いざ料理動画を作ろうと思うと1つの悩みが頭をよぎります。
「でもさ、やっぱり値段の高いカメラを使わなきゃいけないんじゃないの?」
答えはNo!僕たちも最初は家にあるカメラでスタートしました。1万円ほどだったかな?
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撮影機材
もちろん高いカメラの方が良いに決まっています。ただ以前も説明したようにカメラの価格と画質の関係は、Caseyが言うように次のような曲線を描くのです。
$100の安いカメラに、さらに$500を追加して、おおよそ$600のカメラを買えば本当に動画クオリティは上がります。最初購入したのはドン・キホーテに売っていた$100ほどのビデオカメラです。次に購入したのはCanonのiVIS G20です。これは$600ほどで購入しました。実際にこのレベルのカメラを使って十分に稼ぎ続けているYouTuberはたくさんいます。運良く僕らはビジネスがうまくいったので、いよいよ$1000以上のカメラを購入しました。PanasonicのGH4です。さらにNocticronという超明るいレンズを購入しました。それぞれ約15万円ほどでした。
もう一回言います。$600も出せば、本当にハイクオリティな動画を撮影できるビデオカメラが手に入ります。たぶん購入するための判断材料を集める検索行動自体が楽しいでしょうから、あえて「これを買ってください」とは言いません。色々と検索してみてください。
ビデオカメラでも、一眼レフでも、ミラーレスでもなんでも良いと思います。僕らが持っているGH4はミラーレスカメラです。
ちなみにこの動画。
僕が敬愛してやまない(というか動画制作に興味を持ったのは彼のおかげ)レオナルドさんの作品。これ、映像クリエイターの最高峰とも言える、Vimeoで2014年の大賞をとった作品です。なんと、これは僕のGH4よりもさらに古いGH3を使って撮影されています。今、ヤフオクでGH3を探してみると$300ほど(3万円ほど)で美品やほぼ新品のものが見つかりました。ほらね、このくらいの価格で、あんなすごい動画が撮れるんですよ。もしカメラを探す時間が勿体無いと思うのであれば、かつ予算が許すのであれば、PanasonicのGHシリーズはおすすめです。僕らもかれこれ3年以上使っていますし。
そろそろ本題に入らせてください。動画のクオリティは音質で決まります。これマジです。だから良いカメラを買ったなら、必ず良いマイクを買ってください。先ほど紹介したレオナルドさんは、インタビューにこう答えています。
People say that audio makes 50% of a movie; I say it is 80%. That’s why sound design is extremely important to me. Sound effects and ambient sound bites are essential to emphasize the visuals and the mood you want to create.
みんな、映像の5割は音で決まるって言うけどさ、僕は80だと思うね・・・と。動画のクオリティは音質で決まると考える彼にとって、サウンドデザインは”過剰なほどに”重要なことなのですね。とはいえ、カメラに比べてマイクは安いので、仮に最高峰やそれに準ずるものを購入しても、それほど大きな出費にはなりません。例えば、登録者100万人を抱える料理系YouTuber – Peaceful CuisineのRyoya TakashimaさんはRodeのマイクを使っています。
僕らもこのRodeのマイクを長く使っていました。数年前に http://mimimic.com/products/free-space/ こちらのマイクに変えたところ、なんとなくこっちの方が良い気がする・・・だけで、オーディエンスの評価はちっとも変わっていないし、マイクを購入した直後に売上が途端に伸びたわけでもないので、ただのオーバースペックだと思っています。僕らよりも廉価な撮影機器を使って、僕らよりも多くのオーディエンスに作品を届けているYouTuberはたくさんいます。必ずしも良い機材を使っている人の方が良い作品を作れるというわけではありません。
よし、GH3の中古を$300で購入して、Rodeのマイクを$200で購入した。あとは、レンズが必要ですね。単焦点のレンズであれば、明るく綺麗なボケ感を出せるチープなものはたくさんあります。Udemyに公開しているほとんどのレクチャーは、この$150のレンズで撮影されました。
さらに三脚も必要ですね。自宅のDIYスタジオで撮影するときは、Manfrottの055シリーズ・アルミ三段を使います。重いので持ち運びには向きませんが、安定感があります。旅行中はSIRUIのアルミ五段を使ってます。これ、世界的に評価されている三脚です。コンパクトだし、軽い。
