Udemyはもともと大きなサイトです。
いわば、デジタルコンテンツを販売するAmazonのようなもの。
僕たちが日用品や家電製品を購入するのにAmazonを利用するように、人々はオンラインコースを購入するのにUdemyを使うようになってきました。
正直、放っておいてもコースはどんどんと売れていきます。講師の努力とは関係なく、Udemyは粛々とコースを売り続けてくれます。強いて言えば、受講生が喜んでくれる良いレクチャーを作り続ける・・・くらいでしょうか、僕らにできることって。いいや、そんなことはありません。良いレクチャーを作るのは当然なんだけど、僕たちも売る努力をすればいい。Udemyにはオーガニック売上の他に、講師によるプロモーションというのがあります。オーガニック売上は、Udemyの努力によって計上された売上。講師プロモーションの売上は、講師の努力によって計上された売上。オーガニック売上は、Udemyに販売手数料を払う必要があるけど、講師プロモーションの売上は、ほぼ100%を自分の収入にすることができます。
Udemyを嫌う一部の人たちは「あんな高いコミッションを取りやがって!コンテンツの所有者は俺だぞ」と思うようですが、自分でプロモーションする大変さやマーケティング、集客のしんどさを理解していないのでしょう。僕たちはそういうスタンスではありません。Udemyに支払う販売手数料は、妥当です。彼らの努力に見合う取り分だと考えます。だから、Udemyに感謝しつつ、一方で自分で商品を販売する努力もする。あなたがもっと多くのコースを自分で販売できるようになれば、当然ながらUdemyの総収益(=オーガニック売上+講師プロモーション)は大きくなります。
レクチャーを作成し、Udemyにそれを公開する。いくつかのコースを有料化し、本物のお金を手にし始める。あなたは料理をマネタイズしている実感をえます。僕らがMYCでお伝えした手法を使えば、多かれ少なかれ、あなたはこの段階にくることができるでしょう。で、次は何?あなたのネクストステップは、マーケティングです。マーケティングは、少し大げさかな。Udemyのコースをもっと売るために、様々な施策を行います。
文字通り、数千、数万のマーケティング施策があります。(効果があるものも、効果がないものもあります)
僕たちは、仕事をするにあたって、常に成果に結びつく20%の努力を気にしています。いわゆるパレートの法則ですね。2割の努力が8割の成果を生むっていうあの法則。世の中には数多くのマーケティング施策がありますが、本当に有益な手法はきっと2割もないはずです。しかしその2割ほどの手法が、世の中の8割の売上に貢献している。これは間違いありません。僕たちも、Udemyに参入してから、色々とブログを読み漁り、様々なUdemy・テクニックを教えてくれるコースを(全て非公式)購入し、彼らが勧める手法を実践してみました。実際、効果があったのは、全体の2割ほど。
ここでは、僕たちが編纂した本当に効果のある2割のマーケティング施策のみを紹介します。
今回お届けするノウハウはこちら
1. Promotional Announcement
Udemyのトップクリエイターは、必ずPromotional Announcementを使っています。お金になるからです。Promotional Announcementは月に2回使えます。講師ダッシュボードから割引クーポンを発行し、クーポンが適用されたURLを発行します。Udemyは頻繁に一律プロモーションを行なっていますが、だいたい$10〜$18のレンジで商品を販売しているため、それよりも低くなるように割引クーポンを発行します。ただし$10以下には設定できません。なぜ$10〜$18よりも安い値段で販売するのか?あるブログで言及されていました。
Udemyは頻繁に割引プロモーションを実施しているから、正規の値段で買うのは馬鹿らしい
・・・と。正論ですね。きっとほとんどの受講生も同じことを思っているはずです。ある人は次のプロモーションを待ち、ある人は「コース名 + クーポン」を検索してコードを発見し購入していることでしょう。ほぼみんな知っているんです。仮に24000円の値付けがされたコースでも、時期によっては1000円や1800円で購入できるということを。だから、あなたがコピーライティングのテクニックを使って、相手を惑わすようなセールス文章を書いたとしても、$20や$30で商品を購入する人はほとんどいません。郷に入れば郷に従え。Udemyでコースを販売するってことはそういうことなんです。高い値付けをして、高い値段で商品を販売する・・・という行為はUdemyでは馴染まないんです、残念ながら。
じゃあ思い切って、大幅ディスカウントをしましょう。
どうでしょう。正規料金は¥24000のコース。思い切って90%以上のディスカウント!というか最安値です。¥1200円で販売します。みてください「あなたの収益」の部分です。約$10の売上に対して、$9.11の収益が計上されています。お客さんがクーポンコード(1200MAY31)を利用してコースを購入したので、Udemyオーガニックではなく、あなたのプロモーションとして売上が計上されています。覚えておいてください。Udemyでは、あなたのクーポンを経由してコースが売れた場合、決済手数料をのぞいたほぼ全ての収益が手に入る、ということを。
