今回のレクチャーでは、コンテンツマーケティングにおいて10倍の成長を実現する目標への達成度について評価し、新たな計画を立てる方法をお話しします。具体的には既存のコンテンツの成果データを分析し、今後作成するコンテンツの質の向上を目指します。
これはコンテンツマーケティングの実現可能な目標設定をするための、ウェブサイト監査のようなものです。たとえまだ数回しか公開していないコンテンツでも、このコンテンツ戦略を使えば、成果をすぐに向上させることができるようになるでしょう。
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ステップ#1:あなたの直感でコンテンツを評価する
まずは、あなた自身の直感に基づいてコンテンツを評価してみましょう。このプロセスの目的は、コンテンツのパフォーマンスについて、あなたがどう感じているかを理解することです。
このプロセスを経てからデータを分析していくことで、直感と比較してどこが外れていたのか、どこが当たっていたのかを理解できるようになります。これは、成果に繋がるコンテンツとはどのようなものかを考える際に役立ちます。
具体的な方法について見ていきましょう。まずは、過去に公開した30個のコンテンツのURLのリストを作ることから始めてください。「コンテンツ戦略トラッキングスプレッドシート」に、公開したコンテンツを追加してください。
次に、あなたのコンテンツの中でトップのパフォーマンスを出している上位4つの特徴についてブレインストーミングしてください。以下の4つの質問に基づいて、コンテンツを採点していきます。
- トピックの的確さ:このトピックは、読者が抱える問題を解決するために役立つものか?
- リサーチの深さ:事実と事例に裏打ちされた、深く研究されたコンテンツであるか?
- 実行のしやすさ:文字数に関係なく、ステップバイステップで、実行可能なアドバイスを行い、成功ストーリーを伝えているか?
- キーワードの的確さ:キーワードは、読者が必要なときに的確に見つけることができるよう、適切に選択されているか?
コンテンツの採点は、上記4つの質問を利用しても良いですし、あなたのブランドにとって重要な他の質問を用意しても構いません。いずれにせよ、成功したコンテンツの特徴を少なくとも4つ挙げ、それぞれのコンテンツを1〜3のスコアで採点してください。
ステップ#2:目標達成に向けたコンテンツの平均的な貢献度を確認する
目標に貢献したコンテンツを確認できたら、次は全てのコンテンツの平均的な成果への貢献度について見てみましょう。
これは、コンテンツ戦略において非常に重要な部分であり、成功しているコンテンツとそうでないコンテンツの違いを理解するのに役立ちます。このデータは、あなたが今後公開するすべてのコンテンツからより大きな成果を生み出す方法を教えてくれるでしょう。
具体的には、Google Analyticsの「カスタムレポート」から、公開した各コンテンツに応じた目標のデータを分析します。まずは、コンテンツを公開してから30日間の結果を測定しましょう。
カスタムレポートを開いたら、スプレッドシートに記入したリストに掲載されている個々のURLを表示し、データの範囲を公開してから最初の30日間に設定してください。ここで表示された数値が、各コンテンツの成果となります。例えば、PVを成長の指標としている場合は、公開後30日間のPVを表示します。
次にコンテンツ戦略トラッキングシートにこの数値を入れていきます。シートの右側「目標となる指標」の欄に、各コンテンツの成果を入力していきます。ちなみにGoogle Analyticsでは、目標設定後にトラッキングが開始されます。目標設定前に発生したデータはカウントされていないことに注意しましょう。
各コンテンツのデータを明らかにすることで、自分の直感がどの程度正しいかを理解できます。ここまでできたら、結果に繋がったコンテンツから不発に終わったものまで、データを分類しましょう。これにより、将来的に継続すべきコンテンツと避けるべきコンテンツを精査できます。
ここで大切なのは、最もパフォーマンスの高いコンテンツと最もパフォーマンスの低いコンテンツの両方を分析することです。今後のコンテンツでより大きな成果を上げるためには、以下の視点から考えることが大切です。
- 誰が作成したのか:あなたのチームには、特定のトピックに特に長けている人や、上手い文章を書く人がいるかもしれません。そのような人に、今後さらにコンテンツ作りに集中してもらう方法があるでしょう。
- どのような内容だったのか:成功したコンテンツは、ハウツー系だったのか、リスト形式だったのか、あるいは質疑応答形式だったのか、ブログ記事だったのか、その形式をチェックしましょう。加えて、電子書籍だったのか、ランディングページだったのか、媒体も確認してください。
