジネスモデルにシフトすること」

彼らはずっとほぼ1人でビジネスをしてきて年収が2000万円、3000万円となるまで走り続けてきました。このあたりで少しゆっくりと人生を楽しむ余裕が欲しい。そんなことを考えているはずです。

2番目の質問「顧客はなぜあなたを必要とするのか?」に対する答えはこうです。「自動化と言いながら自動化で稼げてない自称コンサルタントから教わるのは避けたい。もっと自動化を使ってちゃんと稼いでいるプレーヤーから学びたい」

3番目の質問「何が彼らを動かすのか?」にはこう答えてみます。「お金はあるけど自由に使える時間がなく、旅行先にも必ずMacBook Proを持っていってしまう。ずっとこんな働き方は出来ないと限界を感じている」

最後の質問は「彼らは何に興味があるのか?」でしたね。「自分のやっているコンサルやセミナーの内容をデジタルコンテンツにしたい。それを人ではなく何かツールを使って管理し、効率的に販売したい」そんなことを考えています。

さて、これらの質問から浮かび上がってきたものをブランド・プロミスとしてまとめます。それが次のフレーズになります。

「私はデジタルマーケティングの専門家で、年収3000万円以上のネット経営者を助けます。デジタルコンテンツをマーケティングオートメーションで販売し、そして働く時間を1/10にして売上を10倍にすることを約束します。」

どうでしょうか?年収3000万円以上の経営者にふさわしく「好きな人と好きな場所」のような手垢のついた表現は使っていません。そこをあえて「働く時間を1/10にして売上を10倍に」といった、経営者が反応してくれそうな言葉に変換しています。

実際ここまで質問に答えて、文章にまとめていくには何人かのペルソナとなる人たちにヒアリングする必要も出てくるかもしれません。

ブランド・プロミスの実例

ここでは、いくつかの企業におけるブランド・プロミスの実例について見てみましょう。色々な種類のブランド・プロミスを見ることであなたのブランド・プロミスを作る参考になるはずです。

例1:Planet Fitness 「ジャッジメント・フリー・ゾーン」

アメリカの大手フィットネス・ジムであるPlanet Fitnessのブランド・プロミスは「ジャッジメント・フリー・ゾーン」です。「ジャッジメント・フリー・ゾーン」とは、直訳すると「無批判区間」となります。

つまり、初心者や運動が苦手な人であっても、周りの目を気にすることなく、誰にも批判されることもなく、自由に身体を動かすことができるというゾーンです。「ジム全体がそういう場所なので運動音痴でも、太っていても、マイノリティでも気にしないでいいですよ。」というメッセージです。

実際にPlanet Fitnessのページに掲載されている文章を見てみましょう。

Branding planet fitness mission

「プラネットフィットネスは、誰もが快適に過ごせるユニークな環境を提供するために存在しています。」

これは、競合他社との差別化をブランド・プロミスで示している好例です。Planet Fitnessではどの店舗に行っても、常にジャッジメント・フリー・ゾーンが約束されているのです。会員は、ジムにありがちな威圧感にさいなまれることなく快適に運動ができるのです。

例2:Google「世界中の情報を整理して開放する」

世界最大の検索プラットフォームであるGoogleのブランド・プロミスは「世界中の情報を整理して開放する」ことです。

Branding google mission

彼らの実際の言葉を借りれば「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」

これも、競合他社との差別化をしている例ですね。Googleは世界のすべての情報をインデックスすると言っているのです。この情報にはブログやホームページだけでなく、動画、音楽、ストリートビューやお店の情報などを含む地図も入っています。

実際にGoogle Earthを使えば、月のクレーターまでハッキリと見ることができます。つまりGoogleは、あなたが探しているものを正確に見つけることができると約束しているのです。事実、Googleで検索すればあらゆるものが見つかることはあなたもご存知の通りです。

例3:Geico「15分で15%以上の自動車保険料を節約」

Geico(ガイコ)は、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ傘下の自動車保険会社です。Geicoのブランド・プロミスは「15分で15%以上の自動車保険料を節約する」です。

これは、実際にGeicoのCMで使われていたフレーズです。具体的で測定可能な数値を約束している例で、消費者としてもすごくわかりやすいですよね?わずか「15分間」という時間で、確実に「15%」の自動車保険料を節約できると約束しています。

Branding forbes geico 15percent

Forbes(フォーブス)に「実際にGeicoで15%以上節約できるのか?」という検証記事が掲載されています。それを見ると、実際にはアメリカの8つの州で19.8%の節約が出来たことが確認されています。ブランド・プロミスがしっかり守られていますね。

例4:ディズニー「エンターテインメントで世界中に幸せを」

世界各地にテーマパークを展開するディズニーのブランド・プロミスはこうです。

「私たちは、世界中のあらゆる世代の人々に、最高のエンターテインメントを提供することで、幸せを創造します。」

このブランド・プロミスを見ると、彼らは顧客がなぜディズニーを必要としているのか、ディズニーの何が顧客の心を動かしているのかを的確に把握していることがわかります。ディズニーに遊びに来る顧客は、非日常的な夢や魔法の世界を求めているのですね。

また、彼らは自身の価値を示すために、実用的な言葉を使っていることも特徴的です。つまり、「家族旅行でディズニーを利用すれば、魔法のような体験ができる」と約束しているのです。

Branding disneyland paris

かくいう僕もパリのディズニーランドの年間パスを家族全員分持っています。オランダからは、電車でも車でも4時間で着きます。僕も昔からディズニーは好きだし、東京にも香港にも足を運びました。

まとめ:4つの質問を使って確実な約束事を作る

ブランド・プロミスを顧客が求めているもの、そしてあなたがブランドを通して提供すべきものをしっかりと定めることができます。この作業はじっくり行ってください。なぜなら頻繁にブランド・プロミスを作り変えて、約束事がコロコロ変わってしまうと逆に顧客を不安にさせるからです。