僕らの場合、おおよそ1通のPromotional Announcementで$500ほどの売上になります。たった1通のメールを送るだけで、$500ほどの報酬になるんだから、使わない手はない。月に2回送信すれば、$1000です。
忘れないでおいて欲しいのが、Promotional Announcementを使うためには、最低でも2つ以上のコースが必要ということ。Aというコースの受講生に対し、Bというコース(またはC)の割引クーポンを発行して、Promotional Announcementを講師ダッシュボードから送信する。ね?2つ以上必要でしょ。
Promotional Announcementを成功させるための、いくつかのテクニックが存在します。例えば、ディスカウント率を変えた複数のクーポンを発行する方法や、時間制限・数量制限を設けて緊急性を創出する方法、ほかには古典的なセールスレターから言い回しを盗む方法や、コンサルティングやサポートなどのプレミアムをつける方法などがあります。詳しくはこちらのプログラムで学んでください。全てのテクニックがカバーされています。
2. Educational Announcement
Udemyは2つのコミュニケーションツールを用意しています。1つはPromotional Announcement。先ほど説明した、他のコースを販売するためのツールです。もう1つはEducational Announcement。用途はエデュケーショナルである必要があります。もっぱら、受講生の学習につながるコンテンツのためだけの利用できます。
具体的には、補足レクチャーの追加をお知らせする。僕はMailChimpの使い方に関するコースを持っているんですけど、コースを公開してから、いつも同じような質問を受け取ることに気づきました。それは「フォームの生成方法がわからない」というもの。いちいち質問に答えるのは面倒だし、何より多くの受講生がそこで躓いているんだから、動画レクチャーにしてあげたほうがいいですね。PDFを配ってもいいでしょう。タイトル「追加講義:フォームの生成方法」・・・みたいな感じで。質問者や受講生はあなたの真摯な態度に、好感を抱くかもしれません。信頼が構築されるかもしれません。もしかしたら一部の人は「この人からもっとコースを買いたい」と思ってくれるかもしれません。
大事なことというか、注意しなきゃいけないことがあります。いくら信頼を構築し、間接的にはあなたの売上に繋がるからと言って、Educational Announcementの中で売り込み行為をしちゃいけません。売り込み行為に準ずることも一切禁止です。以前、ジョイントベンチャーしている講師が、これに引っかかり、僕もとばっちりを受けた経験があります。気をつけてください。
米国のベストセラー講師は、Surveyをすることもあります。Google Formを使って「#01あなたの知りたいトピックはなんですか?」と「#02具体的にどんなことが知りたいですか?」という質問を用意してアンケートを取ります。一つ目の質問に対する回答方法は、選択式にしましょう。いきなり記述式にすると人は回答そのものをやめてしまいます。二つ目の質問で記述を求めてもいいですが、任意としておきましょう。人は面倒なことを嫌うものです。不思議なことに、人には「コンプリートしたい」という感情があります。心理学のツァイガルニク効果ですね。一旦、一つ目の質問に答えてしまうと、二つ目の質問にも答えたくなってしまう。だからファミレスなどのアンケートも、前半は選択式になっていて、後半は記述式になっています。最初に記述で回答を求めると、アンケートの回答数そのものが減っちゃうんですね。
アンケートで得た結果は、次のコース作成の着想に繋がることでしょう。あるいは、既存コースにレクチャーとして追加してもいいかもしれません。受講生はよりハッピーになり、高評価をしてくれるかもしれません。Udemyのアルゴリズムは、レビューを重視しています。高いレビューを獲得したコースは、アルゴリズムが「良いコース」と判断して、Udemy内での露出が増えます。つまりあなたのコースがもっと売れるということです。
3. ボーナスレクチャーを設置する
Udemyは、コースの一番最後のレクチャーをボーナスレクチャーに設定しています。講師に「自由に使っていいよ!」という枠を与えている。ある人は、出版した本の宣伝をします。ある人は、僕のように独自コンテンツを販売したり、コンサルティングを販売します。ある人は、Udemyの別コースを販売しています。どんな風に使ってもいいんです。Udemyのトップクリエイターの9割は、別のUdemyコースを販売しています。
クーポンを発行してコードをURLに埋め込み、それをボーナスレクチャーに記載する。すでにあなたの商品を購入した人は、あなたのことを信頼し、あなたのコンテンツに好意を抱いているはずです。例えば誰かがあなたのメキシコ料理のコースを購入してくれたとする。動画が綺麗で、情報も豊富なコースだった。彼(彼女)はそのコースに満足して、ボーナスレクチャーで販売されているフィリピン料理のコースを追加で購入してくれることでしょう。あなたの発行したクーポンを経由してコースが売れた場合、講師プロモーションの売上に計上されます。
