あなたはリストに対して一斉送信をすることがどこか非効率的だと感じていませんか?もしそうならばリストの中を細かく分けて、用途に応じて送り分ける方法を学びましょう。日本ではセグメント配信、英語圏ではセグメンテーションと呼ばれる方法です。ここからセグメンテーションの必要性について解説しています。
あなたは興味のない人にまでメルマガを送り続けてしまい、怒りの返信メールをもらったこともあるかもしれません。または開封率が10%のリスト全体に対してメールを送り続けることに疑問を感じていたかもしれません。英語圏では一斉送信メールはEmail Blast(略してe-blast)と呼ばれて、単なるメルマガの送信とは区別されています。そして一斉送信は、あらゆるビジネスにおいて非推奨の行為として捉えられています。その代わりに推奨されているのがセグメント配信です。それでは一緒にセグメント配信について見ていきましょう。
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マーケティングの重要施策であるメルマガの購読者は全員同じではない
一斉送信メールの問題は、リスト内の全員に同じメッセージが送信されることです。ですが実は、リスト内の人たちは全員同じではありません。たとえリストが小さくても、大きくてもリストの中にいる人々は一律同じではないのです。急にそんなことを言われても納得できないと思います。なのでちょっと例を出してみましょう。
- リストに登録してからの期間が異なる
- 開封やクリックなどをするかどうかのエンゲージメントが異なる
- 海外にも見込み客が多い場合はタイムゾーンが異なる
- 過去の購入履歴の有無が異なる
- 会社員や起業家などの職種が異なる
さて少し分かって頂けたでしょうか?メールの購読者は1人1人違います。そのため、彼らがあなたのメールに期待していることも様々です。無料のeBookだけが欲しいし、毎週のニュースレターを読みたい、セールの時期だけ商品を買いたいなど人によってニーズが異なります。
このセグメンテーションの話を聞いて、難しそうという感情が湧いたり、なぜか抵抗感が出てしまうのも無理はありません。でも安心してください。セグメンテーションはあなたが思うほど大変なものではありません。MailChimpやConvertKitといったEメールマーケティングツールには、比較的簡単にセグメンテーションが行えるような機能が実装されています。
あなたに必要なのは、セグメントが必要というアイデアだけなのです。つまりセグメント配信とは、購読者が何をして何をしなかったのか?または彼らがどんな人達であるか?に基づいて、送るメールをカスタマイズすることを意味しています。セグメンテーションが比較的簡単にできるからこそ、あなたにはどんなセグメンテーションを行うかについてじっくり考えて欲しいのです。
セグメント配信の肝はメッセージのパーソナライズにある
あなたがメルマガを送るとき、そこには達成したい目的があるはずです。だいたいの場合、メールにおいて購読者に行動を促すCTA(Call To Action)は1つに絞られます。つまり、キャンペーン商品を買って欲しいとか、無料教材をダウンロードして欲しいとか、ライブ配信に参加して欲しいといった行動です。何らかの目的を持ってメールを送ると思います。
購読者にあなたが望む行動を取ってもらいたければ、その可能性が高い人たちをセグメンテーションしてその人たちだけにメールを送りましょう。もしも商品を買って欲しいという目的があるのならば、過去に商品を買ってくれた人だけにメールを送るのが良いでしょう。もしかすると、たとえ商品を買っていなくても直近のメルマガを読み続けてくれている人なら可能性があるかもしれません。
もっと細かいことを言えば、商品の購入者を2つに分類すれば読者をさらに細分化することができます。過去に価格の安い商品を買ってくれた人を一般購読者、または高額商品を買ってくれた人をVIP購読者のように分けるのです。こうすることで、個々のセグメントに対してカスタマイズされたメッセージを送ることができます。
一般購読者には安めのセール商品の案内を送り、VIP購読者には高額な新商品やコンサルティングサービスの案内を送るということもできます。逆に最近全くメルマガを開いていない人、メルマガを開くけど全くクリックしない人には商品は売れない可能性が高いです。そういう人に送り続けてもスパムフォルダに入りやすくなるか、購読解除されるだけでしょう。
このようにメルマガやキャンペーンの効果を最大化するためには、メッセージをパーソナライズすることが重要になってきます。セグメントを細かくすることで、一斉送信のときよりも購読者が反応しやすいメッセージを送ることができます。書き手と1対1で話してるかのようにパーソナルに受け取ってもらえれば購読者の反応は大きく上昇します。
セグメント配信は本当に効果があるのか?
さてここまでメールのセグメンテーションについてお伝えしてきました。ですが、セグメントごとに配信する方法は本当に効果があるのでしょうか?その部分に確証が持てないとなかなかメールをセグメントごとに分けようとは思えないはずです。セグメントにはやはり少しの手間がかかるからです。
そこであるデータをご紹介しましょう。それはMailChimpが公開しているグローバルな調査データです。同社のシステムを介して送信された1万1000個のキャンペーン、合計受信者900万人分を分析したものなので信ぴょう性の高いデータになっています。そのデータによるとセグメンテーションを行うことで、一斉送信と比べて次のような効果が得られるようです。
- 開封率は14%高い
- クリック数は101%高い
- バウンスつまりメールの不達は4.65%低い
- スパム報告は3.90%低い
- 登録解除は9.37%低い
(引用:https://mailchimp.com/resources/effects-of-list-segmentation-on-email-marketing-stats/)
特にクリック率が101%高いというのが大きなインパクトを持っています。101%高いということはつまり、セグメンテーションをするとクリック率が2倍になるということを示しています。あなたがセールスのメールを送ったら、今までの2倍の人たちがセールスページのリンクをクリックしてくれるということです。どうですか、ワクワクしてきませんか?
リスト全体をどのようなセグメントに分けるか?その方法はほぼ無限に存在します。あなたはセグメンテーションのすごさに興奮してすぐにでもやりたいと思うかもしれません。でも1つ注意して欲しいことがあります。それはストーカーみたいにならないこと。どういうことでしょうか?
確かに優れたEメール配信ツールのおかげで、あなたはリストについてこれまでより多くのことを知ることができます。彼らが何通のメールを開封し、そのうち何回クリックしたのか。アクセスしている国は日本なのかアメリカなのか。男性なのか女性なのか。さらにだいたいの年齢を推定してくれるツールもあります。
ですがメール購読者の立場からすれば、自分が監視され追跡されていると思うのはやっぱり嫌なものです。例えば「斉藤さん、こんにちは。あなたは先週メールを8回開いてリンクを2回クリックしてくれたので、特別にこのメールをお送りしています。」なんてメールが来たらちょっと怖いですよね。
メールをセグメント配信するのは良いですが、あなたが購読者のことを色々と知っていると伝えるのはやめておきましょう。それさえ避けてもらえれば、セグメンテーションはあなたのEメールマーケティングに大きなインパクトをもたらしてくれることを理解して頂けたと思います。
まとめ:セグメント配信はEメールマーケティングの重要施策である
ここまでセグメント配信の必要性と効果について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- セグメント配信とは、リストの中を細かく分けて用途に応じて内容を送り分けるメール配信の方法である。
- リスト内の購読者はそれぞれ少しずつ属性が異なっているため、別々のニーズを持っている。
- セグメント配信を行うと、購読者ごとのニーズに合わせてメールの内容をパーソナライズできるようになる。
- 世界的な調査データによると、セグメント配信は一斉送信と比べてマーケティング上有利である。
- セグメント配信を行う際には、配信者が購読者に関するデータを追跡していることを伝えないように配慮する。