あなたはコンテンツマーケティングを駆使して、自社のオンラインコースやコンサルティングを売りたいと目指す経営者かもしれません。でもどのようにして見込み客の関心を引き、自社の商品に興味を持ってもらえば良いのか?頭を悩ませていることでしょう。ここではそんなあなたのために、ストーリーを使ってあなたの商品の魅力を効果的に伝える方法をご紹介します。
コンテンツマーケティングではただ情報を提供するだけではなく、見込み客の心に火をつけるストーリーを伝えることが重要です。そこで人間が持つイメージの力を使いましょう。イメージする力を巧みに利用することで、あなたの商品の魅力を効果的に伝えることができます。またあなたの商品に対する興味を一気に高めることができます。このようにコンテンツマーケティングを行う上で、いくつかの型となるテーマを持っておくとネタに困らなくなってきます。ここで紹介するテーマを理解し、あなたのコンテンツレパートリーの1つとして加えてください。
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見込み客に理想の未来像をイメージさせる
あなたの提供している商品やサービスではどんなベネフィットでお客さんを訴求していますか?その商品を通して、どんなことができるようになるかということはセールスページの中で伝えているのではないでしょうか。その内容を少し拡大して、1つのコンテンツにしてしまいましょう。具体的には半年後の見込み客の姿をイメージさせるコンテンツを作ってください。
英語ではこの種のコンテンツをPaint the pictureと呼びます。ここでいうpictureは写真ではなく絵画のことです。なのでそのまま日本語にすると「絵を描く」という意味になります。まるで眼の前で絵を描いて「ほら、半年後のあなたはこんな姿になっていますよ」と見せてあげるようなイメージです。
ここでのポイントは、半年後に見込み客がどんな生活を送っているのかを描くようにする点です。見込み客が商品を通して得られるノウハウやスキルだけに終始せず、それらが得られた先の生活を描写するのです。突き詰めて考えてみると、お客さんは商品が欲しいのではありません。商品から得られるノウハウやスキルに期待しています。さらに言えばそれらを得た結果、人生がどんな風に変わるのか?に期待をしているのです。
見込み客は商品で得られる直接的な知識やノウハウがほしいのではなく、問題が解決したあとの人生が欲しいと考えています。そこでこの種のコンテンツでは、問題が解決したあとの人生について詳しく説明するのです。例えば正しい筋トレの方法を学んだ結果、体がカッコよくなって彼女が出来るかもしれません。または時間管理の方法を身につけたことで、仕事とプライベートのバランスが改善し、趣味のトライアスロンが思う存分できるようになるかもしれません。
このように結果的にどんな人生を送れるようになっているのか?ということも含めて見込み客が理想とするような未来像を描いてください。先ほど半年後と伝えましたが、半年に限らず3か月後、12ヶ月後、数年後をイメージさせるものでも良いです。大事なのは今より先の未来の見込み客自身の姿をイメージさせることにあります。
この理想の未来像を描くことで、あなたの商品やサービスがどのような未来をもたらすのかを伝えることができます。見込み客はまず理想像に共感し期待感を高めてくれます。そうなると自然とその実現方法に興味を持つようになります。その理想像を手に入れるためには何をしたら良いんだろうと考えるのです。そのためあなたの商品への興味も高まる。これを期待したコンテンツだと言えます。
たとえあなたのサービスやコンサルが6ヶ月限定のものだったとしても、その効果は何年も続くことをほのめかしてください。あなたがオススメすることを始めた瞬間から、人生がガラッと変わってしまう。そしてその効果は、半年後だけでなくそれ以降もずっと続いていくとして描くとストーリーは魅力的になります。
理想の未来像はなるべく緻密に描写する
ここで理想の未来像を伝える上で大事なことをお伝えします。それが未来像のディテールです。つまり理想の未来像をどれだけ、細かく緻密に描くかということです。これは小説をイメージしてもらうと良いかもしれません。僕はよくAudibleで小説を読みます。村上春樹さんが好きなのですが、その時に流行っている小説や人気のものも色々と聞きます。小説がすごいのはストーリーの中にリアリティを持たせていることです。
例えば、朝起きてコーヒーを飲むという話だったとしてもそれを1つ1つ詳細に描きます。朝起きるとどんな天気なのか。朝の部屋の中はどのくらい静かなのか。コーヒーの袋を開けるとどんな香りがするのか。お湯を沸かしている間どんなことを考えているのか。ストーリーとは直接関係は無いけれど、そういう1つ1つの描写が緻密です。その緻密な描写が小説にリアリティを与えています。
その証拠に要約を読むのと、実際の小説本編を読むのではリアリティがまったく違うと思いませんか?単にストーリーだけを書いてしまうと、ほとんど人の共感を得られない無味乾燥な文章になってしまいます。だからこそあなたの書く理想の未来像も、まるで小説のようにディテールを入れて肉付けをしてあげてください。
僕はよくウェビナーなんかでこの方法を使います。ウェビナーの中で理想の未来像として、ディテールを描くのです。例えばオンラインコースを作る方法を解説した商品のウェビナーでもそのようなフレーズを用意しました。オンラインコースビジネスを成功させて海外移住を果たし、家族みんなで幸せに暮らしているという未来像です。それはちょうど次のような感じでした。
