今回のレクチャーでは、マーケティングにあたって設定すべき数値目標についてお話しします。オンラインでマーケティングを行うためには、コンテンツごとの数値目標を据えることと、それを継続的に計測することが絶対に必要です。
ここで疑問に思うのが「なんの数値を計測するのか?」という点ですね。今回は、特に重要な5つの計測すべき数値を紹介します。ご自身のマーケティング戦略に合わせて、どれを採用すべきかを考えてみてください。
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コンテンツの数値目標が必要な理由
Webマーケティングにおいて、コンテンツの数値目標を設定することは非常に大切です。
ここで言う「コンテンツ」とは、ブログやSNS、YouTube、ニュースレターなど、あなたの製品やビジネスについての情報を発信するあらゆる媒体が含まれます。そして「コンテンツの数値目標」とは、ブログのPV数やSNSのシェア数、フォロワー数、ニュースレターの購読者数などのことです。
これらの数値管理をすることは、ビジネスの最終的な目標を達成するために重要です。Web集客で売上を上げるためには、上記コンテンツのアクセス数を増やすことと、コンバージョン率を上げることが必要です。アクセス数をはじめとしたコンテンツの数値目標を立てることで、売上アップのために何をすべきかが具体的に見えてきます。
例えば単に「売上を10%上げる」という最終目標だけを掲げるのではなく「売上を10%上げるために、ブログの購読者数を◯人、ニュースレターの購読者数を◯人にして、コンバージョン率◯%を目指す」とした方が、目標達成までの道筋が明確になりますね。
最終目標達成のために何をすべきかが見えてくることで、より効率的・効果的に必要なコンテンツ作成に集中できるようになるのです。
コンテンツカレンダーに沿って集客コンテンツを作成する
集客コンテンツを作成するためには、スケジュールを立てることが有効です。事前に計画を立てておくことで、一貫したコンテンツ発信を実現でき、その分野に興味を持つフォロワーを増やしやすくなります。
また、日々作成するコンテンツが書かれたカレンダーを作っておくことで、マーケティングがずっと楽になります。毎日、「今日は何を書こうか、何の投稿しようか」と白紙のカレンダーを見つめることがなくなり、次々とコンテンツを発信できるようになるからです。
ただし、コンテンツの作成スケジュールを決めたり、より多くのコンテンツを発信することは、あくまで最終目標を達成するための手段であって、あなたのゴールではないことを覚えておきましょう。手段が目的とならないように、常に最終的なビジネスのゴールを意識しておくことが大切です。
マーケティングにおいて計測可能な5種類の数値
コンテンツマーケティングにおいて計測すべき数値としては、主に以下の5つが挙げられます。
- ソーシャルメディアのシェア
- ソーシャルメディアのフォロワー数
- トラフィック
- ニュースレター購読者
- 顧客のコンバージョン
それぞれの数値は具体的にどのようなものなのか、また、なぜそれが重要なのかについて見ていきましょう。
数値#1:ソーシャルメディアのシェア数
SNSにおけるシェアとは、あなたの投稿を目にした人が、自分のアカウントを使って共有することを指します。Twitterでは「リツイート」、Instagramでは「リポスト」、Facebookでは「シェア」と呼ばれる共有機能が備わっていますね。
シェア数は、あなたの投稿がどれだけの人に拡散されているかを知る指標になります。シェア数が増えるということは、あなたの作ったコンテンツを目にする人が増えていることを意味します。製品販売サイトへアクセスできるような投稿をすれば、集客やコンバージョンのアップにも繋げられるでしょう。
数値#2:ソーシャルメディアのフォロワー数
フォロワー数とは、名前の通り各SNSにおいてあなたを「フォロー」している人の数のことです。
フォロワー数は、あなたの製品やサービスに興味を持つ潜在的な顧客の数と言えます。Twitterでは、83%のユーザーが企業のアカウントをフォローしてから半年〜1年でその商品を購入するというデータも出ています。フォロワー数の増加は、コンバージョンの向上に直結すると言えるでしょう。
また、フォロワー数はあなたやあなたのビジネスにおける信頼にも繋がります。ユーザーは「これだけフォロワー数の多いアカウントなら、嘘や役に立たない情報は流さないだろう」という心理が働き、自然と投稿内容に信頼感を抱くようになるからです。
数値#3:トラフィック
マーケティングにおけるトラフィックとは、ブログやサイトへのPV数やアクセス者数のことを指します。トラフィック数を計測・解析することは、どのSNSにリソースを割くべきか、サイト内のどのページを改善・強化すべきかを理解する上で重要です。
