今回のレクチャーでは、マーケティングにおけるSNSの活用方法をお伝えします。1つのキャンペーンを行うときに、キャンペーン期間中にSNSをどう活用したら良いか?悩みますよね。このレクチャーでは1つのコンテンツを繰り返しSNSで共有する際のポイントをご紹介します。
今回は、SNSの使い方を期間限定のキャンペーンの例を使って解説します。期間中になるべく多くの参加者を集めるためには、繰り返しの宣伝が必要ですよね。しかし、ただ毎日「キャンペーン開催中!」という同じポストをしても、誰も興味を持って見てくれません。各プラットフォームに合った内容・頻度で投稿内容を計画する必要があります。それでは具体的なスケジューリングのコツについて、早速見ていきましょう。
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各SNSにおける1日あたりのベストな投稿頻度
では最初に、プラットフォームごとのベストな投稿頻度をまとめておきましょう。プラットフォームごとの投稿頻度を把握することで、投稿頻度が多くなりすぎることを防止できます。プラットフォームごとの1日のベストな投稿頻度は次の通りです。
- Twitter:1日15ツイート
- Facebook:1日1投稿
- LinkedIn:1日1投稿(平日のみ)
- Pinterest:1日9投稿(最大11投稿まで)
これを見るとTwitterとPinterestの投稿頻度が突出して高いことがわかります。TwitterとPinterestでは他に比べてキャンペーンの投稿を多く行って良いということです。このあと具体的なSNS投稿のスケジュール例を見ていきます。この投稿頻度のことを念頭において頂くと理解がしやすいはずです。
ここで紹介した投稿頻度はあくまで一般的なデータを基にしたものです。あなたにとってのベストな投稿頻度は、ビジネスのジャンルやフォロワー数やユーザーの属性によっても異なります。まずはこの頻度からスタートして、あなたのベストな頻度について見極めてください。
1ヶ月間のキャンペーンにおけるSNS宣伝スケジュール
SNSを使ってなんらかのキャンペーンを打ち出した場合を想定して、その際のベストな投稿スケジュールの例についてご紹介します。ちなみに、ここで言う「キャンペーン」の内容はなんでも構いません。
製品やサービスの売上を伸ばしたいのならセールを開催したり、メルマガ登録者数を増やしたいのなら「いつまでに登録すればこれをプレゼント」など企画をしたりできます。ある分野のブログ記事を何日かごとに順番に紹介していくのも良いでしょう。あなたのビジネスのゴールに適したキャンペーンを打ち出しましょう。
せっかく入念な準備のもとにキャンペーンを開催したり、素晴らしいコンテンツを作成したりしても、それが多くの人の目に触れられなければ意味がありません。そのためキャンペーンやコンテンツの宣伝にSNSを活用することは必須です。複数のプラットフォームを活用して、様々な切り口でメッセージを伝え続けてください。
さてキャンペーンの実施が決まったら、参加者を増やすためにキャンペーンを宣伝しなければなりません。ここで活躍するのがSNSです。キャンペーンの開催期間中、メッセージを変えて何度も頻繁にアピールしましょう。ここでのポイントは2つです。
- ポイント1:メッセージを繰り返す
- ポイント2:メッセージを色々な形に変化させる
SNS上には沢山の投稿が溢れています。1つのSNS投稿でキャンペーン内容をしっかり見てもらえる、という保証はありません。発信者であるあなたが思っているほど、見込み客はあなたの投稿を見ていないと考えてください。見込み客はあなたの投稿を繰り返し見ることで徐々に教育されていきます。彼らとの接点を増やす意味で、メッセージを繰り返し投稿することを意識してください。
また同じメッセージであっても、全く同じ画像や文面を繰り返し投稿するのはやめてください。見込み客からすれば、「ああまたこの投稿か」となって飽きられてしまいます。プラットフォームごとに合った形式に変えることはもちろん、伝えたいメッセージを色々な切り口で、手を変え品を変え伝えていくことが重要です。
ここでは、キャンペーンの開催期間を30日間と仮定してベストなSNS投稿スケジュールをご紹介します。利用するSNSは、Facebook、Twitter、LinkedIn、Pinterestです。どのSNSプラットフォームに、どういったタイミングで告知をしていけば良いのか?3つのフェーズに分けて説明していきます。