最後に128GBのSDカードを$50ほどで購入すれば、もうこれで全部なんじゃないかな。少しまとめてみましょう。
- カメラ GH3 $300
- マイク Rode $200
- レンズ f1.7 $150
- 三脚 SIRUI $100
- SDカード $50
- ————
- 合計$800
この動画ビジネスを始めるイニシャルコストは8万円ほどです。どうです?この8万円を拠出できますか?うーん、8万円の出費はしんどいなあと思うのであれば、それぞれのグレードを幾分かダウンさせて、もう少し安いものを買ってもいいかもしれません。なんなら思い切って、手持ちのスマフォで始めてみるのも1つのアイディアです。最近のiPhoneは4Kで撮影できるし、かなり綺麗な絵になります。ただ音質はよくないので、ZOOMやSHUREのiPhone専用マイクを着けて撮影することをお勧めします。せっかくここまでノウハウを吸収したんだし、何もやらないで終わるなんてさみしくないですか?あなたは料理をマネタイズしたいと思っているんですよね?そうであれば、実際にやってみてください。お金が「やらない理由」になってほしくないです。一切の出費ができないというのであれば、とりあえずはそこから始めてみてください。で、あなたの作ったビジネスが本当にお金を生み出してくれるかをチェックしてください。運よく収益が生まれたら、そのお金を先に挙げた撮影機材へと再投資してください。そして綺麗な動画を作り、もっともっとお金を稼いでください。
撮影環境
次です。撮影環境について考えましょう。アルマザンキッチンのように、キッチンテーブルもない野外で撮影できるくらいなんだから、基本的にはどこでも料理できます。撮影環境を考えるときは次の3点を意識するようにしましょう。その前に・・・
きっとあなたはこう思っているはず。綺麗な料理動画を撮影するためには、綺麗なキッチンが必要だと。これも答えはNoなんですね。例えば、日本のキッチンは常に壁と隣接しています。つまり調理中はあなたの後ろ姿しか撮影できないことになる。これだとどれだけファンシーなキッチンを持っていても、宝の持ち腐れ。あなたの動画をよりリッチな見た目にする方法をお伝えします。撮影環境を整えるとき、次の3点を意識してください。
- 大きなテーブル
- 光量
- ノイズ
大きなテーブル
例えば、Cooking With Dogの動画をみてください。普通の自宅で撮影しているんですけど、キッチンに背中を向けて撮影しています。シェフの前に大きなテーブルを並べている。これがポイントです。料理をする人にとって、安定した大きなテーブルはマストツールでもあります。調理場所が狭いと、料理する気が失せませんか?大きめのまな板を置いて、調味料を並べて、あれもう置く場所がない。モチベーションダウン、みたいな。
光量
次に大事なのは、光量です。文字通り、光の量です。カメラはレンズを通して撮影素子(センサー)にたくさんの光を集めます。十分な光を集められないと、ノイズが発生して、画質が悪くなります。そういえば、Udemyのベストセラー講師であるPhill Ebinerさんは、YouTubeで$2400の照明を購入したって言っていました。トップクリエイターは、まず「光」に投資をします。
例えば$1000を超えるミラーレスカメラGH5を使って”暗い場所”で撮影してみましょう。ノイズがたくさん入って、汚い動画が完成します。一方、$100ほどのチープなカメラを使って日当たりの良い屋外で撮影してみましょう。綺麗な動画が完成します。そのくらい光って大事なんです。
だから現時点で、あなたのキッチンがファンシーであろうとなかろうとそれほど重要ではありません。大きくて安定したテーブルを購入し、それを日当たりの良い窓の横に設置しましょう。この2点を完璧に満たしているのが、Ryoya Takashimaさんが運営するPeaceful Cuisineの映像です。
カメラから見て、被写体の右側に大きな窓を用意しています。当然ですが、Ryoyaさんは引っ越すときに、日当たりの良さと窓の大きさを確認したはずです。
いやー、大きなテーブルを置く場所もないし、そもそも日当たりが良くないし・・・。そんな方のためにとっておきの撮影環境を紹介します。それは、外です。そう屋外で撮影する。動画クリエイターにとっては当たり前のことなんですけど、雨が降って、雲が空を覆い、今日はなんだか暗いね・・・って日でも、LEDで煌々と照らした室内よりかは遥かに明るいのです。
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/desktop/dd319008(v=vs.85).aspx
