今回のレクチャーでは、コンテンツカレンダーを導入する際のコツについてお話しします。コンテンツカレンダーとは、名前の通り、今後作成し公開する予定のコンテンツを記入したスケジュール帳のようなものです。このレクチャーを受けると、コンテンツカレンダーを導入するための準備と、その運用に関するコツがすべて分かります。
「コンテンツカレンダーを導入してください」と言っても、何から手を付けて良いか分からない場合が多いはずです。分からないので、結局導入が先送りになるというケースもあることでしょう。コンテンツカレンダーを新たに導入する場合、ちょっとした事前準備が必要です。また、導入後にそれを円滑に運用するためには、いくつかのコツがあります。早速、詳しく見てみましょう。
コンテンツカレンダーを導入する前の事前準備
コンテンツカレンダーは、コンテンツマーケティングを効果的に実施する上で欠かせないものです。カレンダーを利用することで、定期的なコンテンツ投稿を実現できたり、メンバー間のコミュニケーションを円滑にすることができます。
コンテンツカレンダーを作成する媒体はなんでも構いません。紙やExcel、Google Sheets、またはCoScheduleなどの専用ツールなど、使いやすいものを選んでください。ちなみに、コンテンツカレンダーは「エディトリアルカレンダー」と呼ばれることもあります。
エディトリアルカレンダーというのは、Edit(エディット)という言葉が入っていることからも分かるように、元々は雑誌などで特集記事を管理する年間カレンダーを意味していました。それがコンテンツマーケティングの業界に取り入れられたというわけです。
準備項目#1:コンテンツカレンダーについてメンバーの理解を促す
新たにコンテンツカレンダーを導入する場合、最初にチームメンバーにその目的を共有してください。きちんとしたコンテンツマーケティングを行う場合には、異なる役割を担うチームメンバーの協力が不可欠です。
戦略的なコンテンツマーケティングの実施は、トラフィックの増加をもたらします。そして、コンテンツカレンダーを導入することで、いつ、誰が、何のコンテンツを作るのかがひと目で把握できるようになります。公開日のスケジュールとタスク管理を1つの場所で行うことができるようになります。
彼らの仕事がより効率的で分かりやすくなることを説明してください。これにより業務が効率化し、定期的なコンテンツ投下の実現に繋がるのです。まずは、こういったコンテンツカレンダーの導入目的をチームメンバーによく理解してもらいましょう。
準備項目#2:オーディエンスを明確にする
次のステップは、オーディエンスを明確にすることです。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、これは非常に重要です。トラフィックを増やすためには、一貫性のあるコンテンツを作成し続けることが大切です。
そのためには、誰に向けたコンテンツなのかをはっきりさせておく必要があります。手始めに、想定されるオーディエンスのプロフィールを作ってみましょう。その後は、そのプロフィールを持った人が興味を持ちそうなコンテンツを一貫して作成するのです。オーディエンスが明確になったら、その人物像をチーム全体で共有することも忘れないでください。
準備項目#3:チームメンバーの役割を整理する
次は、コンテンツマーケティングにおけるチームメンバーの役割を整理しましょう。あなたのチームにはどんな能力・技術を持つ人がいるのか、そしてそれぞれがコンテンツ作成にどのように貢献できるのかを改めて整理してください。単純なことに聞こえるかもしれませんが、重要なステップです。
中には、1人でコンテンツマーケティングを行うという人もいるでしょう。その場合は、完了すべきタスクと、それを行う順序を書き出しましょう。
準備項目#4:コンテンツの形式を決定する
メンバーの役割を整理できたら、続いてどんな形式でコンテンツを投稿するのかを決めていきます。
「マーケティングのためのコンテンツ」と一口で言っても、その形態はさまざまです。例えばWordPressでブログを投稿すると決めたとしてもそれは長文なのか短文なのか、動画・音声・画像を挿入するのかなど、種類が存在します。
同時にブログで取り上げたいトピックや、全体的なテーマも明確にしてください。さらに、各SNSプラットフォームごとに対応したコンテンツも考えられると良いですね。
準備項目#5:投稿頻度を決定する
続いては、コンテンツの投稿頻度を決めましょう。最適な頻度は、メディアやオーディエンスによって異なります。自分のチームにとってのベストな頻度を見極めるためには、まずはテストしてみてください。最初は週に2回から始め、そこから徐々に増やしてみるのです。
そして、トラフィックやコンバージョンの成果をチェックしてみましょう。「週2回の投稿がベストだった」という人もいれば、「増やせば増やすほどトラフィックが伸びた」という人もいます。人によってテーマが異なるため、オーディエンス層により違いが出てきます。テストすることで最適な頻度が見えてくるはずです。
準備項目#6:コンテンツ会議をスケジュールする
最後に、コンテンツマーケティングに関するミーティングの開催日を事前に設定しましょう。月に1回、2週に1回など、開催頻度も併せて決めてください。
この会議では、今後のコンテンツの内容を計画するほか、それまでのトラフィックやコンバージョンをチェックします。そして、どのようなコンテンツが高い成果を生むのかを分析するのです。この作業を継続することで、より質の高いコンテンツを制作できるようになります。
コンテンツカレンダーを円滑に運用するための7つのコツ