今回紹介した4つの質問を使いながら、僕や実際の企業の例を参考にしつつ、1つの文章にまとめてください。この作業には時間がかかるかもしれませんが、正確なマーケティングのための第一歩です。それを忘れないでください。このレクチャーは以上です。また次回、お会いしましょう。

1-6 ブランドイメージを統一するガイドラインの作り方【チーム作業も効率化】

Last updated on 2022年11月29日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、ブランド・ガイドラインの策定についてお話します。ブランド・ガイドラインとは、あなたのブランドの見た目や雰囲気、ロゴ、音楽などを規定するガイドラインのことです。このレクチャーを見れば、チーム内でブランドコンセプトに関する意識を共有し、効率の良い仕事をすることが可能になります。

ブランド・ガイドラインを定める目的は、ブランドの見た目や印象に一貫性を持たせることです。このガイドラインがあることで、あなたのチームの誰が仕事をしても、あなたのブランドの印象を統一できるようになります。結果的にお客さんに届くメッセージはきちんとしたものになり見込客の信頼獲得につながることになります。

ブランド・ガイドラインとはブランド要素のトリセツ

まずブランド・ガイドラインとは何かについて見ていきましょう。ブランド・ガイドラインとは、ブランドが発するメッセージを適切に見込客に届けるための手引書のようなものです。「ブランドのロゴを使うときは、こういうことに注意してくださいね。そうでないとブランドのイメージが正しく見込客に伝わらないんです」といった注意点を盛り込んだ説明書だと考えてください。

たいていビジネスが大きくなってくると複数のメンバーが関与してきます。最初はあなた1人でやっていた仕事も、他のメンバーにお願いする必要が出てきます。他のメンバーと一緒に仕事をする際にも、統一されたルールがあれば成果物の品質のバラツキを抑えることができます。

ブランド・ガイドラインを作ることで、元々のブランドメッセージをそのまま見込客に伝えることが出来るようになります。またチーム内での修正作業やコミュニケーションのミスも減らすことが出来ます。総合的にブランドに関わる仕事の効率を上げることが可能になります。

ブランド・ガイドラインに盛り込む項目

まずは、ブランド・ガイドラインに盛り込むべき項目について紹介します。ブランド・ガイドラインに盛り込む項目は次のようなものがあります。

  • ブランドの基本概念
  • ロゴやカラーに関する決まり
  • コンテンツに関する決まり

まずはブランドの基本概念から見て行きましょう。

ミッション/ビジョン/ブランド・プロミス

ブランド・ガイドラインの冒頭には、あなたのブランドの基本概念となるミッション、ビジョン、そしてブランド・プロミスを載せてください。これらの要素をガイドラインに加えることで、ブランドの目標がチーム内で共有されます。その結果、作成するすべてのコンテンツがあなたのイメージ通りにブランド化されてゆくのです。

ここでは、ファッションブランド「Urban Outfitters」のブランド・ガイドラインを見てみましょう。彼らはブランド・ガイドラインの冒頭にブランドの基礎となるミッション、ビジョン、ブランド・プロミスを載せています。

Brand urban outfitters about brand

自社ブランドのミッション、価値観、ブランド・プロミスが明記されていることがわかりますね。ブランド・プロミスとは、簡単に言えばそのブランドが顧客に対して提供することを約束する体験や価値のことです。

Urban Outfittersのブランド・プロミスは「エッジの効いたファッションや一風変わったライフスタイル製品を手頃な価格で提供し、クリエイティブで個性的なお客様を満足させること」となっていることがわかります。

こういった基本的なブランドの考え方を、チーム内のメンバーに浸透させることは大きな意味があります。Urban Outfittersのような大きな会社では、こういった基本的な概念を理解した上で、ブランドに関わる仕事をしてもらう必要が出てくるのです。

バリュー・プロポジション

バリュー・プロポジションも、ブランド・ガイドラインに含めるべき項目のひとつです。これは、企業が提供する価値を3行程度の印象的な言葉でまとめたものです。ここでも、Urban Outfittersの例を見てみましょう。

Brand urban outfitters value

Urban Outfittersのバリュー・プロポジションとして、次のことを挙げています。これらもブランド・ガイドラインの中に掲載されています。

  • 目新しい
  • 文化的
  • 都会的
  • ストリート
  • 陽気な

バリュー・プロポジションやブランド・プロミスの詳しい内容や作り方については、別のレクチャーで解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

ターゲットとなるペルソナ像

次にあなたのブランドが想定しているペルソナの情報も入れましょう。ユーザー・ペルソナとは、あなたの企業が狙う顧客像のことです。ターゲット・オーディエンスと呼ばれることもありますね。

Urban Outfittersのペルソナをすごく具体的に定義しています。本当に実在する人物のようにすごく具体的に書かれていますし、人物の写真も載っています。他にもその人の属性や趣味などが記載されています。

Brand urban outfitters about persona

Urban Outfittersが作ったペルソナは、次の通りです。おそらく実在の人物なのでしょう。

  • 名前:ローズ
  • 年齢:19歳
  • 職業:美大生
  • 彼女を表す3つの言葉:ヒッピー、風変わり、元気がある

さらに、彼女にとっての理想の一日がどのようなものであるかについても書かれていますね。ペルソナが社会人の場合は、彼らの仕事の内容や抱えている課題について書かれることが一般的です。しかし、今回のペルソナは美大生なので、おそらくまだ仕事に就いていません。

そのため、代わりに彼女の最高の一日の過ごし方は「夏に友達とゆったりお酒を飲みながら過ごすこと」だと書かれていますね。実際の彼女をイメージした画像も載っているので、すごくビビッドにペルソナをイメージすることができます。

ロゴやカラーに関する決まり

ブランド・ガイドラインでは、そのブランドが使用するロゴマークについても細かく規定されているケースが多いです。具体的にどのような項目があるのか、詳しく見てみましょう。

