今回のレクチャーでは、あなたのビジネスを10倍の成長に導くプロジェクトアイデアの出し方についてお話しします。効率的にビジネスを成長させるためには、いくつものアイデアの中から、適切な基準に則って優先順位を付けることが必要です。
あなたの立てたマーケティング目標に最も効果的に影響を与えるプロジェクトはどのようなものなのか、どのような仕事を引き受ければ大きく成長することができるのか。取り組むプロジェクトの選択基準を明確にすることで、成長に繋がる仕事のみに取り組めるようになります。
今回お届けするノウハウはこちら
10倍成長を実現するアイデアを選別する5つのステップ
さて、早速ですが、10倍の成長を実現するアイデアの出し方についてお見せしましょう。ここで紹介する5つのステップに従ってアイデアを選別することで、成長速度の速いプロジェクトを見極められます。
ステップ1:アイデアを書き出す
最初のステップでは、単純にプロジェクトのアイデアを出し合います。付箋紙を用意して、30分ほどの時間を設け、以下の簡単な質問を自分自身、あるいはチームの仲間に投げかけてください。
「どんなプロジェクトを実行すれば、最も効果的にマーケティング目標を達成できるのか?」
この質問の答えを思いつく限り書き出します。付箋に書き出すのが便利です。最近は、オンラインでのミーティングも多いと思うのでオンラインで出来る方法を紹介します。それがMiro(ミーロ)です。
Miroはオンラインのホワイトボードツールで、共同編集機能があるので複数人でアイデアを練るのに向いています。付箋にアイデアを書いて、ペタペタと貼っていくことができます。テキストだけでなく、画像も貼れるし、ダイアグラムのように矢印や手書きの線なども追加できます。
Zoomなどでミーティングをつなぎながら、チームでMiroを使ってどんどんアイデアを出し合ってみてください。Google Docsやスプレッドシートに書いていくよりも、視覚的でわかりやすいのでオススメです。
ステップ2:アイデアを選別する
2つ目のステップでは、ステップ1で出されたアイデアの選別を行います。プロジェクトアイデアの選別には「10倍の成長が見込めるか」もしくは「10%の成長しか見込めないか」というポイントで考えてください。それぞれのプロジェクトは、次の特徴を持っています。
- 10倍成長のアイデア:多くのターゲットに大きな価値を提供するものです。マーケティング目標に向けた再現性のある長期的な成長をもたらし、あなたの成果を10倍以上に高める可能性を秘めています。
- 10%改善のアイデア:少数のターゲットにしか価値を提供しないものです。手を伸ばせばすぐ達成できてしまうようなことを目標としています。
あなたが実行すべきプロジェクトは、当然「10倍成長する」アイデアです。
ステップ3:アイデアの優先順位を視覚化する
3つ目のステップでは、10倍のアイデアと10%のアイデアを視覚化します。アイデアを視覚化する一番簡単な方法は、ホワイトボードに各プロジェクトアイデアにおけるターゲットの見込み数とその価値を表すグラフを作ることです。
縦軸と横軸からなるグラフを描き、縦軸に「価値」、横軸に「ターゲット見込客の数」と記入します。縦軸はそのアイデアが顧客に与える価値の高さを表し、横軸はそのアイデアによってどのくらいの見込客に影響を与えられるか?ということです。
そして、付箋に書き出したそれぞれのプロジェクトアイデアを貼り付けていきます。最終的に、右上に位置するのが10倍成長のアイデア、左下に位置するのが10%改善のアイデアということです。
ステップ4:10倍成長のアイデアをシートに書き出す
4つ目のステップでは、アイデア評価シートを使って先ほど整理したアイデアの良し悪しを評価していきます。前のステップでチャートに右上に置かれた「10倍成長のアイデア」に注目してください。これらのアイデアを評価していきます。
「マーケティング・アイデア評価シート」のスプレッドシートの左側にアイデア名、つづいてアイデアに対する短い説明を入れます。これはそのまま、マーケティング目標を効率的に達成するためのいくつものアイデアリストとなります。
例えば、アイデア名に「VSLのビデオシリーズ」と入れます。そして、アイデアの説明に「Video Sales LetterのYouTube動画を作る」という風に説明書きを入れていきます。まずこのアイデアリストを作り、次のステップでこれらのアイデアに点数をつけていきます。
ステップ5:10倍成長のアイデアに点数を付ける
10倍成長のアイデアリストができたら、続いてそれぞれアイデアを採点していきます。より詳しくアイデアを評価するために10個の項目に分けて、1から5までの5段階で採点します。アイデアとして優秀であれば5で、あまり優秀でない場合は1をつけてください。
この採点を行うことで、最も成長の可能性が大きいプロジェクトから着手することができます。このプロセスは、プロジェクトの優先順位をさらに高めるのに役立つはずです。具体的には、具体的に採点すべき10の項目は、次のとおりです。
- 10倍:このアイデアは10倍の成長が見込めるのか、それとも10%の改善が見込めるのか?前のステップで既に検討していることではありますが、改めて「10倍のアイデアしか実行しない」と自分に言い聞かせておくとよいでしょう。もし10倍以外のアイデアがあればタスクから取り除いてください。