例えば製品購入ページのトラフィックを解析することで、どのSNSを経由してWebサイトへ流入しているかを知ることができます。Twitterからの流入が多いことがわかればTwitterコンテンツの強化に注力する、特定ページの閲覧数が落ちてきたことがわかれば、リライトしたり、サイト設計を見直したりするなどの対策を打つことができるようになります。
このように、トラフィックを解析することで、ユーザーの動きを把握しながら有効なコンテンツの作成ができるようになり、結果としてWebサイト集客や売上アップに繋げられるのです。
数値#4:ニュースレター購読者数
ニュースレターを配信している場合は、その購読者数も計測しましょう。
ニュースレターの購読者とは、定期的に送られるメール経由でブログや動画などのコンテンツに触れてくれる人たちです。彼らは製品・サービスを購入してくれる可能性が高く、その母数を増やすことで購入者数や売上アップにダイレクトに繋げられます。
購読者数を増やすためには、読者に「面白い」「有益だ」と思わせるような内容を配信することが大切です。また、ニュースレターの購読者限定特典などを設けることも有効でしょう。
数値#5:顧客のコンバージョン
顧客のコンバージョンとは、製品・サービスの成約数のことです。どの製品が、いつ、どれだけ売れたのかということを計測します。これは、そのまま売上に直結する重要な数値です。
コンバージョンは、ただその数を計測するだけでなく、サイトへアクセスした訪問者のうち、コンバージョンに結びついた割合(=コンバージョン率)を算出することも大切です。自然検索からのコンバージョン率、各SNSからのコンバージョン率など、経路ごとに解析することで、製品にとって有用な経路を判断できるようになります。
目標数値の設定方法:10倍の成功を目指す
ここまで紹介した通り、マーケティングにおいては各コンテンツの数値目標を立てることが大切です。それでは、各コンテンツに対して、どれくらいの数値を目標として掲げるべきでしょうか?
結論は、原則「現状の10倍」の成長を目標数値として置くことをおすすめします。「自分のビジネスを10倍良くするために、何をすべきか?」この考え方は、僕らが時間の使い方を決定する際の根本にあるものです。そして、あなたにとっても良いモデルとなるはずです。コンテンツを作成する際は、「これは10倍の成長を促進するのに役立つのか、それとも単なる暇つぶしとなるのか」と自問自答してみてください。
もちろん、数値目標は「絶対に現状の10倍に設定しなければならない」というわけではありません。最終目標達成のために10倍の成長が必要ない可能性もありますし、あるコンテンツでは10倍の成長が現実的に達成不可能かもしれません。ただし、見込み客に対してどのようなインパクトを与えているか客観視するために、目標と結果を数値化して比較することは必要です。
コンテンツマーケティングの目標をSMART型にする
コンテンツマーケティングの目標は、「SMART型」に則って設定すべきです。「SMART型」とは、「S=Specific(具体的)」「M=Measurable(測定可能)」「A=Aspirational(野心的)」「R=Realistic(現実的)」「T=Time-sensitive(期限厳守)」のそれぞれの頭文字を繋げたもの、つまり「具体的かつ野心的・現実的で、計測可能な期限付きの目標」です。
測定すべき対象がわかったら、SMART型に従い、以下のようなフォーマットで目標を具体的に定義しましょう。例えば、以下のような目標が考えられます。
「今年の12月31日までに、毎月のブログ閲覧数を100万PVにして、そこから12万人のマーケターとコンテンツクリエイターのリストを獲得する」
このフォーマットを使って、あなたも自身の目標を設定しましょう。
「[期限の日付]までに、うちの[チーム名]は、[大きな成長目標]を実現するために[期間]ごとの[数値目標]を達成する」
「マーケティング戦略テンプレート」では、最終目標と、その達成のために追跡すべき数値目標を記入できます。自分自身のビジネスにおける、それぞれの目標を書き出してみてください。
まとめ:コンテンツの数値目標を設定して最終ゴールを達成する
ここまで、コンテンツの数値目標を立てる重要性についてお話ししてきました。SNSでのシェア数、フォロワー数、サイトトラフィック、メール購読者数、コンバージョンなどのコンテンツの数値目標を設定することで、最終的なビジネス目標の達成までに何をすべきかを明確化することができます。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。