今回のレクチャーでは、SNSでフォロワーの興味を惹きつける画像の作成方法について紹介します。日々、何億もの投稿が行われる中で目立つためには、魅力的な画像を添付することが有効です。このレクチャーではフォロワーが思わずスクロールする手を止めてしまうようなSNS画像の活用事例をお伝えします。
それぞれのSNSごとに、フォロワーの注目を集めやすい画像サイズ、タイプがあります。まずはそれをしっかり理解した上で画像を作成してください。そうすることでフィードの中に投稿が埋もれてしまうことを防げます。また目立つSNS投稿画像の6つのパターンも紹介しますので、それらを真似て投稿用の画像を作ってください。
今回お届けするノウハウはこちら
各SNSでのエンゲージメントを高める画像サイズ
最高のSNS画像を作成するための最初のステップは、各プラットフォームに適した画像サイズを理解することです。フォロワーの注目を集めるには、限られた枚数の中で美しい画像を見せる必要があります。
ここではFacebook、Twitter、Instagram、Pinterest、LinkedInの推奨サイズについて紹介します。なお、ここで紹介する全てのSNSはGIF、JPEG、PNGのファイルタイプのアップロードが可能です。それでは、各プラットフォームの推奨画像サイズを見ていきましょう。
プラットフォーム#1:Facebook
Facebookは現在でも人気のあるSNSで、全世界の月間アクティブユーザーは16億人を超えています。これだけのユーザーがいる以上、特にビジネスにおいてはすべての投稿を最適化して最高のエンゲージメントを獲得するよう努力すべきです。
Facebookの画像投稿におけるゴールデンルールは次の通りです。
- 投稿には必ず画像を使用し、可能なら複数枚用意する
- 週末の昼12〜13時に投稿する
Facebookにおける各画像の最適なサイズは、次の通りです。
- モバイル向け:1080 x 1080ピクセル
- デスクトップ向け:1200 x 628 ピクセル
Facebookでは画像の推奨アスペクト比をいくつか定めています。16:9や4:5などのアスペクト比もありますが、投稿用には1:1と1.91:1が推奨です。モバイル向けの1080 x 1080ピクセルは1:1のアスペクト比です。デスクトップ向けは横長の1.91:1でこれは1200 x 628ピクセルに相当します。
デスクトップではパソコンの画面に合わせて横長が適しています。一方で横長の画像をモバイルで表示すると、画面サイズと合わずに表示が小さくなります。そのためモバイル用には1:1である1080 x 1080ピクセルが推奨となっているわけです。
プラットフォーム#2:Twitter
Twitterでは1日に5億件、つまり毎秒6,000件のツイートが生まれています。ツイートに画像を追加すると、クリック数が18%増えるだけでなく、お気に入りが89%、リツイートが150%増えることがわかっています。
Twitterでは横長の画像は16:9のアスペクト比が推奨されます。16:9のサイズの例としては、1600 x 900ピクセルや1200 x 675ピクセルがあります。
また縦長の場合には3:4のアスペクト比が推奨されます。3:4の例としては900 x 1200ピクセルを使うと良いでしょう。Twitterは縦長画像のサムネイル表示にも対応していて、3:4のアスペクト比であればトリミングされずにタイムライン上に表示することが可能です。横長の場合は16:9が推奨され、サイズは1200 x 675ピクセルです。
また縦長、横長に限らず画像のファイルサイズはモバイルで最大5MBです。デスクトップになると最大15MBですが、モバイル表示を考えた場合には最大5MBにおさめておくのがベストでしょう。
Twitterのゴールデンルールは次の通りです。
- すべてのツイートで画像を使用する
- 水曜日の12時~13時、または17時~18時にツイートする
まとめるとTwitterの各画像の最適なサイズは次のようになります。
- 横長:1200 x 675ピクセル(アスペクト比16:9)
- 縦長:900 x 1200ピクセル(アスペクト比3:4)
- 画像ファイルは最大5MB
プラットフォーム#3:LinkedIn
LinkedInは歴史の長いSNSで、ユーザーの総数は8億5000万人にものぼります。LinkedInへの画像投稿で重要なポイントは、ビジネスに特化したSNSであることを理解することです。
一方で、あまりに「プロフェッショナルすぎる」ページを作るべきではありません。個人が作成したとわかるページの方が親近感を持たれやすくなり、繋がりも生まれるからです。
LinkedInのゴールデンルールは、次の通りです。
- プロではない個人が撮影した画像を使う
- 投稿は週の半ばの午後5時〜6時に行う
LinkedInで最適な画像サイズは、それぞれ次の通りです。
- 正方形の投稿画像:1080 x 1080ピクセル
- 横長の投稿画像:1920 x 1080ピクセル
プラットフォーム#4:Pinterest
Pinterestの平均滞在時間は、なんと1回あたり6分です。これに毎月4億4500万人のアクティブユーザーを掛け合わせると、非常に強力な情報源であることがわかりますね。Pinterestは、最も急成長しているSNSの1つであり、それをうまく活用できればあなたのビジネスを急成長させることにも繋がります。
