今回のレクチャーでは、10倍成長を叶えるタスクリストの点検方法をご紹介します。このレクチャーを見ることで、些末なタスクに割くリソースを削減し、真に価値あるタスクへリソースを集中投下できるようになります。
アイデアを精査しないと、あまり利益につながらない作業に貴重なリソースを割くことになります。このリスクを理解し、リソースの分配方法を見直すことが大切です。紹介する3つのステップに基づき、早速自身のタスクリストをブラッシュアップしてみてください。
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10倍成長のためにコスパを徹底的に追求する
ビジネスの成長を考える際には、常にコスパを意識しなければなりません。なぜなら、どれほど潤沢にリソースを持っていたとしても、それは必ず有限だからです。限られたリソースを劇的な成長のために使うのか、労力の割に合わない些末なメリットのために使うのかによって、得られる成果は劇的に変化します。
僕らのチームでは、常にリソースを最小限に保っています。無駄に組織を大きくすることで、無意味な仕事が増えることを体感的に理解しているからかもしれません。チームのリソースをあえて限定的にしておくことで、あれもこれも実行に移さずにインパクトの大きな仕事だけに集中することが出来ます。限られた仕事しか実行できないからです。
同じリソースを投じるのであれば、得られる成果が大きいに越したことはありません。そこで意識しなければならないのが、アイデアを精査する際に「これは本当に必要なアイデアか?」と疑う姿勢です。
具体的には、対象のアイデアを実行することによって達成できるのが10倍成長なのか、10%改善なのかを意識することが大切です。多大な時間や労力を消費する割に10%程度の改善しか得られないアイデアは、積極的に排除しなければなりません。
10%改善でリソースが無駄になる例
では、具体的にどのようなアイデアが10%改善に該当するのでしょうか。代表例に「ブログ記事の誤字脱字チェック」があります。
確かに、誤字脱字の排除はビジネスに利益をもたらします。誤字脱字がなくなることによって文章は読みやすくなり、読者をコンバージョンへ導きやすくなるからです。しかし、実際に得られるメリットは投じたリソースに見合うものでしょうか。
誤字脱字チェックのコスパを考えるために、一連のプロセスを洗い出してみましょう。
- WordPressなどのCMSにログインする
- チェック対象のブログ記事をCMS内で検索する
- 誤字脱字のある段落や文章を探し出す
- マウスポインターを誤字脱字部分に合わせ、わずか数文字をタイプする
- 更新ボタンを押し、変更内容をブログに反映する
- ブログ記事を表示し、スクロールをして修正部分を探し出す
- 修正部分とその周辺を読み直し、文のリズムなどを確認する
たった1箇所を修正するだけでもこれほどの手間がかかるのです。あるいは、チェックして誤字脱字が見つからなければ、一連の作業は完全な徒労に終わります。
そして、これほどの時間と労力を投じて、得られるメリットはどれほどでしょうか。たった数文字の誤字脱字を修正したことにより、どれほどブログは読みやすくなり、コンバージョン率の向上に寄与するのでしょうか。
元の記事のクオリティにもよりますが、おそらくほとんど成長に寄与しないと考えられます。投じたリソースに対して得られるメリットが明らかに少ない、10%改善タスクなのです。10倍成長には遠く及びません。
そして、10%改善に労力を費やすということは、10倍成長にリソースを投じるチャンスを捨てているということです。10%改善がビジネスにおいてどれほどの機会損失をもたらしているか、念頭に置かなければなりません。
あなたのタスクリストを点検するための3つのステップ
あなたのタスクリストには、いくつのタスクが列挙されていますか。その中で、10%改善しかもたらさない些末な作業はどれでしょうか。一方、10倍成長につながる珠玉のタスクはどれでしょうか。
タスクリストの中から価値ある作業を選定する際には、直感に頼ってはいけません。次の3ステップに基づき、理性的に選別していきましょう。
ステップ#1:プロジェクトの目標を再確認する
タスクとは、プロジェクトを達成するための小さなプロセスのことです。つまり、プロジェクトの目標達成に寄与しない作業は、不要なタスクと言えます。したがって、タスクを点検する際はまずプロジェクトの目標を再確認しましょう。
ステップ#2:過去1週間で実行したタスクをレビューする
続いて、ステップ#1で確認したプロジェクトの目標に対し、タスクがどれほどの利益をもたらしたのか調べていきます。過去1週間のタスクリストを見直し、それらを成果に基づいて「10倍成長」と「10%改善」に分類していきましょう。
人によってはNotionやTodoistのようなタスク管理ソフトを使っているかもしれません。僕とビジネスパートナーの小川さんは、あまりタスク管理ソフトのようなものは使いません。
必要最小限のタスクだけをGoogleスプレッドシートで管理しています。Googleスプレッドシートを使う理由は単純で、すべての情報をGoogle Driveに集約させておきたいからです。
こういうタスク管理ソフトは、定期的に整理をしないと気づいたらゴミのようなタスクばかりが溜まってしまいます。この機会に、過去1週間に実行したタスクにゴミタスクが含まれていなかったかを確認しましょう。
もしかすると、あまり成果が得られない10%改善の中にも「これはやったほうがいいんじゃないか」と思われるものがあるかもしれません。しかし、ビジネスの目的は完璧な何かを成し遂げることではなく、成果を上げることです。成果に直結するタスクこそを優先して行うべきであり、そうでないものは意識的に排除する必要があります。厳しい目でタスクを精査し、本当に大きな価値を生み出せるものだけを10倍成長にふるい分けましょう。
ステップ#3:今タスクリストにある10%アイデアを削除・修正する
ステップ#2で行ったふるい分けに基づいて、タスクリストに存在する10%アイデアを削除あるいは修正しましょう。
この作業を行うと、残ったタスクが非常に少なくなるかもしれません。そして、その少ないタスクで本当にビジネスがうまくいくのか不安を感じられる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、優先順位の高いものへ多くのリソースを割くことが成功の鍵です。余計なタスクを排除することで、投じたリソースのコスパが最大限に引き上げられます。タスクリストの点検は定期的に行い、常に有効なタスクにリソースを集中できるようにしましょう。
まとめ:真に価値あるタスクへ戦力を集中させる
今回は「10倍成長」と「10%改善」の考え方に基づいた、タスクリストの点検方法をご紹介しました。タスクにはビジネスに革命的な利益をもたらす10倍成長のものと、コストの割に微々たる利益しかもたらさない10%改善のものがあります。
10%改善にリソースを割くのは、10倍成長という大きなチャンスに割くリソースを犠牲にするということです。これが非常に大きな機会損失であることを知り、本当に価値あるタスクにリソースを集中投下するマインドを養うことが大切です。
どれほどのリソースがあろうとも、それは必ず有限です。そして、有限なリソースの分配計画を戦略と言います。まずは今の戦略を見直し、勇気をもって10%改善のタスクを排除しましょう。今回はここまでです。また次回お会いしましょう。