今回のレクチャーでは、プロジェクト管理についてお話します。タスクの所要時間を計測し、予測の正確性を高める方法をご紹介します。この方法を学べば、推定値と実際値のギャップを埋められるようになるでしょう。
時間の計測にはタイマーを用いますが、普通のタイマーでは記録が煩雑です。面倒ではメンバーたちの時間計測にやる気が削がれ、結果的に正確なデータが集まらなくなります。その煩雑さを解消し、意識することなく計測できる環境を作ることが大切です。今回は具体的なツールを紹介し、あなたのチームが作業時間の管理を簡単に行えるようになる方法をお伝えします。
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タスクに関する推定時間と実時間の比較が大事
タスクにどのくらいの時間がかかるのかは、事前に推定することが大切です。ところが、推定値と実際の値には大きなギャップが生じることがあります。できるだけこのギャップを埋め、正確な予測を行うことがプロジェクト管理には欠かせません。
ギャップを埋めるには、推定と実際の間にどの程度のギャップがあったのか、比較する必要があります。全体の時間だけでなく、具体的にどの作業に対してどのくらいの時間を要したのか、詳細に把握しなければなりません。
しかし、作業時間を逐一記録するのは大変です。できるだけ少ない負担で時間を記録できる環境を用意しましょう。
比較するためにはまずツールを使って作業時間を記録する
作業時間を記録するための専用ツールが存在します。ツールを活用すれば、ゼロから手作業で記録するよりも簡単な操作で作業時間を可視化できます。中には無料で利用できるツールも少なくないため、積極的に活用しましょう。
特におすすめなのは、豊富な実績を誇るTogglです。Web上で無償提供されているツールで、タイマーをスタート・ストップするだけで作業時間を記録できます。
Togglが時間管理に有効な5つの理由
では、Togglがおすすめの理由を具体的にご紹介します。
理由#1:時間計測に関する専用ツールである
まず、機能は極めてシンプルです。基本的に時間計測以外の機能をもたないため、操作に迷うことはありません。マニュアルを見ることなく、直感的に使用できる優れたUIが魅力です。
メールアドレスやGoogleアカウントで会員登録したら、早速使い始めることができます。WindowsとMac向けに用意されているデスクトップアプリをインストールして使うことも可能です。作業のたびにサイトへアクセスするのは煩雑なため、インストールしてツールバーに固定するとよいでしょう。
Togglがどのくらい時間の正確性を重視しているかというお話をしましょう。Togglでは単にタスクごとの作業時間を計測し、業務の効率化を測るだけでなく、測った時間を報酬計算にも使えるように企業向けに提供しています。メンバーごとの作業時間に時給を掛け合わせることで報酬計算が簡単にできるようにということです。そのため、Togglとしてはあらゆる機能でユーザーの正確な計測を支援しています。
理由#2:Autotrackerで特定のアプリの起動と連携してくれる
普通のタイマーなら、今では便利なスマートフォンアプリがたくさん存在するでしょう。しかし、作業を始めるたびにタイマーのアプリを起動するのは煩雑なうえ、うっかり失念することもあります。プロジェクト管理のために正確なデータを確保したい場合、このような失敗は避けたいところです。
そこで、TogglにはAutotrackerという機能が搭載されています。これは、あらかじめ登録したアプリで作業を開始したら計測開始を促す通知を出す機能です。作業ソフトとTogglを連携させることでこの機能を使えます。
連携方法はシンプルです。デスクトップ版のTogglで設定ウィンドウで、Autotrackerをオンにしたあと、連携する作業ソフトの名称などを登録するだけです。
登録すれば、作業ソフトを開いた際にTogglが自動的に起動し、計測するかどうかを通知で聞いてくれます。
理由#3:通知機能で記録の付け忘れ・止め忘れを防止できる
計測の管理を忘れてしまいがちなのは、作業開始時に限りません。休憩に入るときに止め忘れることも計測を不正確にする要因の1つです。
このような記録忘れを防止する機能として、Togglにはアイドル検知機能が備わっています。これは、一定時間作業が行われていないと、自動的にタイマーを中断する機能です。たとえばアイドル検知を5分に設定しておくと、5分間作業しなければタイマーを勝手に止めてくれます。
またコンピュータがスリープやシャットダウンされたときにタイマーを停止する機能があります。Togglはマルチデバイスに対応したクラウド型のタイマーなので、しっかりタイマーを停止させないとデバイスをまたいでずっとトラッキングしてしまいます。
ですが、この機能をオンにしておけば、デバイスがスリーブやシャットダウンされたときにもきちんとタイマーをストップさせてくれます。休憩から戻ってきたときには、リマインダー機能というものが便利です。
一定時間記録をしないまま作業をしていると「記録をするの忘れていませんか?」という通知を出してくれます。この通知は、うっかり記録を開始しないまま作業し続けてしまうのを防いでくれます。
通知機能はタイマーのスタートとストップ、両方の忘れを防いでくれるのです。このようにTogglには、実際の利用シーンを考慮して「いかにユーザーに正確な時間計測をしてもらうか?」という発想に基づいて機能が付けられています。
理由#4:ポモドーロタイマー機能が付いている
人間の集中力の限界は、20分程度だといわれています。それ以上の時間集中し続けるのは難しく、一度休憩を挟んだほうが時間効率はよくなります。
そこで、ポモドーロテクニックという手法が考案されました。これは、25分間作業を続け、5分間休憩を取るという組み合わせを30分間のワンセットとし、このセットを繰り返すことで勉強や仕事を効率的に進めようというアイデアです。
そして、ポモドーロテクニックに特化したタイマーをポモドーロタイマーといいます。作業開始から25分後に通知し、休憩時間の開始を知らせてくれるタイマーです。休憩時間開始から5分が経過すれば、作業の再開も知らせてくれます。
Togglには、ポモドーロタイマーの機能が搭載されています。このレクチャーのメイントピックであるタスク時間の測定に役立つ機能ではありませんが、効率的にタスクを進める手法の1つとして活用するとよいでしょう。
理由#5:タスク単位での管理が簡単
普通のタイマーでも時間は計測できますが、作業ごとに計測していると、どの作業にどのくらいの時間がかかったのか整理するのが大変です。1時間かかったのが画像作成だったのか、それとも記事の下書きだったのか、一度わからなくなると収拾がつかなくなるかもしれません。
一方、Togglなら計測時にタスク名を入力しておけば、常にタスク名と時間が紐づけられた状態で管理されます。また、複数のタスクをまとめてグループを作成できます。たとえば、「下書き」「執筆」「画像挿入」「投稿設定」などの各作業をまとめて「記事の投稿」という大きなタスクとして管理することも可能です。
さらに、計測データは棒グラフとして視覚的に表示する機能もあります。またチーム機能の強化された有料バージョンでは、メンバーごとのタスク状況を可視化することも可能です。数値だけでなくグラフを活用することで、直感的にリソースの配分状況を把握できます。
まとめ:ツールを有効活用して所要時間を正確に記録
タスクの所要時間を事前に見極められるかどうかによって、プロジェクト管理の質が左右されます。正確に時間を予測するには、予測値と実際の値を比較し、ギャップを埋めることが大切です。そして、そのためにはまず正確に所要時間を計測することから始めなければなりません。
難しい作業ではありませんが、日常的に行うには煩雑です。心理的ハードルを下げるために便利なツールを活用しましょう。今回のレクチャーではTogglをご紹介しましたが、これである必要性はありません。使いやすいものを見つけて上手に活用しましょう。今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。