今回は、コンテンツマーケティングにおけるSEO対策を扱います。あなたは見込客に検索エンジン経由で自分のサイトを見つけてもらいたいと思っているはずです。そして彼らにあなたの意図する行動を取ってもらいたいと思っているはずです。このレクチャーではユーザーの検索目的を理解することで、あなたのサイト上での成約率を高める方法をお伝えします。
ユーザーが検索行為の末にあなたのサイトに辿り着いたとき、そのユーザーを満足させるにはその人がなぜ検索をしていたのかを理解することが重要です。実はその検索の目的は3つに分類できるのです。まずは検索意図という概念を理解しつつ、それらを分類するところから始めてみましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
検索意図とは?
まずは検索意図という言葉について理解してください。検索意図とは、見込客がどのような目的を持ってサーチエンジン上で検索をするのか?どんなことをしたいから検索するのか?ということです。この検索意図は英語でキーワードインテント(Keyword Intent)と呼ばれます。SEOの世界では重要な用語です。
検索キーワードを語る上で重要となることがいくつかあります。まずはキーワードの検索ボリュームです。検索ボリュームとはそのキーワードが検索されている回数のことです。全く検索されていないキーワードではお客さんを引っ張ってくるのは難しくなります。とはいえ「ギター」のような明らかに検索数の大きいキーワードでは競合が多く、なかなか検索結果の上位に表示するのは難しくなります。
そこで次に重要になるのがキーワードの狭さです。検索するキーワードを追加して細分化していくと、どんどん検索ボリュームが少なくなっていきます。例えば「ギター」「エレキギター」「エレキギター おすすめ」「エレキギター おすすめ 安い」とキーワードを増やすごとに検索する人が減っていくイメージです。こういった狭くて人気の低いキーワードを「スモールキーワード」と呼びます。
ただしスモールキーワードの場合は検索数が少ない反面、検索の目的つまり検索意図がハッキリしています。「ギター」と1語だけで検索するときよりも「エレキギター おすすめ 安い」と検索している人の方が検索の目的が明確です。つまり何かを知りたい、何かを買いたいと思っている度合いが強くなります。
検索意図の3つの種類
検索意図と言われると人の数だけ無数にあるような気がしてしまいます。旅行に行きたい。歴史について調べたい。レシピを知りたい。人から聞いた本について調べたい。悩みを解決したい。という風にたくさん出てきます。ですが、検索意図は大きく次の3つの種類に分類することが可能です。
- Knowクエリ(インフォメーショナルクエリ)
- Goクエリ(ナビゲーショナルクエリ)
- Doクエリ(トランザクショナルクエリ)
クエリ(Query)というのは英語で質問、疑問を意味します。そこから発展してITやコンピュータ用語で、システムに対して何らかのリクエストを送信するということを表しています。ここでは検索キーワードの種類のことを指しています。ではこれらを1つずつみていきましょう。
Knowクエリ(インフォメーショナルクエリ)
Knowクエリとは、特定の事柄について知りたいという目的を持った検索のことです。何かに関する情報を得たいという意味でインフォメーショナルクエリ(Informational Query)とも呼ばれます。例えば「エレクトリック・アコースティック・ギターとは」という検索キーワードを考えてください。これはエレクトリック・アコースティック・ギターについて知りたいというユーザーの検索意図に基づいています。
また「ギター 歴史」という検索キーワードは、ギターの歴史についての情報を得たい、知りたいという検索意図があります。「エレキギター 音が出ない」というキーワードであれば、ユーザーは音が出なくなった原因を解明したいと思っているはずです。このようにKnowクエリとは、純粋な興味や関心などに基づいて行われる検索です。
Goクエリ(ナビゲーショナルクエリ)
次はGoクエリです。これは元々名前を知っているサイトやページに行きたいという検索キーワードです。いわゆる指名検索です。例えばAmazonやAppleといったキーワードで検索する人は、それらのサイトに行きたいということが既に決まっています。そのため案内をするという意味で、Goクエリはナビゲーショナルクエリ(Navigational Query)とも呼ばれています。
その他にも、例えば広告やKindleで僕を知ってくれた人が「石崎力也」と検索して僕のブログやYouTubeを訪れてくれるケースもこのGoクエリにあたります。Goクエリでは、あらかじめユーザーが行きたいページを把握しています。そのため、関係のないあなたのページに寄り道してくれる可能性は低いと言えます。GoクエリはSEOの対象外だと考えられています。
Doクエリ(トランザクショナルクエリ)