ロゴカラーをカラーコードで指定する

まずは、ロゴの色についてです。ここからは、音楽ストリーミングサービスのSpotifyを例にロゴのルールについて見ていきます。

Brand spotify color

Spotifyではこのように、HTMLで表す色の「Hex値」、パソコンの画面で表示される色の「RGB」、印刷時に表示される「CMYK」がそれぞれ指定されています。ポイントは、緑や青と言った曖昧な指定の方法ではなく、しっかりとしたカラーコードで指定することです。これにより作業する人によって色のバラツキをなくすことが出来ます。

エクスクルージョン・ゾーンで余白の取り方も指定する

ロゴについては、エクスクルージョン・ゾーンも規定されます。エクスクルージョン・ゾーンとは、上下左右に十分な余白を取ることで、実際のロゴの印象を変えないようにするための領域のことです。Spotifyの例では以下のようになっています。

Brand spotify logo exclusion zone

こういったエクスクルージョン・ゾーンのような余白をきちんと作らないと、ロゴの見え方が変わってきてしまうことがわかりますね。ブランドのイメージを統一するためには、あなたのロゴを使う全ての人が、正確にそれを使用する方法を知っている必要があるのです。

ロゴのルールや誤用例

ロゴを使用する際のルールや誤用例について明記しておくことも大切です。正しい使い方だけでなく、あえて間違った使い方を載せることで、ロゴの使い方がより具体的になります。Spotifyでもロゴの誤用例をいくつも掲載しています。

Brand spotify logo misuse

例えば、「Spotify」の文字は常にマークの右側に置かれなければならず、下や上や左に置くことは許されません。また、ロゴマークにグラデーションを使用するのも禁止されています。ロゴマークや「Spotify」の文字を斜めにしたり、ロゴ自体を回転させてもいけません。当然、ロゴマークや文字の色を変えることも許されません。

セカンダリー・カラー

メインのロゴカラーの副次的な色として使用して良い色が指定されることもあります。この副次的な色は「セカンダリー・カラー」と呼ばれるものです。

イギリスのシェフ・Jamie Oliverは、自身の作品に対して使える色の範囲を指定した、カラーパレットを作成しています。

Brand jamie oliver color palette

このようにカラーパレットとして、色を指定しておくことでメインカラー以外の色を使いたい場合に、色がバラバラになるのを避けることが可能です。このようなセカンダリー・カラーを定めることも、ブランドの一貫性を維持するのに役立ちます。

Brand canva brand asssets

ちなみにCanvaでは、このような色の組み合わせをあなたのブランドカラーとして登録しておく機能があります。この機能は「ブランドキット」と呼ばれていて、カラーだけでフォントやフォントサイズ、ブランドのロゴ画像も登録しておくことが可能です。これらは登録しておけば、Canvaの中ですぐに呼び出せるようになっているのですごく便利です。

主要フォント

ガイドラインでは、ロゴや製品で利用するフォントを規定することもできます。ただしフォントに関しては、表示環境に依存することもあるので、ある程度ゆるやかに規定しているブランドも存在します。

Brand utk edu font

例えば、テネシー大学ノックスビル校ではメインのフォントと、サブとなるフォントを明確に決めています。例えば見出しなどの短めの単語に関しては、Gotham(ゴッサム)というフォントを使う指示になっています。記事の本文などの長めの文章にはGeorgia(ジョージア)というフォントが指定されています。

Brand spotify font2

Spotifyの場合は、色々なケースを想定しています。まず「Spotify Circular」と呼ばれる自社で開発したフォントを使ってもらいます。もしそのフォントが何かの理由で使えない場合には、いくつかの選択肢があります。そのプラットフォームのデフォルトのサンセリフフォントであったり、HelveticaやArial(エイリアル)を使うことになります。

コンテンツに関する決まり

ブランド・ガイドラインでは、そのブランドが提供するコンテンツについても規定することができます。たとえば、すごく落ち着いたブランドなのに言葉や内容が過激なものだったり、お客さんが引いてしまいますよね。

ブランドとして、どのようなコンテンツを作るか?ということについても基準となるものを、ブランド・ガイドラインに掲載することが可能です。

コンテンツ内容を決める「コンテンツ・スタンダード」

コンテンツ・スタンダードとは、そのブランドが提供する全てのコンテンツに共通する基準のことです。Shopify(ショピファイ)の例を見てみましょう。

Shopifyのコンテンツ基準は「常に顧客のニーズに応えること」です。そのために、すべてのコンテンツが誰が読んでもわかるような文章で書かれることが求められています。加えて、コンテンツは「顧客に対して行動を起こさせるようなもの」であるべきとも決められています。

つまり、顧客のニーズに応えていたとしても、読んで単に気分がよくなるだけのコンテンツはダメということを意味します。このようにきちんとしたコンテンツの基準を決めておくと、複数のメンバーで作業した時にも品質を一定に保つことが可能になります。

表現方法を決める「ブランド・トーン」

ブランド・トーンとは、あなたのブランドで発信されるコンテンツが、どのようなトーンで語られるべきかということです。このトーンというのは、口調や雰囲気という意味です。これはつまり、ターゲットとなるペルソナに合わせた言葉の表現を使おうということになります。

先程紹介したコンテンツ・スタンダードが中身の話ならば、このブランド・トーンは言葉遣いや表現方法ということになります。Shopifyのブランド・トーンの例を紹介します。

Brand shopify voice guidelines

これを見ると、Shopifyではブランドが発信する文章は、以下のようなものであるべきと定められています。

  • リアルだが、厳しすぎず、馴れ馴れしすぎないこと。
  • 積極的だが、必要以上に押し付けがましくならないこと。
  • ダイナミックでありながら、散漫でなく衝動的でないこと。
  • ガイドはするが、やりすぎない、答えを処方しない。