子供を学校に送り出したあと、午前8時、寒空の下、十分にストレッチをした後、奥さんと一緒にジョギングするんです。うちの奥さんは走りながら泣いていました。小さな水路をまたぐ橋の上で止まり、なんで泣いているの?って聞いたら、Life is beautiful って。こんなに人生が素敵なものだと思っていなかったって。確かそんなタイトルの映画ありましたよねって息を凍らせながら返答します。水面を反射する朝日がとても綺麗です。ジョギングしながら、AirPodsでSnow PatrolのChasing Car を聞いています。ボーカルのギャリーは Let’s waste timeと歌うんです。僕たちはそろそろ時間を無駄にすることを覚えた方がいい。近道をやめて遠回りしよう。出来るだけゆっくり移動しよう。今この瞬間を楽しもう。口にすると安っぽく感じられるかもしれないけど、今この瞬間を楽しめる人生って本当に素晴らしいと思うんです。
どうでしょうか?このようにディテールを書き込むと、ただ単にオンラインコースビジネスで成功したと書くよりも心が動くのが分かると思います。もちろんどこまで緻密に描くかはあなたの自由です。人によってどこまで書けるかというのも違うでしょう。少なくとも他人が見たときに、相手の気持ちが動くようなレベルの文章をイメージしてください。
固有名詞がリアリティを加速させる
先ほどの僕のウェビナーのような文章を書くときに注意していることをお伝えします。それは固有名詞を登場させるということです。固有名詞を登場させるというのは、例えば音楽を聞くと書く代わりに「AirPodsでSnow PatrolのChasing Carを聞く」のように書くことです。
固有名詞を書くと、それに反応してくれる見込み客の範囲を限定してしまうのではないかと心配になるかもしれません。でも心配しなくて大丈夫です。例えばコーヒーの代わりに、僕の大好きな「ライオンコーヒーのバニラフレーバー」と書いたとします。こう書くと、特定のコーヒーが好きでない人は反応しないか?というとそうではありません。
僕は作家の村上春樹さんが好きなのですが、彼の小説の中にもジャズのアーティストやレコードの話が頻繁に登場します。これも固有名詞です。正直言って、僕はジャズに詳しくないのでほとんどそれらの名前がわかりません。でも、このように固有名詞が登場することで小説がまるで現実のことのように思えてきます。だからこそ、ストーリーを語る上でところどころに固有名詞を登場させてください。
数値や物理的な成功だけでなく感情にも焦点を当てる
理想の未来像を上手に伝えるためのコツをもう1つ紹介します。それは見込み客の感情にも焦点を当てることです。先ほども「見込み客は商品から得られるノウハウの先の人生を欲しがっている」とお伝えしました。最終的には問題が解決したあとに嬉しくなったり、幸せを感じたいのです。そのため、理想の未来像を描写するときには見込み客が最終的に感じるであろう感情も表現するようにしてください。
例えばガーデニングの方法を学んで、荒れ果てていた庭を美しく整備し直せたとします。そうすると半年後の見込み客は安心感とか、充実感を感じることができていると伝えるのです。またはサーフィンのトリックがうまく決まるようになった結果、周りの仲間から「リッキー、お前は最高だよ」と言われ自尊心が満たされるかもしれません。
このように単なる物理的な成功や直接的な結果のみでなく、見込み客がそこから得られるであろう感情にもフォーカスをしてください。そうすることで、コンテンツの中で見込み客の共感をさらに集めることが可能になります。先ほど紹介した緻密な描写と組み合わせて、どんな感情なのかを上手に表現してあげてください。
イメージができたら今日からスタートするように促す
コンテンツの締めくくりとして、最後に1つやってほしいことがあります。それは理想の未来像をイメージできたら、今日から実際に動き出すように促すことです。ここまでの段階で見込み客は、自分の理想の未来像についてかなり明確なイメージを持てているはずです。見込み客は理想の未来像に対してとてもワクワクしている状態です。その状態を活かして、あなたの商品やサービスに関する興味を高めましょう。
スムーズに伝えるには、理想像は今日行動を起こすことで手に入るものであることを強調すると良いでしょう。「理想の未来像がイメージできましたか?ここでイメージした未来像は、今日行動を起こすことで現実のものにすることができるんです」という具合です。
逆に言えば、行動を起こさなければそれらすべては手に入らないということです。今行動しないとこれらの理想像はいつまでも手に入らないと伝えるのも有効です。人間は何かを得られることよりも、失われることを強く嫌うという性質があります。これは行動心理学の世界でも認められているバイアスだそうです。今日行動するメリット、今日行動しないデメリットの2つのパターンが存在します。どちらでも良いので、あなたに合う方法で見込み客に行動を促してください。
理想の未来像をイメージしてもらったところで、今日すぐに一歩目の行動を取ることを推奨する。そうすることで、見込み客は具体的なやり方や進め方に興味を持つはずです。あなたはそのための商品やサービスを扱っているわけですから、あなたの商品への興味が自然と高まるはずです。
まとめ:理想の未来像をイメージさせて商品への興味を引き付ける
ここまで、見込み客に理想の未来像を提示するコンテンツについて解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- 見込み客に理想の未来像をイメージさせるコンテンツを通して、あなたの扱う商品への興味を高めることができる。
- 理想の未来像を伝える場合、小説のようにディテールを緻密にすることでリアリティを感じてもらうことができる。
- ディテールを緻密に描く際には、固有名詞を含めるとリアリティが高まる。
- 物理的な成果や成功だけでなく、結果的に得られるであろう感情に焦点を当てると共感を得やすい。
- コンテンツの締めくくりとして、理想像を実現するために今日からスタートすることを促す。