最後はDoクエリです。これは何かを購入したり、ダウンロードしたり、資料請求して検討したいという具体的な行動を伴っている検索です。例えば「ギター 教室」と検索する場合は、お金を払ってギターを習いたいと思っているはずです。また「ギター アプリ」のように検索する場合には、ギターを練習したいと思っているはずです。無料のアプリがあればダウンロードするはずですし、有料のアプリの場合でも予算に合うならば課金するかもしれません。
「ギターアンプ 中古」の場合には中古のギターアンプを買いたいと思っているはずです。このようにDoクエリの場合はギターを習いたい、ギターを練習したい、ギターグッズを買いたい、というように検索意図がすごく具体的です。しかも直接どんな行動をしたいかということをユーザー自身が把握しています。
そのためDoクエリは資料請求をしたり、無料eBookをダウンロードしたり、商品を購入してくれたりする可能性が高いわけです。このDoクエリで検索する見込客をターゲットにするというのが、まずは1つの方法となります。
関連キーワードを検索意図ごとに分類する
ここまでKnowクエリ、Goクエリ、Doクエリと3つの検索意図を見てきました。ここで復習として、検索キーワードをこの3つのクエリに分ける練習をしてみましょう。例として、Googleの検索結果の下部に表示される関連キーワードを見てみましょう。
ギターという検索キーワードで検索すると、次のようなキーワードがGoogleの関連キーワードとして表示されます。
- ギター 初心者
- ギターコード
- エレキギター
- ギター練習
- ギター種類
- ギター チューニング
- ギター アコギ
- ギターメーカー
これらの検索キーワードをそれぞれ先ほどの3つのクエリに当てはめてみましょう。まず「ギター 初心者」はこれからギターを始めたいと思っているのだと推察できます。そのためDoクエリに該当します。「ギターコード」はギターのコードを知りたいはずなのでKnowクエリです。「エレキギター」は1語だけなので検索意図が不明確ですが、Knowクエリの可能性が高いです。
「ギター練習」はギターの練習方法を探しているのでDoクエリです。「ギター種類」は種類に関する情報を得たいのでKnowクエリです。「ギター チューニング」の場合は、チューニング方法を探しているのでKnowクエリとも言えます。ただ、内心はギターを簡単にチューニングできるグッズがあれば欲しいと思っているかもしれません。そのためDoクエリと見ることもできます。
「ギター アコギ」はアコースティックギターの種類を検索しているかもしれないのでKnowクエリに近いと思います。ただアコースティックギターを買いたいというDoクエリの要素も含まれるかもしれません。「ギターメーカー」はギターのメーカーの一覧だったり、それぞれの特徴などを知りたいはずなのでKnowクエリに分類できます。
検索キーワードの裏にある検索意図を理解する
このようにユーザーが検索するキーワードの裏には、検索意図というものが存在します。漠然と検索キーワードを考えるだけでなく、常に「このキーワードはどのクエリかな?」と考える癖をつけてみてください。そうすることで自然とユーザーが何を考えて検索しているのかを、検索キーワードからつかめるようになります。
そうすれば、あなたはブログ記事などのコンテンツをその検索意図に沿う形に作ろうと思えるはずです。例えば「MailChimp 使い方」と検索した場合はKnowクエリだとも言えます。ただMailChimpの使い方に関する講座のようなものを探しているDoクエリの要素を含んでいるかもしれません。その場合は、記事の中でMailChimpの使い方を動画で解説した商品をオファーしてみるのも良いでしょう。
SEOを行う場合は、KnowクエリとDoクエリを考えてください。そして可能であればDoクエリに近いキーワードをターゲットにすると、成約につながりやすくなります。SEOの場合には、3つのクエリの中でGoクエリは除いて考えてください。このように検索意図を理解して、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ってください。
まとめ:検索意図を理解して集客コンテンツを作る
ここまで検索意図や検索意図の3つの種類についてみてきました。具体的に検索意図を分類するトレーニングも行いました。最後に要点をまとめます。
- 検索意図とは見込客が検索エンジン上で検索を行う動機や目的のことである。検索意図を理解することが良質なSEOにつながる。
- 検索意図はKnowクエリ、Goクエリ、Doクエリの3種類に分類される。
- Knowクエリは、特定の項目について知りたいという検索意図を持った検索のことである。
- Goクエリは、元々名前を知っているサイトやページに行きたいという検索のことである。
- Doクエリは、何かを購入したり、資料請求して検討したいという具体的な行動を伴っている検索のことである。
- Goクエリはあらかじめ見込客の中で目的地が決まっているためSEOの対象から外れる。Doクエリが最も具体的な行動に近く成約などを取りやすい。
今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。