今回のレクチャーでは、Kindleを含む電子書籍についての話題を扱います。電子書籍を作る目的を明確にすることの重要性についてお話しします。タイトルと説明文の作り方、キーワードの重要性がわかったら、次は電子書籍を作る目的を説明する文章を作るのです。このレクチャーを見れば、途中で折れずに電子書籍の製作を最後までやり遂げるためのモチベーションを得ることが出来るはずです。
「電子書籍を作る目的なんて、なぜわざわざそんなことをするのか?」と疑問に思うかもしれませんね。ですが、目的をはっきりさせることで、あなたは執筆活動に集中しやすくなり、読者が求める内容を書けるようになります。詳しく見てみましょう。
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読者とあなたの交点を探す
さて、あなたはなぜ電子書籍を作りたいのでしょうか?一般的に電子書籍の製作では、どんな切り口の本がウケるのか?どんな読者に向けて書くのか?と読者の話ばかりが話題になります。実際、顧客を最優先することは重要です。顧客よりも自分の目的を優先してしまうと、あまり良くない結果に終わるからです。作家が書きたいことが、読者が求めていることとは限らないからです。
しかし、それでも自分が本を書く明確な目的、明確な理由を理解しておくことは大切です。読者の存在を意識した上で、自分の目的を考えるのです。そうすることで、自分が書きたいことが、読者が実際に望んでいるかどうかを意識するようになります。
つまりあなたの書きたいこと、そして読者の望んでいること、両者を明確にしておきます。そうすることで、両者の交わる交点で書籍を書くことが出来るようになります。
そして、いくら自分が書きたいと思うことでも、顧客に必要ないことであれば、それは書くべきでないと理解できます。また、目的を明確にすることで、本を作ることに集中できます。また、目的を明確にすると、僕たちの潜在意識に「自分はこのために本を書いている」というアンカリングをすることが出来ます。書籍の目的が明確でない場合、書いている間にどんどんと目的がズレていく可能性があります。
実際に僕もオンラインコースやウェビナースクリプトを作っていると、コンテンツとして入れたい内容が次々に頭に浮かんできます。最初にしっかりと目的を決めておかないと、中身がどんどん長くなるし、独りよがりになっていきます。
これはクリエイティブな人ほど、陥りやすい罠です。1つの成果物を作ってるうちにどんどんアイデアが湧いてきます。同業者を見ていても、1つの商品を作っている途中でそのアイデアが陳腐に見えてしまって、次の商品を作り出すというのは、ごくごくありふれた現象です。
だから、あなたの出版の目的をハッキリと決めてください。これは、本の中で「やること」「やらないこと」を決めておくのに等しいです。結果として、思い描いていた目標に到達できるのです。
あなたの本のミッションステートメントを作る
では、実際にあなたの本の目的を作っていきましょう。今回は、それをミッションステートメントと呼びます。こういう文章を作ってもらうと大抵、長くて難しい文章になりがちです。読み返してみても、どこがポイントなのか良くわからない。添削しようにも、どう指摘したら良いのか分からないものが出来上がります。
それを防ぐために、僕がミッションステートメントのテンプレートを用意しました。それは次のようなものです。カッコの中には、それぞれあなたの本にあった文章が入ります。
- この本は【 自分の専門的なスキル・ノウハウ 】に関するもので、
- 【 ターゲットとする見込み客 】を助けます。
- 【 独自の解決策 】を紹介して、
- 【 見込み客に約束する変化 】を約束します。
例えば、僕が防災について本を書くとした時の、ミッションステートメントの例文をお見せしましょう。あらかじめお伝えしておきますが、ここに書く書籍案はあくまで説明のためのデモ用です。
- この本は【 僕が子連れで世界一周をした時の防災経験 】に関するもので、【 未就学児のいる家族 】を助けます。【 3年間続けた定住しない生き方の中で生み出したサバイバル術 】を紹介して、【 物資が足りない中で万が一被災しても大丈夫という心の安心 】を約束します。
ここでポイントになるのは、僕の「定住しない生き方」という中での経験をシェアする点です。そして、僕のように小さな子供のいる家族を対象としている点です。また僕らは極端に少ない荷物で旅をしていたので、その経験をシェアしようと考えたわけです。その結果、読者が得られるのは「ああ、こんな少ない荷物でも旅できるんだから、意外と災害時だって平気だよね」という安心感ということにしました。
防災のプロや行政の担当者から見れば、そもそも物資が足りなくならないように備蓄をしておこうとか、一般的な情報が多くなるかもしれません。ですが、そういった意見を気にする必要はありません。
あなたが作ったのは、既にあなたが本のテーマについて、リサーチした結果を元にしたミッションステートメントであるはずです。僕は、自分にしか提供できない情報で勝負できます。この本では一般的な知識ではなく、個人が足を使って発見したマニアックなノウハウを提供しようとしています。
あなたの本を、あなたの人生にとって重要で、かつあなたの情報を必要としている人々にも変化をもたらすものにしてください。その観点でミッションステートメントを作ってください。このようにミッションステートメントを明確にすることで、高齢者に関する話題よりも子供に関する防災知識を書くように軌道修正できたり、話題が脱線するのを防ぐことが出来ます。結果的に、1冊の書籍を書き終わったときに、自分が思い描いていた内容が出来上がっているはずです。
まとめ:目的を明確にして執筆活動に集中する
さて、電子書籍を作る目的を明確化することの重要性について、納得頂けたでしょうか。書籍を書く目的をはっきりさせることで、あなたは本を書くことにより集中できるようになります。またその目的は、あなたと読者の交わる点になければなりません。あなたが提供できる情報、かつお客さんが知りたい情報であることが重要です。それを明確化するために、僕が用意したミッションステートメントのテンプレートを穴埋めして、完成させてください。今回は以上です。また次回のレクチャーでお会いしましょう。