あなたはEメールのセグメンテーション機能を使って、セールスファネルの成約率を挙げられないか?と考えているかもしれません。ですが、なかなか良いアイデアが思い浮かばないのも事実です。そこでセールスファネルのプロである石崎が、セールスファネルにEメールセグメンテーションを組み込むための具体的な方法を紹介します。
リストをいくつかのセグメントに分けてメールを送ることをセグメンテーションと呼びます。このセグメンテーションと自動化を組み合わせると、顧客の行動を元に効果的に商品を成約することができます。今回はセールスファネルとセグメンテーションを組み合わせてみます。僕はClickFunnelsというセールスファネル作成プラットフォームから表彰を受けました。それはClickFunnelsで商品を100万ドル、約1億円販売したということを表彰するものでした。日本におけるセールスファネルの専門家として、少しだけですが他者をリードしていると思います。そんな僕がセグメンテーションをウェビナーファネルに組み込む方法を紹介します。
今回お届けするノウハウはこちら
セールスファネルにセグメンテーションを組み込む
ここではEメールのセグメント機能を使って実際にどんなセールスファネルを作ることができるのか?実際に考えてみましょう。ウェビナーファネルを例にとって、セグメンテーションを使って効率的に商品を販売することを考えてみます。
ランディングページの作り方に関する商品を売るファネルを想定してみます。まず、オプトインページを用意します。このページではまだウェビナーに関しては言及しません。単純にリードマグネットを用意しましょう。「成約率の高いランディングページの作り方」というリードマグネットを用意するとしましょう。メールアドレスを登録してくれた見込み客にPDF形式のリードマグネットを配るのです。
ちなみにリードマグネットを作るときには、画像加工サービスのCanvaがオススメです。Canvaには既にデザイナーが作ってくれた綺麗なテンプレートがたくさん存在します。中身のコンテンツさえ用意してあれば、綺麗なデザインのPDFをすぐに作ることができます。イラストやストックフォトを入れたい場合でも、ツール内で検索してすぐに入れることができるのでとても便利です。
このセールスファネルでは見込み客の行動に基づいて、彼らに送るメールを切り替えていきます。実際には彼らの行動に応じて、タグ付けを行いそのタグ付けに基づいて見込み客をセグメント化し、自動のメールシーケンスを送り分けていきます。具体的にこのファネルがどのように動くのか?それを一緒に見ていきましょう。
フェーズ1:オプトインした見込み客にメールシーケンスを送る
リードマグネットをオプトインしてくれた見込み客に対して、メールシーケンスを送っていきましょう。DRMで言う教育の段階です。そのためにはオプトインしてくれた見込み客に対して、Eメールプラットフォーム上でタグ付けをします。ランディングページに関するキャンペーンなので「LP-Lead」とします。
Eメールプラットフォーム上では、このLP-Leadのタグがついた人に自動でメールシーケンスが流れるように設定しておきます。メールシーケンスには4通ほどのメールを作り、最終的にはウェビナーに誘導することを目的とします。この4通は教育メールなので、ランディングページの重要性などランディングページ作りに興味を持ってもらえる内容が良いでしょう。
メールシーケンスの最後の4通目のメールに、ウェビナーへの招待を含めます。このウェビナーにはランディングページの作り方に関するお役立ち情報が入っていると伝えると良いでしょう。ウェビナーにもしっかりとタイトルを付けると魅力的にうつります。例えば「ランディングページ・マスタークラス」や「LP制作ワークショップ」などの名前の候補が考えられます。メールからウェビナーのオプトインページへリンクを貼り、最初のオプトインと同じようにウェビナーにオプトインしてもらいましょう。
ConvertKitのLink Triggers機能(リンクトリガー)を使うと、メール内のリンクをクリックしてもらうだけでそのお客さんにタグ付けすることができます。これを使えば、もう一度オプトインページにメールアドレスを入れる手間が省けるので、ウェビナーへの登録率が大きく上昇するはずです。
フェーズ2:ウェビナー登録者にウェビナー参加を促す