この表をみてください。明るさを表す、ルクスという単位。明るい室内の最小値が1001であるのに対し、薄暗い屋外は5001です。もう外の方が5倍ほど明るい。そうなんです。自然光を使って外で撮影すれば、お金はかかりません。
例えばこの動画。
https://www.youtube.com/channel/UCY52t7okvv7-Y78wmzvFebA
宮古島のお隣、伊良部島にあるビーチで撮影した動画です。綺麗な海の100選に入るほど素敵なビーチ。しかもBBQ用の火を起こす場所と、大きな安定したテーブルが用意してある。何よりすごいのが、誰もいない・・・。オフシーズンだから、観光客も地元の人もいませんでした。
どんな時でも方法は100万通りある
さて、ここまでで色々なオプションを紹介してきました。
- お金をかける方法
- お金をかけない方法
- 屋内でやる方法
- 屋外でやる方法
- などなど
ここに僕の大好きな言葉があります。福島正伸さんの言葉です。
どんな時でも方法は百万通りある
初期費用は10万円ほどしか出せないけど・・・。大丈夫です。方法は百万通りありますから。
カメラもテーブルも買うお金はないけど・・・。大丈夫です。方法は百万通りありますから。
家の中は暗いし狭いし汚いし・・・。大丈夫です。方法は百万通りありますから。
僕が言いたいのは、あなたが制限と思っていることは、大して制限ではないということです。そういう誤った思い込みを、ビジネスをやらない理由にして欲しくないのです。YouTubeの盛り上がりや、IPO間近のUdemyを見ると、まさに参入タイミングは今だと思うのです。
少子高齢化が進み2025年には団塊世代の大半が75歳を超えます。それまであと数年。2020年の東京オリンピックまであと数年。AI、ロボット技術が進化し、ブロックチェーン、トークンエコノミーなどがここ数年で一気に加速しました。フィンテックのおかげで、キャッシュレス時代はもうすぐそこまできています。生活が劇的に一変する。まさに江戸から明治への大転換のようなタイミングです。
一方、インターネットビジネスの分野では・・・。HubSpot、Udemy、InfusionSoftなどの、デジタルマーケティングのツールやシステムが、ポンポンと登場しました。Googleはあらゆる便利なツールをほぼ無料で配布し、それを享受しているネット起業家はたくさんいます。Amazonのおかげで、田舎の片隅にいながら、世界中のあらゆるプロダクトにリーチできるようになりました(沖縄県のとある離島にいても、メキシコでしか手に入らないトルティーヤプレスが購入できるんです。さっき買いました!)
こういったテクノロジーをうまく組み合わせていけば、できないことはないと思いませんか?あなたが制限だと思っていることは大した制限ではありません。実際に、時期をとらえてビジネスを作り、上手に仕事を軌道に乗せている人はたくさんいます。例えば、その典型が、Udemy長者です。2016年にUdemyに参入し、今は数万人の受講生を抱え、週に数時間の労働だけで十分に生活できるお金を稼ぐ人たちがいます。彼らは、少ない初期投資でビジネスを始め、少ない労力でそれを拡大しました。そういうやり方が、この世には存在するということです。そして少なくない数の人たちが、そのやり方を採用してうまくやっているのです。
こういった時代的な変化のなか、古いパラダイムで働き続けることの非効率さを誰もが感じとっています。あなたも少なからずそういった感覚をお持ちかもしれません。なんとなく「このままじゃダメだ」と思っている。新しいパラダイムに移行するベストなタイミングはいつか。新しい働き方を始めるのはいつがいいのか。デジタルマーケティングの世界では、HubSpotがニューヨーク証券取引所に上場しビットコインで盛り上がった直近の数年間、は過去50年の変化よりも大きいと言われています。
逆算すると、この数年が勝負と言えそうです。
忘れないでください。どんな時でも方法は100万通りあります。自らに勝手に制限を設けて、やらない理由をわざわざ探すのは、時間の無駄だと思いませんか?できない理由ばかりを考えて、このビジネスチャンスを逃すのは、非常にもったいないことだと思うのです。
僕がお話ししているのは、どうやったらあなたの料理をマネタイズできるかという小さな話ではありません。どうしたら未来に向かって大きく成長する収益の柱を今この瞬間から創造できるかということです。今、あなたは、あるいはあなたの家族は、何本の収益の柱をお持ちですか?この時代の転換期に大きなチャンスを掴み、収益の柱を作りませんか?料理をマネタイズする方法は、あなたにとって大きく安定した収益の柱の1本になることでしょう。大事なのは、その枠組みを水平展開することです。一度、ゼロからビジネスを作り上げた人は、次に同様のビジネスモデルを作る時、最初の労力の半分でそれを完成させられます。さらにその次は、もう半分の労力で・・・。という風に、2つ目以降のビジネスモデルを作ることは非常に簡単なことなのです。