- どのようなトーンだったのか:考えを主張するもの、議論を呼ぶもの、ユーモアのあるもの、エンターテインメント性の高いものが成果を生むこともあれば、わかりやすいハウツーやステップバイステップのコンテンツが成果を生むこともあります。自分のサービスに合ったものを見つけましょう。
- コンテンツに合った追加メディアは何か:写真、動画、アンケート、電子書籍などの追加コンテンツは、目標達成に効果があったか確認しましょう。
上記の視点で考え、成果を上げているコンテンツの特徴をつかみ、同じアプローチを今後のコンテンツでも再現してください。
ステップ#3:新しいコンテンツを公開するたびにゴールを決める
成果に導くコンテンツの特徴を明らかにできたら、次はそのコンテンツに類似したコンテンツをさらに作成し、さらに成果を上げる計画をしてみましょう。
まずは、コンテンツの成果データを高い順に並べ替えます。範囲を指定して、並び替えを行います。このとき、降順で並び替えをすると数値の高い順に並び替えることができます。
そして、すべてのコンテンツの全体的な平均を求めてください。次に上位15、13、11、9、7、5個のそれぞれのコンテンツの平均を求めてください。なお、コンテンツ戦略トラッキングシートには、これを自動的に行う計算式が組み込まれています。
さて、今後の計画は、高いパフォーマンスを出している上位コンテンツを再現することを前提に立てていきます。上位15、13、11、9、7、5個の平均を求めた目的は、今後6ヶ月間に公開するコンテンツを段階的に改善するためです。
つまり、今後半年間のあなたのコンテンツの作成は次のようなものになります。
- 来月:上位15個と同等のコンテンツを公開する
- 2ヶ月目:上位13個のコンテンツと同様の成果を上げるコンテンツを公開する
- 3ヶ月目:上位11個のコンテンツと同様の成果を上げるコンテンツを公開する
- 4ヶ月目:上位9つのコンテンツと同様の成果を上げるコンテンツを公開する
- 5ヶ月目:上位7つのコンテンツと同様の成果を上げるコンテンツを公開する
- 6ヶ月目:上位5つと同様の成果を上げるコンテンツを公開する
このプランで進めることで、毎回、より良いコンテンツを制作するためのスタミナを身につけられます。現実的に達成可能でありながら、大きな成長にフォーカスできるということです。
ステップ#4:今後6ヶ月間の月間目標を決める
さて、これまで公開してきた個々のコンテンツが、今後6ヶ月間の目標にどのような影響を与えるかは、おわかりいただけたと思います。
次はそのデータをもとに、月間の目標を理解しましょう。そうすることで、効果的なコンテンツを公開することでどれほどの成果を得られるか予想できます。また、もしもこれらの予測が期待していたよりも少なかった場合、公開頻度を上げるなどの対策を取れます。
目標のGoogle Analyticsカスタムレポートを開き、平均的な月のパフォーマンスのデータを3ヶ月分見つけてください。このデータは、チーム内で重要な指標だと位置づけた指標を使用します。過去3ヶ月のデータをシートの上ですべて足し合わせ、3で割ると1ヶ月の平均的なパフォーマンスが出ます。
平均を算出したら、新たなコンテンツを毎月何本公開するかを決めます。一貫したペースでコンテンツを公開することで、成果を高めることができるのです。ここからトップ15、13、11、9、7、5の平均値のデータを使って、公開すべき本数の具体的な目標数値を設定します。
トップ15、13、11、9、7、5の各平均数値から、全体平均の数字を引いてください。そして、その数値に毎月の公開頻度を掛けてください。さらに、その数値を平均的な月のパフォーマンスに加えます。すると、月毎に設定すべきゴールが算出されます。
もちろん、コンテンツ戦略トラッキングシートにはすでに式が挿入されているため、手作業で計算する必要はありません。もしも、ここで算出された結果が期待したほど大きくなかった場合には、より多くのコンテンツを作成する計画を立てる必要があるということです。
まとめ:データ分析して現実的で効果的な目標を立てる
ここまで、10倍の成長の目標設定の方法と、今後の計画の立て方について紹介してきました。ここで紹介した手順に従い公開したコンテンツのデータを分析することで、現実的で高い成果を生むコンテンツ作りの計画を立てられるようになります。今回は以上です。またお会いしましょう。
コンテンツ戦略トラッキングシート
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