あなたはネットビジネスを始めたばかりで、自動返信のステップメールを組みたいと考えているかもしれません。ですが、ステップメールは何日ごとに送ったら良いのか?合計何通送れば良いのか?と迷っていることでしょう。そこで英語圏で使われているステップメールに最適な送信タイミングをご紹介しようと思います。
Eメールマーケティングはネットビジネスの基礎と言われています。これまでステップメールは様々なビジネスプレーヤーに使われて、研究されてきました。ですがここでは日本では全く使われていない英語圏のメソッドを紹介します。自然界から着想を得た方法を使ってステップメールの送信頻度を決定するやり方と言っても良いでしょう。それがどんなものなのか、実際に僕と一緒に見ていきましょう。
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ステップメールとは?
ここでステップメールについて復習しましょう。ステップメールとは、あらかじめ順番通りに用意された自動配信のメールシリーズです。英語圏ではEメールシーケンスとも呼ばれています。通常は、オプトインしたユーザーに対して1日目、2日目、3日目と1日ごとに配信されていきます。
ステップメールの主な目的は教育と販売です。オプトインしたユーザーの興味に合わせたテーマでメールを送っていきます。ここで送信する内容はメールのテキストコンテンツ、ブログ記事、または動画といった様々なバリエーションが考えられます。
僕の例をお伝えしましょう。例えば、電子書籍の出版に関するオプトインページを用意しています。そこでオプトインしてくれたユーザーには、2週間に渡ってEメールシーケンスを流しています。その内容は主にテキストコンテンツと動画コンテンツです。何通か送って見込み客を教育した後、セールスをかけています。
ステップメールの送信頻度はフィボナッチ数列を使え
さてこれまでステップメールは毎日送ることが良いとされてきた節があります。ですがここで面白いメソッドを紹介します。それはフィボナッチ数列という特殊な数学の要素を使うものです。まずは少しフィボナッチ数列について解説してみます。
フィボナッチ数列とは?
ここでちょっとだけ数学のお勉強をしましょう。フィボナッチ数列を聞いたことありますか?学校で数学が好きだった人なら聞いたことがあるかもしれません。あなたが数学嫌いだったとしても安心してください。できるだけわかりやすく説明します。
数列というのは数字が並んだものです。一般的なのは1, 3, 5, 7のように決まった数字を足していくもの。1, 2, 4, 8, 16のように倍々になっていくものもあります。フィボナッチ数列の場合は、前の2つの数字を足したものを並べていきます。最初は便宜上0, 1とします。そうしたら0+1=1で数字の並びは0, 1, 1となります。次は前の2つを足すので1+1=2で0, 1, 1, 2となります。これを繰り返していくと次のようになります。
フィボナッチ数列:0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144
このフィボナッチ数列、実は自然界にも多く存在します。ユリやバラは花びらの数が3枚、5枚、8枚です。松ぼっくりのうろこもフィボナッチ数列に基づいた螺旋構造を描いています。木の枝の分岐パターンにもフィボナッチ数列を見ることできます。ハリケーンや台風の雲の構造も、上から見るとフィボナッチ数列の螺旋パターンになっています。
有名なのは貝殻の断面の螺旋構造です。貝殻の螺旋もフィボナッチ数列に基づいたカーブを描いています。この自然界にたくさん存在するフィボナッチ数列ですが、実は黄金比と密接な関係があります。黄金比というのはモノが綺麗に見える比率のことで、アートや建築でも使われています。フィボナッチ数列の中の数字と数字の間の比率を数学的に計算すると、黄金比になることがわかっています。
フィボナッチ・シーケンスで見込客のエンゲージメントが上昇する
英語圏ではこのフィボナッチ数列をステップメールに応用しています。つまりメールを送る日をフィボナッチ数列で決めるんです。これをフィボナッチ・シーケンス(Fibonacci Sequence)と呼びます。そうすると0日目、1日目、1日目、2日目、3日目、5日目とメールを送ることになります。ここではステップメールの開始日を便宜的に0日目としています。
つまり購読者は0日目に1通、1日目に2通、2日目に1通、3日目に1通のメールを受け取ります。4日目は少し休憩でメールは無し。そして5日目に1通です。ここまでで0日目もカウントして6日間で合計6通のメールを受け取ります。さらに続けていくとここからメールの間隔が開いていきます。次にメールが来るのが8日目、13日目、21日目という風になります。
では、なぜこのフィボナッチ・シーケンスが有効に機能するのか?それにはいくつかの理由があります。
- 見込客がホットな状態の序盤に多くのメールを送れる
- 日数経過に伴い見込み客の興味が低下するタイミングで頻度を落とせる
- パターンインタラプトを起こすことができる
つまり見込客がサインアップした直後は彼らの興味や熱意は高い状態です。開封率も高いし、読まれる確率も上がります。ですが、3日目4日目あたりから段々と興味は下がっていきます。これは実際のステップメールの配信結果を見ても分かります。このタイミングで送り続けると、見込客を疲弊させることにつながります。そのため、中断を挟むのです。
実は毎日来ていたメールが来なくなったり、メールの配信リズムが変わると心理学的に人間の注意を引き付けることができます。人間心理を応用するための手法であるNLP(神経言語プログラミング)の世界では、これをパターンインタラプト(Pattern Interrupt)と呼びます。インタラプトとは中断する、割り込みをするという意味です。
簡単に言うとわざと予想と違うことをして、相手の注意を引き付けるのです。予想外のことが起こるとそこに注意が向くからです。例えば毎日メールを送るというような特定のパターンを中断して、いきなりメールの頻度を下げます。突然メールが来なくなり、忘れた頃にポツポツとメールが来る。そうすることで、再び見込客の注意を引き付け、見込客の開封率などのエンゲージメントを高めることができます。
フィボナッチ・シーケンスは何日間送ればよいのか?
では具体的にフィボナッチ・シーケンスでステップメールを組むとき、何日間のメールを想定すれば良いでしょうか。フィボナッチ・シーケンスの場合には、数が増えると急激にメールとメールの間隔が開いていきます。13, 21, 34, 55, 89, 144という具合です。さすがに55日目や89日目までメールを送ると長すぎます。これには明確な答えはありませんが、2つのパターンを紹介したいと思います。
- パターン1:6日間で6通
- パターン2:14日間で8通
パターン1の場合には、先ほどのように1日だけ休みの日が入って合計6通になります。パターン2の場合には飛び飛びに7日間の休みが入って8通になります。フィボナッチ・シーケンスを使う場合には、まずはこの2つのパターンを基本に始めてみることをオススメします。
まとめ:フィボナッチ・シーケンスはエンゲージメントを高める
ここまでフィボナッチ・シーケンスについて解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- ステップメールとはあらかじめ順番通りに用意された自動配信のメールシリーズであり、英語圏ではメールシーケンスと呼ばれる。
- フィボナッチ数列とは前の二つの数字を足して作る数字のセットである。
- フィボナッチ・シーケンスとはステップメールの送信頻度をフィボナッチ数列により決定する手法である。
- フィボナッチ・シーケンスを使うと、適切な配信頻度により見込客とのエンゲージメントを上昇させることができる。