あとはあなたの労働観とのすり合わせです。もっと稼ぎたい人はもっと働けばいい。もっと自由が欲しい人は労働時間を上手にコントロールして、最小のエネルギーで事業をメンテナンスすればいい。僕らは、土曜日の午前中だけ働いて、世界中を家族と快適にまわれるだけのお金があればいいと考えていました。それが僕らの労働観でした。幼稚園や保育園に頼らず、二人の子供の面倒を見たかったので、たくさん働いてたくさん稼ぐという発想はありませんでした。これもやはり僕らの労働観です。
・・・かなり話が脱線しましたね。要約すると、やっぱりこの名言に全てが集約されます。
どんな時でも方法は100万通りある
ノイズ
さて、次です。前半で動画のクオリティは音で決まると言いました。だから比較的、高価なマイクを買ったほうがいいとも言いました。でも環境音があまりにもうるさすぎると、マイクが高級であればあるほど、それらの音を丁寧に拾ってしまいます。アルマザンキッチンのように、川のせせらぎや、鳥のさえずりなら、聞いていても不快ではありません。でも、車のクラクションや、飛行機の音、ガヤガヤした生活音は、ただのノイズです。限りなく除去した方がいいでしょう。
運よく、家の中が静かであっても、冷蔵庫の音やエアコンの音は想像以上のノイズになりますので、しっかりと電源を切った上で撮影するようにしましょう。小さなお子さんがいるお家は、彼らが寝ている時間を見計らって撮影をするか、パートナーに散歩に連れていってもらっている間に撮影するといいかもしれません。我が家の場合は、僕が二人の子供を散歩に連れてゆき、奥さんが家で撮影をします。屋外で撮影する場合は、僕と奥さんが交代交代で子供の面倒を見ることが多いようです。
ビジネスはサステナブルであるべきだと説明したのを覚えていますか?全ての条件をベストなものに揃えようとすれば、色々と負担が重くのしかかってきます。最高品質のカメラとマイクを購入するのであれば、金銭的コストが負担となります。毎回、子供を連れて屋外で撮影するのもやはり労力という面で大きな負担になります。あなたがのどかな街に住んでいて、車もほとんど走っておらず、子供がのびのびと遊べる広い場所があれば、屋外という選択肢は魅力的ですね。こんな風に、収入・住んでいる場所・近所との関係・持っている機材・持っているスキル・家族の協力など、人それぞれシチュエーションが異なりますから、サステナブルなビジネスを実現する方法は十人十色です。
特にリソースが限られている、僕たちのようなスモールビジネスのオーナーは、何かを取れば何かを捨てる覚悟が必要です。あちらを立てればこちらが立たず。全てを取ることなんてのは不可能です。逆にいえば、何かを捨てれば何かを取ることができるわけです。いわゆるトレードオフってやつですね。
一点豪華主義という考え方
全てのものがトレードオフの関係にある以上、これだけは死守したいというものを明確に理解しておく必要があります。あるいは優先順位を振っておくのもいいかもしれません。
あなたが賃貸するお家を決める時、何にプライオリティを置いて考えますか?駅から近い?賃料の安さ?近所との関係?間取り?一番最悪なのは、どれも「まあまあ」な賃貸を選んだ結果、どれも満足できないというケースです。そうであれば、一点豪華主義を貫いて、どれか一つだけを取りにいく。
- もうどんだけ家賃が高くてもいいから、駅の目の前に住みたい。
- 若干治安の悪いところだけど、賃料が安ければそれでいい。
- 他の人に比べて、家の中にいる時間が長いから間取りはすごい重要。
これが一点豪華主義です。ビジネスにおいても同じです。僕らがこの料理をマネタイズするビジネスに取り組んだ時、絶対に死守したいものがありました。それは家族との時間です。具体的には子供と過ごす時間です。だから仮に大きく稼げる手法があったとしても、それが時間を喰うものであれば、絶対に採用しません。時間を節約できるもの、時間を創造できるものにどんどんお金を投資していきました。もちろん最初は小さく、です。
僕らにとって、時間を喰うビジネスは、サステナブルではありませんでした。継続できる気がしないのです。比較的大きな収入があっても、家族とすごす時間が少なければ、すぐにモチベーションを失ってしまい、継続できなくなります。住む場所を決めるときも、道具を選ぶときも、マーケテティングの手法を選ぶときも、どれも「時間」を基準にして考えます。
時間が消費されるなら、選ばない。時間が創造されるなら、選ぶ。
「時間」という一点だけを死守する結果、多くのことを諦めねばなりませんでした。それでも後悔はありません。時間から得られる効用が最も大きいからです。
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