今回のレクチャーでは、コンテンツカレンダーの作り方について紹介します。このレクチャーでは、CoScheduleなどの専用ツールを使わない場合にGoogle Sheetsを使ってカレンダーを代替する方法をお伝えします。
CoScheduleは、コンテンツマーケティングにおけるスケジュール管理を一元化できる、とても素晴らしいツールです。しかし、予算に限りがありツールを使うことが出来ず、自分でカレンダーを作成する必要があるケースもあるでしょう。それは、専用ツールを使うほど効率的・効果的ではないかもしれません。しかし、何もしないよりははるかに良いです。具体的な方法について見てみましょう。
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方法#1:スプレッドシートでカレンダーを作成する方法
1つ目の方法は、クラウドベースの無料のスプレッドシートを使用することです。クラウドで提供されるサービスを使うことで、チームメンバー間で簡単にスケジュールを編集・共有できます。代表的なプロダクトとしては、Google Sheetsが挙げられます。
この方法は、おそらくコンテンツカレンダーを作成する際の最も一般的な方法です。テンプレートをそのまま使っても良いですし、オリジナルのカレンダーを作成することもできます。Google Sheetsを使ったカレンダーの作成手順について、詳しく見てみましょう。
ステップ1:新規のGoogle Sheetsファイルを作成する
まずは、Google Driveにアクセスして新しいスプレッドシートを作成しましょう。
テンプレートからデザインを選んでも良いですが、今回はまっさらなシートからコンテンツカレンダーを作る方法をお伝えしていきます。
ステップ2:横の行に曜日、縦列に運用するチャンネルを記入する
スプレッドシートでは横が行、縦を列と呼びます。横方向の行に曜日を記入してください。日曜始まりにしても良いですし、月曜始まりにしてもよいです。好きなように曜日を並べてください。
また曜日の行の一番左には、その月の何週目なのか分かるように週の番号を書いておきましょう。5月の3週目なら、「Week3」といった具合です。
曜日の下には、タスク名と所要時間が書ける欄をそれぞれ用意しておきましょう。また縦方向となる列には、コンテンツを配信するチャンネルを書き出してください。1つのチャンネルに対して複数のタスクが書けるように、1チャンネルに3行分くらいを割り当てると良いでしょう。
Week2以降も同じように繰り返しで作っていってください。1ヶ月は実際には5週くらいにまたがります。なのでWeek5まで用意しておけば、あらゆる日付のパターンに対応できるはずです。
ステップ3:見やすいようにチャンネルを色分けする
ここまででかなり良い感じのシートになっていますが、間違え防止の観点からさらに視認性や一覧性に工夫をしましょう。コンテンツチャンネルごとに色分けをしてください。
Twitterなら水色、YouTubeなら赤、というようにプラットフォームのテーマカラーに合わせても良いです。もし迷うようであれば、Google Sheetsに用意されているパレットの色を端から順番に適用しても良いでしょう。
ステップ4:完成したシートを複製して12ヶ月分のタブを用意する
1ヶ月分のシートが完成したら、それを複製して12ヶ月分のタブを用意しましょう。年間カレンダーとして運用することでさらに計画がしやすくなります。
シートを12ヶ月分作るには、単純にシートタブの上で右クリックをして「コピーを作成」を選びます。これで12ヶ月分のシートを用意してください。
さて、まっさらなGoogle Sheetsからコンテンツカレンダーを作る作業はこれで完了です。どんな欄を作れば良いのかさえ分かってしまえば、とても簡単ですね。10分もあれば完成すると思います。
またGoogle Sheetsでは、テンプレートのカレンダーも用意されています。これを利用する場合は、各セルにブログ記事、ポッドキャスト、電子書籍、動画など、それぞれのコンテンツ更新の予定を書き込みましょう。スケジュールを守るためには、公開予定日に加えて、作成締切日も合わせて記入することが大切です。
方法#2:紙のカレンダーを使う方法
2つ目は、紙のカレンダーを使う方法です。CoScheduleやGoogle Sheetsなどのデジタルカレンダーは、いつでもどこでもメンバーで共有できたり、予定の編集も手軽にできたりと、非常に便利です。しかし、それは紙ベースのカレンダーが劣るということを意味するわけではありません。
手書きで何かを書き出すというのは、とても良いことです。実際、手書きメモは記憶力を向上させるという研究結果もあります。紙のスケジュールを利用することで、より予定が頭にインプットされやすくなるでしょう。紙のカレンダーの使い方について、詳しく見ていきます。
ステップ1:紙のテンプレートをプリントアウトする
まずは、Web上でスケジュール帳のテンプレートを見つけましょう。気に入ったものを見つけたら、それをプリントアウトします。
Google上で「カレンダー 印刷」や英語で「printable calendar」と検索すると色々な候補が出てくるはずです。気に入ったデザインのものを選んでください。選ぶ際には各日付の中の書き込みスペースが広く取られているものを選ぶと使いやすいです。
ステップ2:スケジュールを書き出す
カレンダーを印刷できたら、あとはそこに各チャンネルの更新予定を書き込んでいくだけです。全ての予定を紙に書き出すのは、面倒なことに感じられるかもしれません。しかし、いつ、どのチャンネルを更新するのかを記憶するには便利な方法です。多色のマーカーを使えば、各チャンネルをひと目で明確に区別することもできます。