ここでも$10〜$18のディスカウント価格でオファーすることをお勧めします。基本的には最安値の$10でオファーすることが多いようです。講師プロモーションの売上は、取り分が97%です。だから1コース売れると、おおよそ$9の収入になります。同じお客さんに別商品を購入してもらい、顧客単価をあげようとする取り組みをマーケティング用語でクロスセルと言います。どの業界においても、クロスセルをすると20%の人が購入してくれると言われています。
計算してみましょう。100人の受講生があなたの「メキシコ料理」のコースを購入してくれました。全てオーガニック売り上げです。手取りを33%とすると、1コース売れるたびに約$3の収入になります。受講生が100人だから、総収入は$300です。ボーナスレクチャーでクロスセルをしない場合、総収入は$300のまま。
ボーナスレクチャーでクロスセルをした場合はどうなるでしょう。20%の受講生が追加で商品を購入したとします。100人のうち20人が追加であなたの「フィリピン料理」のコースを購入した場合、講師プロモーションの売上は$180になります。文字通り、講師にとって大きなボーナスです。何もオファーしなければ$300。何かをオファーすれば$480の総収入。この違いは大きいですね。
4. YouTubeの説明欄で販売する
Udemyは、コースの一部をYouTubeにアップロードして集客する行為を認めています。ほとんどのビジネスオーナーがYouTubeを使っています。特に料理動画の場合は、数え切れないほどのレシピ動画がアップロードされています。動画をアップロード した直後に、数万、数十万と再生されれば嬉しいんですけど、そんなにうまくはいきません。それでも何をやらないよりもマシ。YouTubeも長く続ければ、それなりの集客媒体になります。腰を据えてゆっくりと取り組みましょう。説明欄に、クーポンコードを埋め込んだURLを貼り付けておきます。デフォルト設定にURLを設置しておけば、毎回ペーストしなくてもいいので、手間が省けます。あなたのアップロード する動画が、ニッチを責めて攻めている場合、仮にアクセス数が少なくともコースは自動的に売れてゆきます。もちろん講師プロモーションの売上として計上されますので、取り分は97%です。
5. ブログやSNSで販売する
ブログやSNSを書いている暇があれば動画を作った方がいいと僕は考えます。今からビジネスを始めようとしている?一からブログを作り始める?うーん、やめておいたほうがいいです。ブログビジネスがなんで儲からないかは、以前も説明した通りです。SNSでビジネスをするのはもっと非効率です。
とはいえ、もうすでにある程度育っているブログやSNSを持っている場合はそれを利用してもいいかもしれません。サイドバーで他社の商品をアフィリエイトするよりかは断然マシです。記事下やポップアップなどであなたのコースを販売してみましょう。きっと読者の一部はコースを購入してくれるはずです。
6. 見込み客リストに販売する
YouTubeやブログでリストを集めている人もいることでしょう。僕もやっています。リストは、あなたのビジネスに興味のある見込み客です。見込み客リストに対してセールスをかけた場合と、ただのブログ読者やただのYouTube Viewerに対してセールスをかけた場合では、反応率が全く異なります。いうまでもなく、見込み客リストにセールスした方が反応率は高くなります。
僕がGoogleアナリティクスを使って計測したところ、セールスレターで$100の商品を販売した場合、成約率は1%を下回ります。100人に1人が購入してくれるかしてくれないか。一方、見込み客リストに対して同じ$100の商品を販売した場合、成約率は18%ほどになります。100人のうち、18人が購入してくれる。
成約率が18%になる理由は?簡単です。ステップメール機能を使って、見込み客を教育しているからです。見込み客に Give&Give&Giveの精神で有益なコンテンツを配布しまくる。
まとめ
1〜3は、やれば必ず成果が出る施策です。成果が出過ぎるからこそ、その濫用を防ぐために、Udemyは様々な制限を設けています。例えば回数制限をしたり(PAは2回、EAは4回)、数量制限をしたり(ボーナスレクチャーは1回だけ)。一方、4・5は、必ず成果が出るとは言えません。まだYouTubeのチャンネルを持っていない人や、今からブログを作ろうと考えている人にとっては、ほぼ無益な手法です。これまである程度の時間をかけて、それなりに育っているメディアを持っている場合に限り有効な手法と言えます。ブログであれば、最低でも10万PV/月は欲しい。YouTubeであれば、最低でも1万の登録者は欲しい。あくまでも数値的な目安です。これからエネルギーを投下してメディアを育てるつもりであれば、今の状況に関わらず、トライしてみてもいいかもしれません。
僕がお勧めするのは、6です。アメリカでは2ステップマーケティングと呼ばれています。4と5は、視聴者に対していきなり商品を売り込む1ステップマーケティングです。一方、リストを取った場合、ステップメールを通じてお客さんと信頼関係を構築できるので、商品が売れやすいという特徴があります。MailChimpやConvertKitなどメルマガの配信会社を利用しなきゃいけないので、敷居は上がってしまいます。それでもトータルでの売上は、4や5の手法を遥かに上回るものになります。かつてインターネットビジネスを盛り上げてくれた、与沢翼氏は、セミナーの中で「1にリスト、2にリスト、3と4がなくて、5にリスト。三度の飯よりリスト!」と言っていました。