- マーケティング戦略:そのアイデアは、あなたが立てたマーケティング戦略に適しているか?もしそうでなければ、マーケティング戦略を見直すか、アイデアを再考したほうが良いかもしれません。
- リソース:このアイデアの実行に必要な時間や外部の助けはどの程度のものか?もし実行かかる労力が非常に大きいのであれば、労力とインパクトのバランスを見直さなければなりません。
- 最大化:このアイデアは、あなたが既に持っているコンテンツを最大限に活用するものであるか?もしそうなら、成果が出るのも早いでしょう。
- 継続的努力:このアイデアを実現すると、少ない継続的な努力で長期的な利益を得ることができるか?継続的に手を加える必要性が小さければ、他の10倍成長アイデアよりも生産性が高いと言えます。
- 信頼獲得:このアイデアを実現すると、あなたの製品やサービスが’業界で地位を確立することに繋がるか?そうであるなら、絶対にそのアイデアを選択すべきです。
- ターゲット:このアイデアは、適切な種類の見込み客をターゲットにしているか?多くの人を対象にするのも大切ですが、あなたのマーケティング戦略におけるペルソナを引き付けることも重要です。
- コスト:このアイデアを実行し、継続するために、いくらかかるか?コストが高いことは必ずしも悪いわけではありませんが、低コストで実現できるというのはメリットです。
- パートナーシップの機会:このアイデアは、インフルエンサーとつながる機会を与えてるか?有名人とのコラボレーションは、あなたのビジネスについて何も知らない、より多くの見込み客にアプローチするのに役立ちます。
- 期待:あなたのターゲット層は、あなたのようなビジネスがそのアイデアを実現することを期待しているのでしょうか?見込み客のニーズに合った製品やサービスを提供することは、最も重要なポイントです。
これらは、アイデアのランク付けに参考にすべき基準の一部に過ぎません。必要があれば項目を追加したり、場合によっては削除することも考えてください。あなたの基準に照らしてアイデアを評価することが重要です。フレキシブルに考えてください。
「マーケティング・アイデア評価シート」では、これらの基準がアイデアの右側にリストアップされています。リストアップされたアイデアそれぞれに対して、各項目に対するスコアを付けていきましょう。
それぞれ1〜5点のスコアを与えていきます。例えば、「Kindle4冊目の作成」というアイデアについて見てみましょう。アイデアの説明を見ると「Kindleの4冊目を作り、99円で販売する」ことだと分かります。
既にKindle書籍用の原稿が出来上がっていて追加のリソースがほとんど必要ないため「リソース」の項目は「5」、また一度出版してしまえばメンテナンスなどが不要なので、「継続的努力」の項目も「5」と採点します。
このシートは、一番右の「合計スコア」の列に各アイデアの合計点が自動的に計算されるように作られています。全てのアイデアの採点を終えたら、合計得点の高いアイデアを見比べてください。点数の高いものが優先順位の高いアイデアになります。これで、プロジェクトの優先度が明らかになりました。
仕事のタスクとしてよくある間違いは、以前から取り組んでいる成果の出ないルーティンワークをずっとやり続けてしまうことです。たとえそれが成果を上げないものであったとしても時間を割いてしまう。それが一番怖いのです。ぜひ新しいアイデアと一緒に、いま毎日実行しているアイデアについても「マーケティング・アイデア評価シート」を使って、もう一度客観的に評価してみることをオススメします。
「10倍成長するのか」「10%だけ改善するのか」というフレームワークは、何を継続し、何を止めるべきかを理解するために考え出されています。あなたが持っている時間、チームメンバー、資金といったリソースは希少なものです。できる限り効果的に使うために今回紹介した「マーケティング・アイデア評価シート」で、実行すべき優先順位の高いタスクを極めてください。
まとめ:アイデアの優先度を可視化する
アイデアをブレインストーミングする際には、たくさんのアイデアを持ち寄ることが重要です。ですがそれらのアイデアから重要なものを選ぶのは、意外と大変な作業です。今回紹介した「マーケティング・アイデア評価シート」を使えば、アイデアを10項目の観点に分けることで、アイデアの優劣を簡単に比較できるようになります。
プロジェクトに優先順位をつけ、成長の可能性が大きいプロジェクトを選別し、成果を上げられないプロジェクトに費やす労力を最小限にすることで、リソースを最大限に活用できるようになります。新しいアイデアだけでなく、既存のタスクについてももう一度見直してみることをオススメします。今回は以上です。またすぐにお会いしましょう。
マーケティング・アイデア評価シート
複製してお使いください。(Googleへのログインが必要です)
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1tMrUR6XFVrxAcXtIK5g5tGl903TCynsdjLaXidg0DR0/copy