このカレンダーを印刷していく方法は、チームの中に手書きでスケジュールを作成することを強く希望している人がいる場合に有効です。しかし、特別なこだわりがないのであれば、やはりCoScheduleやGoogle Sheetsなどのデジタルソリューションを選択する方が良いかもしれません。
カレンダーにタスクをスッキリと書き込む方法
カレンダーを作成できたら、次はその中身を埋めていきましょう。具体的に、いつ、誰が、どんなトピックでコンテンツを作成・公開するのかを記入していくのです。
タスクを入力していく際にそのままだと、文字数を容易にオーバーしてしまい、次の日の分のセルまで使ってしまいます。よりスッキリさせるため、少し調節しておきましょう。
セルの折り返しオプションとして「切り詰める」を選択することで、セルの範囲内に文字を収めることができます。この方が見栄えが良いですね。セルをクリックすれば、全ての文章を見ることができます。これはカレンダーをきれいに見せるためのオススメの方法です。
このようにして見やすさを考えながら、カレンダー内にタスクと担当者、所要時間を埋めていきましょう。少なくとも、向こう2週間分の予定は埋めてみるようにしてください。
カレンダーに画像や動画などの資料を追加しよう
カレンダーに記入する予定は、テキストやリンクに限りません。「この画像を使う」「この動画を参考にする」などの予定も追加しておくと、よりスムーズにコンテンツを作成できるでしょう。
しかし、Google Sheetsのセルに画像を追加するのは、実はかなり難しいです。そのため、Google Sheetsを使っている場合は、クラウドサービスに使用したい画像を保存しておきましょう。そして、Google Sheetsのセルには、画像へのリンクを貼り付けるのです。自分で作った動画やYouTube上の映像をスケジュールに追加したい場合も、同じようにリンクを貼り付けることができます。
コンテンツカレンダーを充実させるための4つのヒント
ここまでの作業を実際に行ってみると、全てのスケジュールを予定で埋めるのは、意外と難しいことだと気づくでしょう。しかし、次のポイントを意識することで、比較的簡単にスケジュールを完成させることができるはずです。
ヒント#1:メッセージを再利用する
1つ目のポイントは、メッセージの再利用です。
つまり、1度投稿した内容と似たメッセージを、間隔を開けて別の日の異なる時間に投稿するのです。もちろん、あるチャンネルで投稿した内容を、別のチャンネルで投稿するのも有効です。
そういえば勝間和代さんもYouTubeで毎日違うテーマで投稿しています。ご自身いわく同じテーマであっても期間を空けて、何度も繰り返し使っているようです。見るタイミングによってメッセージが伝わる人が変わるため、同じような投稿であっても意味があるのです。
ただし、あまりに同じメッセージを何度も繰り返し投稿するのは避けましょう。読者に「また同じ内容だ」と感じられてしまうと、それ以降の投稿に目を通してもらえなくなるリスクがあります。これはカレンダーを埋めるのに有効な方法ですが、やり過ぎないように回数や頻度にも注意してください。
ヒント#2:コンテンツをキュレーションする
2つ目のポイントは、コンテンツをキュレーションすることです。つまり、今まで投稿したコンテンツを、 カテゴリごとにまとめて編集して再投稿するのです。
もちろん、キュレーションの対象はあなたが作成したコンテンツのみに限りません。あなたの製品・サービスに関する他社サイトや他社ブログを、特定のテーマに沿ってまとめることもできます。このようなキュレーションを作成する際には、各コンテンツへのリンクも忘れずに追加しましょう。
テーマはあらかじめ選んでおくこともできますし、その日のトレンドになっているものを選ぶこともできます。どんなキュレーションを作るのか、大まかな案をカレンダーに書き込んでおきましょう。
ヒント#3:1つの記事やリンクを宣伝するメッセージを複数作成する
3つ目のポイントは、特に多くの読者に読んでもらいたいと思える、素晴らしいブログ記事やWebページを宣伝するメッセージを複数作ることです。
特定の1つのページに誘導するメッセージを、さまざまな視点から各チャンネルに投稿するのです。魅力的なメッセージが載せられた投稿が増えれば増えるほど、見込み客がそのページにアクセスしてくれる可能性は高まります。
ヒント#4:すべての記事にリンクが必要なわけではないと認識する
4つ目は、すべての記事にリンクが必要なわけではないと認識することです。ここまで、キュレーションやおすすめ記事へのリンク挿入が大切だとお話ししてきましたが、必ずしも全ての記事にリンクを入れなければならない訳ではありません。
これは、特にFacebookにおいて大事になってきます。魅力的な画像や動画を投稿できれば、それだけでシェアやエンゲージメントを獲得できることがあります。たとえそれが、直接的にあなたのサイトへのトラフィックを誘導しないとしてもです。
まとめ:コンテンツカレンダーを作成してコンテンツの更新を継続する
ここまで、専用ツールを使わない場合のコンテンツカレンダーの作成方法について紹介してきました。その方法は、大きく「クラウドベースのスプレッドシートを使う方法」と「紙に記入する方法」の2つがあります。どちらにもメリットがあるため、チームメンバーが好むタイプを選択しましょう。
実際に予定を書き込んでいくと、定期的にコンテンツを生み出すことがいかに難しいかがわかるはずです。しかし、今回紹介したポイントを押さえることで、スケジュールが埋まり、より効率的かつ一貫性のあるコンテンツ作成を実現できるでしょう。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。