このように規定することで、社員の誰が書いても文章に一貫性を持たせることができます。このほかにも、例えばブランドが使用する特定の単語を大文字にすることを指定したり、タイトルの文字サイズを指定したり、文体を指定したりしても良いでしょう。

まとめ:ガイドラインを設定してブランドイメージを統一する

ブランド・ガイドラインは、顧客があなたのブランドに対して同じ印象を持ってもらうために非常に重要です。これを作ることで、あなたのチームの誰が作業をしても、統一されたブランドイメージを保持できるようになります。

ここで紹介した項目を定めていくことで、あなたのブランドと他のブランドとをはっきりと差異化することができるでしょう。今回のレクチャーは、以上です。また次回、お会いしましょう。

1-5 タグラインを作ってブランドメッセージを伝える方法

Last updated on 2022年3月23日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、ブランドのメッセージを顧客に伝える方法について取り上げます。顧客にメッセージを伝えるために使われるのがタグラインとメッセージング・アーキテクチャと呼ばれるものです。今回はこの2つを詳しく解説し、これらの作り方も同時に見ていきましょう。

優れたタグラインというのは一見耳触りの良いきれいな文章のことではありません。ブランドの伝えたいメッセージを凝縮して作った、そのブランドの価値を体現するものでなくてはなりません。またブランドのメッセージを表現する言葉がバラバラでは意味がありません。それらを統一するためにメッセージング・アーキテクチャを作りましょう。このレクチャーを終える頃には、優れたタグライン、メッセージング・アーキテクチャとは何か、そして顧客の心に響くような言葉の生み出し方について理解できているはずです。

タグラインについて理解する

まずは、タグラインについてお話しします。タグラインとは、あなたのブランドのキャッチコピーのようなものです。「キャッチコピー」と聞くと、以下の3つの言葉にはどのような違いがあるのかと少し混乱してしまう人もいるかもしれません。

  • バリュー・プロポジション
  • ブランド・プロミス
  • タグライン

この3つは、どれも企業の目標や価値観を表現するために作られる言葉ですが、その具体的な内容や目的は異なります。それぞれについて、詳しく見てみましょう。

バリュー・プロポジション

バリュー・プロポジションとは、競合他社と差別化して、顧客に付加価値を与えるための言葉です。具体的に言えば顧客があなたのロゴを見たときに、直感的に抱いて欲しいフレーズや言葉のことです。これはすごく短い一言に凝縮されます。

自動車のボルボであれば「安全性」というのがバリュー・プロポジションにあたります。Uberであれば「利便性」という風になります。

ブランド・プロミス

ブランド・プロミスとは、ブランドが顧客に対してする約束です。つまり、顧客があなたの企業を利用するたびに期待できる価値や体験のことです。例えば、ボルボの例はこうでした。

「人を守り思いやることは、ボルボ車の哲学の中心であり、命を救うためのコミットメントである」

これは先程のバリュー・プロポジションを起点にして、より説得力のある長めの文章に整えています。

タグライン

最後にタグラインとは、キャッチフレーズやスローガンのことです。つまり、ブランドが提供することやブランドの持つ価値観を、印象的な短い文章で伝えるものです。可能な限り短いフレーズで、あなたが何をするのかを示します。

バリュー・プロポジションをもっとキャッチーな言葉で表現したものになります。あなたが消費者として最も触れる部分がこのタグラインになります。いくつかの例をご紹介していきます。

ボルボのタグラインの実例

ここで、自動車会社のボルボを例として見てみましょう。ボルボが打ち出す価値は「高い安全性」であり、これが他の自動車会社とは大きく異なる点です。

Branding volvo safety

ボルボのブランド・プロミスは、「人を守り、人を思いやることがボルボの哲学の中心であり、命を救うことが我々のコミットメントである」というものです。この言葉をキャッチフレーズ、つまりタグラインにすると「for life(いのちため、人生のため)」となっています。

様々な分野のタグラインの例

ボルボに限らず他の分野のタグラインも紹介していきましょう。どうしてもブランドというと、車とか時計とかジュエリーみたいなラグジュアリーな品物ばかりをイメージしてしまいます。ですが、実際はもっと自分たちの生活に密着したブランドも沢山あります。

Teachable tagline

Teachableはオンラインスクールを作るためのツールです。彼らのサイトには「Share what you know.(あなたの知っていることをシェアしよう)」というタグラインが使われています。その次に続く文章は「オンラインコースやコーチングサービスを作成して、あなたの経験やノウハウを、ナレッジビジネスとして成功させましょう。」となっています。

MailChimp tagline

メール配信サービスのMailChimpのタグラインは「Get down to business and grow sales.(本来のビジネスに専念して売上を伸ばそう)」です。面倒なことはMailChimpにまかせて、あなたは売上の上がる仕事に集中しようという意味です。

ちなみにこのMailChimpは、2021年に会計ソフト会社のIntuit(イントゥイット)に1億3000万円で買収されました。2001年に創業して、1300人ほどの従業員を抱えるまでになりました。僕もメインのメールプラットフォームとして使っているしっかりとした開発母体の会社です。

Uber tagline

僕が家族で世界旅行していた時に使っていたUberは、こんなタグラインです。「Get in the driver’s seat and get paid.(運転席に座って、報酬を得よう)」UberのサブブランドであるUber Eatsは「Order food to your door(美味しい料理が玄関先に)」です。

Hellofresh tagline

食材セットのサブスクサービスであるHelloFreshはこうです。「Take the stress out of mealtime(ごはんどきのストレスから解放されよう)」子供がいて時間のない僕らのような家庭にはHelloFreshは救世主です。

Hellofresh orders

あらかじめ自分の欲しいジャンルのミールと人数、1週間の回数を選んでおきます。そうすると、塩と胡椒以外の食材をすべてダンボールに詰めて、家まで配達してくれるんです。ミールキットなので、レシピに対応した食材をそのまま調理するだけ。料理好きの妻でも満足できるレベルのご飯に仕上がります。