4通目のメールでウェビナーに登録した見込み客には、ウェビナー登録者専用のタグを付けましょう。これを仮に「LP-Webinar」というタグ名にしましょう。ウェビナー登録者用の「LP-Webinar」タグを付けるとともに、前につけた「LP-Lead」のタグを外しましょう。これはあとで、「LP-Lead」と「LP-Webinar」の両者に対して別々のメールを送りわけるためです。
ConvertKitのLink Triggersであれば、タグ付けとタグ外しの作業をワンクリックで実現できます。ConvertKitのルールのページから、TriggerとしてClicks a linkを選択します。ActionにはAdd tagを選び、プラスボタンからアクションを追加すれば複数アクションを1つのクリックで実現できます。Remove tagのアクションも加えて、「LP-Lead」のタグを外しましょう。
もしEメールプラットフォームがこういった機能に対応していない場合はZapierで同じ機能を代替することができます。例えば、Zapierでトリガーにはウェビナー用の「LP-Webinar」タグがついた時という条件を設定します。その後のアクションとして、「LP-Lead」タグをそのお客さんからRemoveという操作を設定します。こうすればさきほどのLink Triggersと同じ機能をZapierを使って代替することができます。
このウェビナーの中でセールスを行っていきます。ここまで来た見込み客はかなりホットな状態になっています。ですが、ウェビナーに参加してもらえないともったいないです。人によってはウェビナーの視聴登録だけをして、その後実際にウェビナーを視聴しに来ない人も多いです。そのため、3通ほどかけてウェビナーへの参加を何度もリマインドしましょう。
もちろん1度の呼びかけでウェビナーに参加してくれるお客さんもいますが、経験上何度も呼びかけを行うことでウェビナーへの参加率が大きく上昇します。すべてのお客さんがあなたのメールだけをチェックしているわけではありません。複数回リマインドすることを怖がらないでください。そのためウェビナー参加を促すメールは3通ほど送りましょう。
フェーズ3:ウェビナーとメールでセールスを行う
実際にウェビナーページに来てくれた人、つまりウェビナー視聴URLをクリックしてくれた人にはウェビナーを視聴したことを示す「LP-Webinar-Watched」タグを付けましょう。同時に「LP-Webinar」タグを外します。
さて、いよいよセールスをしましょう。セールスはウェビナーの中で行います。ウェビナーといっても録画版のエバーグリーンなウェビナーです。すべて自動化したいので、リアルタイム開催すると大変です。あらかじめ録画し編集済みのウェビナーを見せるようにしましょう。
僕の場合は、ウェビナーの時間のうち約半分をセールスに当てることにしています。つまり、2時間のウェビナーであれば前半の1時間がコンテンツ部分で、後半の1時間がセールスという具合です。実はウェビナーの中で売り込みをすることに抵抗のある人が多いです。そういう人からみれば、後半の1時間がまるまるセールスだというのは信じられないかもしれません。ですが、お客さんは解決策を求めています。経験上、セールスの時間をそのくらい長く取っても全く問題なく商品が売れることがわかりました。
また1回のウェビナーだけでは購入を決断できないお客さんもいます。そのためウェビナー登録者に3通の参加リマインドメールを送ったあと、セールス用のポストウェビナーシーケンスも4通ほど送りましょう。このポストウェビナーシーケンスは、ウェビナーに参加登録したけれど実際にウェビナーを視聴できなかった人にも送ります。
つまり「LP-Webinar」タグのついた全員に送ります。そうすることで、ウェビナー視聴者にはウェビナー後の購入判断の一助として機能します。そしてウェビナーを視聴しなかった人にも、商品の存在を伝えてその上でセールスをすることが可能になります。
フェーズ4:ウェビナー非参加者にはまとめ版PDFを送る
何度もウェビナーへの参加リマインドメールを送っても、ウェビナーを視聴しない見込み客もいます。「LP-Webinar」が付いたままの人たちがこれにあたります。
そんな彼らにはウェビナーの内容をまとめたPDFを送りましょう。これはウェビナーで扱ったコンテンツ内容が一覧で見られるようになっているものです。なぜウェビナーに来なかったのにこんなPDFを送るのでしょうか?
