今回は、チームで行うマーケティングの話をします。プロジェクトの進捗管理の方法を学んでもらいます。チームでプロジェクトを動かす場合は、メンバーに割り振ったタスクの進捗管理が成功を左右します。これを見れば、チームでプロジェクトを進める際のコミュニケーションロスを最小にすることが可能です。
マーケティングのために様々なアイデアを出し、それを実行していく段階の話をします。あなたはチーム単位でのプロジェクトを管理することに不安を感じているかもしれません。僕が今日ご紹介するスプレッドシートを使えば、シンプルな方法で進捗管理を行うことが可能になります。
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チームでの進捗管理のコツは一元管理
チームでタスクを行っていく場合の秘訣は、すべてのタスクの進捗状況を一覧で見れるようにしておくことです。誰がどのタスクを担当し、それがいつまでに仕上がるのか?今どのくらい仕上がっているのか?予定より遅れているタスクはないか?これらがひと目で分かるようになっていなければいけません。
まず最初に行うのは、特定のプロジェクト内で作成するすべてのコンテンツのブレーンストーミングです。どんなタスクがあって、そのタスクを完了するためには何をすべきなのか?を明確にしてください。
例えば、僕らの次のプロジェクトが新しいオンラインコースであるとしましょう。そのコースを制作し、最終的にプロモーションまでを行い、確実に収益に変えていきます。その商品のローンチプロジェクトが目的の売上を達成できるように、僕らのチームは次のコンテンツを作成していきます。
- ローンチ概要: 目標、ターゲット、プロジェクトの内容、キャンペーンのマーケティング方法などを説明するチーム内の文書です。チーム内の認識を統一する上で重要です。
- ブランド概要: 複数のコンテンツを制作するため、デザイナーはキャンペーンを通してデザインイメージを一貫させる方法が必要になるかもしれません。バラバラなデザインを質の低いコンテンツと認識されかねません。
- オプトインページ: その名の通りキャンペーンにオプトインしてもらうためのページです。ローンチのためのトラフィックをすべてここに集めます。
- レクチャーページ: これらは実際のコース教材で、動画以外の文章や画像コンテンツを盛り込みます。
- レクチャービデオ: コース内のコンテンツです。テキストレクチャーよりも動画の方が魅力的なので、オススメします。 レクチャー内のクイズ: 本物のコースは一方通行ではなく受講者に内容が伝わってこそ、その役割が果たされます。レクチャー内でクイズやテストを行うことで受講者の理解を促すことができます。
- ワークショップ: 多くのコースでは、ウェビナーのようにトークとスライドを含むようなライブのトレーニングがあります。ライブトレーニングは海外でも人気のあるマーケティングコンテンツです。
- 修了証: すべてのクイズに合格した学生には、修了証を作成することを検討してもよいでしょう。
- コミュニティ/グループ: これは、学生たちが協力し合い、あなたのブランドに関するコミュニティを構築する方法を提供します。
- Eメール: あなたのメールリストにコースを宣伝してもらいます。予告、開始告知、終了告知など、段階別に複数のメールが必要になることでしょう。
- SNSキャンペーン: あなたのソーシャルメディアのフォロワー全員にシェアして、プロモーションします。
- Google広告: これは、あなたのフォロワーやリスト以外の多くの人たちにリーチする方法です。広告を配信するには、画像や文章、動画など広告クリエイティブと呼ばれるコンテンツが必要です。
この例では、大きなプロジェクトが多くのコンテンツに分解されていることがわかります。このように何かのプロジェクトを行う場合は、たくさんのコンテンツを作る必要が出てきます。さて、ではこれらのコンテンツ制作を1つの場所にまとめていきましょう。
ここでは、僕が用意したマーケティング進捗管理シートを使います。このシートでは、タスクごとの進捗度合いを1枚のシートで管理することが可能です。どう使ったら良いのか?一緒に確認していきましょう。
シートに記入して担当者と締め切りを設定する
まずは、マーケティング進捗管理シートの「進捗チェックリスト」タブを開いてください。そこに4つのカラムがあります。
左から「プロジェクト/キャンペーンの内容」「担当メンバー名」「完了状況」「進捗メモ」という欄です。
一番左の列が4つに分かれているのがわかると思います。「プロジェクト準備」「告知」「ローンチ」「ポストローンチ」です。この場合は、1つのオンラインコースをローンチする上で全体を4つのフェーズに分類しています。
1つのプロジェクトの中にも、このようにいくつかのカテゴリーに分けるとわかりやすくなります。可能であれば、上から時系列で並べておくとどの項目を先に完了すべきかが分かるのでオススメです。もし、これらのカテゴリーがあなたのプロジェクトに当てはまらない場合は、テンプレートを微調整してください。
一番左の欄に実際のアイデアを記入してください。その右にある「担当メンバー名」の欄には具体的なコンテンツの実行を手伝ってくれるチームメンバーの名前を記入します。ここでは各作品にかかる労力のレベルを理解し、一人が常に過大な負担を強いられることがないようにしてください。