さて、コンテンツカレンダーの導入準備が完了したら、いよいよ実際に運用していきます。コンテンツカレンダーは素晴らしい仕組みですが、手放しで運用してうまくいくわけではありません。
あなたが初めて仕事のタスクリストを作ったときのことを思い出してください。最初はすごく意気込んで、タスクをたくさん書き出したと思うんです。でも1ヶ月、2ヶ月と過ぎるといつまでも終わってないタスクがどんどん積み上がっていくのに気づいたはずです。
「Rikiyaishizaki.comのこの記事を確認する」みたいに何の目的で追加して、何が完了の定義なのかが分からないタスクばかりになっていたはずです。タスクリストも定期的にレビューしないとどんどん腐っていくように、コンテンツカレンダーにも運用のコツというものがあります。
何事もそうですが、いくら完璧に準備をしても、それを実際に始めると、予期せぬことが起こることもあります。コンテンツカレンダーについても同じです。入念な準備をしても、円滑に運用するためにはちょっとしたコツが必要になります。ここからは、コンテンツカレンダーを円滑に運用するための7つのコツを紹介します。
管理のコツ#1:常に翌週までの予定を見渡しておく
1つ目のポイントは、常に翌週までの予定を把握しておくことです。これをきちんと行わなければ、カレンダーを使う意味がありません。どんなコンテンツを、いつ、誰が作成するのかを、少なくとも翌週の分までは明らかにしておきましょう。
管理のコツ#2:メンバーへのタスク割当状況を把握する
2つ目は、それぞれのメンバーが実行するタスクを、全員が常に把握できるようにすることです。これには、CoScheduleのようなコンテンツ管理の専用ツールを使うと便利です。
CoScheduleのようなツールを導入すれば、各メンバーにタスクを割り当てることができるだけでなく、全員が全員のタスクを常に把握できるようになります。これにより、これまで以上にチーム内コミュニケーションを円滑にしてくれます。
管理のコツ#3:チーム内のコミュニケーションに気を配る
3つ目は、チーム内でメンバーが意見を言いやすい雰囲気を作ることです。新しいコンテンツ案や改善策の提案など、コンテンツをより良くするためのディスカッションは、チームのルーティーンの一部であるべきです。気軽にディスカッションを行える環境を整えておきましょう。
管理のコツ#4:画像などのアセットの担当者を確認する
4つ目は、コンテンツに利用する画像を作成する担当者を決めることです。グラフィックは、優れたコンテンツマーケティングのための重要な要素です。
画像といってもブログのアイキャッチ画像、記事内に挿入する画像、またはSNSでシェアするためのバナーなど色々な種類があります。誰がそれを担当するのかを、事前に確認しておきましょう。単に「画像制作」とひと括りにせずに、このような細かいタスクの割り当てを行っておくとその後の作業がスムーズに流れます。
管理のコツ#5:コンテンツのレビューを実施する
5つ目は、投稿したコンテンツのレビューを行うことです。僕たちの場合、チーム内のメンバーで、お互いが作成したコンテンツを評価し合うシステムを採用しています。同じ仕事をする人からフィードバックを得ることは、コンテンツを改善する低コストな方法なのです。
コンテンツカレンダーには、このようなレビューのステップの予定も書き込みましょう。コンテンツマーケティングに関するすべての仕事がこのカレンダー上で完結するようになっているのが好ましいです。
管理のコツ#6:必要に応じてタスクをリスケジュールする
6つ目は、柔軟にタスクをリスケジュールすることです。例えば、それまでの投稿頻度や内容を分析した結果、従来の計画を変更する必要が出てくることもあるでしょう。その場合には、元の計画に固執せず、タスクを変更しましょう。
紙ベースのコンテンツカレンダーを使う場合、リスケジュールの可能性を考えると、色付きの付箋を使うことをおすすめします。付箋を使えば、簡単にタスクを追加・削除・移動できますね。CoScheduleを使う場合は、ドラッグ&ドロップのみで計画変更を行えます。
管理のコツ#7:コンテンツ公開だけでなくその宣伝も行う
7つ目は、SNSやメールマガジンを活用して、コンテンツ更新の宣伝を行うことです。これは見逃されがちですが、非常に重要なステップです。コンテンツを出すだけで終わらせずに、しっかりと読者の目に触れさせるところまで持っていきましょう。
僕たちも新しく出したコンテンツを毎週ニュースレターとして、リストに流しています。MailChimpを使えば、ブログのRSSと連携して自動で新着記事をメルマガとして送ることができます。すごく便利なので、オススメです。
あなたのコンテンツをオンラインで共有する最良の方法と言えるでしょう。CoScheduleを使えば、ブログ投稿だけでなく、メールの送信、SNSの投稿を同じ管理画面でスケジュールすることができます。
まとめ:コンテンツカレンダーを活用してマーケティング効果を高める
ここまで、コンテンツカレンダーの活用ポイントについて解説してきました。僕らはコンテンツカレンダーを時間をかけて作成し着実に実行する人は、成功する可能性がはるかに高く、長期的に必要なトラフィックを構築することができることを経験から知っています。
コンテンツカレンダーそのものは、新しいアイデアではないかもしれません。しかし、コンテンツカレンダーを知っていながらも使わずに損している人は大勢います。だからあなたがコンテンツカレンダーを活用すれば、それは大きなアドバンテージとなるはずです。優れた計画とコンテンツ制作に専念している人は、常に優位に立てるのです。今回は以上です。またすぐに、お会いしましょう。