Instagramと同様に、Pinterestは非常に視覚的なSNSです。各投稿のことをピン(Pin)と呼び、他人のピンを再投稿することをリピン(Repin)と呼びます。全体のピンのうちの80%がリピンであり、コンテンツを多くの人と共有することに重点が置かれています。
Pinterestに最適なアスペクト比は2:3の縦長と言われています。この2:3の比率で最適な画像サイズは735 x 1102ピクセルのサイズです。
ですが実際にピンの一覧が表示される画面では、各ピンは横幅238ピクセルになるようにリサイズされてサムネイル表示されます。もし2:3よりも縦長の画像であっても、横幅が238ピクセルで固定されたまま表示されます。ただし縦が2100ピクセルを超えるとカットされて表示されるので注意です。
なので、Pineterestは縦長になりやすいインフォグラフィックに向いているわけです。もちろんサムネイルをクリックするとフルサイズの画像を見ることが可能です。
Pinterestのゴールデンルールは次の通りです。
- 可能な限りブログやウェブサイトへのリンクを貼る
- 土曜日の午後8時から11時に投稿する
Pinterestのベストな画像サイズは、次のようになります。
- ピン画像:735 x 1102
- 縦は2100ピクセルまでがベスト
プラットフォーム#5:Instagram
Instagramの特徴は、写真に特化したプラットフォームであることです。そのため投稿が記憶に残りやすく、人間的な暖かい印象を与えやすいと言われています。
Instagramのフォロワーあたりのエンゲージメント率は、Facebookの58倍、Twitterの120倍と言われています。そして、85%のトップブランドがビジネス成長のためにInstagramを活用しています。
かつてInstagramでは、正方形比率の画像サイズのみの投稿が可能でした。しかし今では横長と縦長の画像も投稿できます。さらに解像度も1080ピクセルに引き上げられ、鮮明な画像を楽しむことができます。
Instagram上で鮮明な画像を確実に投稿するためにはアスペクト比が1.91:1〜4:5の間で、幅が1080ピクセル以上の画像をアップロードしてください。このアスペクト比の範囲から逸脱すると、自動でトリミングされてしまうので注意が必要です。ただしストーリーズに関しては縦型の9:16になり、これはトリミングの対象外です。
Instagramのゴールデンルールは次の通りです。
- プロフィールには必ずブログやサイトへのリンクを記載する
- 最大の画面占有率のためにはアスペクト比を4:5にする
- 幅1080ピクセルの画像を使用する
- 月曜日の午後2時~3時、または午後8時~9時に投稿する
Instagramで推奨される画像サイズは、以下の通りです。
- 正方形:1080 x 1080ピクセル
- 縦長:1080 x 1350ピクセル(アスペクト比4:5)
- 横長:1080 x 566ピクセル(アスペクト比1.91:1)
- ストーリーズ:1080 x 1920ピクセル
SNSを運用する際には、ブランドのテーマカラーも決めておくと良いでしょう。最適な色はブランドやフォロワー層によって異なるため、試行錯誤しながら決めてください。迷ったら、青か緑を使いましょう。
フォロワーが思わず手を止める!SNSの画像活用事例6つ
目標とする画像サイズについて理解できたら、次はどのような画像を使うかを決めます。スクリーンショット、イラスト、写真、引用文、GIFなど色々な種類の画像がありますが、その中でも特にエンゲージメントが高くなるような画像タイプがいくつかあります。フォロワーが無意識にスクロールを止めてしまうような画像を詳しく見てみましょう。
活用事例#1:印象的な写真
写真はあなたの製品、文化、イベント、チームなどフォロワーに紹介する素晴らしい方法です。
カナダの肉とチーズの専門店のInstagramアカウントでは、親近感を抱くような写真を投稿しています。従業員がチーズにかぶりつくような画像を載せて「このチェダーチーズは2015年に最高のチーズに選ばれました」とユーモアたっぷりに説明しています。簡単なキャプションを付けることで、簡潔にどんな写真であるのかを説明しています。
活用事例#2:名言
講演や最近読んだ本、ネット上の記事やブログからの引用など、名言には様々な形があります。ですがどんなタイプの言葉かに関係なく、名言はあなたのフォロワーに画像でアプローチする優れた方法となり得ます。
TeachableはSeth Godinの言葉を引用して、画像としてツイートしています。「恐怖を感じるというのはしばしば、あなたが正しい道を進んでいるという合図となる」この言葉はTeachableがホスティングするSeth Godinのコースから引用してきたものです。
こうした引用文には洞察力と直接的な訴求力が高いものが多いです。フォロワーが共感できるような引用画像は拡散されやすく、コンテンツを多くの人に知ってもらうのにも完璧な方法なのです。
またCanvaにはこうした引用画像用のテンプレートが豊富に用意されています。Canva上でQuote(クオート)または名言と検索してみてください。Instagram用、Facebook用、Twitter用などのカテゴリを選ぶことですぐに使えるテンプレを簡単に探し出すことができます。
活用事例#3:GIF