タグラインの作り方

タグラインを作る方法について簡単に紹介すると、以下の通りとなります。

  • あなたのビジネス内容の全体を書き出す
  • 書き出した内容を2行にまとめる
  • さらに突き詰めて、一文に要約する

ボルボのタグラインをトレースする

自動車会社のボルボの例を取り上げて、ワークショップをしてみましょう。まず、彼らのビジネスの全体を書き出すと、こうなります。

Branding volvo brand story

「私たちは、1927年以来、最新のシートベルトから側面衝突保護システムまで、自動車業界を変えるイノベーションを生み出してきました。私たちのビジネスの中心は、運転手と乗員の命を守ることです。今日では、ボルボは最も安全で最も革新的なプレミアムカーブランドのひとつとなっています。そして、電気自動車、自動運転、コネクティッドカーなどをはじめとする、未来の自動車の実用化に向けた準備もしています」

続いて、上記の内容を2つの文章にまとめます。こうしましょう。

「あなたと乗員の命を守ることが、常に私たちのビジネスの中心でした。そして今、ボルボは、最も安全で最も革新的な自動車ブランドのひとつです」

ボルボでは、これをさらに煮詰めて、「for life(いのちため、人生のため)」としています。ボルボは自分たちの価値提案とブランドプロミスを、いかに気の利いた短いキャッチフレーズにまとめているかがわかります。

タグラインについて覚えておいてほしいのは、ただ綺麗な言葉を並べただけではダメだということです。人々は耳触りの良いスローガンだからという理由だけでは、あなたの製品を買おうとはしません。

人々がマクドナルドを食べる理由は、そのスローガンが「I’m loving it」という魅力的なフレーズだからというわけではないのと同じです。タグラインは、人があなたのブランドを記憶して、他のブランドとするための単なる手段なのです。

メッセージング・アーキテクチャとは用語の統一

続いては、メッセージング・アーキテクチャについてお話ししていきましょう。メッセージング・アーキテクチャとは、社内外で自分のブランドについて語る際の統一された言葉のここことです。

もしもブランドの発するメッセージにバラバラな言葉が使われていたら、変に感じますよね?例えばSlackは、自分たちのことを「Digital Headquarter」という言葉で、自分たちを仕事の仲間と情報がすべて入った場所ということを表現しています。

もしこれが、別の場所で「何でもBOX」のような言葉を使っていたら、「ブランドとしての統一性が無いな」と反射的に感じてしまうはずです。ブランドが発するメッセージを1つの統一された言葉として、繰り返し使っていくためにメッセージング・アーキテクチャが必要になります。

具体的には、以下のことについて説明する場合の言葉を統一させます。

  • 自分たちは何者か?(Who)
  • 何をしているのか?(What)
  • なぜそれをしているのか?(Why)

これらの事柄について明文化してください。そして、それを企業のブログ記事から社員用資料、オリエンテーション資料、社外向け資料まであらゆる要素に使われていくことになります。

メッセージング・アーキテクチャを作る手順

メッセージング・アーキテクチャの構築方法について見てみましょう。

  1. あなたのブランドの価値を表すポイントやストーリーを3つ選ぶ
  2. その上でそれらのポイントを端的に表す3つの言葉を選ぶ

シンプルですね。あなたのブランド、あなたの企業が顧客に提供する価値を、キャッチーに表してくれる言葉を考えてみてください。

メッセージング・アーキテクチャの例

ここでは、メッセージング・アーキテクチャの例を見てみましょう。

Brand cookie tates bake shop

例えば、クッキーの会社なら次の言葉を使うかもしれません。

  • ヘルシーな原材料
  • オリジナルのレシピ
  • 特徴的な味わい

先ほどのボルボの例に戻って考えてみましょう。

Branding volvo car safety

ボルボのメッセージング・アーキテクチャは、次のようになるはずです。

  • 業界を変えるイノベーション
  • 命を守る絶対の安全性
  • 実用的な高級品

さてあなたのブランドはどうでしょうか?あなたのブランドの価値を表すようなポイントやストーリーを3つ挙げてください。最初から3つに絞るのが難しい場合は、5個、10個とブレインストーミングで書き出してください。そこから選んだ3つをさらに、端的な言葉まで短くしていけばよいのです。

あなたの企業においても、上記のようなわかりやすくシンプルな3つの言葉を決めてください。このフレーズは、コンテンツ戦略の指針にもなります。また、新しいコンテンツのアイデアを生み出す際の軸にもなるはずです。

まとめ:ブランドメッセージを確立させる

今回は、タグラインとメッセージング・アーキテクチャについて解説しました。タグラインとはブランドが提供する価値を凝縮した短い文章のことでした。キャッチフレーズとも言えますが、ブランドの思想が反映されている必要があります。またメッセージング・アーキテクチャとはブランドの内外でメッセージを発する場合に使われる、統一された用語のことでした。

それぞれを明確にすることで、ブランドが提供する価値を顧客に印象付けることができます。どちらもブランドイメージの確立に非常に有効なものですが、ここで紹介する手順に従えば、難しいことではないことがわかりますね。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。

1-4 ブランド・プロミスを制作するための4つの質問【5社の実例を参考に実演します】

Last updated on 2022年3月21日 By 石崎力也

今回のレクチャーではブランド戦略のうち、ブランド・プロミスについてお話しします。ブランド・プロミスを理解することで、あなたが顧客に提供すべきものが明確になります。またブランド・プロミスの作り方もカバーするので、これを見ればあなたのブランドが今後ブレることがなくなるはずです。

ブランド・プロミスは自分の顧客について理解し、正確なマーケティングを行う上で重要な要素です。ブランド・プロミスはよく、バリュー・プロポジションなどとも混同されやすいものです。これらの違いについても解説します。このレクチャーを終える頃には、ブランド・プロミスとは具体的にどのようなものなのか、それらの必要性や、作成方法についても理解できているはずです。では早速見てみましょう。

ブランド・プロミスとは?