フェーズ1:キャンペーン発表当日
キャンペーン開催の発表をしたその日は最も重要です。全てのフォロワーにキャンペーンの開催を知ってもらい、さらに拡散してもらえるよう、利用している全てのSNSでキャンペーンが始まったことを宣伝しましょう。可能であれば、キャンペーン開始前に予告期間を2日〜3日ほど取れば期待感を高めた状態でスタートできます。
キャンペーン内容や期間などを記載したバナー画像を作ると良いです。僕らもよくキャンペーンを行うときに、その内容と期間を載せたしたバナー画像を作ります。文字で書くよりも目を引くからです。デザインを用いて、重要な情報を目立たせることができるのでオススメです。Canvaというツールが優秀なので、こういったバナーを短時間で作ることができます。
まずはキャンペーンが始まった時刻に、TwitterとPinterestでキャンペーンの内容がわかるような内容の投稿を行いましょう。タイムラインの流れが早いTwitterでは、1時間後にもう1度、メッセージを変えて宣伝しても良いでしょう。LinkedInでは、キャンペーン開始時刻から3時間後を目安に、そのキャンペーンに参加することのメリットを伝えるような投稿を行います。
さらにその2時間後を目処に、Facebookにも投稿してください。繰り返しになりますが、ただ単に「キャンペーンを開始しました」という投稿をするのは辞めましょう。タイトルやメッセージを質問形式にするなど工夫して、他の多くのポストに埋もれないように意識しましょう。
フェーズ2:キャンペーン発表後10日目まで
キャンペーン開始から10日目までは、フォロワーに「煩わしい」と思わせない程度の頻度で宣伝していきましょう。この期間、FacebookやLinkedIn、Pinterstなど、フィードの流れが比較的ゆっくりなSNSでの連日投稿は不要です。
つまり、この期間に集中的に活用すべきはTwitterです。毎日多くの人が多くのツイートをするため、1度きりの投稿だとひと目につかず流されてしまう可能性があります。何度も繰り返し、投稿内容や視点を変えてキャンペーンにまつわる投稿をしましょう。
具体的にはキャンペーン開始の翌日にもう1度、その内容と締切などがわかる投稿を行ってください。そして開始から3日目以降は、それぞれ次のように切り口を変えながら、キャンペーンに関する投稿をしてください。
- 開始2日目:内容と期限をリマインド
- 開始3日目:議論を呼ぶようなメッセージ
- 開始4日目:ユーモアを交えたメッセージ
- 開始8日目:フォロワーに質問を投げかける
- 開始9日目:キャンペーンのメリットを伝える
議論を呼ぶようなメッセージとは、人によって意見が割れるような話題を投げてみることです。例えば、オプトインと引き換えに電子書籍出版に関するPDFを配るキャンペーンであれば次のような感じです。「電子書籍のタイトルで売れるのはどっち?」とか「電子書籍は自分で執筆する?それともライターを雇う?」といったものです。AかBかというようなテーマは、議論を呼ぶので話題として盛り上がりやすいです。
引用:https://twitter.com/yukimi_lotte/status/1315562853768720386
また実際の企業の例として、こんなものもあります。ロッテの雪見だいふくでは「禁断の雪見トースト」という投稿を行っていました。これはパンの上にチーズと雪見だいふくを載せてトーストすると、禁断の味になるというものです。すごくユニークですし、少し罪悪感も刺激する内容なので、議論を呼びそうな感じが分かると思います。
引用:https://twitter.com/TANITAofficial/status/1404730421405917189
キャンペーン開始から4日目あたりには、ユーモアを交えた投稿をしてみましょう。例えば体重計で有名なタニタは、「タニタのってる大喜利」という面白いキャンペーンをやりました。あらかじめ画像を用意して、フォロワーには大喜利形式で文字を入れて投稿してもらいます。参加者には抽選でギフト券が配られていました。大喜利なので、ユーモアのある投稿がタイムライン上に並びました。