僕ら販売者は、見込み客がウェビナーに来ない理由として「単純に自分のコンテンツが面白くないからだ」とか、「既にウェビナーに興味がなくなってしまったからだ」と考えてしまいます。ですが、実際には忙しかったり時間が取れなくてウェビナーに参加できていないことがあります。彼らはコンテンツの中身は知りたいけど、ウェビナーには参加できなかったのです。
または過去にたくさんのウェビナーを見てきて、ウェビナーに飽きてしまっているかもしれません。「ああまたウェビナーか。しかも2時間もあるじゃん」と思い、ウェビナー視聴を敬遠してる可能性もあるのです。ですが、彼らはウェビナーへの登録をしておいて実際にウェビナー会場に行かないことに関して、ある種のバツの悪さも感じています。
そこで彼らにウェビナーのまとめ版のPDFを送り、ウェビナーのコンテンツの一部を消費してもらうのです。もしこのPDFをダウンロードした人がいれば、その人はウェビナーは見なかったけれどコンテンツには興味があったことになります。そしてPDFをダウンロードするという能動的なアクションを起こしました。これはお客さんとの間に再度エンゲージメントが出来上がったことを意味します。
そのため、このまとめ版PDFをダウンロードした人には新しいタグを付けます。お客さんが再びエンゲージ(Engage)したという意味で「LP-Lead-ReEngage」というタグにしてみます。そしてオプトイン後に何もアクションを起こしていない人用のタグ「LP-Lead」を外します。これはオプトイン後にアクションを取った人、取っていない人にメールを送り分けるためです。
フェーズ5:オプトイン後ノーアクションの人にコンテンツを送る
この時点でオプトイン後に何もアクションを取っていない見込み客は「LP-Lead」のタグがついています。これは、オプトイン時に付いたタグです。オプトイン後にウェビナーを見たり、PDFをダウンロードした人には行動別のタグを付けて、「LP-Lead」タグを外しました。そのため、「LP-Lead」が付いている人たちはオプトイン後にアクションしていません。
この「LP-Lead」の人と再びエンゲージメントを作るために、ランディングページに関するコンテンツへのリンクを載せたメールを送りましょう。ブログ記事や参考となるリンクでも良いでしょう。もし、見込み客がこのメールのリンクをクリックしたら、それは彼らがランディングページのコンテンツにまだ興味を持っている証拠です。
そのため、メールのリンクをクリックした人には先ほどPDFをダウンロードした人につけたのと同じ「LP-Lead-ReEngage」のタグを付けます。ここでもConvertKitのLink Triggersのような機能があると便利です。それと同時に「LP-Lead」のタグを外します。オプトイン後にアクションを取ったので、このタグを外しておくのです。
フェーズ6:再エンゲージした人にセールスシーケンスを送る
「LP-Lead-ReEngage」のタグが付いた人にセールス用のメールシーケンスを送っていきます。「LP-Lead-ReEngage」は、もともとオプトイン後にウェビナー参加登録などのアクションをしなかった人でしたね。その後、ランディングページに関するコンテンツメールをクリックし、「LP-Lead-ReEngage」タグが付いたものでしたね。ウェビナーのまとめ版PDFをダウンロードした人にもこのタグが付いています。
彼らがまだランディングページに関して興味を持っていることがわかったので、彼らにメールでセールスをかけていきます。ではなぜ、オプトイン後にノーアクションだった「LP-Lead」の人にはセールスメールを送らないのか?それは彼らが何もアクションをしていない。つまりランディングページに関する興味が低いと思われるからです。
