今回は、マーケティングに関するアイデアに優先順位をつける方法を解説します。ミーティングなどでブレインストーミングを行った際に、最終的にどのアイデアを採用するか迷った経験はありませんか?このレクチャーを見れば、たくさんのアイデアの中から実行すべきアイデアを選ぶ手助けになるはずです。
ミーティングでアイデアは出るけど、どれを実行すれば良いか決まらずに終わってしまう。そんな悩みはありますか?結局次のミーティングで決めましょうと先延ばしになることも多いはずです。アイデアが出てきたその場で、熱量の高いうちにアクションにまで落とし込んでしまうために、アイデアを素早く選ぶ2つの方法を紹介しましょう。
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10倍成長のアイデアに目を向ける
まず優先順位をつけるべきアイデアを集めておいてください。チームでブレインストーミングを行い、アイデアを出しておきます。そしてそこで出てきたたくさんのアイデアに優先順位を割り振っていきます。
ではどんなアイデアを優先すべきなのでしょうか?それは、あなたのチームに10倍の成長をもたらしてくれるようなアイデアです。10倍というと大げさに聞こえますが、これは非常に大事な考え方です。アイデアの中には、優れたものと劣っているものが当然存在します。
それらを見分ける時に有効なのが、「10倍成長または10%改善」と呼ばれるフレームワークです。10倍成長をもたらしてくれるアイデアなのか?たった10%の改善のためのアイデアなのか?という観点で、優先順位をつけることです。
例えば、ブログ記事の誤字脱字を直すというのは、新しいブログ記事を書く作業に比べるとインパクトが少なく効率の悪いアイデアになります。同じ時間を使っても、そこから得られる結果は全く違います。自分のアイデアが10%の改善をする程度のインパクトの少ないものなのか?または、それより遥かにインパクトの大きいアイデアなのか?そのような視点でアイデアの優先順位を分類するように意識してください。
どんなアイデアを優先すべきかを理解したところで、チームでアイデアの優先順位を決定する2つの方法を紹介しましょう。このプロセスは、30分のチームミーティングで完了します。この作業をチームで行うことで、アイデアの優先順位リストが手に入るだけでなく、アイデアのスケジュール感やアイデアに対するチームのコミットメントも得られます。
アイデアの優先順位を分類する
アイデアを分類するために、あらかじめ出てきたアイデアを付箋に書き込んでおいてください。そして、そのアイデアを壁やホワイトボードを用意してそこに貼っておきます。
壁やホワイトボードの左側に、すべてのアイデアを配置します。そして右側に1、2、3と書かれた3つの列を作ります。1はまだ実行しなくても良いもの、3はすぐに実行すべきアイデア、2はその中間です。
ここまで用意ができたら、実際にチームでアイデアを1つずつ見ながら優先順位をつけていきます。左側に置いてあるアイデアリストを右側の1から3の欄に分類していきます。チームでこの分類をやっていく2つのアプローチがあります。それぞれ見ていきましょう。
方法1: アイデアを声に出して読む
1つ目の方法は、それぞれのアイデアを声に出して読んでいき、それに対してチームメンバーが声で採点していくものです。もう少し詳しく説明すると次のようになります。
- チーム内で一人ずつ、それぞれのアイデアを読んでもらう
- 次に各チームメンバーにアイデアを1〜3の点数で評価してもらいます。点数を声に出して話します。
- 意見が分かれる場合にはそこで議論を行い、各アイデアをボードの各欄に貼り付ける。
この方法は、コラボレーションに適しています。チーム内で、なぜそのアイデアが良いのか、悪いのかを議論する機会を提供します。
しかしその一方で、集団思考を助長する傾向もあります。他の人が「3」と言うのを聞いて、それに従わざるを得なくなるかもしれません。そのため、各自が自分の答えに正直に答えることを強調することが大切です。この方法には以下の3つのメリットがあります。
アイデアを声に出して読むメリット
- メンバー同士のディスカッションを促すことができる
- 実際に声に出すことで紙の上よりも有効性を確かめられる
- たくさんのアイデア候補を出すことができる
方法2:アイデアを黙って採点する
次に2つ目の方法をみていきましょう。2つ目の方法は、評価を声ではなくチャットなどのテキストメッセージで答える方法です。 アイデア自体を読み上げるということに変わりはありませんが、それぞれのメンバーが答える方法が声ではなくテキストメッセージに変わります。
この方法では、 先ほどとは異なりお互いの回答が見えません。 具体的に手順を紹介すると次のようになります。
- 各トピックを読み手が読み上げる。
- そして、各チームメンバーがチャットメッセージで読み手にスコアを提出します。Slack、Chatwork、Zoomのチャットでも良いです。この時にお互いの回答が見えないように、個別メッセージで投票します。
- そして、読み手はそれぞれの点数を見てボードに配置する。
- 満場一致の3点を獲得したすべてのアイデアを記録する。文句なしの「3」は覚えておきたいものです。
- 最後に、読み手はチームに3点のリストを提示します。そして、その中からどれが書く価値のあるアイデアなのか、チームで話し合ってください。
この手法の利点は、より正直なフィードバックが得られることです。他の人が言っていることが聞こえないと、人は外からの影響を受けずに、自分が本当に思っている通りに反応する傾向があります。
しかしその分、リアルタイムな共同作業やディスカッションが減ることになります。そのためこの方法はより時間の節約にはなりますが、場合によってはコミュニケーションを増やすことが、ベストなアイデアを選別するために有効な場合もあります。またお互いの評価に引っ張られることも減るので、3をつける優れたアイデアの数も少なくなります。
アイデアを黙って採点するメリット
- ディスカッションの時間を削減できる
- メンバーの正直なフィードバックを得られる
- 優れたアイデアの数は自然と少なく絞られてくる
また各トピックを採点する際には、スピードが求められます。その時のコツは、直感を働かせること。採点時にはあまり多くの時間を使わず、1つのアイデアに長くこだわらないようにしましょう。
結局どちらの方法が良いのでしょうか?
どちらの方法もおすすめではありますが、僕らのコンテンツマーケティングチームは2つ目の「アイデアを黙って採点する」を好んで使っています。高得点を得られるアイデアが少なくなるため、全体として生み出されるアイデアは若干少なくなります。
しかし、少なくなる代わりにこれらのアイデアはより強力なものになる傾向があります。僕らは多くのアイデアを得るよりも、よりシンプルな方を好みます。厳選された少ないアイデアの中から、最良のものだけを実行したいと考えているからです。
もしより多くのアイデアを得ることが重要な場合は、1つ目の方が良いでしょう。これは多数決のようなプロセスで、全員がオーナー意識を持ち、あるプロジェクトが他のプロジェクトより優先される理由を正確に理解し、チーム内での合意を作ることができます。
まとめ:メンバー投票で優先順位の高いアイデアを選び出す
今回は、チームの中から出たマーケティングアイデアを優先順位の高いものと低いものに分類する方法をお伝えしました。アイデアに優先順位をつける際に忘れて欲しくないのは、「これは10%改善ではなく10倍成長のアイデアか?」と常に問いかけることです。
チームメンバーとディスカッションしながらアイデアを選別していくスタイル、そしてディスカッションを減らしてより少ない数のアイデアに絞っていくスタイル。 2つのアイデア選別方法を紹介しました。 これらを実践してブレインストーミングでリストアップしたアイデアの優先順位を決定してください。今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。