今回のレクチャーでは、プロジェクト管理についてお話します。プロジェクト依頼フォームによる効率的な受注管理方法をご紹介します。この方法を学ぶことでプロジェクトに必要なリソースを把握し、慎重に受注可否を判断できるようになります。
慎重な判断が必要とはいっても、かけられる時間や労力は限られています。事前に準備をし、いざというときに少ないリソースで対応できる状態を目指しましょう。依頼プロジェクトにかかるリソースを正確に見積もるために、ヒアリングのための専用フォームを作っていきましょう。
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プロジェクトを受ける際には検討が必要
社内外から新たにプロジェクトを受注する際には、工数や時間を見積もり、慎重に検討する必要があります。もし安請け合いをすれば、コアの仕事に悪影響が及びかねないためです。今、チームにどのくらいの余力があるのか、それは新しいプロジェクトを受けるのに十分なリソースなのか、見誤らないようにしなければなりません。
フォームを使ってヒアリングの手間を削減する
「慎重に見積る」と言葉でいうのは簡単ですが、実際には容易ではありません。むしろ、慎重さを意識すればするほど、ミーティングやメールでのやり取りに余計な時間を費やすことになります。限られたリソースの配分を考える方法としては不適切です。
そこで活用したいのがプロジェクト依頼フォームです。これは、プロジェクトを請け負う際にヒアリングしたい内容を、あらかじめ項目として設定した入力フォームのことをいいます。受注前に、プロジェクト依頼フォームを発注者に渡して記入してもらうことで、必要なリソースを速やかに見積れるようになります。
プロジェクト依頼フォームを作るための6つのステップ
では、プロジェクト依頼フォームの作り方を具体的に見ていきましょう。ここでは、Googleフォームを用いた方法をご紹介します。
ステップ#1:Googleフォームで新しいフォームを作る
まず、Googleフォームにアクセスし、「新しいフォームを作成」の欄から「空白」をクリックします。すると、「無題のフォーム」と書かれたフォーマットが表示されます。タイトルのフィールドをクリックし、「プロジェクト依頼フォーム」などと入力しましょう。
そして、タイトルの直下にある「フォームの説明」欄をクリックし、「マーケティングチームへのプロジェクト依頼はこちらのフォームにご記入ください」と入力します。これは「私たちのマーケティングチームにプロジェクトを依頼するには、このフォームを埋める必要がありますよ」という意味です。
ステップ#2:プロジェクトに関する質問を入力する
次は、具体的な質問内容を記入していきます。フォームの右側に、アイコンが縦に並んだバーが表示されているはずです。その一番上にある、プラスボタンをクリックしましょう。これにより、質問を入力する項目が生成されます。
つづいて、「質問」と書かれたフィールドをクリックし、そこに具体的な質問内容を記入しましょう。「期限はいつですか」のように、プロジェクト受注前に知りたいことをシンプルに記入します。
回答形式はラジオボタンやクリックボックス、記述式などが用意されており、質問内容に適したものを選択します。たとえば、期限を問うのであれば、日付入力フィールドを用意するのがよいでしょう。「質問」フィールドの右側にあるタブをクリックし、表示される項目から「日付」を選択しましょう。
このように、質問したい内容を1つずつ質問項目として作成していきます。必ず答えてもらいたい質問は、右下にあるスライダーをクリックすることで回答必須項目にできます。
また質問項目をいくつかのセクションに分けることもできます。例えば、プロジェクトの概要に関する質問、マーケティング対象となるオーディエンスに関する質問のように回答項目をまとめます。
セクションを作るには、セクション分けを始めたい質問までいきます。その質問の右側のバーの中にある「セクションを追加」というアイコンを選択します。
そうすると、その質問以降の質問が1つのセクションとしてまとめられます。回答者から見るとセクション1つに対して1ページです。
すべての質問を記入したら、最後に順序を並び替えます。各質問項目の、上部の中央に小さな点が6つ集まった部分があるはずです。これをドラッグアンドドロップすることで、項目の順序を替えられます。
ステップ#3:記入者と連絡先に関する質問を追加する
プロジェクトの内容に加え、記入者とその連絡先についても情報を収集しておきたいものです。
そこで、質問の最後に、記入者と連絡先を問う質問を追加しましょう。「段落」という長文用の回答形式が有効です。同様に、留意事項などを自由に記入してもらう項目を用意するのもよいでしょう。
ステップ#4:回答内容を記録し通知する
次は、回答内容の確認方法を把握しておきましょう。画面上部のバーに「質問」「回答」と書かれた部分があります。「回答」をクリックすると、集計結果が表示される画面に切り替わります。フォームをリリースし、無事回答を得られたらこの画面にアクセスしましょう。
また、「0件の回答」と書かれた右側に、スプレッドシートのアイコンが表示されています。これをクリックすると、すべての回答が含まれるGoogleスプレッドシートが生成されます。回答が得られた後の集計作業に活用しましょう。
さらに、スプレッドシートのアイコンの右側に、点が3つ縦に並んだアイコンがあります。これをクリックし、「新しい回答についてのメール通知を受け取る」を選択しましょう。これにより、フォームに回答が入力された際、フォーム作成者に紐づけられた連絡先へ通知メールが送信されるようになります。
ステップ#6:フォームをリリースする
ここまでの準備が終わったら、いよいよフォームをリリースします。画面右上にある「送信」をクリックしてください。
表示される画面の「送信方法」の右側に、いくつかのアイコンが並んでいます。その中からリンクアイコンをクリックし、表示されるリンクをコピーして、ブラウザに貼り付けましょう。「URLを短縮」を押せば、URLをかなり短くすることもできます。
これにより、完成したフォームを送ることができるようになりました。全体を見直し、問題がないか最終確認を行います。問題がなければ、今しがたコピーしたリンクを共有し、回答してもらうだけです。
リンクの渡し方にもいくつかの方法があります。メールや社内SNSで送るほか、「送信」をクリックした後に「送信方法」からタグアイコンをクリックし、HTMLに埋め込む方法も存在します。あとは回答が入力されて通知メールが届き次第、「回答」タブから結果を確認するだけです。
まとめ:プロジェクト依頼フォームで受注を効率化
プロジェクトの遂行にあたって、リソースの管理は極めて重要な事項です。外部からプロジェクトを安請け合いしてしまうと、コアの業務に支障が生じかねません。受注前にプロジェクトの全体像を把握し、必要なリソースと自分たちの余力を比較したうえで慎重に受注の可否を判断することが大切です。
プロジェクト依頼フォームを活用すれば、メールやzoomなどで無駄なやり取りをすることなく、プロジェクトの全容を把握できます。把握に要する時間と労力を節約すれば、それだけ多くのリソースを確保できるでしょう。今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。