その状態でセールスメールを送ったとしても、見込み客からは迷惑に思われるだけです。そのため、具体的なアクションを取ってくれ再度エンゲージメントができた人にセールスメールを送っていきます。セールスメールはウェビナーの部分で使用したセールスメールを再利用すると楽に作ることができます。
フェーズ7:商品購入者には専用メールシーケンスを送る
さて、この段階で何度かセールスが行われて商品を購入したお客さんが現れているはずです。商品を購入してくれたお客さんには購入者タグを付けます。「LP-Purchased」としましょう。Purchaseとは購入という意味です。商品を購入してもらって終わりではありません。購入者にはさらにメールを送っていきます。
購入後にもやってほしいことはたくさんあります。例えば僕であれば上位商品や追加のアップセルを買ってもらいたいです。その際には購入者限定の割引オファーを提供すると、成約率も上がるはずです。またコースに必要となるオンラインツールの登録をしてもらうためのアフィリエイトリンクを送っても良いでしょう。専用コミュニティへの招待メールを送っても良いです。
購入後のお客さんとあなたの間にさらに強いエンゲージメントを作るためにいくつかメールを送っても良いでしょう。あなたのパーソナリティを出しつつ、今どんな生活を送っているのか。そういうことをシェアするだけでもお客さんはもっとあなたのファンになってくれます。今後どんなコンテンツや商品を作っていくのかをシェアして期待感を高め、次の商品を買ってもらう準備をすることもできます。
購入者に商品のテスティモニアルをくれるようお願いするのも良いでしょう。テスティモニアルとはレビューやお客様の声のことです。テスティモニアルを依頼する自動メールを組んでおくと、いちいちこちらから手動でお願いしなくても自動でテスティモニアルが集まる環境が出来上がります。
セグメンテーションは大変だがやる価値がある
このようにセグメンテーションを行えば、顧客の行動に応じた適切なメールを送り分けることができます。彼らが取った行動、取らなかった行動の両方に基づいてメールを送り分けると効果的です。コンテンツに興味を持ったユーザーにはセールスを掛けて、商品を買わなかったりコンテンツを見ていないユーザーには再度エンゲージメントを高める施策を行います。
そうすることで、多くの見込み客を有料顧客に変えることができるようになります。同時に見込み客にセールスばかりを行ってしつこいと思われたり、スパムボタンを押されたりすることを避けることができます。登録後すぐに購読解除されるような確率も下がるはずです。
セグメンテーションを行うには自動化を行ったり、普段より多くのメールの種類を準備する必要があります。ですが、最終的には見込み客の興味に合わせたオファーができるため、商品購入の確率やエンゲージメントが高まりやすいのです。ぜひこのようなセグメンテーションに挑戦してみてください。
まとめ:見込み客の行動に基づいて送るメールを変化させる
ここまで、セールスファネルにEメールセグメンテーションを組み込む方法を紹介してきました。最後に要点を6つにまとめました。
- オプトインした人に見込み客用タグを付け、ウェビナーへの登録を促すメールシーケンスを送る。
- ウェビナーへ登録した人にはウェビナー登録者タグを付け、実際にウェビナーに視聴するよう促すメールシーケンスを送る。
- ウェビナー視聴リンクをクリックした人にはウェビナー視聴者用のタグをつける。ウェビナー後もポストメールシーケンスを送り、ウェビナーで決断できなかった人にメールでもセールスを行う。
- ウェビナー登録をしたが、実際にウェビナーを視聴しなかった人にはウェビナー内容をまとめたPDFを送る。
- まとめ版PDFをダウンロードした人は、まだトピックに対して興味を持っているため、メールでセールスを掛けていく。
- 商品購入者には追加の商品のオファーや、アフィリエイトリンクなどを送ってさらなる顧客単価の向上を目指す。また購入者に商品のレビューを依頼するメールも自動で送信すると良い。