あなたはステップメールやメールシーケンスの作り方について、随分と時間をかけて迷っているはずです。どんな風にメールシーケンスを作り始めたら良いのか?ここではそのような疑問に答える形で、メールシーケンスの基礎と作り方のガイダンスを示したいと思います。
僕はオンラインコースビジネスの業界で10年以上のキャリアを積んできました。そういう仕事をしているとよく聞かれる質問があります。それは「初めてメールシーケンスを書くときには何を意識したら良いですか?」という類の質問です。これは僕自身もビジネスを始めたての頃に抱いた疑問でもありました。まずはメールシーケンスの役割を定義した上で、成約率の高いメールシーケンスの作り方を紹介していきます。
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メールシーケンス=人々の行動を喚起するもの
まずはメールシーケンスがどんなものか?それについておさらいしましょう。メールシーケンスはステップメール、ドリップキャンペーンなど様々な別名が付いています。簡単に定義するとメールシーケンスとは、事前にセットされた一連のEメールのことです。そしてここが重要なのですが、見込み客を一定の期間内またはメールシーケンスの最後までに何らかの行動を取らせることを目的としたものです。
よくDRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)の世界では集客、教育、販売という3つのプロセスが紹介されます。そしてメールシーケンスの部分で教育をしましょうと教えられます。ですが、メールシーケンスでは教育をするだけでなく最終的な販売または具体的なアクションを促すことを忘れないでください。
メールシーケンスは金のなる木
なぜ僕がここでメールシーケンスの話をしているのか?というと、メールシーケンスはあなたをリッチにしてくれるからです。経済的にも時間的にもリッチにしてくれると僕は思っています。少なくとも僕の場合はそうでした。僕自身が優れたメールシーケンスのおかげで、ずっと海外を旅することが出来ていました。
2013年から旅を始めて、2019年にオランダに移住するまでずっと海外を回っていたんです。いやむしろ、ヨーロッパに定住した今でも毎月旅行をし続けています。旅行は僕にとってValue For Money、つまり一番コスパが良いと感じる趣味なんです。その間も一度セットしたメールシーケンスは、オプトインした見込み客に自動でセールスをかけて売上を挙げ続けてくれました。
例えば、オプトインした見込み客にリードマグネットを渡す。リードマグネットの中で商品を紹介する。複数のメールの文章で教育する。見込み客にウェビナーを視聴させる。ウェビナーを見なかった人に再度ウェビナーの案内を送る。ウェビナーで商品を購入しなかった人に商品購入を促す。商品を購入してくれたお客さんに追加オファーの案内を送る。これらの作業をすべてメールシーケンスが自動で担ってくれたのです。
もちろん、メールシーケンスを作れば必ず売上が挙がると保証しているわけではありません。もちろんそこには効果の出るノウハウやセオリーが存在します。ですが正しい方法でメールシーケンスの最適化をしてしまえば、あなたのビジネスのレベルを一段お仕上げてくれることは間違いありません。だからこそ僕はあなたに、メールシーケンスに関して真剣に取り組んで欲しいと思っているわけです。
メールシーケンスの長さはどうする?
よくある質問に「メールシーケンスは何通用意すれば良いですか?」という質問があります。実はこれに対して「何通、何日間にしてください」という明確な答えはありません。これはランディングページにも同じようなことが言えます。「ランディングページはどのくらいの長さにすれば良いですか?」と聞かれてもなかなか答えられないと思います。
メールシーケンスはセールスページとほぼ同じ役割を持っています。見込み客の興味を引き付けるところからスタートし、見込み客を教育し、商品を欲しいと思ってもらう。そして最終的に商品には金額以上の価値があると判断してもらい、購入という行動を取ってもらう。そういった点でメールシーケンスとセールスページはかなり近いものと言えます。
メールシーケンスの長さに答えがあるとすれば「見込み客に行動を取らせるよう説得できるまで」というものになります。より具体的にすると後半で紹介する、メールシーケンスのための4つのステップをカバーできれば良いです。適切なステップを踏んで見込み客を説得すれば良いのです。逆に言えばメールの数や期間ではなく、見込み客に行動を促すために何を伝えるかが重要になります。
メールシーケンスの開始トリガーは沢山存在する
ではメールシーケンスの開始点について考えてみましょう。普通はステップメールの開始点というと、オプトインということになります。それも何らかのリードマグネットをダウンロードするか、メルマガにサインアップするという形がほとんどでしょう。ですが、メールシーケンスの開始トリガーはその他にも存在します。ここでいくつかの例を紹介しますから、あなたのアイデアを広げる一助としてください。
まず最初に覚えておいて欲しいことがあります。それは見込み客がリストに入った後、彼らの行動によってメールシーケンスを分岐させると効果が高まるという事実です。例えばオプトインした見込み客にウェビナーへの登録を促すメールシーケンスを流します。そこで登録してくれた人には、別に用意したウェビナー配信専用のシーケンスをスタートさせます。