アイデアが完了したら、プルダウンからチェックマークを選択し、チェックをつけていきます。一番右の進捗メモの欄には、担当者それぞれが今の進捗状況をメモしていきます。この進捗メモを記入することで、未完了のタスクであっても進捗状況を一覧で理解することができます。
コンテンツ作成の4つの流れ
ここでコンテンツを作る上での流れを簡単におさらいしましょう。すべてのコンテンツは、実際に作るプロセスにおいて次の4つの段階を経ています。
- Write
- Design
- Code
- Promote
1つ目のWriteは、コンテンツの土台となる文章などを指します。例えば、オプトインページであればそこに書くべきコピーの文章などをあらかじめ用意しておきます。後でページデザインの作業の前にコピーの文章を考えておくことで、作業を分けて効率化することができます。ページデザインを考えながら、文章も同時に考えると作業が遅くなるためです。
コース作りにおいても同じことが言えて、僕らはコースを作る際に最初にサクセスパスを作ります。サクセスパスとはコースを通してお客さんが目標に到達するまでの道のりを、いくつかのステップに分解したものです。いわばロードマップとも呼べる地図です。
サクセスパスを先に作っておくことで、あとでレクチャーの内容に悩んだり、順序がバラバラになることを防ぐことができます。またメールの文章であれば、あらかじめGoogle Docsなどにメールの内容を作っておき、実装する段階になって初めてMailChimpに貼り付けると良いです。このようにまずコンテンツの土台となるテキスト部分を書いてしまいます。
2つ目はDesignです。これは1つ目のWriteで作った草案の状態のコンテンツを、お客さんが見やすい形に加工するものです。テキストからスライド資料を起こしたり、デザインを施したランディングページを作ったり、画像付きのメールシーケンスを作ったりということです。
3つ目はCodeです。これはきちんと仕組みが動く状態に実装を施すという意味です。コーディングなんて呼ぶ場合もありますが、必ずしもプログラミングコードを書かないといけないわけではありません。
例えば、ClickFunnelsで作ったオプトインページとMailChimpを連携させたり、Zapierなどのノーコードツールを使い自動化を組んだりという具合です。
最後のPromoteは、実際にプロモーションを打ちます。メールやSNSであなたのキャンペーンを見込み客に向けて、知らせて現実的にキャンペーンを動かしていくことです。もちろんこの段階では、すべてのコンテンツが揃い、必要な実装作業が完了している必要があります。
具体的なコンテンツリストにもスケジュールを設定する
何を作るか、そして誰が担当するかが明確になったら、次は各コンテンツをより詳しいスケジュールに落とし込みます。マーケティング進捗管理シート内の「コンテンツリスト」という別のタブを使ってください。ここでは、先ほど紹介したコンテンツ作成の4つのフェーズに合わせて、「誰が何をどの順序でやるのか?」ということを視覚的に管理することができます。
例えば、ページに載せる文章がないままページデザインはできません。まずはライターがテキストコンテンツを作り、次にデザイナーがそのテキストコンテンツを使ってページをデザインします。さらに出来上がったキレイなページを実際に動くように設定する人がいます。
このように各人のタスクの連携を取るために、ここで紹介する「コンテンツリスト」というタブの方を使ってください。このタブでは、それぞれのタスクをガントチャートのようにタイムラインに沿って視覚的に確認することができます。使い方は次の4つのステップです。
- 一番左の列に作成するコンテンツをリストアップする
- 上の行に時系列を記入する
- コンテンツリストと時系列の交わるセルに具体的なタスクに記入する
- タスクを担当者ごとに色分けする
まず縦の列にコンテンツのリストを記入し、横の列に時間軸を記入していきます。
例えば、縦に「オプトインページ」「コンテンツ1」「コンテンツ2」と記入します。
横方向には1月の第1週、第2週という風に時系列を書きます。
1月の第1週には、オプトインページのテキストを作る作業をやります。誰がそのタスクを担当するかは、セルの色を変えることで簡単に見分けることができます。
まとめ:プロジェクトの進捗管理をシートで一元管理する
さて、今回はプロジェクトのスケジュールと担当者をきちんと整理する方法を学びました。せっかく秀逸なマーケティングアイデアがあっても、それをきちんと実行に移して、外部にリリースしなければ意味がありません。実行の伴わない最高のアイデアでは、決して成果を上げることはできません。
ターゲットにリーチし、10倍成長のマーケティング目標を実現するためには、プロジェクトを確実にローンチする必要があります。このフレームワークを使って、計画を立て、締め切りを守り、チーム作業への期待を高めてください。今回は以上です。
マーケティング進捗管理シート
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