ブランド・プロミスとは、そのブランドが顧客に提供することを約束する価値のことです。顧客があなたの製品やサービスを購入するとき、それによって何を得られるのか、何ができるようになるのか、どのように問題が解決するのか、どのように生活が向上するのかといったイメージのことです。

これは「この商品はこういうもので、こういう機能が付帯します」とすごく具体的に説明するものではなく、そのブランドや商品から得られる体験や感情をイメージしてもらうものでなければなりません。言い換えれば、すべての商品を包摂するような上位概念ということです。

またブランド・プロミスは、ユーザーがあなたを他のブランドと差別化する基準になるようなものでもあります。あなたがブランドを通して提供するものを書くだけでなく、他のブランドとの違いについても表現できると良いでしょう。

ブランド・プロミスとバリュー・プロポジションの違い

ブランドには、様々な要素がありますよね。ロゴなどの視覚的イメージの他に文章やキャッチフレーズなどの文字情報として以下のものがあります。

  1. バリュー・プロポジション
  2. ブランド・プロミス
  3. タグライン

タグラインというのは、キャッチフレーズに近いものです。ブランドが提供する価値観をまとめた短い文章のことを指します。この3つは混乱しやすいのですが、特に最初の2つ「ブランド・プロミスとバリュー・プロポジションとはどう違うのか?」と迷う人がいるかもしれません。確かに両者はよく似ています。

この2つの違いを説明しておきます。バリュー・プロポジションとは、顧客に付加価値を与え、競合他社との差別化を図る要素を表した短い言葉です。対してブランド・プロミスとは、そのような言葉を説得力のあるストーリーに仕立てたものであるということです。必然的にブランド・プロミスの方が長くなります。

ボルボの例

ここで、自動車メーカーのボルボを取り上げて、バリュー・プロポジションとブランド・プロミスを見てみましょう。ボルボのバリュー・プロポジションは「安全」です。そして、その言葉から次のようなブランド・プロミスを導いています。

Branding volvo brand promise

「人を守り思いやることは、ボルボ車の哲学の中心であり、命を救うためのコミットメントである」

彼らはバリュー・プロポジションである「安全」という言葉を起点に、「自分たちがなぜ安全を重視しているのか」ということを説得力のある物語にして言い換えていることがわかります。

ブランド・プロミスを作るための4つの質問

ブランド・プロミスの作り方についてお話ししましょう。ブランド・プロミスは、以下の4つの質問に答えていき、それを一文にまとめることで作ることができます。

  1. あなたの顧客が重視することは何か?
  2. 顧客はなぜあなたを必要とするのか?
  3. 何が彼らを動かすのか?
  4. 彼らは何に興味があるのか?

また、先ほどお話しした通り、ブランド・プロミスとはバリュー・プロポジションをストーリーとして語るものです。そのため、バリュー・プロポジションを基礎としたものであるべきです。

実演:石崎のブランド・プロミスを作ります

さて、では僕らのブランド・プロミスを作ってみましょう。例えば僕らが大切にしているものに「自由(フリー)」という概念があります。これを起点にブランド・プロミスを作ってみましょう。

このフリーという言葉から僕がイメージして欲しいのは、「パソコン1台でどこでも仕事できる」みたいな情報商材屋の薄っぺらいものではありません。アメブロであまり成功していないカウンセラーやコーチが語る「雰囲気だけの自由」でもありません。

もっと実力と採用と、地に足のついた技術にしっかりと裏打ちされた高級なものをイメージしています。これまでビジネスをしっかりやって、お金を稼いできた人たちがウンウンと納得してくれるようなものです。

1番目の質問をしましょう。「あなたの顧客が重視することは何か?」です。これに対する僕の答えは次のようなものです。「既存のビジネスの収益を拡大しながら、手離れの良いビジネスモデルにシフトすること」

彼らはずっとほぼ1人でビジネスをしてきて年収が2000万円、3000万円となるまで走り続けてきました。このあたりで少しゆっくりと人生を楽しむ余裕が欲しい。そんなことを考えているはずです。

2番目の質問「顧客はなぜあなたを必要とするのか?」に対する答えはこうです。「自動化と言いながら自動化で稼げてない自称コンサルタントから教わるのは避けたい。もっと自動化を使ってちゃんと稼いでいるプレーヤーから学びたい」

3番目の質問「何が彼らを動かすのか?」にはこう答えてみます。「お金はあるけど自由に使える時間がなく、旅行先にも必ずMacBook Proを持っていってしまう。ずっとこんな働き方は出来ないと限界を感じている」

最後の質問は「彼らは何に興味があるのか?」でしたね。「自分のやっているコンサルや公演の内容をデジタルコンテンツにしたい。それを人ではなく何かツールを使って管理し、効率的に販売したい」そんなことを考えています。

さて、これらの質問から浮かび上がってきたものをブランド・プロミスとしてまとめます。それが次のフレーズになります。

「私はデジタルマーケティングの専門家で、年収3000万円以上のネット経営者を助けます。デジタルコンテンツをマーケティングオートメーションで販売し、そして働く時間を1/10にして売上を10倍にすることを約束します。」

どうでしょうか?年収3000万円以上の経営者にふさわしく「好きな人と好きな場所」のような手垢のついた表現は使っていません。そこをあえて「働く時間を1/10にして売上を10倍に」といった、経営者が反応してくれそうな言葉に変換しています。

実際ここまで質問に答えて、文章にまとめていくには何人かのペルソナとなる人たちにヒアリングする必要も出てくるかもしれません。

ブランド・プロミスの実例

ここでは、いくつかの企業におけるブランド・プロミスの実例について見てみましょう。あなたが知っている企業がいくつも登場するはずです。半分は実際に僕が使っているサービスです。では見ていきましょう。