もし見込み客がウェビナーに登録しなかった場合には、ウェビナー以外のコンテンツを送信するように設定します。このように1つのメールシーケンスから始めて、別のシーケンスへと見込み客をつなげていくのです。だからこそ、メールシーケンスの開始点となるトリガーはオプトインだけではないのです。
- メール内のリンクをクリックした
- ウェビナーを視聴した
- ライブ配信に参加した
- オンラインスクールにサインアップした
- 実際に商品を購入した
- コンサルを受講した
- サブスクを解約した
- 誕生日やリストへの登録1年記念などの特定の日
このようにメールシーケンスの開始点となるトリガーはたくさん存在します。オプトインした人に当てるメールシーケンスだけでなく、様々なメールシーケンスのアイデアを試してみてください。その際には必ずメールシーケンスごとの目的を忘れずに設計してください。商品の販売なのか、無料トライアルのオファーなのか、顧客レビューをもらうことなのか。色々なメールシーケンスを作るのは自由ですが、必ずその目的に沿ったものにすることを忘れないでください。
行動を喚起するメールシーケンスの4つのステップ
では実際にメールシーケンスにどんな内容を書けば良いのでしょうか?これが一番あなたの頭を悩ます問題かもしれません。ですがここには具体的なノウハウが存在します。何をどんな順番で書けば良いのか?最後に商品をセールスしたいけど、見込み客をどんな風に誘導したらよいか分からないと考えているはずです。
ですが安心してください。すでに優秀なマーケターたちによってひな形が作られています。見込み客をコールドな状態から温めていき、最終的にこちらの意図する行動を取ってもらう。そのために必要なステップを4つに分けました。これはプロダクトローンチにおけるPLC(プリローンチコンテンツ)の構造に似ています。ここでは最終的に商品を販売することを例に紹介していきます。
商品の販売やオファーは、必ずしもメールシーケンスの後半で行う必要はありません。もしあなたが必要だと感じる場合は1通目からCTA(コール・トゥ・アクション)として、商品のセールスページへのリンクを設置しても大丈夫です。あなた自身がどうメールシーケンスを運用したいかによって判断してください。
ステップ1:不可能と思えるような結果
最初のステップでは、見込み客が手に入れたいと考えている結果について紹介しましょう。この結果は見込み客ができると思っている範疇を超えているものを選んでください。まさか自分には出来ない、不可能だと考えるような大きな結果を提示してあげます。そうすることでまずは見込み客にインパクトを与えます。
そして自分たちがクライアントがその結果を得られるのを可能にしていると伝えます。例えば「僕たちはオンラインコースビジネスのプレイヤーを増やして多くの海外移住者を作っているんですよ」といった感じです。そしてそれをどんな風に実現しているのかも書きましょう。読者に向けて「あなたにも出来ることなんですよ」ということも伝えます。他の人も信じられないような結果を手に入れているのだから、あなたにも可能だと伝えます。
このメールでのCTAは2つのうち1つになります。もしここで商品をオファーしたい場合は、セールスページへのリンクを貼ってください。もし商品をオファーしない場合には、次回の予告を入れましょう。次のメールの予告を入れることで期待感を演出して、次のメールも開いてもらえるようになります。
これはテレビドラマなどで使われるクリフハンガーに似ています。クリフハンガーとは英語で「崖にぶら下がっている状態」という意味です。ドラマの最後で主人公が崖にぶら下がって落ちそうになっている。「ああこの先どうなってしまうんだろう」というところでエピソードが終わって、つい続きが気になって観てしまうというもの。ドラマなどに使われる演出表現です。次回のメールの予告を入れることでこれと同じ効果が期待できます。
ステップ2:あなたは例外ではありません
次のステップではメールを受け取る見込み客自身のフォーカスに当てて、彼らにも信じられない結果が手に入ると伝えます。ここでの説得方法はこうです。ステップ1で信じられないような結果が得られると聞いて、見込み客はこう考えています。「いや確かに他の人も成功してるんだろうけど、自分には無理だ」と。彼らは、自分だけは例外で特殊なケースなんだと考えています。
だからこそ、このステップでは自分たちが持っているスキルやノウハウがあなたにも役に立つと伝えます。その手っ取り早い方法が商品をオファーすることです。自分たちが持っているスキルやノウハウを他人が利用して、結果を出せるようにした。それがこの商品ですという切り口です。
こうすることで、メールを受け取った見込み客は具体的に商品を買って取り組めば良いのだと理解することができます。メールの中のCTAを商品の購入におきましょう。具体的にはメールの中でセールスページへリンクを出してください。
ステップ3:ベネフィット
次のステップではベネフィットを伝えます。ステップ1の「信じられないような結果」を得ることでもたらされるベネフィットの説明です。これまでステップ1、2と見込み客を少しずつ温めて来ました。ここでベネフィットを具体的に話すことで、見込み客の気持ちをさらに高めていきます。
ですが、ここで少しコツがあります。それは将来的にもたらされる遠くのベネフィットだけでなく、もう少し早い段階で得られる近くのベネフィットも一緒に書くことです。
