今回のレクチャーでは、マーケティングでSNSを利用する上で押さえておくべき5つの代表的なプラットフォームについて紹介します。5つのSNSとはFacebook、Instagram、Twitter、Pinterest、Linkedinのことで、これらはそれぞれ異なる特徴を持っています。
このレクチャーを通じて、あなたが現在行っているSNSマーケティングがうまくいっている、あるいはうまくいっていない理由を理解できるようになるでしょう。また、今後のSNS運用の戦略を立てることで、エンゲージに繋がるコンテンツ制作を実現できるようにもなります。
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現状把握:あなたのチャンネルを点検する3つのステップ
あなたのビジネスは今波に乗っていますか?それとも、再建の年に入っていると感じていますか?はじめに現状を分析することで、目標とのギャップや、あなたの強みが明らかになります。
これはSNSについても同じことが言えます。あなたが現在運用しているSNSについて、強みと弱みを理解しましょう。そうすることで、SNSマーケティングにおいて何を辞めて、何を始めて、何を継続すべきかを判断できるようになります。
一点、注意したいのは、現在のSNSは「お金を払って集客するもの」という環境になりつつあることです。従来のコストをかけずに行うSNSプロモーションは、以前ほど効果的ではありません。これを踏まえた上で、SNSに費やす時間と労力を決定し、ROIを測定しながら進めてください。
ステップ1:どのSNSを使っているか?
まずは、現在アカウントを持っているSNSをリストアップしましょう。もしかすると、あなたが存在を忘れてしまっているアカウントがあるかもしれません。以下の手順で整理してください。
- すべてのSNSを棚卸しする。どれがアクティブで、どれが停滞しているかを把握する。
- 放置されているアカウントがないか検索する。
- 複数のアカウントを持つSNSがあれば、1つに統合する。
ステップ2:追加・削除すべきプラットフォームを検討する
利用するSNSの数は、多ければ多いほど良いというわけではありません。時には、少ない方が良いこともあります。今後、マーケティングを行っていくSNSプラットフォームを絞り込みましょう。
なお、今まで持っていたSNSアカウントの削除を検討する場合は、次の質問を使ってアカウントの状況をもう一度点検してください。
- そのSNSに継続的に投稿しているか?もしそうでなければ、そろそろ削除を考えるべきかもしれません。
- そのSNSのパフォーマンスが低い理由は、単に積極的な運用をしてこなかったからか? SNSでパフォーマンスを出せない原因を「あまり投稿していなかったから」と決めつけるのは簡単です。しかし時には、プラットフォームを変える必要がある場合もあります。
- 競合他社はSNSで成功しているか? もしそのSNSで成功している競合がいないのであれば、そもそもあなたのビジネス領域の見込客がいないだけかもしれません。
- そのSNSに費やす時間やリソースはあるか? もし、優先順位をつけられないのであれば、切り捨てるべき時かもしれません。
これらの質問に答えることで、どのSNSを継続し、どのSNSを辞めるべきかが明確になるはずです。
SNSプラットフォームごとの特徴を把握する
各SNSの強みを理解することで、それが自社に適しているかどうかを判断することができます。それぞれの特徴をあげておきますので、選ぶ際の参考にしてください。
- 他のどのSNSよりも多くウェブサイトへのトラフィックを促進する
- ニュース・エンターテインメントの両方を対象としている
- 動画投稿が効果的
- 画像やショート動画に対応したSNS
- ブログやウェブサイトへのトラフィックを促進するには向かない
- 視覚的な訴求が重要な製品・サービスに最適
- SNSであると同時にニュースプラットフォームである
- リツイートやキュレーションを推奨している
- ブログ記事の共有や、ウェブサイトのコンテンツの宣伝に最適
- 視覚的なイメージの共有に強いプラットフォーム
- プロジェクトのインスピレーションを得るために使用されることが多い
- 日本ではあまりポピュラーではない
- ビジネスに特化した専門的なネットワーク
- 共有されるコンテンツはビジネス内容を反映したもの
- 業界記事や専門的なコンテンツの共有に利用される
このように、それぞれのSNSは異なる特徴を持っており、すべてがあなたのブランドに適しているわけではありません。あなたのビジネスにとって意味のあるもの、そして十分に投資する時間を割けるものを使いましょう。
各SNSにマッチするコンテンツタイプを理解する
続いては、各SNS上に適したコンテンツの種類を簡単に説明します。
Facebookであれば、多彩なコンテンツを配信できます。
- テキスト
- 画像
- 動画
- リンク
Instagramは、画像や動画などのビジュアル要素が必要です。ただし、Instagramではユーザーの目が肥えています。ここに載せるものは高い品質のものが求められることは忘れないでください。
- 画像
- 動画
Twitterでは、主にテキストが圧倒的多数を占めます。その他に画像や動画も効果的です。
- テキスト
- 画像
- 動画
Pinterestは、日本ではまだあまり馴染みがないですが、主に画像をメインとしたプラットフォームです。「これいいな」と思ったものをキュレーション的に保存して共有する文化があります。補助的に動画やリンクを使うと考えてください。
- 画像
- 動画
- リンク
LinkedinもFacebookにとても良く似たプラットフォームです。見た目もすごく似ていますが、仕事やスキルでつながるプロフェッショナルなプラットフォームだという違いがあります。
- テキスト
- 画像
- 動画
- リンク
各SNSの適したコンテンツの種類を確認できたら、次のような質問を自分自身にしてください。
- 現在、どのようなコンテンツを作っているか?