Facebookも使うなら8日目にキャンペーンページのURLも紹介する形で投稿してください。なおメッセージの内容は、キャンペーンに直接関係するものばかりに限定する必要はありません。例えば、あなたがマーケティングツールを販売していて、メルマガ登録の催促キャンペーンを実施しているとしましょう。
この場合、「今の時代、SNSを正しく活用できるかどうかがマーケティングにおける勝ち負けの分かれ道になっています。このメルマガに登録すれば…」「SNSマーケティングで成功している企業の共通点はなんだと思いますか?」「X日までにメルマガに登録した方には、有料級の電子書籍をプレゼント!」などの異なる切り口でメッセージを作成しても良いでしょう。
フェーズ3:キャンペーン発表後10目〜30日目まで
この期間もやはりメインで使うべきSNSはTwitterです。次のテーマに沿って、一定の頻度でキャンペーンに関する内容のツイートを継続してください。どうしても内容が思い浮かばない場合は、以前の投稿をリツイートするのも一つの方法です。
- 開始から12日目:キャンペーンの内容を伝える
- 開始から18日目:キャンペーンの内容を伝える
- 開始から22日目:議論を呼ぶようなメッセージ
- 開始から25日目:ユーモアを交えたメッセージ
- 開始から27日目:キャンペーンのメリットを伝える
- 最終日:キャンペーンの内容と間もなく終了する旨を伝える
Twitter以外のSNSについては、連日の投稿は避けましょう。それぞれのSNSでメッセージの内容を変えながら、キャンペーンの宣伝をしてください。例えば12日目にLinkedInにキャンペーンの具体的な内容を投稿し、20日目にPinterestでキャンペーン参加のメリットを伝える投稿をする。終了間近の27日目にはLinkedInで、キャンペーンからの引用を含む投稿を作成します。最終日にはFacebookで再度、キャンペーンの内容を詳しく伝えても良いですね。
そんな風に各SNSを順番に使ってメッセージを色々な方法で伝えるようにしていきます。ここで紹介したプラットフォームは1つの例ですが、あなたの使うプラットフォームに置き換えてやってみてください。また締切が近くなるにつれて、締切日が迫っていることも徐々に伝えるようにしてください。
同一コンテンツを複数投稿する際の注意点
ここまで見てきてお分かりの通り、同じコンテンツを繰り返し投稿するにはプラットフォーム選びが非常に重要です。つまり、FacebookやLinkedIn、PinterestはTwitterのように毎日同じ内容を投稿するのには適していません。それはTwitterに比べて他のプラットフォームでは、1日の平均投稿数が少ないからです。
平均的な1日あたりの投稿回数が少ないプラットフォームにおいて、最適な頻度を超えて繰り返し同じ内容の投稿をしてしまうとフォロワーが減ってしまうなどのリスクもあります。注意しましょう。同じコンテンツを繰り返しシェアする際には、プラットフォームに最適な投稿頻度に合わせてください。
さてここでご紹介した同一コンテンツを繰り返し投稿する方法は、キャンペーンの宣伝以外にも活用できます。力を入れて書いた記事、新しく出した製品・サービスの宣伝、新規事業の開始など、多くの人に拡散したいコンテンツがある場合には同じ方法で繰り返し投稿してみましょう。
まとめ:SNSの特性を活かしてスケジューリングする
ここまで、1つのコンテンツを繰り返しSNSで投稿する方法についてご紹介してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- キャンペーンを行う際には、各SNSプラットフォームごとの最適な投稿頻度に合わせて行う。最適な投稿頻度に合わない高い頻度で同じ投稿ばかりをしてしまうとフォロワーが減るなど悪い影響が出やすい。Twitterは1日15ツイートと突出して高いので、Twitterを中心とした投稿を考えると良い。
- 見込み客がすべての投稿を見ていることはありえないので、なるべく接触頻度が高くなるように同じメッセージを繰り返し投稿する。その際に同じメッセージを様々な形に変えて投稿していくと、飽きられることなく見込み客の興味を引き付けやすい。
- 投稿のタイプとしては次のようなものがある。キャンペーンの内容と期限をリマインドするもの。議論を呼ぶようなメッセージ。ユーモアを交えたメッセージ。キャンペーンのメリットを伝えるもの。
今回のレクチャーはここまでです。また次回、お会いしましょう。