例1:Planet Fitness 「ジャッジメント・フリー・ゾーン」

アメリカの大手フィットネス・ジムであるPlanet Fitnessのブランド・プロミスは「ジャッジメント・フリー・ゾーン」です。「ジャッジメント・フリー・ゾーン」とは、直訳すると「無批判区間」となります。

つまり、初心者や運動が苦手な人であっても、周りの目を気にすることなく、誰にも批判されることもなく、自由に身体を動かすことができるというゾーンです。

「ジム全体がそういう場所なので運動音痴でも、太っていても、マイノリティでも気にしないでいいですよ。」というメッセージです。実際にPlanet Fitnessのページに掲載されている文章を見てみましょう。

「プラネットフィットネスは、誰もが、つまり誰もが快適に過ごせるユニークな環境を提供するために存在しています。」

これは、競合他社との差別化をブランド・プロミスで示している好例です。Planet Fitnessではどの店舗に行っても、常にジャッジメント・フリー・ゾーンが約束されているのです。会員は、ジムにありがちな威圧感にさいなまれることなく快適に運動ができるのです。

例2:Google「世界中の情報を整理して開放する」

世界最大の検索プラットフォームであるGoogleのブランド・プロミスは「世界中の情報を整理して開放する」ことです。

Branding google mission

彼らの実際の言葉を借りれば「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」

これも、競合他社との差別化をしている例ですね。Googleは世界のすべての情報をインデックスすると言っているのです。この情報にはブログやホームページだけでなく、動画、音楽、ストリートビューやお店の情報などを含む地図も入っています。

実際にGoogle Earthを使えば、月のクレーターまでハッキリと見ることができます。つまりGoogleは、あなたが探しているものを正確に見つけることができると約束しているのです。事実、Googleで検索すればあらゆるものが見つかることはあなたもご存知の通りです。

例3:Geico「15分で15%以上の自動車保険料を節約」

Geico(ガイコ)は、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ傘下の自動車保険会社です。Geicoのブランド・プロミスは「15分で15%以上の自動車保険料を節約する」です。

これは、実際にGeicoのCMで使われていたフレーズです。具体的で測定可能な数値を約束している例で、消費者としてもすごくわかりやすいですよね?わずか「15分間」という時間で、確実に「15%」の自動車保険料を節約できると約束しています。

Branding forbes geico 15percent

Forbes(フォーブス)に「実際にGeicoで15%以上節約できるのか?」という検証記事が掲載されています。それを見ると、実際にアメリカの8つの州で19.8%の節約が出来たことが確認されています。ブランド・プロミスがしっかり守られている良い例ですね。

例4:ディズニー「エンターテインメントで世界中に幸せを」

世界各地にテーマパークを展開するディズニーのブランド・プロミスはこうです。「私たちは、世界中のあらゆる世代の人々に、最高のエンターテインメントを提供することで、幸せを創造します。」

このブランド・プロミスを見ると、彼らは顧客がなぜディズニーを必要としているのか、ディズニーの何が顧客の心を動かしているのかを的確に把握していることがわかります。ディズニーに遊びに来る顧客は、非日常的な夢や魔法の世界を求めているのですね。

また、彼らは自身の価値を示すために、実用的な言葉を使っていることも特徴的です。つまり、「家族旅行でディズニーを利用すれば、魔法のような体験ができる」と約束しているのです。

Branding disneyland paris

かくいう僕もパリのディズニーランドの年間パスを家族全員分持っています。オランダからは、電車でも車でも4時間で着きます。僕も昔からディズニーは好きだし、東京でも香港でも足を運びました。小さな子供を3人も連れてディズニーに行くのは大変ですが、子供だけでなく大人の僕らも毎回楽しんでいます。

まとめ:4つの質問を使って確実な約束事を作る

ブランド・プロミスを顧客が求めているもの、そしてあなたがブランドを通して提供すべきものをしっかりと定めることができます。この作業はじっくり行ってください。なぜなら頻繁にブランド・プロミスを作り変えて、約束事がコロコロ変わってしまうと逆に顧客を不安にさせるからです。

今回紹介した4つの質問を使いながら、僕や実際の企業の例を参考にしつつ、1つの文章にまとめてください。この作業には時間がかかるかもしれませんが、正確なマーケティングのための第一歩です。それを忘れないでください。このレクチャーは以上です。また次回、お会いしましょう。

あなたのブランドのターゲットとなるペルソナを作る13の質問【質問に答えて高速作成】

Last updated on 2023年1月28日 By 石崎力也

今回のレクチャーでは、ブランド戦略のうち、ターゲット・オーディエンスつまりペルソナについてお話しします。これはあなたの顧客についての理解を深め、正確なマーケティングを行う上で重要です。

このレクチャーを終える頃には、ターゲット・オーディエンスとは具体的にどのようなものなのか、それらの必要性や作り方についても理解できているはずです。またレクチャーの中でターゲット・オーディエンスを作るための具体的な質問リストもお見せします。では早速見てみましょう。

ターゲット・オーディエンスを定義する

ターゲット・オーディエンスとは、言葉通りあなたのビジネスがターゲットとする人たちのことです。あなたのサービスや商品を購入する典型的なユーザー像のことで、「ペルソナ」とも呼ばれます。

ターゲット・オーディエンスを明確にすることの重要性

ビジネスにおいてターゲット・オーディエンスを明確にすることは非常に重要です。その理由は、あなたの製品やサービスを使うユーザーが誰なのかを明確にすることで、彼らが何に困っているのか、製品に何を求めているのかをより深く理解することができるようになるからです。

またあなたが行うすべてのマーケティング活動が、本当にターゲットのニーズを解決するためになっているかを確認できるようにもなります。もしかするとあなたは「自分なら、直感的に顧客のニーズを捉えて、彼らが抱える課題を解決できている」と考えるかもしれません。