通常はベネフィットというと、だいぶ未来の話をしてしまいます。例えば「オンラインコースビジネスを軌道に乗せると、場所の自由が得られて海外移住できますよ」という話。これは魅力的ですが、同時にオンラインコースを作ったことがない人から見るとちょっと遠すぎるベネフィットとも感じます。
だからそれよりも手前のベネフィットを出すのです。例えば「自分の作ったコースを毎回買ってくれるファンが出来て自信になりますよ」とか「収入が月3万円増えてその分を投資に回せますよ」といったことを言っても良いでしょう。
近くのベネフィットと遠くのベネフィットを同時に書くことでバランスを取ることが可能です。そして、このステップのメールでも商品のオファーを忘れずにおこなってください。
ステップ4:FOMO
さて最後のステップです。ここまで見込み客をずっと温め続けてきましたが、ここで少しわざと見込み客を突き放すようなことを言います。そう、商品の購入に締切があることを伝えるのです。僕たちの商品はこんなに良いのだけれど、残念ながら参加の期限があると書くんです。こうすることで購入を迷っている見込み客に決断を迫っていきます。
FOMOというのは、Fear of Missing Outの略です。これは何かを見逃したり、周りから取り残されたりすることへの不安という意味です。最新のニュースをフォローしていないと置いていかれている気がする、あの感じです。このステップではこのFOMOを演出して商品の購入を迫っていきます。
具体的な流れはこうです。「あなたがずっと探し求めていた結果はこの商品で手に入ります。僕のクライアントもこの商品を使ってこのような結果を出しています。あなたはもうすぐそれを手に入れようとしています。あなたは探していた結果まであと少しのところまで来ています。本当にこの機会を見逃してしまって良いのですか?」このようにして見込み客に最後のダメ押しをしていきます。
さてここまで4つのステップを紹介してきました。すべてのステップのメールを受け取ったにも関わらず、見込み客が商品を購入しなかったとしても悲観しないでください。その場合には見込み客の行動に合わせて別のメールシーケンスを当てるといったアイデアも存在します。
例えば、メールシーケンスの中のリンクを1つでもクリックした人に新しいメールシーケンスを送っても良いでしょう。また興味を持ってクリックしてくれた人をタグ付けしておき、季節ごとのセールをやる際にタグの付いた彼らにメールを送ることも可能です。このように見込み客の行動によって、オファーの仕方を変えるというアプローチは重要です。常に頭の中に入れておいてください。
必ず設置して欲しい!2種類のEメール
あなたはこれからメールシーケンスをたくさん作り、平行して色々なシーケンスを走らせていくことになると思います。その中でも特に忘れずに用意して欲しいものがあります。それらをここで紹介しておきます。
Eメール1:セルフ・セグメンター
まず1つ目は、セルフ・セグメンターです。これは新しくリストに登録した人に最初に流すウェルカムメールに含めるものです。リストに入ったお客さんにどんな種類のコンテンツに興味があるかを尋ねるものです。見込み客が興味を持ちそうなコンテンツをいくつかリストアップしてメール内に選択肢として用意しておきます。
例えば「Kindle出版」「コピーライティング」「サブスクリプション」どれに興味があるかと聞くんです。それぞれの選択肢をリンクにしておき、見込み客自身の興味のある項目をクリックしてもらいます。そのクリックに応じて、次に流すメールシーケンスを送り分けたり、送信するセールの案内などを変えることが可能です。
セルフ・セグメンターとは「お客さん自身に自らのセグメントを選んでもらう仕組み」という意味です。リストに入ってすぐのウェルカムメールでお客さんが自分の興味を自ら教えてくれるのでとても便利です。リストに入ったお客さんをセグメンテーションする上でとても重要なメールのギミックです。
Eメール2:クローザーメール
もう1つはクローザーメールです。これはクロージングつまり商品の購入を促すEメールです。メールシーケンスにはどこかの段階でセールスをする必要があります。見込み客から実際の売上を挙げないといけません。そのためにメールシーケンスの中には必ず、商品の成約につながる営業メールを入れる必要があります。それがクローザーメールです。
クローザーメールには、商品を販売するための様々なテクニックを使うことができます。PASやPASONAの法則などはセールスの文章を書くのに良いガイダンスを与えてくれます。さらに希少性や緊急性、社会的証明、FOMO、返金保証などのギミックを加えることでさらに成約率は高くなります。
まとめ:メールシーケンスは行動を促す絶好のツール
ここまでメールシーケンスの魅力と中身の執筆方法について見てきました。最後に要点を5つにまとめました。
- メールシーケンスではただメールを送るだけでなく、見込み客に商品の購入などの何らかの行動を促す必要がある。
- メールシーケンスをうまく機能させれば自動で売上を挙げる素晴らしいツールとして使うことが可能である。
- メールシーケンスのトリガーにはオプトインだけでなく様々な種類が存在し、かつメールシーケンスは途中から分岐させることも可能である。
- 行動を喚起するメールシーケンスの4つのステップとは、「不可能と思えるような結果」「あなたは例外ではありません」「ベネフィット」「FOMO」である。
- メールシーケンスの中に必ず設置して欲しいメールは、見込み客の興味を自分で選択させるセルフ・セグメンターと営業を掛けて成約を勝ち取るためのクローザーメールである。