GIF(ジフ)は、仕事上のチャットでもSNSでも笑顔をもたらしてくれます。問題に当たってしまいギスギスした状況であっても、GIFを使えばイライラしている人たちにクスッと笑えるネタを与えることができます。
SNS上ではMailChimpやZapierがこのGIFをたくさん使っています。アットマークでMailChimpにメンションしたユーザーに返信するときにGIFを使ってスマートにやっています。長文を避けて気軽にユーザーとつながる方法としてかなり使えます。
ユーザーへの返信に限らず、新しい機能の使い方のイメージをGIFで動かして見せるものもあります。MailChimpではまるで実際にユーザーが触っているかのように、新しいEメールエディターの使い方を解説しています。
引用元:https://twitter.com/Mailchimp/status/1616073050843381760
GIFを使ったツイートは、プレーンな画像を使ったツイートよりも22.3%エンゲージメントが高くなることが分かっています。GIFはあなたの投稿を目立たせてくれるのです。
英語圏ではこういったGIF画像が一種のミームというか、ネタのようなものになっています。GIPHY(ジフィー)というサイトには、様々なGIF画像が集められています。もちろん英語圏が中心なので、英語の文章が付いているものも多いのですが、文字なしのGIFも数多く存在します。
また自分の持っている素材からオリジナルのGIFを作りたい場合もあるでしょう。その場合は、GIPHYが提供しているGIF Makerというツールを使ってください。手持ちの画像や動画の他にも、YouTubeのURLなどからもGIFを生成することができます。
活用事例#4:インフォグラフィック
インフォグラフィックは、言葉や数字だけでは伝えにくい情報をイラストやグラフでまとめたものです。英語圏ではとても人気があり、最もシェアされやすいコンテンツの1つでもあります。
インフォグラフィックは、テキストだけの記事よりも3倍もシェアされ、30倍読まれると言われています。特に、Pinterestで読まれやすいことがわかっています。縦に長くなりやすいインフォグラフィックは、Pinterestの4:5の画像比率に合っているからです。
インフォグラフィックを作るのは難しいと思われがちです。「こんなに複雑な画像は作れない」と思っているかもしれませんが、心配は不要です。
Canvaのテンプレートで、インフォグラフィックと検索してください。Canvaが使いやすいテンプレートをたくさん用意してくれていることが分かると思います。最後に英語のエスを付けた形のインフォグラフィックスと表現のゆらぎはありますが、インフォグラフィックの方が日本語のテンプレートが出て来やすいです。
活用事例#5:記事タイトルの画像化
ブログを書く際に、タイトルを付けるのに時間をかけますよね。キーワードツールなどを使って、正確で最も効果的なタイトルを見つけるはずです。苦労してつけたタイトルをSNSにも活かしてはどうでしょう?
記事のタイトルをテキストで書くだけでなく、バナー画像のように画像化することをオススメします。文字だけの場合よりもずっと記事タイトルを魅力的に見せることが可能です。Hubspotの場合はウェブに関する用語集となる記事のタイトルを画像化しています。もちろんブログだけでなくキャンペーン告知やイベント告知などのタイトルを画像に使用すると、多くの人の目に留まるはずです。
活用事例#6:ノウハウの画像化
記事のタイトルだけでなくもっと直接的にユーザーに価値提供をする方法もあります。それがノウハウの画像化です。これは本来テキストで伝えるようなノウハウを画像にすることで文字だけの時より、そのノウハウが保存され拡散されやすくなるからです。
それはSEO対策のノウハウでも良いし、プレゼン資料の作り方でも良いでしょう。または美容ケアの仕方や、オススメの書籍とその解説を画像にしても良いでしょう。画像にすることで様々な装飾を付けることもできます。他のコンテンツと比べて圧倒的に目立つことができるので、読者のスクロールを止めるのにピッタリです。
まとめ:戦略的にSNSで画像を活用する
ここまで、SNSでエンゲージメントを増やすための画像の特徴について解説してきました。ここでご紹介した画像サイズに従い、効果的な方法で画像を活用してください。最後に要点をつにまとめました。
- Facebookの投稿画像はモバイル向けに1080 x 1080ピクセル、デスクトップ向けに1200 x 628ピクセルの画像を使う。
- Twitterの投稿画像は横長で1200 x 675ピクセル、縦長で900 x 1200ピクセル、画像ファイルは最大5MBまでとなる。縦長の場合はアスペクト比3:4であればタイムライン上でトリミングされない。
- Linkedinの投稿画像は正方形で1080 x 1080ピクセル、横長で1920 x 1080ピクセルを使う。
- Instagramの投稿画像は正方形で1080 x 1080ピクセル、縦長で1080 x 1350ピクセル(アスペクト比4:5)、横長で1080 x 566ピクセル、ストーリーズで1080 x 1920ピクセルを使う。画面上の専有面積最大化のためにはアスペクト比4:5を使う。
- 反応の高い画像の内容としては印象的な写真、名言、GIF、インフォグラフィック、記事タイトルの画像化、ノウハウの画像化などの種類がオススメである。
今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。