ところが実際には、非常に多くの企業が自分中心のマーケティング活動を行っています。顧客のニーズではなく、自分たちが何をしたいか、自分たちは何者なのかということばかりを気にしているのです。企業が行う何かしらのプレゼンテーションを聞いてみてください。

その多くが、顧客のニーズではなく、自分たちの仕事について話すことから始めていることに気づくでしょう。

Branding you marketing

しかし、成功するマーケティングとは「自分中心」ではなく「顧客中心」に行われるものです。そうすることで初めて、顧客が本当に求めているものを提供できるようになるのです。

ターゲット・オーディエンスを明確にすると、顧客の抱える問題が見えやすくなるでしょう。そして、彼らの課題や問題を把握できたら、それを使ってマーケティングを行うことができます。

例えば、多くの人は、自分の抱えている課題に対する解決策をGoogleなどの検索エンジンを使って探しています。彼らが検索するであろうキーワードを理解していれば、その検索結果としてあなたのブランドやサービス、コンテンツを表示させることができます。

そこで彼らがあなたのブランドを知ることで、顧客になってくれる可能性があるということです。継続的なエンゲージメントを獲得できれば、長期的な顧客を掴むこともできるでしょう。

ターゲット・オーディエンスの考え方

さて、ターゲット・オーディエンスの考え方について見てみましょう。ターゲット・オーディエンスを作るためには、以下の手順に沿って、あなたのビジネスがターゲットとする人の像を明確にしていきます。

  • ターゲットに架空の名前を与える
  • その人物の仕事内容の概要を書き出す
  • 年齢、性別、収入、勤務地などの情報を設定する
  • 彼らの目標や課題を書き出す

名前については、なんでも構いません。これは複数のペルソナがいる場合に、それぞれを区別する意味でつけるものです。名前自体に大きな意味はありません。よく一般的な企業では、1つの性別で3人の異なるターゲット・オーディエンスが設定されます。

マーケティング活動を行う際には、ユーザーのニーズに合わせることが最重要です。そのため、最後の「彼らの目標や課題を書き出す」というのは、最も大切なステップとなります。

ターゲット・オーディエンスの例

ここでは、実際にテクノロジーコンサルティング企業のL&T社がターゲット・オーディエンスを作成したときの例をお見せします。今回のペルソナは、Markというマーケティングマネージャーの男性です。

Branding target audience mark

資料を見てみると、彼のバックグラウンドや目標、課題についての説明が詳しく記載されていることがわかりますね。また、最後の段落では、L&T社が彼の抱える課題を解決するためにどのような支援ができるかについても書かれています。

Markは33歳、結婚して小さな子供がいます。年収は650万円。肩書は、インバウンド・マーケティングのマネージャーです。目標は、仕事を通じて成長していくこと。これまでの努力と貢献が認められ、今のマネージャーのポジションについています。

質の良いリードを獲得したいのですが、限られた予算と人手不足、そして非現実的な目標達成期限に困っています。SNS運用、ウェブサイト最適化、コンテンツライティングのサポートで毎日大忙しです。目標が達成できなくて、職を失う恐怖を抱えています。

こんなMarkに対してテクノロジーコンサルティング企業のL&T社は、どんなことが出来るでしょうか?コスパが良く、大きなインパクトをチームを派遣して、Markの目標達成をサポートすることです。そして、Markが社内で表彰されたり、ボーナスや昇進をもらえると最高です。

ターゲット・オーディエンスを設定する13の質問

このように、ブランドにおけるターゲット・オーディエンスを設定する場合には、人物を細かく設定してください。それは以下のような質問のリストに、順番に答えていくことで掘り下げることが可能です。

  1. 名前
  2. 年齢
  3. 性別
  4. 家族構成
  5. 年収
  6. 職種
  7. 場所
  8. 学歴
  9. 目標
  10. 悩み
  11. 何に価値を感じるか
  12. 恐れていることは何か
  13. あなたのブランドが手伝えることは何か

これらの質問を行うことで、あなたのブランドにおけるターゲット・オーディエンスが明確になっていくはずです。ここでちょっと僕らもやってみることにしましょう。

石崎のターゲット・オーディエンス

さて、13の質問を使って僕のターゲット・オーディエンスを明確にしてみたいと思います。

Branding seminar

まず名前は山崎亮です。53歳の男性で、奥さんと3人のお子さんがいます。年収は3000万円、東京の港区に住んでいてセミナー講師として活躍しています。学歴は大卒。目標は、セミナーコンテンツをネットに載せてオンライン経由の売上をアップさせることです。

悩みは、毎回新規客を集めるのが大変で、新規開拓に時間が取られることです。あと立ちっぱなしのセミナー講師はそろそろ体力的にキツくなってきました。

Branding persona glider

趣味やゆったりと過ごせる時間の余裕に、価値を感じています。海外旅行、仲の良い友人とBBQ、自家用機免許、カメラなど多彩な趣味を持っています。

恐れているのは、新規集客が止まってしまい売上がジリジリと落ちてしまうこと。その結果働く時間が増えて、趣味や家族との時間が減ってしまうことです。僕らのブランドが提案できるのは、セミナーコンテンツをオンラインコースにして販売することです。そのための特別カリキュラムを提供します。

はい、これで全部カバーしていますね。こんな風に13の質問に答える形で、ペルソナを掘り下げていってください。

まとめ:ユーザー像を明確にして正確なマーケティングを行う

ターゲット・オーディエンスを明確にすることで、自分の顧客のニーズや課題を正確に理解することができます。これらを理解することで、その解決策となる製品やサービスを提供できるようになるのです。

今回のレクチャーでお話ししたプロセスに従って、それぞれを慎重に構築していってください。そして、作り上げたペルソナを活かして、より効果的なマーケティングを行いましょう。このレクチャーは以上です。また次回、お会いしましょう。

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