- 現在のSNS戦略に欠けているのはどのタイプか?
- これから運用するSNSに適したコンテンツを作るために、デザインソフトやカメラなど追加のリソースが必要か?
自社が制作しているコンテンツの性質に合ったプラットフォームを選びましょう。
ステップ3:競合他社のSNSアカウントを調査する
マーケティングを行うプラットフォームを決めたら、次は競合他社のSNSの利用状況を調査しましょう。各SNS上のプロフィールを見るだけで、その企業について多くのことがわかります。具体的には、以下のポイントをチェックしてみてください。
- フォロワー数
- コメント数、シェア数
- 投稿頻度
- どのSNSを利用しているか
- どのSNSで最も成功しているか/最も失敗しているか
上記ポイントを確認したら、それを活用するために、次の3つについて検討してください。
- 真似できる部分はあるか?:あなたが現在使っていない戦術やコンテンツで成功している競合他社があったか?それを参考にして、自分なりの方法で再現してみましょう。
- もっとうまくやる方法はあるか?:中途半端なSNS運用をしている競合他社があったか?あなたがその企業の担当者なら、何をどう改善するか考え、それを自社で実行してください。もっと関連の強いコンテンツをシェアする、もっと多くの情報源からキュレーションしたコンテンツを作る、もっと魅力的な投稿文を書く、もっと頻繁に投稿するなどの改善策が上げられるでしょう。
- 他社と別のやり方はできないか?:群衆から抜け出しましょう。他社がやっていることに、どうすれば独自の切り口を見いだせるか考えてください。これは、あるトピックについて流行しているものと反対の意見を述べるというような単純なもので良いのです。
効果的なSNS投稿のための基礎知識
次は、効果的なSNS投稿のための基礎知識として、デザインの作成方法を紹介します。
SNSのためのデザインには、芸術性と技巧が必要です。ただ単に、画像といい加減なコピーを並べれば良いわけではありません。マーケティングとしてのSNS運用では、一つひとつの投稿について注意深く計画する必要があるのです。
各SNSで好まれる画像サイズ
続いては、SNSごとの適した画像サイズについて見てみましょう。
まずはFacebookです。Facebookでは、1200 × 630ピクセルが最適なサイズです。各投稿にはあなたのコンテンツへのリンクを付けることができます。可能な限り、単一の画像ではなく、複数の画像をまとめて投稿しましょう。
Twitterでの推奨画像サイズは506×253ピクセルです。1ツイートに1つの画像を添付するのが効果的です。
Linkdenでは、横幅531ピクセルの画像を使用します。どの画像にも、自分ならではの表現、雰囲気を持たせることを忘れないでください。
Pinterestの推奨サイズは600×1102ピクセルです。画像には常にあなたのコンテンツへのリンクを含めてください。
最後にInstagramです。推奨サイズは横幅1080ピクセルです。FacebookやPinterestと同様に、画像にコンテンツへのリンクを含めることが大切です。
SNSで人気のある画像タイプ
SNS運用を成功させるためには、広く好まれる画像を作成することが必要です。具体的には、以下のような種類の画像は人気が高いです。
- 画像付き名言:人はSNS上でインスピレーションを求めるのが大好きです。オリジナルのモチベーションを高めるような文章と、関連するブログ記事へのリンクを含む画像を作成すれば、数ある投稿の中でも目立てるでしょう。
- 綺麗な写真:あなたのチームでは、誰もが高画質な写真を撮れるスマートフォンを持っているでしょう。運が良ければ、一眼レフカメラを持っている人もいるかもしれません。写真をアップする際は、次のポイントを押さえてください。何かのイベントを撮る。製品・サービスをご利用のお客様を撮る。
なお、Facebookでは、複数の画像をギャラリーに投稿することができることを忘れないでください。これは、1枚の画像だけを使うよりも、より完全なストーリーを伝えるための素晴らしい方法となります。
各SNSにフィットする動画コンテンツの仕様
近年のSNSでは、写真だけでなく動画の重要性も高まっています。以下のヒントとガイドラインに従って、動画コンテンツを最大限に活用してください。
- 動画はネイティブまたはリンクでアップロード可能
- 30秒から45秒が理想的な長さ
- ライブビデオの配信も可能
- 動画の長さは60秒まで
- ストーリーの場合は15秒まで
- ライブビデオの配信も可能
- 録画、取り込み、アップロードが可能
- ライブビデオの配信も可能
- 動画の長さは2分20秒まで
- 動画を自分のリストに追加することが可能
- 動画の長さは4秒から15分まで
- ブランドのプロフィールページや個人の投稿に動画を追加できる
動画コンテンツの6つのアイデア
最後に、コンテンツの内容についてです。どんなコンテンツを配信すべきかは、あなたの企業やチームによって異なります。ここでは、いくつかのアイデアを紹介します。
- ハウツー動画
- 会社紹介動画
- 製品紹介動画
- イベント取材
- リクルート動画
- よくあるクレームに答える動画
上記を参考にしながら、ビジネス内容や販売する製品・サービスに合わせて、コンテンツを制作してみてください。
まとめ:各SNSの特徴を踏まえて適切なマーケティングを実施する
SNSでのマーケティングにおいては、各プラットフォームが持つ特徴をしっかりと理解することが必須です。自社に合ったSNSを選択し、そのプラットフォームに最適な形でコンテンツを発信し続けることで、エンゲージの向上にも繋げられるようになるでしょう。今回はここまでです。またすぐに、お会いしましょう。